「ただいま!」
アパートのドアを開けると、食欲をそそる香辛料の香りがふわりと鼻をくすぐった。
今日はお昼を食べた後は、デスクワークをしながらビターチョコレートを二粒ほど口にいれただけ。
グーグー鳴りっぱなしのお腹を抱えながら、私は急ぎ足でキッチンに向かう。
今日はお昼を食べた後は、デスクワークをしながらビターチョコレートを二粒ほど口にいれただけ。
グーグー鳴りっぱなしのお腹を抱えながら、私は急ぎ足でキッチンに向かう。
「ただいま、りつ!」
「みお! おっかえり~」
「みお! おっかえり~」
小さなキッチンの前でいつも通りにエプロン姿の律が笑顔で迎えてくれる。
鮮やかなパステルイエローのTシャツ。
スリムな律に似合うショートデニムのパンツ。
そして、柴犬のイラストが描かれたエプロンがとっても可愛らしい。
鮮やかなパステルイエローのTシャツ。
スリムな律に似合うショートデニムのパンツ。
そして、柴犬のイラストが描かれたエプロンがとっても可愛らしい。
「りつぅ~、今日も疲れた~」
「よしよし…いつも、お疲れさま…ちゅっ…」
「よしよし…いつも、お疲れさま…ちゅっ…」
頭をナデナデしてくれてから、ほっぺにおかえりなさいのキス。
仕事から帰った私に律がいつもしてくれるご褒美の儀式。
仕事から帰った私に律がいつもしてくれるご褒美の儀式。
「ふふ…ありがと。律に癒されちゃった♪ 今日のご飯はカレー?」
「おう!澪の大好きなりっちゃん特製カレーだぜ!しかも今日はこないだ作って冷凍しといたハンバーグまで付けちゃうぞ♪」
「ほんと!すっごい楽しみ!」
「おう!澪の大好きなりっちゃん特製カレーだぜ!しかも今日はこないだ作って冷凍しといたハンバーグまで付けちゃうぞ♪」
「ほんと!すっごい楽しみ!」
律の言葉を聞いて、またお腹がグーって鳴った。
もう、お腹と背中がくっついちゃいそうなくらいペコペコ。
もう、お腹と背中がくっついちゃいそうなくらいペコペコ。
「…あっ、でも、出来るまでもうちょい時間掛かりそうなんだ」
「えぇぇ~」
「えぇぇ~」
バツが悪そうに答える律。
私はちょっとだけ駄々っ子になって、律に抱きつく。
私はちょっとだけ駄々っ子になって、律に抱きつく。
「すんごく、お腹空いてるのに~」
「ごめんごめん。お風呂は用意出来てるから、先にお風呂入って来なよ」
「うん…」
「ごめんごめん。お風呂は用意出来てるから、先にお風呂入って来なよ」
「うん…」
仕方なく頷いて私は律から離れる。
律はコンロの火加減を見ながら、また忙しそうに作業を始めた。
狭いキッチンの前を小柄な律がちょこまかと動く。
その姿が小動物みたいでとっても微笑ましくて。
私の中の悪魔が静かに囁きだす。
律はコンロの火加減を見ながら、また忙しそうに作業を始めた。
狭いキッチンの前を小柄な律がちょこまかと動く。
その姿が小動物みたいでとっても微笑ましくて。
私の中の悪魔が静かに囁きだす。
イタズラして困らせたいな…
少しでも火がついた悪戯心は押さえきれなくて。
私はお風呂に入る準備のフリをしながら、律の様子を伺う。
私はお風呂に入る準備のフリをしながら、律の様子を伺う。
「…り~つぅ~♪」
「ひゃっ!」
「ひゃっ!」
不意打ちで後ろから抱き締めると小さな身体がビクリと震えた。
「ちょっ、やめろよ澪」
「だって、お腹空いたんだもん」
「ワガママ言ってないで、早くお風呂入って来いよ。澪が出る頃には出来るからさ」
「ヤダ…」
「だって、お腹空いたんだもん」
「ワガママ言ってないで、早くお風呂入って来いよ。澪が出る頃には出来るからさ」
「ヤダ…」
膨れっ面でそう答えて。
ぎゅっとしてから、首筋に顔を埋める。
マリンブルーの香水の微かな香りが心をくすぐる。
ぎゅっとしてから、首筋に顔を埋める。
マリンブルーの香水の微かな香りが心をくすぐる。
「我慢出来ないから、律の"味見"する…」
「ばっ、バカ!ふざけんのはやめ…ひゃ、んっ!」
「ばっ、バカ!ふざけんのはやめ…ひゃ、んっ!」
柔らかい耳たぶをはむはむして…
うなじに優しくキスをして…
腕の中で可愛らしく震える律の反応を楽しむ。
うなじに優しくキスをして…
腕の中で可愛らしく震える律の反応を楽しむ。
「律、すんごく可愛いね♪」
「バカみお…いい加減に…んっ…ん、ちゅ…」
「バカみお…いい加減に…んっ…ん、ちゅ…」
ちょっと怒ってる律に気持ちを込めた深いキス。
強張ってた律の身体から、ふっと力が抜けて…
私は背中に手を回して…
エプロンの紐の結び目を静かに指でほどいた。
強張ってた律の身体から、ふっと力が抜けて…
私は背中に手を回して…
エプロンの紐の結び目を静かに指でほどいた。
「このエロみお! 罰として今日はハンバーグ抜きだかんな!」
お風呂上がりの髪を乾かしながら、リビングのソファーに座った律は不機嫌そうにそう言った。
結局、あの後、1時間くらい"味見"をしちゃって。
今日はいつもより大分遅い夕飯になった。
結局、あの後、1時間くらい"味見"をしちゃって。
今日はいつもより大分遅い夕飯になった。
「あはは、ごめんごめん…でも、それくらいなら我慢できるよ」
律の代わりにご飯の準備をしながら、私は笑って返事をする。
"味見"のせいか、いつの間にか空腹はかなり落ち着き気味。
愛じゃお腹は一杯にならない、なんて言うけれど。
私にはそれは当てはまらないみたい。
"味見"のせいか、いつの間にか空腹はかなり落ち着き気味。
愛じゃお腹は一杯にならない、なんて言うけれど。
私にはそれは当てはまらないみたい。
「…でも、代わりにさ」
お皿を並べてから、私は律の肩を優しく抱く。
「今度は食後の"デザート"を食べさせてよ、りつ…」
耳元で囁くと、律の耳たぶがまた真っ赤に染まって…
「…ホントにエロ澪なんだから…太っても知らないぞ?」
「ふふ…幸せ太りなら大歓迎だよ♪」
「ふふ…幸せ太りなら大歓迎だよ♪」
そう軽口を叩きながら、私は律を抱き締める腕に力を入れた…
<END>
- いいぞ!澪ちゃん!もっとやっちゃえ! -- 名無しさん (2012-06-03 14:15:46)
- ごちそうさまですっ… -- 名無しさん (2012-06-03 18:32:34)