巨大聖堂
塔頂ドームの内側は、静謐な雰囲気が
漂う大聖堂であった。
ヨーコの創り上げた結界のイメージ
とは、神に祈りを捧げるための神聖
なる座であったのだろう。
徘徊する魔物の気配はなかった。
ただひとつ、強大な妖気が聖堂内部に
わだかまっている。
大聖堂の中央に、巨大なクリスタルが
祀られていた。だが、硬質な光を放つ
その表面には亀裂が疾り、水晶の内側
は血の色を思わせる赤に染まっている。
D・S:
あそこだ――あのクリスタルの中に、
ヨーコさんと……虚神の王とやらが
いやがる――
D・S:
いくぜ! オメーら、覚悟はいいな!
D・Sが手を触れると、水晶は目映い
輝きを放った。そして一行は、深い
亀裂の中へと吸い込まれていった。
D・S:
ここまできたら後戻りはできねえぜ。
ヨーコさん、待ってろよ!
最終更新:2020年10月31日 21:29