「憂ちゃんくれ!」
お正月、初詣で律は言った。
なんだよ律のやつ。
晴れ着姿の私には目もくれないで他の人のことばっかり考えてさ。
なんだよ律のやつ。
晴れ着姿の私には目もくれないで他の人のことばっかり考えてさ。
もっと私のことも考えて欲しい。
できれば私のことだけ見てほしい。
できれば私のことだけ見てほしい。
そう考えると、態度には出さないように努めてはいるものの、涙が出そうになった。
ばかりつ…。
でもそこで気付いたんだ。
律が「欲しい」と言ったのは、律の心が向いているのは憂ちゃんじゃなくて…。
それなら私だって。
律が「欲しい」と言ったのは、律の心が向いているのは憂ちゃんじゃなくて…。
それなら私だって。
「皆相変わらずだったなー」
「うん。…あの、律。今日これからうちに寄っていかない?」
「お正月から迷惑じゃないか?家族の予定とかは?」
「大丈夫。今日は家にいるだけだから」
「そっか。うん、私も特に用事無いからいいぞー」
「じゃあいこっか」
「おう!」
「うん。…あの、律。今日これからうちに寄っていかない?」
「お正月から迷惑じゃないか?家族の予定とかは?」
「大丈夫。今日は家にいるだけだから」
「そっか。うん、私も特に用事無いからいいぞー」
「じゃあいこっか」
「おう!」
二人での帰り道、律を誘うことに成功した私は嬉しさと同時に大きな緊張感を味わうこととなった。
さっきから胸がドキドキしっぱなしだ。
気づかれないよう、少しだけ律より速く歩く。
はしゃぐなよ、律はそういって笑っていたが、私はもうそれどころではなかった。
さっきから胸がドキドキしっぱなしだ。
気づかれないよう、少しだけ律より速く歩く。
はしゃぐなよ、律はそういって笑っていたが、私はもうそれどころではなかった。
「おじゃましまーす」
「ん。私は晴れ着脱いで来るから、先に部屋行ってて」
「えー、晴れ着似合ってていいのにー」
「さすがに部屋でこれは窮屈だろ…」
「ん。私は晴れ着脱いで来るから、先に部屋行ってて」
「えー、晴れ着似合ってていいのにー」
「さすがに部屋でこれは窮屈だろ…」
実はきっちり見ていてくれたことに嬉しくなりながら、私は私服に着替える。
これからだ。
さぁ、頑張れ私。
これからだ。
さぁ、頑張れ私。
「お待たせ」
「早かったなー」
「そうでもない。それで、あ、あの…」
「ん?」
「り、り、り……」
「澪?」
「り、りつお姉ちゃん…!」ギュッ
「へ?」
「早かったなー」
「そうでもない。それで、あ、あの…」
「ん?」
「り、り、り……」
「澪?」
「り、りつお姉ちゃん…!」ギュッ
「へ?」
私は恥ずかしくてたまらなくなり、思わず律に抱き着いてしまった。
律は困惑しながらも、そっと私の頭を撫でてくれている。
律は困惑しながらも、そっと私の頭を撫でてくれている。
「えっと、急にどうしたんだ?」
「りつ…お姉ちゃんが、『憂ちゃん欲しい』って言ってたから、その」
「あー…あれは単なる冗談で」
「で、でも!やっぱり、なんでもできるような妹が欲しいって少しは思ったんだろ?だから、なんでもできるって訳にはいかないけど、今日ぐらいは私が…」
「りつ…お姉ちゃんが、『憂ちゃん欲しい』って言ってたから、その」
「あー…あれは単なる冗談で」
「で、でも!やっぱり、なんでもできるような妹が欲しいって少しは思ったんだろ?だから、なんでもできるって訳にはいかないけど、今日ぐらいは私が…」
恥ずかしさで爆発しそうだ。
やめておいた方がよかったのかな…。
やめておいた方がよかったのかな…。
「…ありがと」ギュッ
「ふぁ…」
「澪みたいな優しい妹だと、私も嬉しいぞー?」
「ふぁ…」
「澪みたいな優しい妹だと、私も嬉しいぞー?」
律…りつお姉ちゃんに抱き返されて、私はなんだか幸せな気分になった。
お姉ちゃんの顔が熱く感じたのは秘密だ。
お姉ちゃんの顔が熱く感じたのは秘密だ。
「りつお姉ちゃん…大好き」