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ドラミが一歩前に出る。
「しずかさん、私がやりましょうか?」
『ま、まさかさっきの怪光線で……』
いくらイズミでも光線銃(実はショックガンなのだが)には勝てない。
しかし、しずかはそんなドラミをたしなめる。
「いえ、ウォーミングアップにポケモンバトルをしたいわ」
「はん……舐めた真似を……」
強がりを言いながらも、相手がポケモンバトルを選んだことにイズミは安堵した。
「でも、貴方のポケモンは全て没収されているはずよ 」
「心配いらないわ。ドラミさん、あれを」
しずかが手を差し出すと、ドラミは3つのボールを手に乗せる。
「多分アレだけで大丈夫だと思うけど、一応」
その様子をみてイズミが顔を真っ赤にする。
「このわたし相手にポケモン3体……たった3体で勝てるわけないじゃない!」

ナメられている

イズミは怒りに任せてカイオーガを繰り出した。
控室はポケモンバトルのスパーリングができる広さがあるとはいえ、
流石にその巨体は威圧感を与える。
そして室内にも関わらず雨雲が発生し、雨を降らせはじめた。
「濡れちゃうわ……」
しずかはカイオーガにも全く憶さず、自分の服が濡れることだけが気になるようだ。



「バカにするんじゃないわよ、早くアンタのポケモンを出しな!」
イズミの剣幕に、しずかはヤレヤレといった感じでポケモンを繰り出す。
それは三角形の形をした白い飛行ポケモン。
「な、なんなのよソイツ……」
イズミもこんなポケモンは見たことがない。
驚くイズミを後目に、しずかのポケモンが行動を開始する。
『は、速いっ!』
「でんじは!」
しずかの命令で電磁波を発生させる白いポケモン。
それを受けたカイオーガは麻痺させられてしまい、攻撃ができなかった。
「なかなか素早いわね……だけど、電磁波程度で勝った気になるんじゃないわよ!」
「いえ、私の勝ちね……」
しずかはそう呟く。
「どこまでも……バカにするんじゃないわよションベン臭い小娘め!そんな貧弱そうなヤツがカイオーガの攻撃を受けきれるはずがないっ!」
イズミの怒りをしずかは受け流すと、自らのポケモンに攻撃命令を下した。
「エアスラッシュ……」
翼から発生する衝撃波がカイオーガを襲い、それを受けたカイオーガが思わずひるんでしまう。
「エアスラッシュ」
「エアスラッシュ」
しずかの一方的な攻撃が続く。



『おかしい、カイオーガが怯みすぎる……』
イズミは不自然なほどの怯み発生率に焦りを隠せない。
このままではいくらカイオーガでも持たないだろう。
しかしポケモンを交換したとしても、また電磁波→エアスラッシュのコンボが待っているだけだ。
「そのポケモン、何かおかしいわよ!」
イズミのいちゃもんを聞き、しずかは言葉を返す。
「そんなことないわ。この子はトゲキッス。トゲチックの進化形よ」
『そんなもの聞いたことがない……だが、もしトゲチックの進化形ならば……まさか!』
そう、天の恵み。
追加効果の発生率を倍増させるあの特性を受け継いでいるのなら、この怯みの発生率も納得できる。
「だが、対処法がない……」
イズミの絶望の声を聞いて、しずかは勝ち誇ったように呟いた。
「ふふふ、ずっと私のターン……」

だが、イズミは諦めなかった。
カイオーガを引っ込め、キングドラを出してすいすいによる素早さの上昇に賭けたが、素早さに努力値を振っていないキングドラはトゲキッスを超えることはできずに散っていった。
だが、次に出したハンテールが撃破された時、ついにイズミにも勝機が見えてきた。
『エアスラッシュももうじきPP切れのはず……』



イズミの次のポケモン、カブトプスが姿を現す。
さっそく電磁波で麻痺させられてしまったが、
次に来るべきエアスラッシュの攻撃がこない。
エアスラッシュを撃てなくなったトゲキッスはニヤニヤと品の悪い笑いを浮かべている。
「エアスラッシュは弾切れのようね、げんしのちから!」
カブトプスの原始の力がヒットし、トゲキッスの体力をレッドゾーンに追い込む。
「ソイツさえ倒してしまえば、こちらのものよ!」
「仕方ないわね……トゲキッス、バトンタッチ」
バトンタッチ?
エアスラッシュを撃てなかったさっきのターンに何かやったのか?
イズミの疑念にしずかが答える。
「悪巧みの効果をコイツに移させてもらうわ」
そう、トゲキッスの笑みは悪巧みによるものだった。
そしてトゲキッスの代わりに現れたのは、イズミもよく知っている、
だがしずかが持っているはずがないポケモンだった。
「なぜアンタが……それを……」
「それは、あなたごときが知る事ではないわ、はどうだん!」
その攻撃を受け、一撃で戦闘不能にされるカブトプス。
「つ、強いっ!出木杉様の持つ個体以上かもしれない……」
この瞬間、イズミは敗北を確信した……



戦いは終わり、イズミはその場で放心状態で崩れ落ちている。
「しずかさん……」
ドラミが心配そうにしずかを気遣う。
「ルネ以来、まだ少々記憶の混乱があるみたいだけど、大丈夫よ」
「どうやら催眠術で植え付けた疑似人格が強すぎたようね、ごめんなさい……」
すまなそうに謝るドラミに、しずかはそっと抱きついた。
「謝らなきゃならないのは私のほう。
ワガママに付き合わせちゃってごめんなさい……」
二人はしばらくその体勢で時を過ごし、そしてゆっくりと体を離した。
しずかは放心したイズミを見下ろす。
「私に残っている記憶がこの女を許せないと言っている。
そして私をレイプさせようとした……」
ドラミは無言でしずかの指示に従う。
「もう私は子供じゃない。あなたのしようとした行為、
そして出木杉がした行為には報いを受けて貰うわ」

一通り作業を終えると、しずかとドラミは控室を後にする。
「イズミさん、この世界が消えるまで、あなたは罪の重さをその身で体感してもらうわよ……」



ポケモンリーグ、第2の間。

「いけえっ、ラグラージ!」
「バクーダ、頼むよ!」
因縁のジャイアンとアスナの戦いが開始される。
「アスナ姉ちゃん、ダブルバトルじゃなくていいのかい?」
アスナはルネシティ襲撃の際、ダブルバトルに特化したユレイドルなどをパーティーに組み込んできていた。
だがアスナはそんなジャイアンの言葉は上の空だ。
「アタシには後がないんだよ。どんな卑怯な事をしても勝たなきゃならない……」
その言葉には、アスナの退けない覚悟が込められていた。


決戦直前、ポケモンリーグ殿堂前……

「アスナ、君はまだ覚悟ができていないようだね」
出木杉の冷たい言葉が響く。
「か、覚悟……覚悟ならあります、出木杉様のために戦う覚悟が!」
出木杉がアスナに立つように命令する。
「後ろを見ろ」
アスナが振り向くと、そこにはマユミとエアームドが立たずんでいた。
「あのエアームドを倒せ」
背中から出木杉の声が聞こえる。
意図することはさっぱりわからないが、とにかく言われた通りにするしかない。
『鋼タイプなんてアタシのバクーダでイチコロさ!』



「いけ、バクー……きゃああっ!」
バクーダのモンスターボールを投げようとした直前、アスナの大きな胸が背後から鷲掴みにされ、揉みしだかれる。
「あああっ!」
その快感に心を奪われた瞬間、アスナの目の前にはエアームドの嘴が突きつけられていた。
「ほら、負けちゃった」
背後から胸をもてあそぶ出木杉。
「そ……んな、ああっ、これじゃ……戦えませんっ!」
「だろ、君は僕のために戦おうとしてくれたが、僕のために勝つことはできなかった」
アスナはショックを受けた。
確かにアスナは出木杉のために戦う、だがそれだけでは絶対に勝利できるとはいえない。
「アスナの胸、大好きだよ」
「はい、出木杉様……」
アスナはその快楽に身を預けつつ、出木杉のために「勝利」する事を誓った。


再び第2の間。

「ラグラージ、だくりゅうだっ!」
2度目の濁流がヒットし、バクーダがその体をゆっくりと横たえる。
アスナはバクーダを戻し、次にウインディを繰り出した。
『さて、アレを使わせてもらうわ』
「タケシ、あなたに面白いものを見せてあげるわ」
試合状況を確認するための大型ディスプレイがある部屋を映し出す。



「あ、あれは……マホ、ナホ!」
二人の少女が、十字架に貼り付けにされている。
『た、タケシ、タケシなの?』
『タケシっ、助けて!』
どうやらこちらからは声しか届かないようだ。
「姉ちゃん、どういうことだ!」
ジャイアンの怒声がアスナに叩き付けられる。
「今から、アタシのポケモンが戦闘不能になる度に、あの十字架が少しずつ下に降下していく」
アスナが床のボタンに指を伸ばす。
「まずはバクーダのぶん、と」
マホとナホが拘束された十字架がゆっくりと降下していく。
『いやああああああっっ!』
二人の悲鳴が響く。
マホとナホの足元には、10人ほどの男が目をギラつかせながら待機していた。
すでにその手は二人の少女の足からクツとルーズソックスを剥ぎ取り、己の欲望を満たす道具にされてしまっている。
「あれは出木杉様が飽きた女を狙うハイエナ達。あとは……分かるわね」
「人質……汚ねぇ、汚ねぇぞ!」
これではアスナのポケモンを倒すことができない。
アスナはその言葉を振りきるようにモンスターボールを投げる。
『アタシは、どんな手を使っても出木杉様に勝利を捧げる……』



ポケモンリーグ、第4の間。

「最後は、やっぱり……」
バトル場にいたのはナギ。
ヒワマキのジムリーダーだった女性である。
「出木杉様はこの奥にいるわ」
のび太がナギと戦おうとするが、それをドラえもんが制止する。
「のび太くん、先にいって」
「最初の作戦では僕がナギさんと戦う予定だったじゃないか!」
ドラえもんはイズミと、のび太はナギと戦う。
それが皆で立てた作戦なのだ。
「いや、君は出木杉を倒してしずかちゃんを救うんだ。君は将来しずかちゃんと結婚するんだろ!」
ドラえもんはのび太を奥に突き出すと、自分はナギとのバトルステージに走っていった。
「ごめん、ドラえもん!絶対にしずかちゃんは助けてみせる……」
のび太は後ろを振り向かず、ただ走り出した。

「頑張って、のび太くん……」
無事にのび太を見送ったドラえもんはナギと対面する。
「戦うのは止めよう……と言ってもダメですよね」
「ええ、もう私は元には戻れないわ」
ナギとドラえもんは、同時にモンスターボールを放った。



ドラえもん、ナギ、共に繰り出したのはエアームドだ。
「あら、私を相手にエアームドで戦いを挑むというの?」
「ヒワマキのジムリーダーだったナギさん相手なら多分勝てない……けど!」
ドラえもんのエアームドが影分身をする。。
「分かるわよ、そのエアームドは……つるぎのまい!」
ナギのエアームドは優雅に空を舞い、その攻撃力を増加させる。
「何もできないエアームドなんて、力でねじ伏せてあげるわ!」
「くっ、読まれてる……」
ドラえもんは唇を噛み締めた。
そう、このエアームドは対イズミを想定して撒き菱が戦術の軸になっている。
飛行ポケモンしか持たないナギ相手にはその戦術は使えない。
「ほえろ、エアームド!」
本来は撒き菱を踏ませるために使う吠える攻撃を、緊急避難的に使う。
「つるぎのまいで上昇した攻撃力をリセットしたくて吠えたのね。だけど……」
ナギのエアームドがボールに戻され、強制的に現れたのはフライゴン。
「ありがとう、エアームド同士では弱点が突けなくて決め手に欠けるのよ」
ナギの命令でフライゴンが火炎放射を放つ。
影分身のおかげで間一髪それをかわしたドラえもんのエアームドだったが、劣勢は明らかだ。



「ほえるを使うことまで計算して、つるぎのまいをブラフに使ったのか」
やはりナギは強い。
だが先に進んだのび太を援護するためにも、ここで倒れるわけにはいかない。
「戻れ、エアームド!」
ドラえもんはエアームドを戻す。
『今回はもう君の出番はないと思うけど、お疲れ様』
エアームドに感謝をし、次に繰り出したのは白い体毛に包まれた四足獣。
「アブソル……」
ヒワマキで暮らしていたナギには懐かしいポケモン。
『友達がゲットするのに必死になってたっけ』
そんな感傷が頭をよぎった。
「ん、涙……なぜ……」
ナギの目からはいつのまにか一筋の涙がこぼれ落ちている。
それを袖で拭うと、ナギは叫ぶ。
「フライゴン、じしん!」
フィールドが激しく揺れ、ドラえもんのアブソルに衝撃が襲いかかる。
かなりのダメージを受けながらも、アブソルはそれに耐えきった。
「アブソル、つじぎりだ!」
アブソルが跳躍し、鎌状の頭飾りでフライゴンに斬りかかる。
「その攻撃を耐えたら、もう一度地震……な、なんですって!」
ナギは驚愕した。
アブソルの辻斬りは、その一撃でフライゴンを葬ったのだ。



「な、何なの、この攻撃力の高さは……」
「こだわりハチマキにタイプ一致、そして急所直撃だ!」
ドラえもんが力強く力説する。
『コイツは……厄介ね』
アブソルは物理攻撃力の高いポケモンだ。
それがさらに特化されている。
「ならば、それに耐えうるポケモンを繰り出せばいい……カイリュー!」
ナギが呼び出したのはカントー最強クラスのドラゴンポケモン、カイリュー。
その巨大がドラえもんを威圧する。
次のアブソルの攻撃を受け、耐えた上で反撃する。
「カイリュー、はか……」
破壊光線を命じようとした矢先、ナギの背中に悪寒が走った。
「こらえなさい!」
「もう一回つじぎりだっ!」
アブソルの辻斬りがカイリューにヒットする。
それは再びカイリューの急所に当たり、体力を戦闘不能寸前にまで持っていく。
「まさか、2回連続で急所とは……ふふふ、そういうことね」
そう、ドラえもんのアブソルは強運の特性を持っているのだ。
「まさか、違う個体のアブソルだったとはね」
事前のデータでは、ドラえもんが持つアブソルはプレッシャーの特性だったはず。
この戦いのために違うアブソルをゲットし、育成したのだろう。



『タヌキめ、あんな顔してるけど相当の詐欺師ね』
でも、タネさえわかれば何ということはない。
「よし、後一息だ。つじぎ……」
「カイリュー、げきりん」
カイリューの逆鱗が攻撃態勢のアブソルに直撃し、吹き飛ばす。
「そんな、アブソルのほうが素早さが上だったのに……」
計算が狂い、ドラえもんがあわてている。
『ふ、策士の割には知識がないのね』
体力を瀕死寸前にまで削られたカイリューは、自らに持たされたカムラの実を食べた。
素早さを高める効果を持ったその実を口にしたカイリューは、アブソルを上回るスピードを得たというわけである。


数日前……

「イズミのポケモンはすいすいって特性があるだろ?あれの対策ができなくて……」
ドラえもんはその悩みをスネ夫にぶつけた。
「それ以上の素早さを持つポケモンを使うか、雨を止ませるか、特性を打ち消すって手もあるね」
スネ夫がその知識をひけらかす。
「うーん、だけど今から育成している余裕はないし」
落胆するドラえもんのその手に、スネ夫はモンスターボールを乗せた。
「ドラえもん、よかったらコイツを使いなよ。これは僕が育てた中のとっておきの一匹さ」



再び舞台は戻る。

「スネ夫、使わせてもらうよ」
ドラえもんは、スネ夫に託されたモンスターボールを放る。
現れたのは、黒い半透明のボディに赤く輝く眼を持つ不気味なポケモン。
「そいつは……ゲンガーっ!」
「ふいうちだ、ゲンガー!」
ドラえもんのゲンガーは姿を消したかと思うと、カイリューの背後から現れていた。
ゲンガーの卑劣な一撃がカイリューの背中にヒットし、わずかに残った体力を奪う。
「素早い敵には、先制技だっ!」
「ゲンガー、なかなか強力なポケモンね……」
次々と繰り出されるドラえもんのポケモン達に、ナギは防戦を余儀なくされていた……


ポケモンリーグ、第1の間。

スネ夫とツツジの戦いは続いていた。
スネ夫のユレイドルがガラガラの捨て身タックルから身を守る。
「くそ、あのガラガラ……攻撃力が半端じゃない!」
スネ夫のフィールドにはマルノームとユレイドル、ツツジはガラガラとレジアイス。
レジアイスはマルノームのアンコールを受けてのろいを行い続けている。
ユレイドルの怪しい光を警戒したツツジはガラガラのターゲットをユレイドルに絞って攻撃を行なっているのだ。



「マルノーム、いえきだ!」
マルノームのあくびがレジアイスに浴びせられる。
「ちっ、ウザいわね!黙らせてやるわ!」
ガラガラの骨ブーメランがマルノームに飛んでいき、脳天に直撃した。
「ま、マルノーム!」
ゆっくりと崩れ落ちるマルノームを見ながら、スネ夫はユレイドルに毒毒を命令する。
レジアイスは猛毒を受けるが、まだ能力を上げ続けている。
「すまない、のび太……」


数日前……

「の、のび太。これ返すよ」
「これは……マルノームじゃないか!」
のび太は驚いてスネ夫を見た。
スネ夫は照れ臭そうに他所を向いている。
「あんときは無理矢理取った形になっちゃったからな。ありがたく思えよ」
のび太はかぶりを振ってそのボールをスネ夫に返す。
「のび太?」
「スネ夫、それは使ってよ。僕もあのケッキングには色々助けられたからさ」
スネ夫は戻されたマルノームのボールを握り締めると、ぷいと背中を向けた。
「後で返せって言っても聞かないからな!」
そう言い放つスネ夫の顔は真っ赤に染まっていた。

「のび太のくせに、ふん……」



再び舞台は戻る。

「よくもマルノームを!」
スネ夫が怒りにまかせて繰り出したポケモンは巨大な体躯を現した。
「それはカビゴン……アンタがそんなポケモンを持っているとはね」
ツツジはカビゴンに捨て身タックルを食らわせる。
『さすがにタフね……』
ガラガラのタックルを食らってもなお、カビゴンは戦闘不能にならない。
「ユレイドル、エナジーボール。カビゴンは眠るんだ!」
ユレイドルのエナジーボールがガラガラの体力を削り、カビゴンは体力を回復するため眠りについた。
「あら、カビゴンはお休みのようね。仕切り直しかしら」
『とはいえ、レジアイスのアンコールの効果さえ切れれば私が優勢になるわ』
猛毒で体力を奪われているが、スネ夫のユレイドルではレジアイスを落とすことはできない。
「ガラガラ、次こそユレイドルにトドメを!」
だが、スネ夫は仕切り直すつもりは毛頭なかった。
「ユレイドルはまもれ、カビゴンはねごとだ!」
ガラガラの一撃をユレイドルは受け止める。
カビゴンが寝返りをうつと、すさまじい震動がフィールドを襲った。
『これは、地震っ!』
エナジーボールで体力を削られていたガラガラは一気に体力を奪われて瀕死になってしまう。



レジアイスにも地震によるダメージが与えられ、そして猛毒がさらに体力を奪う。
「く、まさか寝言とは……」
カビゴンが眠っていることで完全に油断していた。
『レジアイスも体力が少ない、こうなったらまた大爆発で……』
次に繰り出したのはレジスチル。
「レジスチル、まもるのよ!」
後はアンコールの拘束が解けたレジアイスが大爆発すれば……
しかし、マルノームのアンコールは予想外の効果をもたらしていた。
「ユレイドル、エナジーボール!」
レジアイスが行動するより先にユレイドルのエナジーボールが直撃し、レジアイスを倒してしまったのだ。
「しまった、のろいで素早さが……」
そう、アンコールでのろいを使い、レジアイスの素早さは落ちてしまっていたのだ。
「クリアボディは胃液で打ち消されていた……のび太、マルノームがレジアイスを倒したんだ!」
「……許さない、許さないわ」
ツツジがわなわなと体を震わせる。
「ガキが調子に乗りやがって!私の邪魔をっ!」
完全に切れたツツジは、最後のモンスターボールを放り投げた。
現れたのはすでにフィールドにいるポケモンと全く同じ個体。
それは、二体目のレジスチルだった……



注:エロ

ポケモンリーグ・第2の間

「ああ、ラグラージっ!」
ジャイアンのラグラージがその巨体を横たえる。
ラグラージは連続で守ろうとしたが、守るは連続で行うと成功率が落ちる。
その隙を突かれ、ウインディの神足を何度もくらったラグラージは、ついに倒れてしまったのだ。
「くそぉっ、人質さえとられてなかったら……」
マホとナホは荒くれ共の頭上で拘束されている。
アスナのポケモンを倒せば、二人はどうなるかは火を見るより明らかだ。
「アスナ姉ちゃんの卑怯者!正々堂々と戦えーーっ!」
「ふん、アタシの下着を盗んだ泥棒が正々堂々を語るなんてね」
アスナに思わぬ反撃を受け、閉口してしまうジャイアン。
「タケシ、あんたは本当はあの二人がひどい目に遭うことを望んでるんだろ?」
「そ、そんなことないやい!」
アスナはゆっくりと自らのタンクトップを脱いでいく。
放漫な胸が露になり、いやがおうにもジャイアンの視界に入ってくる。
「ほら、体は正直さ。自分の下半身を見てみなよ」
ジャイアンが視線を下ろすと、その股間ははち切れんばかりにテントを張っていた。
「あ、ああ……あ……」



注:エロ

「こんな緊迫した状況でも、あんたのアソコはビンビンに腫れ上がっている」
「違う……」
「あんたは真性のエロガキなんだよ!」
「違う!違う違うちがうっ!」
ジャイアンの反応を見て、アスナはその奥底に隠された真意を見た。
思わず笑いだしてしまうアスナ。
「な、なんだよっ!」
「そう、そうなのね……アハハ!」
アスナがジャイアンの核心を突いた。

「あんた、出木杉様みたいになりたいと思ってるだろ」


数日前……

「行っちまうのかよ……」
「うん、私達はサポートしなきゃならないからね」
ジャイアンとマホ&ナホは夜のキンセツを歩いていた。
二人は道具などを補充するため、高レベルジグザグマを連れて道具を拾い集めるという役をかって出たのだ。
「タケシ、はいコレ」
マホとナホはジャイアンの両手に布きれを掴ませる。「お金は貰ったからね、契約は果たさないと」
「あんまりやりすぎるんじゃないわよ、うふふ」
そう言うと、二人はその場を去っていった。

ジャイアンの両手に残された二枚の下着。
だが、ジャイアンはそれを見ているだけだった。

「俺は、俺はもうこの程度じゃ満足できねえんだ……」



注:エロ

再び舞台は戻る。

「俺は……俺は……」
ジャイアンは呆然と自分の下半身を見続けている。
アスナはそんなジャイアンに更に言葉を浴びせ続ける。
「タケシ、あんたガキ大将なんだって?けどガキ大将なんて所詮お山の大将に過ぎないわ」
「そんな、事は……」
「だって、あんたは男として出木杉様に遅れをとってるじゃない」
「違ーーうっ!!」
ジャイアンは完全に頭に地を上らせてボールを投げる。
現れたのはボスゴドラだ。
「じしんをくらわせろぉぉっ!」
ボスゴドラが右足を地面に叩き付けると、すさまじい衝撃波が発生した。
激しい地面の揺れを受けて一撃で戦闘不能になってしまうウインディ。
「し、しまった!」
「あら、やられちゃったわね」
アスナが笑いながら手元のスイッチを押す。
すると、大型ディスプレイの向こうの磔台が再び下降を始めた。
『イヤッホーーー!』
男達の下品な歓声が響き渡る。
マホとナホの首は力を無くして頭を落としている。
どうやら、あまりの状況に気絶してしまっているようだ。
「さて、どうなるかしら」
アスナが楽しそうにその様子を見物している。



注:エロ

欲望にかられた男達がマホとナホのスカートに手をかけ、それを引きずり下ろした。
すでにその下の下着まで奪われ、二人はその恥態を男達に晒している。
「あ、ああ……」
二人の下半身に釘付けとなるジャイアン。
アスナはゆっくりとジャイアンに近づき、ジャイアンの頭を両手で掴み、自らの胸に抱き寄せた。
「あんたが望むなら、アタシがあんたを飼ってやるよ」
その誘惑の言葉、そして暖かいアスナの胸。
『すまねえ、すまねえのび太……』
ジャイアンはその誘惑に負けようとしていた。


『惑わされるなッ!!』


不意に聞こえたその声に、ジャイアンはアスナの胸に抱かれたまま上を向く。
ディスプレイには、マホとナホが一人の男に抱えられている姿が映っていた。
『二人は助け出した。君は自分の友のために戦うんだ!』
「友……のび太!」
ジャイアンは勢いよくアスナの胸に噛みつく。
「痛っ!!何するんだい!」
アスナを突き飛ばすと、ジャイアンは大声で宣言する。


「俺はっ!もう心の友を!うらぎらねぇぇぇぇっ!」



アスナは元の位置に戻ると、噛まれた胸をさする。
「ちっ、なんてことしやがる。それもこれも……」
ディスプレイを見上げ、憎悪の視線を叩き付けた。
「ジンダイ、裏切りやがって!!」
マホとナホに気付けを行なったジンダイがアスナを見る。
『俺はお前達に付いたふりをしていただけだ。リラやアザミを助けるためにな』
そう言い残すと、ディスプレイは砂嵐を映し出すのみとなった。

「さあ、アスナの姉ちゃん。次のポケモンを出しな!」
「私のペットにならなかったこと、後悔することになるよ!」
アスナは新たなポケモン、バシャーモを繰り出した。
「出木杉様から頂いたこのバシャーモであんたを倒してやるわ、スカイアッパー!」
バシャーモのスカイアッパーがボスゴドラに炸裂する直前、その姿がかき消える。
「バシャーモ相手にボスゴドラを使い続けるようなバカじゃねーっての!」
代わりに現れたボーマンダがスカイアッパーをその身に受ける。
「ちっ、ポケモンを代えたの……」
アスナが舌打ちするのも無理はない。
ボーマンダは格闘と炎に耐性があり、地面技を無効化する。
まさに天敵といえるポケモンなのだ。



ポケモンリーグ、とある一室。

マホとナホはジンダイの飛行ポケモンを借り受け、無事に脱出した。
「さて、こうなったら一刻も早くリラやアザミを助けださなければ」
ジンダイは部屋を出ようとしたが、その入口に二つの影が立っていた。
「お前は、ドラミ……そして、何故君がここに?」
そう、ドラミと一緒にいたのは自分が拐ってきたはずのしずかだ。
「そうか……ドラミ、君が助けだしたのか」
「ええ、そしてこれはついでよ」
ドラミが後ろを見ると、通路に二人の女が寝かされていた。
「アザミ、それにリラ……」
アザミとリラは全裸のまま、身体中に何かがこびりついた状態で放置されていた。
ジンダイは涙を流しながら二人に自分の上着をかぶせる。
「すまん、礼を言う……」
頭を下げるジンダイに、しずかが言葉を浴びせかける。
「私はこんな汚い女達は無視して先に行こうって言ったのに……ドラミちゃんに感謝しなさいよ」
ジンダイが矢のように立ち上がり、しずかの胸ぐらを掴む。
「貴様!子供とはいえその言葉は許せん!!」
ジンダイの怒りを受けながらも、しずかは全く動じた様子がない。
「お、お前は……誰だ?」
ジンダイは思わずそう呟いた。



目の前のしずかに、思春期の少女らしい感情の動きが見られない。
しずかはジンダイの腕を乱暴に振り払うと、乱れた胸元を直しはじめる。
「全く、ゲームキャラのくせに。ドラミちゃんが甘すぎるのよ」
「それは、しずかさんがこのゲームにいい思い出がないから……」
唖然とするジンダイを無視して、しずかは先に進もうとする。
「じゃあジンダイさん、後は……」
ドラミがジンダイに頭を下げると、しずかの後を追う。
「ち、ちょっと待て!俺にも事情を……」
ジンダイがそう言いながら二人を呼び止めようとする。
しずかが振り向くと、口を開いた。

「もう、うるさいわね」

その瞬間、ジンダイの姿がかき消えた。
ドラミがやれやれといった顔をする。
「もう、独裁スイッチを簡単に使わないでよ」
しずかは手に握られた半球状の道具をポケットに入れる。
「どうせ消えちゃうんでしょ、遅いか早いかの差よ」
「もう、仕方ないわね……やっぱり記憶を操作しておいて正解だったわ」
二人は通路を更に奥へと進んでいった。

カナズミシティ、デボン本社ビル。

「おぼっちゃま、ダイゴおぼっちゃま!」
「父は社長室だな」
秘書の女性達の制止を振り払い、ダイゴはミツルを連れて社長室へと向かっていた。

バンッ!

社長室と書かれたプレートの下にある大きな扉を開けると、部屋の最奥にはダイゴの見知った壮年の男が大きな回転式チェアーに座っていた。
「おお、ダイゴか。久し振りだな」
ダイゴは社長室を見回すと、父親を無視して大きな声を上げた。
「いるのは分かってるんだ。出てきなさい!」
ダイゴの声を受け、出てきたのはひとりの女の子。
それは、ダイゴもよく知っている少女だった。
「君はシズカ……なのか」
無言で頷く少女。
「彼女が現れたのは数日前だっただろうか」
デボン社長は全てを説明しはじめた……

しずかがカナズミに現れた時はかなり衰弱していた。
街中で倒れたしずかは病院に搬送され、身元引受人としてしずかと面識のあったデボン社長が面倒をみることになったのだ。
だが、しずかは以前会ったしずかではなかったのである……
彼女はカナズミに来た事も初めてだったのだ。



「シズカくんは何も語ってはくれない。だが、ただならぬ事だというのは分かっているつもりだ……」
しずかという少女が拐われたという事件はホウエン中に放送されていた。
それが何故かここにいる。
デボン社長はしずかを秘密裏に保護することにしたのだ。

「私は大体の事情は察したつもりだ。今捕えられているシズカが本当の黒幕だということ……」
ダイゴはしずかに詰め寄る。

「では君は誰だ?」

「そこからは僕が説明するよ」
社長室の応接ソファーに腰をかけているのはダイゴに同行していたミツルだ。
「僕がここで彼女の面倒を見ていた。そしてあなたの知りたかった真実の最後のピースはおそらくこの話だよ」


一時間後……


「し、信じられん……だが、それが真実なのか」
ミツルや社長もあまりに途方もない話に、声すら出なかった。
そんななか、しずかが口を開く。

「私も、私も皆のところに行かなくちゃ……行かなくちゃならないの」