森林地帯入口


D・S:
う……

D・S:
待て……オマエは俺の、知っている
女なのか……

ヨーコ:
目を覚ましてよ、D・S……

ヨーコ:
今すぐ起きたら、ボクがいーことして
あげちゃうぞー

D・S:
え……ヨーコさん?

ヨーコ:
うふふ……ちゃんと起きれたね。
それじゃ約束通りにしてあげる

D・S:
いーコトを? ひゃっほう! じゃ、
まずは久々に熱い口づけを……その
やわらかそーな唇で……

D・S:
あれ……俺ってヨーコさんとキス
するとどーにかなっちまうよーな……
ま、どうでもいっか。ヨーコさん、
お願いしマス!

ヨーコ:
いいよ……D・Sになら、もっと
スゴくって恥ずかしいコトだって……

D・S:
うおおおおーっ、ヨーコさんんっ!

ヴァイ:
ぎゃあああああっ!

D・S:
うわあああああっ!

ヴァイ:
ななななな、何しやがる! あぶ、
アブねーとこだったあ!

D・S:
ヨ、ヨーコさんが小汚いコゾーにぃ!?
はっ……! ゆ、夢か?

ヴァイ:
迷惑な夢見てやがんなアンタは!
もうチョイで唇を吸われるトコだった
ぜ。おげえ、ペッペッ!

D・S:
テメエこそ不細工なツラ近づけんじゃ
ねーよ! 一生消せねえツラい記憶を
植え付けられるトコだったじゃねえか

ヴァイ:
アンタがいつまでも寝てるからだろ!
船はもうとっくに陸に着いてるんだぜ

竜船が辿り着いたのは、見渡す限りの
樹木で覆われた大森林地帯のとば口と
なる岸辺であった。

船は水中にまで伸びた木の根に、半ば
すくい上げられるようにして座礁して
いた。根に絡みつかれたそれはもはや
移動手段として役に立ちそうもなく、
通り抜けてきたはずの水路も、漂う靄
に閉ざされて視認することはできない。

D・S:
こりゃまた胡散臭え場所に案内された
もんだぜ。船を捨てて、この森林地帯
に踏み込んでいくしかねえってことか

シーラ:
不思議な船ですね……まるで私たちを
導いてくれたかのよう――

D・S:
シーラ、オマエもすっかり回復した
みてえだな。この先は俺たちが守って
やるから、しっかり後ろに隠れてろよ。
何ならヴァイとか盾にしてもいーぜ

シーラ:
ありがとうD・S……できるだけ
お邪魔にならないよう、ついて
行かせて頂きますわ

シーラ:
それと……あなたがお休みの間に、
イングヴェイがひとりで出てゆかれ
ました。生涯の忠誠を捧げた主を捜す
旅を続けると――

シーラ:
せめてあなたが目覚めるまではと
お引き留めしましたが、ずいぶん焦燥
なさっていらして……あなたにどうか
よろしく伝えて欲しい、と承りました

D・S:
フ……アイツらしいか

シェラ:
イングヴェイ……その力が真に必要と
される時まで、どうか無事で……










森への入口に据え付けられた門は施錠
されておらず、その重厚な外観とは
裏腹に容易に開きそうであった。ただ、
もし固く閉ざされていたなら、力ずく
で突破することはできなかっただろう。
そしてこの門が、ここ一ヶ所だけに
設置されているものとは思えなかった。

ヴァイ:
こんな門が造られてるってことは、
この森を根城にしてるヤツがいるって
コトか?



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最終更新:2020年10月31日 21:15