邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ 翼なき者 前編

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8.翼なき者 前編




魔女を知った   ほんの、少し


あの戦いを見て、自分と同じ実験体だということを
改めて実感させられた




……フラーテルは今日も、箱庭に来ていた




とは言っても、今は昼だ
魔女もいない。



"暗闇のオルフェウス"と呼ばれていた能力者も…
きっと死体は片付けられたのだと思う


―――あれは幻想(ユメ)だったのか



そんな考えも一瞬で消える

木に散っている固まった血が見えたからだ



オルフェウスが影から飛び出してきた時に、魔女が放った攻撃によるもの。



「あれが、"眼"の戦い………」


初めて見た『異能』同士のぶつかり合い
武器を持ち、刻み合う籠とはまったく別の物。


籠の中で無敗であったフラーテルも、自分がとてもちっぽけに見えた


魔女を知るよりも、自分の無力さを知っただけのような気もする


「……今日も、来るかな」

来るなと言われたのに行ってしまった
嫌われても仕方ない

しかしどうであれ、謝らなければならない


―――…


昼はやることもないので、フラーテルはいつもの岩に腰掛けた


最近は籠に入れられることも少なくなり、ただ時を浪費している

研究者達は成功作だからと言っていた。
成功作は"眼"を与えられ、J3専属のエージェントになる


戦わせるために作られたのだから、自由なんて物は存在しない




――――ではなぜ、魔女は眼を持ちながらも施設に?



『七人目』という言葉も気になる。
"暗闇"を含めて七人もの能力者と戦ってきた…?



何のために?



昨日の戦いを見ただけで、こんなにも疑問が生まれてくる


『  来たら後悔するかもね  』


後悔とは、このことだったのだろうか。
フラーテルには知るよしもない




とにかく、夜まで待つことにした

また会うために  答えを聞くために。