投稿日:2010/04/30(金) 00:17:26
今日は、満月。ぼーっと月を眺める私。
何時もなら、まったく気にしないんだけど。今日は何だかずっと眺めていたい。
というかずっと眺めてるのに、全然飽きないんだよなあ。
何時もなら、まったく気にしないんだけど。今日は何だかずっと眺めていたい。
というかずっと眺めてるのに、全然飽きないんだよなあ。
それもこれも全部、澪のせいだ。
「律は……太陽」
「澪は?」
「私は、太陽に照らされなきゃ見えない、月」
「澪は?」
「私は、太陽に照らされなきゃ見えない、月」
そんなことない、澪は私なんか居なくても綺麗だし何でもできるじゃないか。
そう言ってやりたかったけど「私なんか居なくても」って言葉を口にするのが嫌で。
結局、そのままその話を流してしまった。
そう言ってやりたかったけど「私なんか居なくても」って言葉を口にするのが嫌で。
結局、そのままその話を流してしまった。
……澪は、月。
もしそうなら、こうやって夜空を見上げるのも悪くない。
時々雲に隠れて、少しして雲の隙間からひょっこり現れるとことか、結構似てるんじゃないか?
それに、今まで全然気にしてなかった事が悔やまれるほど、とても綺麗だ。
もしそうなら、こうやって夜空を見上げるのも悪くない。
時々雲に隠れて、少しして雲の隙間からひょっこり現れるとことか、結構似てるんじゃないか?
それに、今まで全然気にしてなかった事が悔やまれるほど、とても綺麗だ。
「律」
不意に澪が私を呼ぶ。なんだか、少し不機嫌な声。
「どした?」
月を見たまま、返事をする。
「……月ばっか、見るなよ」
軽く服を引っ張られたので、澪の方をみる。
伏し目がちで、少し赤くなった顔、そして袖をちょんと摘む手。
……どうしてお前はそうやって、私を惑わすのか。
あぁ、そういえば月は人を惑わすって良く言うっけ。やっぱり似てる。
伏し目がちで、少し赤くなった顔、そして袖をちょんと摘む手。
……どうしてお前はそうやって、私を惑わすのか。
あぁ、そういえば月は人を惑わすって良く言うっけ。やっぱり似てる。
「なに、嫉妬?」
「う、うるさい」
「う、うるさい」
まさか、月を自分に置き換えられているだなんて思ってないんだろうな。
そう思ったら笑いが止まらない。なんて愛しいんだろう。
そう思ったら笑いが止まらない。なんて愛しいんだろう。
「なっ!わ、笑うなよ」
「ご、ごめん。あははは」
「ご、ごめん。あははは」
笑いつつ、視線をまた月へ向ける。
別に澪の方を見たくないとか、意地悪してやろうとかではなく。
ただ本当に何となく、月の方を見てみただけだった。
別に澪の方を見たくないとか、意地悪してやろうとかではなく。
ただ本当に何となく、月の方を見てみただけだった。
「律っ」
少し強めに私を呼ぶ声。
そして、頬に手が添えられて澪の方へ向けさせられる。
……一瞬だけ唇に暖かな感触。
普段は、こんなことしてこないのに。
そして、頬に手が添えられて澪の方へ向けさせられる。
……一瞬だけ唇に暖かな感触。
普段は、こんなことしてこないのに。
「私を、見てよ」
吐息が顔に当たるほどの距離で、囁かれる。
澪の顔は相変わらず赤いのに、瞳はとても真剣で。思わず息を飲む。
こんな澪は、初めて見た。
澪の顔は相変わらず赤いのに、瞳はとても真剣で。思わず息を飲む。
こんな澪は、初めて見た。
「どうしたんだよ、急に」
「だって、律が愛しそうに月、みるから……」
「だって、律が愛しそうに月、みるから……」
もしかして、月に惑わされたのは澪の方なんじゃないか。
何時も色っぽいというか、なんというか……その、エロいけど。
今日の澪は、なんていえばいいんだ、兎も角「何時も」以上だった。
何時も色っぽいというか、なんというか……その、エロいけど。
今日の澪は、なんていえばいいんだ、兎も角「何時も」以上だった。
そしてそんな澪に、私は惑わされていくんだ。
「澪が、『私は月』なんていうからだぞ」
「え?」
「そんなこというから、月から目が離せなくなったんだ」
「え?」
「そんなこというから、月から目が離せなくなったんだ」
何か言おうとする澪の口を、自分のそれで塞ぐ。
月にすらヤキモチをやく澪があまりに可愛いから。
月にすらヤキモチをやく澪があまりに可愛いから。
見せつけてやろうじゃないか、今度は月のほうが嫉妬するほどに。
おわる。