けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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<澪視点>
私が目を覚ますと、抱きしめていたはずの律が毛布に変わっていた
一瞬自分の五感すべてを疑い、状況を把握できずにいた
律は自分を置いて帰ってしまったのか
眠っている自分に気を使い、起こさないように帰ったのかもしれないが、今そんな気づかいは私には必要無い
ただただ、律の温もりが恋しいばかり
わずかに律の温もりが残る毛布に顔を埋める。毛布の優しい肌触りと、脳裏に、身体に焼き付いた律の感触が、
私の中にある弱さを刺激した
気付けば、私は泣いていた。下にいる家族に気付かれぬよう、声を押し殺しながら
寂しい…ただただ寂しい……律に触れたい。

そのとき、私の耳に、今何よりも求めている音色が突き刺さった
「みーお」
声を出せないまま、振り向く。私だけしか知らない、悪戯好きの彼女
「ふふふ……予想以上の反応だなあ」
私は言葉もなく、ただ彼女の方に駆け寄り抱きついた

「ばかっ……ばかっ!!帰っちゃったかと……思ったっ…ばかぁ!!」
「へへ……ごめんな。」
彼女は少しも動じず、私の背中に手を回し、強く優しく抱きしめてくる
彼女は私の全てを知っている。私は彼女の全てを知ってはいない。
ただ
「私が、澪を置いてくわけないだろ……」
その表情と優しいメロディは、私しか知らない
私だけのあなた。


<律視点>
目が覚めた。カーテン越に射し込む夕日に少し目をつむり、とある違和感に気付いたのはそのあと
澪がいない。先ほどまで寄り添って寝ていたはずの澪がいなかった
トイレか?と楽観的に最初は考えていたが、少しして、眠りに落ちる前の澪との会話を思い出す
「私今日5時から塾の講習あるから……」
澪はここから少し離れた、偏差値高めの大学に行くと言っていた
この時期だ……日曜まで勉強で忙しいのだろう
そう捉えることもできたが、私の気持ちはそんな妥協を押しのけ、寂しさを心の底から押し上げてくる
時計の針は、5時ちょうどを指していた

先ほどまで澪のいたベッド、少し澪の熱の残るベッド
起こしてくれたっていいのに…… 私に気遣って黙って出て行ったのか。そんな気づかいいらないのに……
胸の奥から熱い水分がのぼってきた。それは目に達すると、途端に姿を現す
「澪のバカ……」
他人の枕を自分の涙で濡らすなんて……相手が親友であろうと、ほめられたことじゃない
ただ、一人でいるとちょっとしたことでも心が折れそうになる
そんな私に不意打ちするかのように、扉が開かれ、可憐な少女が部屋に入ってきた
「あ、起きたか。飲み物持って……律?」
自分の枕に顔を埋め、目を腫らす私は澪にはどのように見えただろうか。
若干信じられない出来事に涙を拭うのも忘れ、澪に問い掛ける
「み、澪?講習があるって……」
「ああ…休んじゃった。」
少しはにかみながら。夕日に映えるその笑顔に一瞬見とれていた
「振替だってあるし、別に一回くらい休んだって後から追いつけるって。馬鹿にするなよ?」
私のため?私に寂しい思いをさせたくないから?
澪はテーブルに飲み物を置き、惚け顔をさらす私の横に座った

今思うと、澪は私がいないとダメっていうのは、私の先入観
ホントに相手に依存しているのは私の方
澪にも自分の時間がある。それをいつも私のわがままに付き合うために使っていて
そう思うと、申し訳なさ、情けなさがこみ上げてきた。
すると、私の心情を察したかのように、澪が口を開く
「別に、律のためじゃないよ。……私も、律のそばにいたいもん……」
私の手を握り、少し頭を私の方に委ねながら
その手を強く握り返し、澪に抱き付くように身をゆだねる
「……ごめんね」
「……いいよ」

澪にも私にも自分の時間がある。二人とももう……大人だもん
ただお願いだから、別れのときがくるまでは、2人の時間の中でだけは、
ワガママでいさせて……澪。


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