五年前、ヴァレフール騎士団長ケネスの孫であるトオヤとチシャ、そしてヴァレフール伯爵ブラギスの孫娘レアは、一人の魔法使いの少女に導かれて足を踏み入れたドラグボロゥの近辺の洞窟で、一本の大剣を見つけた。その大剣は三人の手によって封印が解かれる同時に、一人の少女の姿となった。
 それから五年が経過した。トオヤは父の後を継ぎ、小さな漁村の領主となった。チシャはエーラムへの留学を経て、トオヤの契約魔法師となった。大剣の少女はカーラと名乗り、トオヤの剣となった。そして、サンドルミアへと留学したレアは、父ワトホートの爵位継承に伴い、第一後継者としてヴァレフールへと帰還することになった。
 この物語は、嘘と真実が織り交ざる動乱のヴァレフールを生き抜いた一人の風雲児と、彼を支えた美しき英雄達の、愛と青春の黙示録である。

トオヤ・E・レクナ
・ロード/パラディン
・17歳
・男性
・タイフォン村の領主
・母親には地球人との不倫疑惑がある
チシャ・ロート
・メイジ/サモナー
・18歳
・女性
・トオヤの従姉にして契約魔法師
・家族の中で自分だけ目の色が違う
パペット(レア、ドルチェ、etc.)
・アーティスト/ミラージュ
・?歳
・?性
・伯爵令嬢レアの影武者
・本来の自分の姿を覚えていない
カーラ
・プロジェクション/オルガノン
・?歳
・女性
・トオヤ達に封印を解かれた大剣
・厳密に言えば「投影体」ではない

第1話「思い出の残照」
 ヴァレフール騎士団長ケネスは、孫であるトオヤに「海賊に狙われているレア姫の救助(という名目の身柄拘束)」を命じる。トオヤはチシャとカーラを伴って、レアと同じ船に(偶然を装って)同船しつつ、彼女の身を守ろうとするが、レアを狙う海賊達とは別に、「異界の蝿」を操る謎の魔法師による襲撃を受ける。
 だが、その魔法師は、目の前にいる「レア(だとトオヤ達が認識していた少女)」ではなく、傍にいるチシャのことを「レア様」と呼び、それが誤解だと聞かされると、今度は(やや遅れて登場した)カーラのことをレアと誤認するなど、不可解な言動を繰り返した結果、最終的にはその身を「巨大な蝿」へと変え、何処かへと飛び去って行った。
 そして、襲撃を乗り切ったトオヤ達に対して、それまで「レア」と名乗っていた少女が、自らの正体を明らかにする。「彼女」は「パペット(人形)」の異名を持つ幻影の邪紋使いであり、レアが子供の頃から、病弱なレアの代役を度々務めてきた影武者であった(5年前にカーラを発見した時の「レア」も彼女であった)。
 現在は「本物のレア」が諸事情により帰国出来ない状態にある、ということをパペットから聞かされたトオヤ達は、ひとまずパペットを「レア」として遇した上で、彼女を連れて自領へと帰還する。こうして、それぞれに複雑な宿業を背負った四人の、苦悩と葛藤に満ちた戦いの日々が幕を開けるのであった。
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第2話「血統と資質」
 トオヤ達がレア(パペット)をケネスの元へ連れて行くと、ケネスは彼女に自身の孫のゴーバンとの縁組を提案するが、彼女がその結論を出す前に、体制派のファルク男爵がアキレスを訪れる。彼は縁組政策に賛同した上でレア姫を首都へ連れ帰ることを要求し、その代償として「宝剣ヴィルスラグ」のゴーバンへの貸与を提案した。ケネスは困惑しつつ返事を保留する(それと前後してケネスは「パンドラ楽園派」がアキレス南東部に投影島を出現させたことをトオヤに伝える)。
 翌日、パペットによる調査の結果、持参されたヴィルスラグの正体がオルガノンであることをトオヤ達は察し、何か裏の策略があることを予感したトオヤはケネスに提案拒否を進言する。その代わりに彼等はファルクに対して「ワトホートの一年以内の退位」と「次の伯爵を決めるための七男爵会議の開催」を条件としてレアを首都へと帰還させ、そして帰還後もトオヤ達が彼女の身辺警護を担当しつつ、彼女の伯爵就任を支援する、という方針でファルクと仮合意に至る。
 こうして、彼等はファルクと共に海路でドラグボロゥの南方の港町オーキッドへと向かうことになり、その途上で謎の傭兵集団オブリビヨンの襲撃を受けるが、無事に迎撃に成功する。その戦いを通じてカーラは「ヴィルスラグの擬人化体(♀)」と遭遇し、そして自分の正体が「初代ヴァレフール伯爵シャルプと宝剣ヴィルスラグの間に生まれた娘」であることを思い出すのであった。
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第3話「託される覚悟」
インディゴ・クレセント
・メイジ/サイキック
・37歳
・男性
・ユーフィーの契約魔法師
・「謎の魔法少女」の直系の後輩
 ドラグボロゥに到着したトオヤ達はワトホートとの謁見の機会を得るが、継承問題について話し合う前に、湖岸都市テイタニアから、火山島近辺で発生した混沌災害への対応のための援軍要請の報が届く。くしくもこの時、ワトホートの異母妹ヴェラが、半年前からテイタニアで発生していた巨大魔獣騒動を解決するために、魔獣を制御するために必要な「侯爵級聖印」を持つ幻想詩連合の盟主アレクシスと、立会人としてのエーラムの魔法師グライフを連れて大陸から帰還していたこともあり、トオヤ達は彼等のテイタニアへの護送と、混沌災害への対処を命じられる。
 テイタニアに辿り着いた彼等は、領主ユーフィーの契約魔法師であるインディゴと協力して、火山の火口の調査の途中で身動きが取れなくなっていたユーフィー達の救出に成功する。その後、魔獣の制御のためには「魔獣(初代ヴァレフール伯爵の母マルカート)と縁の深い物品」を触媒にすることが有効であるという話をグライフから聞かされたトオヤは、カーラがその条件を満たしていることを知り、ユーフィーと話し合った上で、自らが魔獣の新たな主となることを決意する。
 トオヤはアレクシスから聖印を受け取り、魔獣との契約の証の指輪を装着した上で、カーラと精神を同調させた状態で魔獣に語りかけた結果、魔獣の新たな主として認められ、その結果として理性と自我を取り戻した魔獣は火口の奥の魔境へと帰還し、混沌災害は収束したのであった。
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第4話「愛は輝きの果てに」
 トオヤ達はユーフィーから、ヴェラを彼女の本拠地である城下町クーンまで送迎するように依頼を受ける。それ自体は彼等にとって当初の予定通りの行軍だったのだが、彼等とヴェラはテイタニアの下町で、ヴェラの夫イアンの不倫疑惑の噂を耳にしてしまい、不穏な空気が漂い始める。
 イアンの不倫相手の正体は、ローラという名のリャナンシーであり、彼女は千年以上に渡ってクーンの古城に取り憑き、歴代の城主から精を吸い取る代わりに、城主の求める力を与え続けてきた存在であった。ヴェラの長期の不在で心を乱したイアンは、ローラの力を借りることで自分の弱さを克服しようとするが、そのために彼女を抱くことでヴェラへの罪悪感を高まらせるという悪循環に陥る。一方、ローラの方はその悪循環の構造に気付きながらも、自分がイアンに「女として必要とされたい」という感情から、あえて彼に求められるがままに抱かれ続けてきた。
 だが、ヴェラの帰還により、イアンがローラとの関係を断ち切ろうとして二人の関係が悪化したところで、かつてローラと恋仲になったことがある地球人オトヤ(紅の楽士)が現れ、イアンを襲撃する。トオヤ達の助太刀によってイアンは彼等を撃退し、最終的にはローラはイアンの幸せを願って自ら消失した。そしてオトヤは、自分とローラがチシャの母ネネの両親であり、そして自身がトオヤの母とかつて恋仲だったことを告げ、彼等の前から姿を消すのであった。
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第5話「鮮血に染まる空」
オルガ・ダンチヒ
・メイジ/プロフェット
・24歳
・女性
・ロートスの契約魔法師
・オデットの先輩
 長城線の中核に位置する城塞都市オディールの領主ロートスの契約魔法師オルガから、アントリア・ノルド連合軍を撃退するための援軍派遣の要請が、チシャを通じてトオヤ達に届いた。彼等はチシャの先輩であるオデットの召喚したペリュトンに乗って、オディールへと向かう。
 その途上、オーロラ村近辺で出現した鉄鎖の悪魔兵団達を撃退してオルガと合流したトオヤ達はオディールに到着するが、その日の夜、長城線に設置された投石機が、この地に赴任中のトオヤの弟であるロジャー達の手で破壊されたという疑惑が発生する。しかし、諸々の調査の結果、彼等はそれがアントリア側の工作であるという判断に至り、一致団結して迎撃体制を整える。
 一方、ノルド軍の指揮官である梟姫ことマルグレーテはパペットの旧友であり、パペットはそんな彼女と戦うことに葛藤を感じていた。だが、翌日に梟姫に率いられた連合軍による襲撃が発生した際には、パペットは「レア」の姿で梟姫の前に立ちはだかった上で、梟姫がノルドから連れて来た古代龍を倒し、見事に勝利を収める。そしてこの戦いを通じて、パペットは自分の中に「自分自身の感情」としてのトオヤへの恋心があることに気付き、トオヤにその想いを伝え、トオヤもまた彼女に同じ想いを抱いていることを告げる。以後、彼女はトオヤにつけられた「ドルチェ」という名を、自分の「新たな真の名」として受け入れることになるのであった。
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第6話「真実を語る意義」
 アキレス近辺で混沌災害の発生率が高まっていると聞いたトオヤ達は、ひとまず同地へと帰還することになった。そこで久しぶりに再会した従弟のドギの様子がどこかおかしいことに気付いた彼等は、諸々の調査の結果、その正体が「何者かによってドギの姿へと変えられたドギの侍女」だと確信する。トオヤがそのことをケネスに問い詰めると、ケネスは驚愕の真実を語り始めた。
 本物のドギは、チシャの母ネネ(その正体はパンドラ均衡派のエージェント)の手引きによって、パンドラ新世界派の首領(の精神体)に身体を乗っ取られている状態であるという。ケネスはそのことを知った上で、ドギを取り返すことを諦め、パンドラからの賠償金を受け取った上で、(パンドラ楽園派の首領の力を借りて)ドギの侍女を影武者に仕立てることで体面を保とうとしていた。だが、その話を偶然聞いてしまったドギの兄ゴーバンは憤慨し、出奔を決意する。
 しかし、今のゴーバンにはドギを取り戻せるだけの力はない。偶然遭遇した森の魔物との戦いでそのことを痛感した彼は、ドルチェの取り成しにより、その場に居合わせた流浪の聖騎士クレアに弟子入りして、彼女と共に修行の旅に出ることを決意する。そんな彼に対し、ドルチェとカーラは自分の正体を明かした上で彼の武運を祈る一方で、トオヤとチシャは、それぞれに自身の出征の秘密(どちらも、ケネスの本当の孫ではないこと)を知らされることになるのであった。
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第7話「邪紋使いの本懐」
レヴィアン・アトワイト
・ロード/ルーラー
・16歳
・男性
・副団長グレンの孫
・ロザンヌの契約相手
 ケネス派の最前線に位置するマキシハルトの村にて、村の領主に雇われていたオブリビヨンの部隊長ランディが謎の「巨大な黒剣」を手に反乱を起こし、グレン派が支配するオーバーハイムの村を襲撃するという事件が起きた。ケネスとグレンは互いに相手の動向を警戒しつつ、それぞれの孫であるトオヤとレヴィアンにオブリビヨンの討伐に命じる。
 ドルチェの機転により、事前に連絡を取ることに成功したトオヤ軍とレヴィアン軍は足並みを揃えて共同作戦を決行し、オーバーハイムで住民を守るために孤軍奮闘していたレヴィアンの契約魔法師ロザンヌとも合流した上で、反乱の首謀者であるオブリビヨンのランディと対峙する。
 ランディの黒剣の正体は、混沌核を大量吸収して本来の「人間としての身体」を失った元邪紋使いのビート(マキシハルトの領主の息子で、ランディの悪友)であり、ビートのロザンヌへの一方的な愛憎の念にランディが感応したことが、彼等の暴走の原因であった。トオヤとレヴィアンは連携戦術を駆使してランディを倒す一方で、黒剣はランディの混沌核をも吸収して、最後は強大な斬撃をトオヤ達に繰り出しつつも、「物質としての限界」の域にまで達し、完全に消滅する。
 その後、オーバーハイムではレヴィアンとロザンヌが、マキシハルトではトオヤの弟のロジャーとチシャの義弟サルファが、領主とその契約魔法師の座に就くことになるのであった。
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第8話「姫君の帰還」
ウチシュマ
・プロジェクション/神格
・13歳
・女性
・ぐーたら駄女神
・現アントリア子爵と神格の間に生まれた娘
モルガナ
・プロジェクション/エルフ
・13歳
・女性
・応援少女
・現アントリア子爵とエルフの間に生まれた娘
エイト・ナカムラ
・プロジェクション/地球人
・13歳
・男性
・嘘つき少年
・現アントリア子爵と地球人の間に生まれた息子
 タイフォンの村に、本物のレア・インサルンドが突如帰還した。だが、彼女は未だ聖印を混沌核に書き換えられた状態のままで、今の姿は「とある生命魔法師」の善意で「本来の姿」を一時的に上書きしているだけの状態であるという。そして彼女の傍らには、某所に漂流して記憶を失っていた彼女を助けたモルガナ、エイト、ウチシュマという三人の「投影体との混血児」がいた。
 レアの不在時に、トオヤがレアの影武者であるパペット(ドルチェ)と恋仲となっていたことを知ったレアは、自分の初恋が破れた悲しみに打ちひしがれるが、それでも臣下として自分を支えようとする彼等の期待に応えるため、自らがヴァレフール伯爵位を継承する決意を新たにする。そんなレアに密かに想いを寄せるエイトの仲介によって、ヴァルスの蜘蛛と接触したレアは、自身の身体を元に戻せる可能性のある薬をトオヤの祖父ケネスが有しているという情報を得た。
 その後、突如襲来した蛇神の投影体(ウチシュマの母の宿敵)を撃退した彼等は、レアと共にケネスと交渉し、「レアへの薬譲渡」と「レアの継承支持」のための三条件(トオヤの騎士団長就任、聖印教会関係者以外の者の副団長就任、レアと聖印教会との絶縁)をまとめた上で、今後はその条件を前提としてグレンとの最終調整に臨むという方針で一致する。その後、ウチシュマはタイフォンに残り、モルガナは島へと帰還し、そしてエイトは何処かへと出奔するのであった。
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第9話「遥かなる時を超えて」
 蛇神騒動以来、混沌濃度の上昇が続くタイフォン北西部のムーンチャイルドの村の状況を確認するために、トオヤは「騎士団長代行」として、チシャ、カーラ、ドルチェに加えて、ケネス直属のアグニとジーンという二人の邪紋使いが率いる特殊部隊と共に、現地へと向かうことになった。
 ムーンチャイルドは初代伯爵シャルプの時代から混沌濃度が高く、その混沌を鎮めるために正規の歴代領主とは別に、「銀盾」を操る「鉄仮面卿」と呼ばれる特殊な聖印の持ち主を擁していた。その銀盾の正体は英雄王エルムンドから従属聖印を授かった「意思を持つ盾」であり、鉄仮面卿ことクリフトはその「銀盾(が魔法の力で男性型擬人化体を得た状態)」と「不死の女傭兵ストレーガ(シャルプの側近)」との間に生まれた「半人半盾の不老の青年」であった。
 クリフトは四百年近く村の地下室で混沌を鎮め続けてきたが、数日前にオブリビヨンの斥候に銀盾を奪われ、その混乱時に出現した「バクの擬人化投影体」に眠らされたことで、村はバクに支配されてしまう。だが、クリフトの幼馴染であるカーラが、村へ続く山道で出会ったストレーガと共に銀盾を探し出し、それをクリフトに届けたことで村人達をバクの支配から解放した上で、トオヤ達はバクの討伐に成功する。なお、この一連の事件の過程でドルチェはジーンが自分の姉であることに気付くが、あえて彼女はそのことには触れないまま任務を終えるのであった。
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第10話「和平会談」
 騎士団長ケネスと副団長グレンの和平会談が開かれようとしていたその時、パンドラによって刻まれた呪いが発動したことにより、会談への出席が難しくなったケネスは、ドルチェに代役を依頼する。その代償として「薬」を入手したレアは、無事に本来の身体を守り戻すに至った。
 こうして開催されることになった中立村カナハでの和平会談の最中に、村の北方で凶悪な怪物集団ヘリオンクラウドが出現したという報が伝わる。ひとまずカーラとチシャがその討伐に向かうものの、同集団を率いる邪竜イヴィルゲイザー相手に苦戦を強いられ、撤退を余儀なくされる。
 一方、その間に会談の場にケイの領主ガスコインの契約魔法師ロバートが現れ、ケイを中心とするブラフォード湖周辺の四領主による「ブラフォード子爵領」の成立を宣言した。彼等は「ケネスおよびレアとパンドラとの癒着」を理由に、ヴァレフールにはもう未来はないと判断した上で、独立を決意したらしい。ロバートはそのままグレンとケネスの抹殺を試みるが、トオヤと(ケネスの姿をした)ドルチェの奮戦によって、かろうじてその企みは防がれる。
 その後、ブラフォード子爵領(自称)がグリース子爵領と手を組んだ上で、アントリア軍を自領に招き入れているらしい、という情報を察知したトオヤ達は、ひとまずガスコインの真意を確かめるために、彼の本拠地である湖岸都市ケイへと向かうことを決意するのであった。
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第11話「覇道と騎士道」
 ブラフォード子爵領(自称)の一角を成すレレイスホトに到着したトオヤ達は、この地の領主であるウィリアムから、独立宣言に至った経緯を聞き出す。どうやら、ガスコインの元に届いた匿名の「ケネスおよびレアとパンドラとの癒着」という告発状を、彼の次席魔法師であるヒルダが時空魔法を用いて検証した結果、それが真実であると断定されたことが契機となったらしい。
 やがてガスコインが自らレレイスホトに到着し、トオヤ達と直接激論を交わすことになる。ガスコインは「パンドラにも聖印教会にも屈しない国家」の設立を掲げた上で、トオヤがケネスを処刑し、レアによる継承を否定し、トオヤ自身がヴァレフール伯爵となって全てのパンドラと戦う覚悟があるならば協力するという意志を伝えるが、トオヤはあくまでも「レアの臣下」として(パンドラ楽園派との共存を目指す)彼女を支える道を歩むことを宣言し、交渉は決裂する。
 最終的にレレイスホトの地で両軍は衝突し、激戦の末にトオヤ達が勝利を収め、ガスコインが戦死したことで、ブラフォード子爵領は崩壊する。一方、グリースに留学中であったガスコインの長男セシルはグリース軍に保護される形でマーチに帰還したことで、そのまま実質的にマーチはグリースの傘下に収まることになる。これ以上の泥沼化は避けるべきだと判断したヴァレフール側はその動きを黙認することで、ひとまず「ブラフォード動乱」は終結することになった。 
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最終話「雲を払う風」
レイン・J・ウィンストン
・ロード/セイバー
・21歳
・女性
・白狼騎士団の軍楽隊の指揮官
・マージャ村の領主
ゲオルグ・ルードヴィッヒ
・ロード/キャヴァリアー
・21歳
・男性
・グリース子爵
・自称:ヴァレフールの盟友
 動乱集結から半月後、タイフォン近辺の地域で次々と「魔境へと繋がる門」が出現する事件が発生した。トオヤ達は、謎の魔法少女によって現地に派遣されたインディゴや、行方不明となった姉を救うために調査に赴いたレヴィアンに加えて、爵位継承式典への出席のためにヴァレフールに招待されていた白狼騎士団の軍楽隊長レインや、ヴァレフールの現状を探るために潜入していたグリース子爵ゲオルグの助力も得て、その魔境の混沌核を形成していた巨大な魔獣を打倒する。
 また、この混沌災害と前後して密かに帰国していたゴーバンは、カーラの協力を得た上で、トオヤに一騎打ちを挑む。そしてこの決闘を通じて「今の自分の実力」を見極めた彼は、更なる修行のために再び大陸へと旅立って行った。一方、謎の力によって自我を取り戻したドギは、自らの意思でパンドラ新世界派を率いる道を選び、チシャに「自分の許に来てほしい」と懇願するが、チシャは彼の考えに一定の理解を示しながらも、トオヤの許を去ることは出来ないと告げる。
 その後、七男爵会議の末にヴァレフールの新体制が発足した。レアが伯爵位を正式に継承し、新騎士団長にイアン、副団長にレヴィアンが就任する一方で、トオヤはレアの従属君主となった上で、彼女の補佐役としての「護国卿」の称号を得る。そしてドルチェは正式にトオヤの妻となり、夫婦共々、チシャやカーラと共に、これから先もレアを支え続けていくことを誓うのであった。
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最終更新:2018年07月27日 10:59