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体育館の中に18名が入ってくる。
「ヒッヒッヒ、今度こそ捕らえるぞぉ~」
書こうかが意気込んで懐中電灯を照らす。
脱落者たちは光が照らされた方向へと歩みだした。
閑散とした館内に、足音だけが不気味に響き渡っている。
それを聞くと、書こうかの気持ちは高揚していくのだった。
獣のように目をぎらつかせ、獲物を探している。

と、その時だった――
「ヒッヒ!?なんだぁ!」
書こうかが照らす手前、バスケのゴールが落下した。
丁度照らしていた場所だ。
脱落者の多くを巻き込んで、轟音が鳴り響く。
「上だ、お前らぁああ、ヒッヒ!!」
書こうかが二階の柵を照らす。
瞬間、誰かが卓球場へと駆けて行った。
「追え、入り口はあそこだ!」
書こうかが階段を照らし出す。
脱落者は相変わらず一定の速度で歩みだした。
「ぇえい、速く動けないのか。ヒッヒ、使えないねえ!」
書こうかは走り、先頭へ躍り出た。

卓球場――
「はぁ、はぁ、くく、隠れているなんて趣味じゃねーんだよ!」
ドライバー片手に息を整えているのは、赤髪だ。
「見てろよ新カントー。てめえが気に入らなくても、俺があいつら全員倒してやるぜ」



赤髪は卓球用の球の入った箱を持ってくる。
「くくく、階段はあそこだなぁ」
いじらしく笑いながら、赤髪は階段を見た。
その方向へ、ボールを流し込む。
ずらずらとボールが階段へ転がっていった。

「ヒッヒ、今度はなんだぁ!?」
書こうかがあと一歩で階段を登りきるときだった。
突然オレンジのピンポン球が雪崩れ込んできたのだ。
「ぬぅわぁああ」
書こうかは足を取られ、脱落者の列に激突する。
どうやら脱落者たちは銃を撃つ以外の命令を持ち合わせていないらしい。
簡単に崩れ落ちてしまった。
そうして、書こうかは階段の一番下で、脱落者を足がかりに転ぶ。
「ヒッヒ、くそ野郎がぁああぁぁあああああ!!!!」

赤髪は卓球場から再び柵へ走り出す。
バスケゴールのあったところでフッと下を見た。
倒れているのは五人。
月明かりで照らされたのは――シナリオ、ワンダー、虹色、ヨーダ、コロシアムだ。
「あと……どんくらいだ?15人はいたような」
そこへ、叫び声が聞こえてくる。
「ヒッヒッヒッヒ、殺してやるぅぅぅうおおお!!!」
赤髪は気づいた――その声が書こうかの声だと言うことに。
「あ、あれは書こうかが切れたときにいう言葉だ!
 やべえなおい!」



赤髪は階段を駆け降り、ステージに到着する。
そのまま駆け抜けようとした時だった。
幕が作動し、上がっていったのだ。
「くそ、誰か放送室でレバー引いたな!」
赤髪が舌打ちすると同時に、懐中電灯の光が差し込んできた。
「ヒッヒ、さあ行けてめえらぁああ!」
書こうかの命令が聞こえてくる。
危険を察知した赤髪が走り出すと、後方で弾丸が発射されてきた。
「っチ、とにかく放送室へ」
赤髪はステージの裾を通り、扉を開ける。
放送室にいたのはドラミとジャイアンだ。
と、赤髪を見るなり、二人は襲い掛かってきた。
銃口が向けられる瞬間、赤髪は素早く銃を抜く。
二発の弾丸が、ドラミとジャイアンに発射された。
「……くく、やったぜ」
崩れ落ちるドラミとジャイアン。
「どうやらこの状態でも睡眠薬は効くみたいだ」
赤髪が胸を撫で下ろしていると、足音が扉の向こうから聞こえてきた。
「まずい!」
赤髪は咄嗟に扉を閉め、その上自分の体で押さえつけた。
扉の向こうで脱落者たちが叩いてくる。
次第に力が強くなり、赤髪は必死で耐えた。
「くくく、こんなとこでくたばってたまるかっての!」
歯を食いしばり、声を張る赤髪。
だが、突然その姿が照らされる。
赤髪はハッとして振り返る。



「はいざんね~ん」
書こうかが天井の穴から顔を出していた。
懐中電灯がまっすぐ赤髪に向けられている。
「ヒッヒ、扉を塞ぐのに必死で気づかなかったね~。
 結構大きな音が出てたけど、大丈夫だったよ。ヒッヒッヒ!」
(くそ、あんな大きな穴開けられていたのに気づかないなんて)
赤髪は舌打ちし、それでも笑っていた。
「くく、だが書こうか。
 その体勢だと俺は撃てないぜ」
今、書こうかは右手に懐中電灯を握り、左手で体を支えている。
しかも逆さまの状態だ。
懐中電灯で照らしながら銃弾を正確に当てることは難しいだろう。
「ヒッヒ、心配無用だよ。赤髪。
 後ろを見てみな。ヒッヒッヒッヒ!!!」
赤髪が振り返る。
扉は木片と化して飛び散り、何も無くなった。
そこには大勢の脱落者たちが銃を持って立っている。
「ヒッヒ、てめえら、狙いはこいつだよ!」
書こうかが懐中電灯を赤髪に向け、叫ぶ。
みんなの銃口が向けられ、そして――

懐中電灯が弾け飛んだ。
「な、何を――くっ」
壁に当たった弾丸から、催眠ガスが噴出した。
「残念だったな書こうか」
赤髪の前に出てきた人物はそう告げた。
「し、新カントー」



「書こうか。しっかり見ていたぜ。
 懐中電灯を壊されたお前に、出来ることは何も無い」
新カントーは書こうかを見据える。
「ヒッヒ、よくわかったねぇ」
「お、おいどういうことだ。新カントー」
赤髪がわけのわからない様子で質問した。
「後ろを見てみろよ」
言われたまま振り向く赤髪。
そこには脱落者たちが倒れていた。
「こいつらは懐中電灯の光に反応して動くんだ。
 ずっと見ていたが、こいつらは書こうかが照らしたところ目指して動いていた。
 だから気づいたんだ」
「ヒッヒ、よく気づいた……おっと、もう……ダメか。ヒッヒ」
そういって、書こうかが穴から落ちてきた。
「だが、安心するなよ……ヒッヒ。
 俺らはまだ先発隊だから……」
書こうかは動かなくなった。

赤髪と新カントーはステージから降りた。
「新カントー……悪かったな」
赤髪が謝罪する。
新カントーは横目で赤髪を見て、ホッと息をつく。
「いや。もういいんだ。お前がそういって」
その時、館内が明るくなった。
同時に二つの影が赤髪を捕らえる。
「どうやら先発隊は全滅したようだね」
息を呑む二人の前に現れたのは、ワタリだった。



赤髪を捕らえているのはギンガとアクアマリンだ。
今までの脱落者と同じく顔に生気は無い。
「ぐ、一体何が……」
赤髪が喘ぎながらワタリを睨む。
「おい、ワタリてめえ、何しやがる!!」
「あはは~、そんなに怒らないでよ赤髪君。
 まだゲームは続いているんだよ」
ワタリは悪辣な笑顔を浮かべた。
「それに僕が用あるのは新カントー君のほうだよ」
「お前が俺に何のようだ?」
新カントーが鋭くワタリを睨む。
「実はね、取引しようと思うんだ。
 これを見てご覧……ドラAAモン君!」
すると、ワタリの背後からドラAAモンが飛び出し、体育館北側の扉を開けた。
突如、驚くべき光景が目に映った。
「こ、これは……」
新カントーは絶句した。
体育館北側外には、走り幅跳び用の砂場がある。
そこに立てられた二つの木の十字架。
掛けられているのは――ルビーと携帯獣だ。
「僕の要求は簡単だよ」
ワタリが説明を始めた。
「ルビーと携帯獣の十字架に火をつけられたくなければ、降参してくれる?
 もし断れば二人は死ぬよ?
 答えは早くね。5分で答えられなければまず赤髪君をつぶすよ」



「……ワタリ、いったいどうしてだ?
 どうしてこんな面倒なことをするんだ」
新カントーが慎重に質問した。
ワタリは微笑みながら、話し出す。
「あは、やっぱりそう思うよね。
 でもね、無理は無いよ。僕、誰にも話したこと無いから」
すると、ワタリの顔が少し翳った。
新カントーはそれを見逃さない。
「ワタリ、それなら今、話してくれないか」

ワタリは転校生だった。
今年の春に、新カントーたちのクラスに編入してきたのだ。
しかし、すぐにギンガ率いる不良グループと絡んだから、人々から避けられていた。
いつも単調な笑いをしている少年――そんなイメージだ。

「僕はね、君らみたいな連中が憎いんだよ。
 ず~っとそう思っていた」
ワタリが笑顔を変えずに言う。
新カントーは首を傾げた。
「俺らがお前に何かしたか?」
すると、ワタリは首を横に振る。
「うぅん、何にも。
 君らはいつも仲間たちと共に行動していたよ。
 僕みたいなまともな生徒にとって、迷惑だとも気づかずにね!」
顔を歪ませ、ワタリが銃を構える。



「あは、まだ撃たないよ。もっと苦しめてからやるんだから」
ワタリの顔は笑っている。
異常に吊り上った口端が、不気味さを煽っていた。
「君らがいつもしていたこと、僕には迷惑だよ。
 いや、まともな生徒全員にとってね。
 君らがサボった授業で先生を宥めるのは誰?――
 君らが汚した廊下を掃除するのは誰?――
 君らが吐いたガムを取っているのは誰?――全部、他の生徒たちだよ。
 それも僕らのような真面目で、優秀な生徒ばっかり。
 おかしくないかい?
 何で僕らがそんなことしなくてはいけないんだ。
 どうして優等生が劣等生の尻拭いしなくちゃならないのかなぁあ!!」
ワタリはより一層邪悪な顔つきになった。
「前の学校でもそうだった。
 僕はいつでもこき使われていた。
 先生も何もしない。ただ劣等生を追いかけて、説教とも言えない奇麗事を並べるだけ。
 笑っちゃうよ。
 僕らは何にも悪くない。悪いのは劣等生の方。
 それなのに疲れるのは僕の方なんだ。あはは~くだらなすぎて吹っ切れたよ。
 窓ガラス全部割って、ついでにそいつらの頭もかち割ってやったのさ」
興奮冷めやらぬ様子で、ワタリは呼吸をする。
新カントーは一旦目を瞑り、開くとワタリを見据えた。
「それで、この学校に来たわけか」
「そうだよ。父さんのコネで入れてもらった……おっと。
 君は知っているんだよね。
 新カントー君」



新カントーはつばを飲み、ゆっくり頷いた。
「お、おい新カントー、どういうことだ?」
両手を持たれて動けない赤髪が質問してきた。
「……今年の春だ。
 俺は先生の呼び出しを食らって学校に来た。
 その時、ワタリに会ったんだ。
 ノート先生の車から降りてきたところをな。
 だから察しがついたんだ。
 ワタリとノート先生は、親子だって」
「あはは、その通りだよ」
ワタリは笑いながら、うんうんと頷いた。
「父さんは僕と同じ考えだった。
 劣等生が蔓延り、優等生が損をする世の中の学校を憎んでいたんだ。
 だから僕のことも許容してくれたよ。
 校長のwiki管を脅しつけて、本来なら少年院に入るはずだった僕の入学を許可したんだ。
 あはは~、本当によかったよ。父さんがいい人で」
「……許容したって?」
新カントーが鋭く訊いた。
ワタリは嬉しそうに頷く。
「人の頭かち割っといてか?」
「そうだよ。でもあまり真剣にとらえてもらっちゃ~困るよ。
 米、うどん、ノビール、二代……みんな死んで当然の奴らだったんだから」
新カントーは我慢できずに叫んだ。
「それで優等生ってか?
 てめえらみたいのが蔓延ってる世の中の方がよっぽど腐ってるぜ!!」



「あはは~、劣等生が何いってるのさ。
 所詮何も出来ないくせに」
新カントーはピクッと動きを止めた。
人質はルビーと携帯獣。
それに、長引けばもうすぐ赤髪もやられてしまう。
「……おい、新カントー。よく聞けよ」
突然、赤髪が小さな声で言ってきた。
「これから俺のすることを見るんじゃねえぞ。
 絶対にあいつに隙が出来る。そこを撃て」
「ん~、何か言ってるの?」
どうやらワタリには聞こえていないらしい。
「赤髪、お前何するつもりだ!?」
「いいから、黙ってワタリだけを見てるんだ!
 一緒に戦えて楽しかったぜ!」
そう言うと、赤髪はギンガとアクアマリンを振り払い、銃を抜いた。
再びギンガとアクアマリンが飛び掛ってくる手前、新カントーは全てを察した。
(赤髪――まさか!)
「くくく、ワタリ見てろよぉぉぉ!!!」
赤髪が自分の銃口をくわえた。
「な、赤髪君、まさか――」
(今だ、隙が出来た!)

赤髪が引き金を引く。
くぐもった爆発音と、乾いた音が聞こえた。
一つは、赤髪が自身を撃った弾。
もう一つは、新カントーがワタリを撃った弾。



「くく、あばよ……新カントー」
それが赤髪の最期の言葉だった。
一方、ワタリも最期の言葉を叫ぶ。
「ドラAAモン!!……着火だぁあああぁぁぁ……」
倒れるワタリ。
同時にドラAAモンが十字架に近寄る。
新カントーは急いで振り向き、銃を構える。
だが、もう火が見えていた。

パァンと、弾が爆発する。
ドラAAモンは撃たれた――何者かに。
「だ、誰だ」
新カントーは目を細める。
(俺はまだ撃っていないのに。いったい誰が)
その時、誰かが砂場について、バケツで火を消した。
「お-い、新カントー!」
続けて出てきた少年が、声をかける。
新カントーは扉に駆け寄った。
「お、お前らは……ミュウ、挑戦者!」
新カントーは驚いた。
ミュウと挑戦者は意識の無いルビーと携帯獣を抱え、体育館に入ってくる。




あの時――
ミュウは職員室で挑戦者に出会ったのだ。
それからしばらく隠れていた。
書こうかの一団を発見した時、ミュウは新カントーたちから電話を受け取ったことを思い出した。
体育館にいると。
ミュウは急いでそのことを挑戦者に伝え、体育館へ向かった。
すると、今度は磔にされているルビーと携帯獣を見つけた。
ワタリの計画を盗み聞きし、バケツの水を持ってきたのだ。
そうして新カントーと合流した。

挑戦者はギンガとアクアマリンを始末した。
「それで新カントー。残りは一体誰?」
新カントーは少し考え、答えを出す。
「残りは先生方と、俺らだけだったはずだ」
「ドラーモンなら携帯獣が倒したよ!」
ミュウが溌剌と言った。
だけど、新カントーは首を横に振る。
「いや、もしかしたらゾンビのように復活させられているかもしれない」
「ふふふ、その通りだよ、新カントー君」
体育館の校舎側の扉で、声がした。
三人は振り向いた。
そこにいたのはノート。
「ふふ、ワタリが世話になったね。
 だがやはり詰めが甘いな。人を殺して何になる?
 その人間を支配するほうがはるかに効率がいいというのにねえ」
ノートが不気味に笑いながら、新カントーたちに近づいてきた。


320 :ロッカーのだれか ◆AO0lyY40tE :07/04/24 22:46:31 ID:ab3UNZ9+
「何のようだ?」
新カントーは質問した。
「まだ俺たちに用があるのか?」
「あぁ、こうなってしまったら仕方ないよ。
 ふふ、君らを裏から操ることは不可能のようだからね。
 我々の力で捻り潰すことにしたよ」
ノートが一段と顔を歪ませた。
「へえ、どうやってだ?」
新カントーは強気の姿勢で言葉を返す。
「ふふ、さっき言っただろ?新カントー君。
 『その通りだよ』とね!」
ノートの背後から、何かが飛び出す。
でっかいチェーンソーを振りかざして――
「ド、ドラーモン先生!?」
ミュウが叫んだ。
そこにいたのは、狂戦士と化したドラーモンだった。
両手にチェーンソーを持ち、筋肉がボディビルダー並に膨らんでいる。
血管が浮き出ていて、まさに怪物の形相だ。
「ふふふ、彼には特別な薬を投与したんだ。
 DP3先生が開発した、力を何倍にも増幅させる闇の薬をねっぇえ!!
 やれええ、ドラーモン先生!!」
ノートが指示を出した。
ドラーモンは雄叫びを上げて襲い掛かってくる。
「に、逃げろォォ!!」
新カントーたちは一丸となって校庭へと飛び出していった。

「や、やばいよ新カントー!
 俺たち殺されるよぉ!」
挑戦者が慌てふためいて言う。
「そうだよ、あんな化け物どうするのさぁ!」
ミュウもすっかり混乱した様子だ。
新カントーは必死で冷静さを保とうとした。
――でも無理だ。
「とにかく逃げよう!
 止まったらただじゃすまねえ!食われるぞ!」
三人は校庭のケヤキのところまで来た。
「「ふふふ!驚いたかい、君たち!」」
ノートが拡声器を使って言ってくる。
「「私は考えたのだよ。
  君らのような授業の妨げをする人間をどうするか。
  始めは君らに友好的な方法を取ろうとした。
  君らの協力で、よりソフトに勢力を緩和する方法をね!
  だけど君らは逃げた。だから路線変更したのだ。
  ふふふ、流石のクズどもも、自分らのした遊びで人が死ねばおとなしくなるだろうからね。
  悪いが生贄となってもらうよ。ふっふっふ!!!」」
「ほらみろ、完全に僕らを殺す気だぁ!」
ミュウは目を白黒させた。
三人は校庭を突き抜け、テニスコートへと着いた。
無論ドラーモンも追ってきている。
そのスピードは尋常ではない。もはや人間業では無かった。
三人はテニスコートのネットを飛び越え、フェンスを背後に立ち止まる。



ドラーモンがテニスコートの向かい側に辿り着いた。
「ど、どうするのさぁ新カントー!」
「落ち着け挑戦者。
 そばのテニスボールを投げつけてやれえ!!」
新カントーも必死だった。
バケツごと、テニスボールが転がされていく。
ゾンビ化したドラーモンにとって、どうやら大きな障害だったらしい。
急に足元が覚束なくなった。
「!これはチャンスだ。逃げるぞ!」
新カントーは二人連れて野球部の領域へ駆けて行った。
その途中、後ろから雄叫びが聞こえてきた。
「「ふふふ、油断したね。
  ドラーモン先生を見ていてごらんよぉぉ!!」」
ドラーモンの体が変化していく。
皮膚が血のように赤みを帯び、髪の毛が変化して角が生えてきた。
そして最後に、どこからか取り出した石の仮面を被る。
「「ふふ、彼は今進化したのだよ!
  『ドラーモン作大長編』にねえええええ!!!
  ふふふ、彼は今三倍速さ!」」
ドンッと地響きがする。
ドラーモン作大長編が地面を蹴った音だ。
その地面では見えない波紋が広がっている。
「ば、バカな……」
新カントーが絶句する。
ドラーモンは一気に詰め寄ってきた。
ほぼ空を飛んで。