邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ

星空列車、あとがき

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jyakiganmatome

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この話は自分の実体験が元になった物語なわけで、必然的に登場人物も実在の物になっているのですが、多少は主観による脚色もあると思います。
しかしやっぱりノンフィクションで語り部が自分となると、このときの感慨のようなものは全部作中で吐露してしまっているので、あとがきとなると割とコメントに困る事があるのですね。
それで、この列車に乗る前の話でもちらりとこぼしてみようかと。


この時、自分は楓火と二人だけで東北の寒村へ温泉旅行に行っていたのですけど、それと言うのも家内と娘が来れなかったからなんですね。
娘が熱を出してしまったからなんですけども、この旅行は楓火が彫刻の作品で賞をとったご褒美なわけで(流石我が子だ)、延期するのも可哀そうだと言う話になりまして。
この時期でないと温泉街周辺でお祭りをやっていなかったから、それを見逃してしまいますからね。

で、二人だけの旅行となったわけですが、自分は家内にベタ惚れなのでいつも一緒に居るのは幸せなんですけども、たまにその目を離れるのもそれはそれで羽を伸ばせて良いもんでした。
楓火は楓火でしっかりしてるんで、一人で地図持って町の観光に行っちゃいまして。
そういうわけで自分は真昼間からカップ酒飲んで港で釣りなんか楽しんでたんですよ。
釣りは趣味の一つなんですけど、違う地方でやってみるのも結構オツなもんです。



また、冬場だから風が冷たくてね。
酒で変に身体が温まってるから、身体の調子をちょっと変にしちゃって吐き気が込み上げてきたんですよ。
んでどうせ海なんだし、案外餌と間違えて魚寄ってくるんじゃねえかなと思って、堤防の下にエロエロエロっと吐き出しちまったんですね。
でもちょっと下の状況確認する余裕が無くて、まさか下にちっちゃい足場があってヤクザが座ってたばこ吸ってるとか気付かなかったんですよね。
っつかヤクザが冬の海見詰めながら一人寂しく一服とかしないでほしい、こういうことが無いとも限らないわけなのだから。

まあそういう事で自分はゲロコーティングされたハゲサングラスに追い回される羽目になったんですけど、こっちは上にいて下からは回り道しなきゃ上がれないわけで、いくら自分が脚不自由だからってそうそう追いつかれねえだろとか思って、サンプラザ中野呼ばわりしながらゆったりレンタカーのあるとこまで逃げようと思ったんですよ。
「はしるーはしるーwwwwwwwwwwwwwwおれーたーちーwwwwwww」とか言って。
したらタイミング悪く来るわ、便意。冷えたんだろうね。
どうすんだよコレ、車運転しながら便意と戦って事故って漏らすとかマジ笑えないって話になるじゃないですか。
で、冷静な判断が出来なくなってたみたいで、どっか糞ひり出せる茂みを探せばハゲから隠れられるし一石二鳥だと思ったんですね。
下手すりゃ糞尻に挟んだちっさいおっさんとゲロヅラ被ったハゲのチェイスとか誰も得しねえってね。
まあ茂みにしゃがんだところで自分、和服ですから超目立って速攻見つかったんですけど、飛びかかられたショックでまあ、こう、ぶっちゃけ産んじゃったんですよね。
下してたわけですから、今思えばクリシュナの本格インドカレーに似た趣があったわけなんですけど。


んでまあ、それでも捕まったら嫌なんで逃げようと這いずりまわるんだけど、そこにちょうど犬の散歩にきてた女の子が通りかかりまして。
その子目線で見たら糞塗れの尻をゲロまみれのハゲに掘られてるようにしか見えない自分がそこに居たわけなんですね。
もう悲鳴にならないやら眼をどこへやったらいいやらで、女の子はパニックだし、ハゲはハゲで流石に恥ずかしいのかやっぱりパニックだし、なんか動物の本能的なところに働きかけるシンパシーが糞にはあるのか、連れてた犬は自分に向って小便するしで。
女の子からしてみりゃ小春日和の凩が吹く中、ちょっといい気分で犬の散歩してたらあっという間にクソ、ゲロ、尿の三重奏が鳴り響くスカトロマニアの祭典に辿りついてしまったわけですわ。
本当ね、まためぐり合うことが有ったら彼女に謝りたい。
土下座して謝りたい本当、「うん、こめんなさい」って喧しいわ(笑)。


まあそんなこんなでハゲも怒る気力なくなったらしくて、お互い海水で汚れたところを洗って帰ったんですけど、いやあ塩水ってかぶれるかぶれる。
デリケートトライアングルがゴラン高原のようにズタボロですよ。
旅館の有料チャンネルも楽しめなくて涙目ですわ。

そんで帰りに件の事件でしょ?
いっつも久々に帰ったら家内にウザがられるくらい夜求めて行くのに、今回はそんなことがあったもんでおとなしく患部の回復を待ってたらまあ、きょとんとしてるわけです家内が。
顛末なんか話せるわけが無いんで、この場を借りてあの子には謝っておきますけどね(笑)




著者      竜胆 マドモワゼル 菖蒲
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