けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編216

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集

台風の季節。
テレビで「外出の際はお気を付け下さいー」とか盛んに伝える日に限って。
澪は、私の家に居た。
…まぁ、私が半ば無理矢理に下校中に連れ込んだ。
いつものように。私はベッドの上で、澪はベッドの横で。
雑誌読んだりCD聴いたり。ダラダラ過ごしてたワケだが。
「律?」
「ん?」
「外」
澪が指し示した先は、窓の外の大荒れの天気。
「…帰れないんだけど」
「あぁ…」
真顔の澪に、私は引きつった笑顔しか返せなかった。
「まぁ‥」
澪は、ベッドに登ってきて
「‥天気予報くらい。見てきたんけどな‥」
ぽふっ、と。寝転がる私の胸に倒れ込んだ。
「…帰れなくなっちゃった、けどな」
私は、澪の黒髪を撫でた。
すると

きゅっ

澪は、私の体を抱き締め
「別に‥」
顔を私の胸に埋めて、呟いた。


‥‥‥律と一緒なら、構わないよ


…私は、聞こえないフリをして
「‥家に連絡しなくて、イイのか?」
澪に聞いた。
「んー‥」
澪は少し考え込み
「‥ま、だいじょぶだよ‥」
再び、私の胸に顔を埋めた。
「どーせ、律んちに居るって。思ってるからさ」
ふぃ~…っ、と。澪は無防備に息をついた。
…幼馴染みだし、親友だし。

ずーっと、一緒だし。
そりゃ、親は心配もしないか。

「そうだな‥」
私は、頷いて澪の頭を撫でた。
すると

「………………………………」

澪は、静かに何かを呟いた。
窓の外がうるさくて。聞き取れなかった。
だが、私にはわかった。
幼い頃から、台風が来る度に。
澪は、怖がり私に抱き着き
同じ事を口にしていた。

「‥およめさんに、してくれる?」

私は、いつも二つ返事で答えていた。

「いいよ?」

って。


・・・今日は、何も言わずに応えた。


窓の外の風雨を眺めながら。

私よりずっと大きくなった

澪の体を。ぐっと。抱き締めて。


こわがりのままの澪を、抱き締めた。


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