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舞台は戻って、ヒワダタウン。
人よりも大幅に遅れをとっていたのび太とドラえもんも、ようやくここまでは到着していた。

二人の話し合いの結果、早速ジムに挑戦しようという事になった。
こちらは3個目どころか、やっと2個目のバッジである。

ジムに挑戦する順番については、直前にワニノコが進化して有頂天になっていたのび太が、
「僕が最初に行くよ!」
と名乗りを挙げて、ドラえもんはのび太の挑戦の後に挑戦する事になった。

のび太のジム戦は、ようやく龍の舞の使い方が解ってきたのび太が、またもや運にも恵まれて快勝した。

そして今、ドラえもんがジムに挑戦する番がやって来たのである。
「じゃ、じゃあ僕も行ってくるからね。
ちゃんと待っててね、のび太君」
のび太に確認の挨拶をしたドラえもん。
のび太は、楽観的な感じでそれに応える。
「大丈夫、大丈夫。
それに、ドラえもんなら、ジム戦なんてすぐに終わるさ!」
「そ、そうかな!?
まあ頑張ってみるよ!」

のび太におだてられ、ドラえもんの表情は少し明るくなる。
こうして、ドラえもんはジムの中へと進んでいった。



「ごめんくださ~い。
ジムリーダーの人はいますか~?」

ドラえもんがそう声をあげると、ジムの奥の方から声がした。

「おっ、また挑戦者かい?
……っと思ったが違うようだな。
色違いのビーダルかなんかが紛れ込んできちゃったのか。
ここは君の住処じゃあ無いから帰りな」
この声の主は勿論、ジムリーダーのツクシである。

「僕はビーダルじゃない!
ドラえもん、猫型ロボットだ!」

そしてドラえもんがすかさず反論する。
お決まりのパターンである。

「ドラエモン?
まさか、鼠に耳をかじられて、ヤケ酒かまして変色したっていう、
あのドラエモンか?」
余談だが、ドラえもんのこのエピソードは、未来でネタにされている。
有名なコピペとして、様々な形で、多くの人々に知れ渡っていたりするのである。
……但し、コピペ改変前の内容、つまりは元ネタが、正確に伝わっているケースは珍しいとされている。
それは、今ドラえもんの目の前にいる人物も、例外ではなかった。

「僕はヤケ酒なんてしてない! 適当な事を言うな!」
「おっかしーなー、じゃあ偽物か? まあ、いいか。
で、何だ? そのドラエモンもジム戦をしに来たのか?」



「そうだ! ジムリーダーの貴方に挑戦しに来たんだ!」
ドラえもんはかなり苛々しているが、その怒りは抑えて要件を告げる。

「よし、言いたい事はよーく分かったぞ、うん。
じゃあ早速だが、ジム戦を 始 め よ う か
出てこい、俺のトランセル!」

ドラえもんは、要件がツクシに伝わったのを確認して一安心する。
しかし、バトルが始まったので、すぐに頭の中を切り替える。

「よーし! 頑張ってくれ、コイル!」



それからしばらくして、トランセルとコクーンが破られたツクシが、最後のポケモンを取り出す。
「行けェ! ストライク!」
「あ、いよいよ敵の大将がお出ましだね。
コイル、あと少しだ、頑張れ!」

ドラえもんはそう言って、コイルに傷薬を投与する。
尤も、コクーンの毒針を一度喰らっただけのコイルには、特に様子に変化は見られ無い。

「ストライク、連続斬りだぁぁああぁ!」
「コイル、電気ショックゥゥウ!」

やけに熱い二人。いや、熱いのは二人だけでは無い。
しかし、それに二人が気づく気配は無い。



バトルは続く

電気ショックをダイレクトに喰らい、もう後が無いストライク。
それに対し、まだまだ余裕しゃくしゃくのコイル。
バトルは早くも、大詰めという空気を醸し出している。

「ストライクゥゥウウゥ!
もう、斬るしか無いんだぁぁああ! 行けぇええ!」
「コイル、電気ショックを撃てえええ!
トドメをさすんだぁあああ!」

鬼の様な形相で斬りかかるストライク。
コイルも、それに負けじと電撃を放って応戦する。
そして――

「負けたよ」


結局、最後まで立っていた、いや浮いていたのは、大方の予想通りの結果だった。
そう、ドラえもんのコイルである。
しかし、タイプの相性の壁を超えた熱戦に、トレーナーの二人は燃え尽きたような顔をしている。

「よし、じゃあジムバッジと技マシンをやろう。
受け取りたまえ」
そう言われて、一礼をしてから戦利品を受け取るドラえもん。
そして、すっかりバトルで打ち解けた二人には、奇妙な友情が芽生えていた。
「ありがとうございます。
しかし、それにしても暑い! これはどうなっているんだ!」
「なーに、ドラエモンとのバトルが熱かっただけさ。
いい事じゃないか」
「ですよねー。アハハハハ」



……。

…………。

「で、俺は言ってやったんだ。
『もう一度ジムバトルを や ら な い か 』ってな。
それなのに、その挑戦者はすっ飛んで逃げて行きやがったんだ。
そんなに俺のトランセルが嫌だったんだろうか?」
「アハハハハ。でもそれトランセル関係無いと思うけどなあw
じゃあ僕は外でのび太君が待っているから、そろそろ行かなきゃ。
ツクシさん、また会いましょう!」
「おう、これから先は長いだろうが頑張れよ」
「ハイ!」

ツクシと暫くの間世間話をしたドラえもんは、名残惜しそうにジムを後にする。
しかし、ジムを出たドラえもんの目の前には、ツクシとの和やかムードを一瞬でぶち壊すような光景が広がっていた。

「あ、遅いよドラえもん!」

ジムから出て来たドラえもんに、一目散に駆け寄ってきたのび太。
その顔からは、焦りのようなものが見られる。

「のび太君、これは一体何が起こっているんだ!?」
「何がって、見ての通りだよ!
ドラえもんがジムに入ってからすぐ、この火事を見つけたんだ!
ワニノコの水鉄砲で消そうとしたんだけど、全然消えないんだ!」



見ると、辺り一面に炎があがっている。
炎の勢いはかなりのもので、少し話していた間にもドンドン大きく広がっていく。

「水鉄砲で消えないって事は、タダの火事じゃあ無いって事だね。
これは何だろう……? 炎の渦……かな?
まあとにかく消さないと! これ以上火が広がるとマズい!」
即決で結論を出したドラえもん。
しかし、珍しくまともなのび太の意見に、その結論は否定される。
「消すってどうやるんだよドラえもん!
僕のワニノコがいくら頑張っても消えないし、ドラえもんのコイル一匹じゃどうにもならないだろ!」

気まずい雰囲気になる二人。
それは周りにも伝染し、村全体が重い雰囲気になっていく。
しかし、その間にも火はどんどん広がっていく。
村の周りの木が勢いよく燃え続けるのを、誰も止められずにいた。

そこで、この様子を打開しようと、野次馬の一人が案を思い付く。
「こうなったら『拡声器』を使って助けを呼べば……」

「それだ!」
「でも誰か拡声器を持っているのか?」
「こんな事で、有料アイテムの拡声器を使うのはなあ…」

再び村全体に沈黙が流れる。
しかし今度の沈黙は、長くは続かない。

「パラス、あの木の陰に向かって痺れ粉だ!」