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「いいからよこせよ!」
「い、嫌だよ!」
バキ!

その日僕はジャイアンにポケモン銀を取られた
とても大切にしていたゲームを……
僕は泣きながら家に帰った。
ママの長い説教を軽く聞き流した後夕飯を食べ、自分の部屋に行き扉を閉めた。
ドラえもんが帰ってからこんな毎日が続いている。
僕がイジメを受けてる何てドラえもんは思いもしてないだろう。
すぐそばにいる……ママさえ気付いて無いんだから……
僕は机からナイフを取り出し手首を切ろうとした。
でも……少し血が出た途端恐くなりナイフを投げてしまった。
「僕は……何の為に生きてるんだろ?」
僕は自分の手首から流れる血を見ながら思った……
毎日毎日同じ繰り返しだ。
学校に行き、先生に怒られ、みんなに笑われ、ジャイアンに殴られる……
「僕がみんなに何をしたんだ…ただ…少し馬鹿なだけじゃないか……」
そう思いながら目をつむると……朝になっっているのだ。
宿題忘れはそれが原因だ。
「朝何て来なくていいのに……」
のび太は手首の傷を包帯で隠し、苦しみの場所でしか無い学校へと向かった。



「よ、よぉ!のび太」
「え…おはよう、ジャイアン」

ジャイアン……
自然と拳に力が入った。そしてそんな僕にふとある邪悪考えが浮かんだ。
『ナイフで殺してしまえばいい』
僕は特に罪悪感なども感じずそんな考えが浮かんだ。
僕はまだ10歳……偶然の事故と見せかければ僕は捕まりはしない……
逆にイジメられてた事実が明るみに出れば、学校からの慰謝料も手に入る……
『そうだよ…今日空き地に呼び出して…』
僕にもう理性は無い。ただ目の前の物をナイフで切ることとしか思って無い……
「ジャイアン、今日…」
「のび太!昨日はごめんな。こ、これ…」
ジャイアンが僕のポケットに無理矢理ポケモン銀を押し入れた。
「ジャイアン…ちょ、ちょっと!」
「じゃあな!」
ジャイアンは走って去って行った…
僕は少し呆然として……学校に向かった
「殺すのは……今度にするか…」
僕は何故かは分からないが少し幸せだった……
とその時
キキーッ!!! ガシャーン!!
僕は音の方へと向かった。
信号に突っ込み大破した車……
そして交差点の横断歩道の真ん中に血まみれの男……いや子供が倒れていた。
「ジャイ…アン」
その子供はさっきまでしゃべっていたジャイアンだった。



「あれ……ここは?」

僕は気付くと病院にいた。
僕は自分でも知らぬ間に救急車を呼び、ジャイアンの付き添いで病院に来たらしい
「のび太君……ありがとうね」
ジャイアンのママが話かけてきた。
その目に大粒の涙を溜めて……
どうやら学校は臨時休校になったらしい……
僕はだいたいの話を聞き、家に帰った。
「何で僕はジャイアンを助けたんだろ……」
自分でも良く分からなかった。
ジャイアンがいなくなればイジメが無くなるかも知れないのに……
もうリストカットをしなくなるかも知れないのに……
生きることに生き甲斐が見つかるかも知れないのに……
次の日は休日……
たくさんのクラスメートがお見舞いに来たらしい。
僕は行かなかった。
どうせ…イジメられて終わりだから…
だが次の日、ジャイアンのママから電話がかかってきた。
『今すぐ病院に来て欲しい』だそうだ。



「すいません、剛田武くんの病室はどこですか?」

僕はジャイアンの病室を看護師に聞いた。
だが面会はできないそうだ。
その時ジャイアンのママがやって来て僕をジャイアンの所まで連れて行った。
「君は……ジャイアンなのか?」
僕は驚いた。
そこには両手が無く体中に包帯を巻いた男がベッドで横になっていた。
「のび太……なのか?」
「…そうだよ」
「へへっ…来てくれないと思った……ぜ」
あきらかに元気が無いジャイアンを僕は直視できなかった。
「今まで…すま…なかったなぁ…お前を…イジメて……ばっかで…
お前は…俺が憎い……よな?」
僕はそれを否定出来なかった。
「…俺は…あと数日で…死ぬんだ…傷に菌が入っちまって……
もう体が…腐りかけてるんだとよ……」
ジャイアンは涙をボロボロ流しながら話を続けた。
「のび太……こんな俺だが…許してくれ…頼む」
『最後の謝罪か…』
僕は呆れてしまった
「ジャイアン。君は僕に謝ってただ死ぬ前に自分が楽になりたいだけじゃないか?」
「の、のび太…俺はそんな……」
「悪いけど僕の傷は謝罪何かじゃ埋まらないだよ!!!」
バン!!!
僕はジャイアンの話を聞かず、家に帰った。



数日後
ジャイアンは死んだ。
だが僕の日常は特に変わること無く続いた。
ジャイアンが死ぬことは僕の最大の願いだった。
ジャイアンが死ねばイジメも無くなり、平和に暮らせると思っていた。
だがイジメは終らない……
今度はジャイアンの仲間が僕を殴るようになってきたのだ。
僕の手首にはまた新たな傷がいくつもついていた……
それから一ヶ月、毎日同じ地獄のような日々が続いた。
そんなある日。
僕は部屋にすみに落ちてたズボンの中からゲームが見つけた。
あの日。ジャイアンが返してくれたポケモン銀だ。
「……やってみるかな」
何故かそのゲームは奪われた時からなに一つ変わっていない……
僕は気付くと夢中でプレイしていた…



二時間ほどプレイして……あることに気付いた。
手持ちのポケモンの1匹がメールを持っていたのだ。
開けてみるとそれはジャイアンからの手紙だった。
とても短い文で一言……
『たんじょうびおめでとう がきだいしょうより』
とだけ書かれていた……
僕は思い出した。
あの事故の日は……誰にも気付かなかったが僕の誕生日だったのだ……
そう……ママすらも…僕すらも忘れてたことをジャイアンは覚えていたのだ…
あの日…何故気付いてやれなかったんだろう。
ジャイアンと言うへそ曲がりだがとても優しい…親友の心からの祝福を……
「ごめんよ……ジャイアン!…ごめんよ…」
僕にはただ泣くことしか出来なかった…
もう二度と見れない…親友の顔を思いながら……

その日から……僕の手首に傷はつくことは二度と無かった…