ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

出木杉の未来大冒険 その3

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 ジムに入ると、まず最初にジムリーダー認定トレーナーを見ておいた。
そこには僕とドラえもんを除く4人の名前があった。
僕たちが24・25番道路にいる間にジム戦を済ましたのだろう。
早く彼らに追いつこうと心に決め、ジムリーダーのもとへ歩いていった。

「あら、また子供の挑戦者?今日は多いわね・・・」
 近づいた僕にすぐ声をかけてきたのは、オレンジ色の髪をした
25歳くらいの美人の女性だった。
ここにいるということは、恐らくこの女性がジムリーダーのカスミで
間違いないだろう。すっかり立派な大人になっているが、かすかに昔の面影がある。
僕がそんな事を考えていると、突然カスミがこう言った。
「どうしたの、さっきから私の顔をジーッと見てるけど・・・」
「い、いえ!なんでもありません!」
 思わず赤面してしまった。どうやら僕はずっと彼女の顔を見つめていたらしい。

 疑問を聞き終えたカスミは腰につけてあるモンスターボールを取り出した。 
「じゃあ、早速始めましょうか。」
「ええ、どうぞ。」
「出ておいで、トサキント!」
 カスミの最初のポケモンはトサキントだった。昔は手持ちにいなかった
ポケモンである。どうやらタケシと違い、手持ちのポケモンが変わっているようだ。
「頼んだぞ、リザード!」
 僕は当初の予定通り、タイプでは不利なリザードを出した。
カスミはちょっと驚いているようだ。
「水タイプにリザード?折角こっちが水タイプで来るって分かってるんだから
 ちゃんと相性で有利なポケモンをつれてこればいいのに・・・」
 確かにカスミの言うとおりだ。しかし、僕はあえてこの厳しい道を選んだのだ。
「炎タイプだからって甘く見ないでくださいよ。リザード、行くぞ!」
 僕の掛け声にリザードが雄たけびを上げて呼応する。いよいよバトルの始まりだ!



 バトルは僕の攻撃から始まった。
「リザード、龍の怒りだ。」
リザードの攻撃を受けたトサキントは吹っ飛んだ。龍の怒りは
相手に必ず40ダメージを与える技だ。序盤ではかなり頼もしい技である。
「力押しできたか。トサキント、超音波よ。」
「読み通りだ。リザード、鳴き声!」
 トサキントはもう後一発で倒れてしまう状況だ。だからここは混乱による
攻撃失敗にかけるしかない、という僕の予想が見事に的中した。
トサキントの超音波をリザードの鳴き声がかき消した。
「今だリザード、もう一発龍の怒り!」
トサキントが再び飛ばされ、動かなくなる。どうやらもう戦えそうにはない、
まずは1勝だ。

「なかなかやるようね。コダック、行ってらっしゃい。」
カスミが次に出したのはコダック。これも前はいなかったポケモンだ。
「速攻で倒すよ、リザード。龍の怒りだ。」
 僕は先程と同じパターンで倒す作戦に出た。攻撃はコダックに
かなりのダメージを与えた。
「2度も同じ手が通じると思わないことね。コダック、金縛りよ。」
「しまった!」
 気付いた頃には時すでに遅し。龍の怒りは封じられてしまった。
リザードに残された攻撃技は引っ掻くと火の粉。
どちらもあまりダメージを与えることが出来ない技だ。
「コダック、水鉄砲よ。」
「リザード、火の粉だ。」
 水鉄砲と火の粉の応酬が繰り広げられる。ダメージの差では大きく不利だが、
敵は龍の怒りで大ダメージを受けている。結局お互い2回目の攻撃であっさり沈み、
勝負は相打ちに終わった。

「まさか炎タイプに2匹もやられるとはね。でも私は負けない。
 スターミー、任せたわ。」
 やはり最後は13年前から変わないカスミのエース、スターミーだった。



 敵のスターミーに対し、僕はキルリアを繰り出した。ここまでは予定通りだ。
早速こちらから攻撃を仕掛けた。
「キルリア、マジカルリーフだ。」
 水タイプに効果抜群で威力60の技マジカルリーフ。これがあるから
僕はキルリアを対スターミー用ポケモンに選んだのだ。
攻撃をくらったスターミーは半分程のダメージを受けた。
「成程、草タイプの技を持っているのね。ならスターミー、影分身よ!」
 カスミはこちらの攻撃を受けないようにするために、
影分身で回避率を上げる作戦に出た。だが、どこかおかしい・・・・・・アッ!
「何ボーッとしてるの?スターミー、いまのうちにスピードスターよ。」
僕が異変に気付いた瞬間にスピードスターがキルリアを襲った。
「キルリア!大丈夫か?」
僕はキルリアを心配して駆け寄るフリをする。そしてキルリアにある事を耳打ちした。キルリアは無言で頷き、再び戦闘態勢に戻った。

「よしキルリア、もう一度マジカルリーフだ。」
「スターミー、影分身で避けるのよ。」
キルリアの攻撃は外れ、影に当たった。カスミが笑顔を見せる。
「スターミー、もっと影分身をするのよ。」
「キルリア、何度もマジカルリーフで攻撃しろ。」
マジカルリーフは影にばかり当たって外れている。それを見るカスミは嬉しそうだ。
「いいわよスターミー、そろそろ攻撃に移りなさい。水の波動よ!」
 だがスターミーの攻撃が当たる前に、キルリアのマジカルリーフが的確に命中した。カスミは少し焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。
「今のは運が悪かっただけ、2回続くはずがないわ。もう一度水の波動よ。」
 しかしカスミの思い通りには行かない。今度も先にマジカルリーフが命中し、
スターミーは倒れた。向こうの手持ちポケモンはこれで0、僕の勝ちだ!



 バトルを終えたカスミは僕に近づいてくるとこう言った。
「どうやら私の負けみたいね。しかしあの状態で2回連続攻撃を当てるなんて、
 なかなかの強運の持ち主ね。」
「いや、あれは運のおかげじゃありませんよ。」
「え,え?」
 僕の言葉が予想外だったのか、カスミは驚いている。
僕は先程の戦いの裏を語ることにした。
「実はさっきのマジカルリーフって技なんですけど、あれはスピードスターと同じ
 絶対必中の技なんですよ。あなたは知らなかったみたいですけど・・・」
「え?でも何回か外れたじゃない・・・」
「キルリアがスピードスターで飛ばされたとき、僕が駆け寄って行ったのを
 覚えていますか?
 あの時僕はキルリアにこう耳打ちしたんです、“敵が攻撃してくるまで、
 マジカルリーフをわざと外せ”とね。そうする事であなたにマジカルリーフが
 必中の技であることを悟られないようにしていた。」
「そういうことか・・・あの技の効果を知らなかった事が致命的だったわね。私の完敗ね。ブルーバッジを受け取って。」
 カスミから僕にブルーバッジと水の波動の技マシンが渡される。僕はそれをありがたく受け取り、ジムを後にした。次の目的地はクチバシティ。まだ見ぬ次のジムリーダーに思いをはせ、回復を済ませた後、僕はハナダシティを出て行った。



 まったく用事の無い育て屋以外は特に何も無い5番道路をさっさと抜け、
地下通路から6番道路へ向かった。地下通路の中は薄暗く、
不気味な雰囲気をかもし出していた。
「気味の悪いところだな・・・ん、これは?」
 僕の足下に不思議な箱のような物が落ちていた。そういえば、地下通路には落し物が多いことを思い出した。僕は周りに誰もいないことを確認すると、その箱をこっそりバッグの中に入れた。こんな窃盗行為はしたくないのだが、どうもこの箱が気になって仕方なかったのだ。
 その後は特に何事もなく、地下通路を抜けて6番道路へ到着した。道中たくさんのトレーナーがいたが、僕と互角に張り合えるようなトレーナーは存在しなかった。
僕はあっさりと6番道路を抜けてクチバシティに辿り着いた。
「まずは回復を済ませるか・・・」

 ポケモンセンターへ入った僕の目には2人の見慣れた人物が映った。
ジャイアンと静香である。僕に気付いた2人が声をかけてくる。
「あら、出木杉さん。こんにちは。」
「よう出木杉、お前も来たか!」
「やあ静香ちゃん、武君。2人ともなんでこんな所で
のんびりしてるんだい?ジム戦は?」
 僕の問いにジャイアンが答えてくれた。
「それがよー、クチバシティのジムに入るには居合い切りが必要なんだが、
サントアンヌ号に乗れないから手に入れる手段が無いからここで行き詰ってるんだ。
今のび太とスネ夫が秘伝マシンを手に入れる手段を探しに行ってるんだが・・・」

 ちょうどその時だった。タイミングよくのび太とスネ夫が帰ってきてこう告げた。
「皆、朗報だよ!どうやら居合い切り名人は船長を引退してもう死んじゃったみたいで、その息子がこの近くに住んでるみたいなんだ。もしかしたら秘伝マシンをもらえるかも知れないよ!」
 その話を聞いたジャイアンが飛び上がる。
「何、本当か!よし皆、早速行くぞ!」
 僕たち5人はすぐに居合い切り名人の息子が住む家へと向かった。



 居合い切り名人の息子が住むという家はすぐに見つかった。辺りから明らかに浮いている大きな家だったからだ。早速僕たちはその家へ入り、息子に話を持ちかけた。息子は以外にもすぐ返答した。
「よし、いいだろう!家にまだ秘伝マシンは6、7個ほど残っていたから持っていくといい!」
「本当ですか!ありがとうございます!」
とたんに僕たちの顔が明るくなる。だが世の中、そううまくは出来ていないのである。
「ただし、1つ条件があるぞ。」
「条件?何でしょうか・・・」
 息子が突きつけた条件はとても厳しいものだった。
「この町とニビシティ周辺を繋ぐ“ディグダの穴”という洞窟は知っているよな。野生のディグダたちが掘り進み、住処としている場所だ。」
「はい、知ってますよ。」
 ディグダの穴をゲームでも出てきた場所だ。勿論知っている。
「実は今その場所が野生のサイホーンたちに占領されちまっているんだ。このままじゃあそこを通ることが出来ないし、ディグダたちも住処を失って絶滅してしまう。そこでだ、お前たちがサイホーン軍団を倒してくれれば、この秘伝マシンは譲ってやろう。」
 サイホーンの軍団、聞いただけでもとても恐ろしい響きだ。だが、この程度のことであのガキ大将が怯むわけが無かった。彼は勢いよく声を張り上げて言う。
「よしお前ら、いっちょサイホーン狩りと行くか!・・・とあれ?」
 ジャイアンが何か疑問を感じて辺りを見回す。僕も一緒に見回してみると、あることに気付いた。ここにいるのは名人の息子、ジャイアン、静香、のび太、そして僕・・・スネ夫がいない!
「あの野郎ー、びびって逃げやがったな!」
「落ち着いて武君!僕たち4人でも戦略を立てればきっとサイホーンたちに勝てる。だから今は彼のことは置いといて目前の敵に集中しようよ。」
 僕は怒るジャイアンをなんとか抑え、作戦を考え出した。全員で手持ちを見せ合うと、サイホーン戦の事をあれこれ議論した。ある程度のことがまとまったところで、準備を整え、僕たちはディグダの穴へと向かった。



     現在の状況
       ディグダの穴前
    手持ち リザードLV23、キルリアLV24
    所持金 8700円
    バッジ 2個

     出木杉メモ
   名前     手持ち
   のび太    ヤルキモノ、キノココ(クチバシティ時)
   ドラえもん  フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時)
   静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)
   ジャイアン  エビワラー、ニドリーノ(クチバシティ時)
   スネ夫    イーブイ、ズバット(3番道路時)

  • 追記 この世界ではポケモンの技数の制限はありません。
よって4個以上の技を使うことが出来ます。



 サイホーンは攻撃、防御の2つの能力に優れており、人を襲う危険性も持つポケモンだ。
バッジ2つ程度の力しかない僕たちがその軍勢を相手にするのは
無謀な賭けだと思われるだろう。
だが、決して勝てないことは無い。
サイホーンは作戦を立ててうまく戦えば簡単に倒すことが出来る相手なのだ。
サイホーンの最大の弱点は、特防が低い上に岩・地面と言うタイプを持っていることだ。
岩・地面は草、水、氷の3種類に効果4倍のダメージをくらってしまう脆いタイプだ。
その上サイホーンは特防が低いので、4倍ダメージの特殊技を使えば
もし20レベル程の差があっても一発で倒せるのである。
おまけにサイホーンは素早さがかなり低い。
つまり簡単に先手を取られ、一発で倒されるので自慢の攻撃力が生かせれないのである。

 僕たちはサイホーンの弱点を考慮した上で、奴らとの戦い方を考えた。
決まったのは、最初に静香とジャイアンが突っ込んで入って、
僕とのび太がそのフォローをすることだ。
静香が選ばれたのは、水鉄砲を使える上にレベルが高いカメールがいるから、
という単純な理由である。
次にジャイアンが選ばれた理由だが、これも単純な事だった。
僕たちの中で唯一4倍特殊技を使えないジャイアンは後衛に回るべき、
と言うのが僕らの意見だった。
だがジャイアンは、自分が先陣を切るとわがままを言い続け、
結局それが通ってしまったのだ。
まあ彼ならサイホーンを恐れることは無いだろうから、
この役目に一番向いているのかもしれない。
「出木杉、そろそろ僕らも・・・」
 ついにのび太が合図を出してきた。
僕は頷き、サイホーンの待つ穴の中へと入っていった。



 穴の中にはすでにたくさんのサイホーンを倒している
ジャイアンと静香の姿があった。
僕はキルリアを、のび太はキノココを出してやや離れた距離から
サイホーンを攻撃した。
ジム戦に続き、ここでもキルリアのマジカルリーフが役立っている。
どんどんサイホーンの数が減っていき、それを倒すジャイアンと静香の顔にも
疲労の色が見え出した。
僕とのび太は2人の合流し、2人に代わってサイホーンの軍勢を相手にする。
技数もかなり減ってきたが、マジカルリーフのPPが無くなりかければ、
前もって準備しておいたピーピーエイダーで回復できる。
どうやら僕の作戦は大成功だったようだ。

 ついにサイホーンが3匹ほどまで減り、勝ちを確信したその時!
奥からもの凄い地響きが鳴り響いた。
 その音を聞いたサイホーンたちは隠れるように岩場に姿を潜めた。
「おいおい、一体どうなってんだ?」
ジャイアンが疑問を漏らした矢先、奥から巨大な生物が姿を現した。
姿は似ているが、大きさはサイホーンの2倍程ある・・・間違いない、
サイホーンの進化系、サイドンだ!
「こ、こんな化け物がいたのかよ!くそ、エビワラー、ニドリーノ!やっちまえ!」
ジャイアンの手持ちの二匹がサイドンに飛び掛っていったが、
踏みつけられてあっさり倒されてしまった。
「そんな・・・強すぎるわ・・・」
静香のポケモンもやられ、彼女は膝を付いて動けなくなってしまった。
 僕の作戦には1つ誤算があった、軍団にはそのボスがいる可能性を
考えていなかったのだ。
サイドンの進化レベルは42、つまりあのポケモンのレベルは最低でも
42と言うことだ。僕らが相手に出来るレベルじゃない!



 ジャイアンと静香を片付けたサイドンは標的を僕とのび太に変えた。
焦って同様するのび太を僕は落ち着かそうとする。
「落ち着いて、のびた君。
たしかにあのサイドンは強い、でもその性質はサイホーンと殆ど変わらないんだ。
だから、特殊4倍技を2・3発当てれば倒せるはず・・・」
「そうか!でも、攻撃する前にやられちゃうよ・・・」
「大丈夫、僕に考えがある・・・」
 僕はのび太に自分が考えた策を告げた。のび太はその策に乗ってくれたようだ。

「よし・・・キルリア、マジカルリーフだ。」
マジカルリーフを受けたサイドンは苦しみ、怒り狂ってキルリアに突進してきた。
…よし、これで注意は惹き付けた。後はどれだけ時間を稼げるかが勝負だ。
「キルリア、影分身で攻撃をかわせ!」
サイドンの突進は外れ、壁にぶつかって激しい衝撃が起きる。
「いいぞキルリア、その調子だ。」
怒りで我を失ったサイドンはなかなかキルリアに攻撃を与えることが出来ない。
だが僕が油断したその時、サイドンが遂にキルリアを捉えた。
キルリアは倒れたが、なんと同時にサイドンまでもが倒れた。
「おい出木杉、何がどうなってんだ?」
状況が理解できないジャイアンが僕に尋ねてくる。
「よし、教えてあげよう・・・のびた君!」
 僕が呼ぶと、岩の陰からのび太とキノココ・・・ではなく
先程の経験地で進化したキノガッサが現れた。



「あのサイドンが倒れた原因は、このキノガッサにあるんだ。
まずキルリアが攻撃したときに、キノガッサがサイドンに宿木の種を植え付ける。
そしてサイドンがキルリアを襲っている間に、
キノガッサは吸い取るを使って少しずつサイドンの体力を減らしていくんだ。 
マジカルリーフのダメージ+吸い取ると宿木の種の蓄積ダメージ・・・
サイドンが倒れるのは時間の問題だったって訳さ。」
この作戦を知ったジャイアンと静香は僕を褒め称えた。
「あんな短時間、それもあの状況でこんな作戦を思いつくなんて・・・
凄いわ出木杉さん!」
「ほんと、さすが俺の子分だぜ!」
2人の会話にさり気なく、
「まあ、僕の活躍あっての作戦だったんだけどね!」
と入っていったのび太は華麗にスルーされてしまった。

「そういえば、残ってた3匹のサイホーンは?」
と静香が思い出したように言った。
「2匹は巻き添えくらって倒れてるぜ。残り一匹はどこいったんだ?」
ジャイアンの疑問の答えを僕は知っている。
なぜなら残り一匹は皆が会話している時にこっそり僕が捕まえたのだから・・・
「あ、ねえ皆見て!」
 突然のび太が叫んだので何事かと思えば、
そこには住処に帰ってきたディグダたちの姿があった。
「皆おうちに帰ってきたのね・・・ん、のび太さん、
そのディグダがついてきてるわよ。」
静香の言うとおり、一匹のディグダがのび太に付きまとっていた。
「よし、こいつも今日から僕の仲間にしよう!」
のび太はそのディグダを捕まえ、満面の笑みでクチバへ帰って行き、
僕たちもそれに続く。
 こうして、僕たちのサイホーン及びサイドン退治は無事成功に終わった。



 僕たちからサイホーン撃破の報告を受けた名人の息子は満面の笑みを見せた。
「いやあ、助かったよ、本当にありがとう。
じゃあ、早速秘伝マシンを受け取ってくれ・・・」
名人の息子から秘伝マシンを貰い、歓喜の言葉を上げようとしたその時、
突然ドアが開いて1人の男が帰ってきた。
「君は確か・・・」
「やあ名人Jr.さん。僕にもその秘伝マシンを頂けませんか?」
 現れたのは戦いを恐れて逃げ出したあのスネ夫だった。
「僕は構わないけど、あの子達しだいだね。」
「ふざけんな!今頃どの面下げてきやがった・・・帰れよ!」
ジャイアンに胸ぐらを?まれたスネ夫は、ポケットから1つの石を取り出して言った。
「ジャイアン、秘伝マシンが貰えるならこの“月の石”をあげてもいいんだよ。
これがあれば君のニドリーノが進化できる、君はずっとこれを探していたはずだ。
さあ、どうする?」
「チッ、分かったよ・・・受け取れ、秘伝マシンだ。」
月の石にジャイアンはあっさり釣られてしまった・・・だが、
他の皆が許すはずが無い。
「卑怯だぞスネ夫!君は何もしてないじゃないか!」
「でものび太、君だってドラえもんの分まで貰っているじゃないか。」
 のび太はドラえもんの分も秘伝マシンを受け取っていた、
こうなればもう何も言い返すことは出来ない。
「じゃあ、僕はジム戦に行って来るよ。皆、お元気で・・・」
用件を済ませたスネ夫はさっさと家から出て行った。
 サイホーン軍団に勝ったというのに、僕たちは心の底から喜べなかった。



 ポケモンセンターで回復を済ませ、少しくつろいだ僕はジムへと足を進めた。
リザードに覚えさせた居合い切りで木を切り、入り口前まで来た時に
ちょうどスネ夫が出て来て僕に告げた。
「お前も今から挑戦か・・・1つ忠告しておく、油断しないほうがいいぜ。」
スネ夫から不吉な忠告を受けた後、僕はジムの中へ入った。
認定トレーナーには今のところスネ夫の名前しかない、僕は2番目という事だ。
早速僕はジムリーダーに挑むことにした。
「すいません、ジム戦よろしくお願いします!」
「おお、挑戦者か?よろしく頼むよ。」
 マチスの英語混じりの挨拶を予想して僕は、向こうの丁寧な日本語に驚かされた。
挨拶をしたのは50から60歳くらいのスーツを着た老人だった。
「あの、あなたがジムリーダーですか?」
「悪いが今ジムリーダーのマチスは外国にいる、私は代理のオルソンというものじゃ。」
オルソンは帽子を取って深々と頭を下げた。
 この老人はおそらく、ゲームでジム内にいた一般トレーナーの1人だろう。
なら、楽勝だ・・・しかし頭に先程のスネ夫の言葉がよぎる、油断禁物だ。

「じゃあ行きますよ・・・ビリリダマ、出てきなさい。」
「任せたぞ、サイホーン。」
サイホーンはこのジム戦のための助っ人として捕まえたのだ。
電撃をまったくくらわず、物理技にも強いのでこのジム戦にはもってこいだ。
サイホーンは期待通りビリリダマほぼノーダメージで倒してくれた。
「やはり地面タイプで来ましたか・・・ならチョンチー、水鉄砲です。」
 オルソンはなんとチョンチーを使ってきた、サイホーンは一撃で倒された。
…成程、地面対策は万全ってことか、たしかにスネ夫の言うとおりだ。
この勝負、油断したら負ける。



     現在の状況
       クチバジム、オルソンと交戦中
    手持ち リザードLV24、キルリアLV27、サイホーンLV19
    所持金 8700円
    バッジ 2個

     出木杉メモ
  名前     手持ち
  のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時)
  静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(クチバシティ時)
  スネ夫    イーブイ、ズバット(3番道路時)



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