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次の日
のび太「ふぁ~…」
のび太は自身にしては珍しく、朝早くに目が覚めた。周りをみるとドラえもん達はまだ眠っている。そして、昨日生まれたのび太のイーブイもスヤスヤと寝息をたてている。
しかし、リーフの姿がない。のび太が外に出ると、自転車に乗ってどこかへ行こうとしているリーフがいた。
のび太「おはよう!リーフちゃん。これからどこか行くの?」
リーフ「あ、おはよう、のび太くん。私はこれからトキワのポケモンセンターに用事があるの。」
のび太「そっかぁ…あのさ、僕も一緒に行っていいかな?」
リーフ「え?いいけどなんで…ってそっか、まだトレーナー登録してないのはのび太くんだけだったね。」
実は昨日、昼ご飯の後にみんなトキワのポケモンセンターで登録を済ませ、残るはのび太だけだったのだ。
自転車は一台しかないし、トキワまではそう遠くない。
リーフ"たまにはのんびり散歩気分で行こうかな。"
リーフはそう思い、自転車を置いてのび太と歩いて行く事にした。原っぱを抜ける道を過ぎると、すぐにトキワシティが見えてきた。



のどかな町をのび太とリーフが歩く。
のび太「ここがトキワシティか…あまりマサラタウンと変わらないんだね。」
リーフとポケモンセンターまでの道を歩きながら、のび太が言う。
リーフ「まぁ、このへんは自然が豊かな地域だからね。ポケモンセンターやジムがある分マサラよりは都会かな。それに…」
リーフがそう言って指差す向こうには、大きな関所のような所が見えた。
リーフ「カントーのトレーナーの頂点を決める、セキエイ高原へ続く町でもあるんだよ。」
何かを思い起こすように、リーフは言った。


ポケモンセンターに着き、のび太のトレーナー登録を行なう。

ジョーイ「お待たせしました!こちらが、のび太さんのトレーナーカードになります。」
のび太「あ、ありがとうございます!」
のび太がそう言って受け取った真新しいトレーナーカード。それにはバッチは一つも着いていない。のび太がカードを眺めていると、自分の用事を済ませたリーフが話しかけてきた。
リーフ「カードにバッチを沢山飾れるといいね!」
のび太「うん!」

そんな事を話しながらのび太達がポケモンセンターを後にしようとする。



するとその時、パソコンのある所にいたトレーナーが声をあげた。
トレーナー「私が預けたポケモンが引き取れない!」
その声にリーフは驚く。
リーフ「なんですって!?」
リーフが慌ててパソコンに駆け寄る。何度かパソコンをいじりるが、何度やってもポケモンを引き取る事が出来ない。
リーフ"ダメだ…預かりシステムが完全に停止しちゃってる。"

カントーの預かりシステムを一人で管理していたマサキがいなくなった今、カントー全域では"預けていたポケモンの管理が出来ない"という大変な事態になっていた。

リーフ「博士に知らせなきゃ!」
リーフはセンターを飛び出した。
一方、状況を上手く把握出来てないのび太は慌ててリーフの後を追うのだった。

リーフ「博士!」
トキワから全力で走ってきたリーフが、大きな音をたててドアを開ける。
オーキド「どうしたんじゃ?リーフ、そんなに慌てて。」
オーキドは、タマキと朝食をとっている最中だった。
そんなオーキドに、リーフはポケモンセンターであった出来事を話し始めた。

その頃

のび太「はぁ…はぁ…足、早すぎるよリーフちゃん…」
鈍足少年のび太は、研究所へ続く一本道をバテバテになりながらも、必死に走っていたのだった。



のび太「はぁ…やっと…着いた…」
のび太が研究所に辿り着いたのは、リーフがオーキドに話を終えた直後だった。
のび太が研究所のドアを開けると、すぐそこでリーフとオーキドが真剣な目で話をしているのが見えた。

オーキド「うーむ…リーフ、それでお前のポケモンはどうなった?」
リーフ「ダメでした…。ポケモンのデータ自体は残っていたんですけど、ボックスの整理も、引き取る事も出来ませんでした。今手元に残っているのは、昨日生まれたばかりのストライクだけです。」

リーフは昨晩ボックスの整理をして、手持ちにストライクのみを残して就寝していたのだった。
するとそこで浮かんだある一つの疑問を、話を聞いていたタマキがぶつけた。
タマキ「ちょっと待って下さい…リーフさんは昨日ボックスの整理をすることが出来たんですよね?マサキさんが連絡をとれなくなって、つまりさらわれて一か月…一体誰がシステムの管理を…?」
オーキド「そうじゃ!確かにおかしい…」
リーフ「一体誰が…何のために?」

大きな矛盾に、謎は深まるばかり。
つきっぱなしだったリビングのテレビからは、預かりシステムの異常を知らせる臨時ニュースが流れていた。



その時、研究所の電話が鳴りだした。
タマキが応答すると、電話口の向こうにいたのはホウエン地方のポケモン預かりシステムの管理者、マユミだった。

タマキが電話機本体に付いているスイッチを押すと、研究所のスクリーンにマユミの姿が写る。
マユミ「お久し振りです、オーキド博士。ニュース…見ました。そちらでは大変な事になっているみたいですね。」
オーキド「うむ。実はな…」
オーキドは、マユミにマサキがロケット団に連れて行かれたという事を話した。

マユミ「そうだったんですか…マサキさん、大丈夫でしょうか…」
マユミも、マサキが心配そうだった。

オーキド「それから…映像に残っていた音声によると、ロケット団はホウエンに向かったようなんじゃよ…何か知っている事はないかね?」
すると、マユミは少し間を開け、思い出したように答えた。
マユミ「そういえば…ここ最近、カントーから移って来られたトレーナーさん達から"壊滅したはずの、ロケット団の団員らしき人間が町にいるのを見た"という話を聞くんです。」
その証言に、話を聞いたオーキドも、リーフもタマキも驚いた。
オーキド「なんじゃと!それは本当かね!?」



マユミ「はい。ホウエンでは最近マグマ団という組織と、アクア団という組織が対立していたのに、今度はロケット団まで現れたということで…おかしいと思ったんです。」
マユミのいるホウエン地方では、マグマ団という組織とアクア団という組織があり、対立していた。

オーキド「そうなのか…他に何か情報はないかね?」
オーキドがそう尋ねると、マユミはすぐに答えた。
マユミ「今話そうと思っていたんですが…実は、あるトレーナーの方から"ロケット団のマークをつけたニャース型の気球が、サイユウシティのある方角へ飛んで行くのを見た"という話を聞いたんです。」
その話を聞いたリーフが、マユミとオーキドの会話に割って入る。
リーフ「サイユウって…ホウエンでポケモンリーグが開催される場所ですか?」
マユミ「あら、あなたがリーフちゃん?そうよ。ホウエンの果て、サイユウシティは…ポケモンリーグが開催される島よ。」
リーグ「あの…ロケット団は、一体なんの為にサイユウへ?」
マユミ「ごめんなさい、今私の手元にある情報はこれぐらいなの。これ以上は…」
マユミがそこまで言うと、
リーフ「いいえ、充分な手掛かりになりました。」
そう言って、"ありがとうございます"と礼をして、部屋を飛び出した。



リーフが外へ飛び出したのを見た時、のび太はようやく今起きている事態を理解する事が出来たのだった。


研究所の中では、オーキドがマユミとの会話を終えていた。
オーキド「タマキくん…これを。」
オーキドはそう言って、タマキにある物を差し出した。タマキはそれを受け取る。
タマキ「博士…これは…」
オーキド「あいつの事じゃ…それが必要になるじゃろう。」
タマキ「そうですね…それじゃ私も準備をしないと…」
オーキド「ワシはまだ…やる事が残っとる。」
そうして二人は、別々の部屋に入って行った。

のび太がコテージに入ると、ドラえもん達は準備されていた朝食をとっていた。その中にリーフの姿はない。
"話すなら、今だ。"のび太は思った。
のび太「みんな…大切な話があるんだ。聞いてほしい…」


その頃、ホウエンのとある場所

赤装束に身を包んだ一人の男が、洞窟のような所を歩いている。
長い階段を降りて、男はある場所にたどり着く。

男「美しい…」

男の目の前には、煮えたぎるマグマの池。その奥には、巨大なポケモンが静かに眠っている。
"やはり何度見ても美しい…グラードン、待っていろよ。もうすぐ…"

男は不気味に笑った。
男「目覚めさせてやるからな…」



そしてその晩

リーフは自室のドアを静かに開け、のび太達がいる部屋をそっと覗く。
リーフ"みんな、寝てるよね。"
部屋の中は暗くてよく見えないが、誰も動く気配はない。みんな寝付いたのだろう。それを確認し、足音をたてないよう注意を払いその場を離れる。
玄関の明かりもつけず、窓から差し込む月明りを頼りにシューズに履き替える。
"行くなら、今だ。"

リーフが玄関をゆっくりと閉める。

「こんな遅くにどこに行くんですか?」
リーフ「え!?」
玄関を閉めると同時に、後ろから声が聞こえた。驚いて後ろを振りかえると、そこにたっていたのは
リーフ「タマキさん…それに、みんな…」
声をかけてきたのは、タマキだった。そしてその隣りには、眠っていたはずののび太達がいた。
リーフ「どうしてみんな…」
のび太「リーフちゃん、話は後だよ。」
リーフの言葉を、のび太が遮った。
タマキ「リーフさん…ついてきて下さい。」
タマキがそう言って研究所に入って行き、のび太達も入って行く。

リーフが、研究所の明かりがまだついているのに気がついたのはその時だった。
リーフはストライクの入ったボールを握り締め、研究所に入っていった。



ドラえもん「よっこらせ…」
ドラえもん達も、リーフもリビングのソファに腰を下ろす。
ドラえもん「のび太くんから話は聞いたよ…一人で行く、そのつもりかい?」
リーフ「え…」
ジャイアン「水くせぇなぁ…俺達に話してくれたっていぃじゃねぇか。」
スネオ「それとも、僕たちが頼りないかい?」

実はリーフが自室にこもっている間に、のび太はドラえもん達に今の状況を説明していたのだった。
するとそこにいくつかの荷物を持った、タマキとのび太が現れた。
のび太「行くんだろう?ホウエンへ。僕たちも一緒に行くよ。」
のび太がテーブルの上に荷物を置いて、リーフを見ながら言った。
リーフ「ダメよ!危ないし…他人のあなた達を巻き込むワケには…!」
しずか「他人だなんて言わないでよ…」
しずかが言うと、リーフや他のみんなもしずかの方を見る。
しずか「あたし達…友達じゃない!」
しずかの言葉にみんな賛同する。そしてのび太が続けた。
のび太「危険だって事はみんなわかってる。でも、危険なのはリーフちゃんだって一緒じゃないか!僕らは絶対一緒に行くよ。友達を放っておく事なんて、出来ない。」

のび太はハッキリと言い切った。



リーフは少しうつむいて黙った後、顔をあげて言った。
リーフ「わかった…一緒に行こうか!」
リーフは立ち上がり、黙って話を聞いていたタマキに向かう。
リーフ「タマキさん…私、ホウエンへ行きます!なんと言われようが…決着をつけて来ます。」
そこまで言った後、一旦のび太達の方を向いて付け加える。
リーフ「…仲間と、一緒に。」
のび太達は"決着"とは何の事かわからなかった。

タマキが口を開く。
タマキ「リーフさん、危険なんですよ?本当に…」
リーフ「危険なのはわかってます。でも…それでも私は行きます!」
リーフがすぐに返す。
少しするとタマキは後ろをむき、テーブルに置いてあった物を差し出した。
タマキ「ホウエンのポケモン図鑑、それと新しいバッグです。」
リーフ「それじゃあ…行っていいんですか!?」
リーフは図鑑とバッグを受け取った。

タマキ「正直な話、行かせたくはありませんでした。…でも、リーフさんはきっと行くだろうから、と…博士と、私からです。それに…彼からも頼まれましたしね。」
タマキはそう言って、のび太達の方を見る。



タマキ「彼等が、リーフさんを旅に行かせてくれ、と頼んできたので…その時には、もうあなたの荷物の準備は出来ていたんですけどね。自分達も元の世界へ戻る必要があるし、あなたを放っておけないというので…」
そう言って、のび太が抱えていた大きな箱を指差す。
タマキ「大急ぎで五人分準備したんです。バッグも図鑑も。」
リーフがみんなを見ると、いつの間にかそれぞれ自分のバッグと、図鑑を持っていた。

リーフ「タマキさん…ありがとうございます。」
リーフはそう言って深々と頭を下げる。のび太達も礼をした。
タマキ「それから…これを。」

タマキがそう言って服の内ポケットから、チケットを取り出す。
タマキ「ホウエン行きの、船のチケットです。これで六人乗れますから。明日…出発にして下さい。」
自分の考えは全て見透かされ、準備をしてくれていた。

リーフ"なんか…恥ずかしいや。ってか私も準備足りな過ぎ…"
リーフはそう思いながら、もう一度礼を言った。

出発は翌日、タマキのフーディンのテレポートでクチバへ行き、ホウエン行きの船に乗る事になった。

そして一同は明るい月明りの下で、冒険出発の前夜を過ごしたのだった。



翌朝

タマキ「それじゃあ皆さん、準備はいいですか?」
タマキからの問い掛けに、一同は頷く。

昨日の夜からホウエンに行く事が決まった一向は、出発の朝を迎えた。
のび太達も旅の準備を終えて、タマキのフーディンが出て来る。
タマキ「それじゃあクチバへ行きましょうか。目を閉じて、楽にしててください…」

タマキがフーディンにテレポートを命じると、目を閉じたのび太達の周りを妙な空気が覆う。違和感が治まったのび太達が目を開けると、すでにそこはクチバの港だった。

港は、たくさんの船乗りや、旅の途中であろうトレーナー達で賑わっている。

しずか「クチバは賑やかな町なのね。」
しずかが周りを見渡してリーフに話しかける。
リーフ「うん。港町だからいろいろな国の人や、地方のトレーナーも集まるの。ジムリーダーも外国の軍隊に入っていた人よ。」
リーフがそう言って、港の向こうに見えるクチバジムを指す。


そうやって話していると、港の入口にいた船乗りが話しかけてきた。
船乗り「ホウエン行きのシーギャロップハイスピードDに乗られる方ですか?」

リーフがチケットを見ると、確かにその船の名前が書かれていた。



リーフ「はい、そうです。」
船乗り「チケットの確認をさせて頂きますね。…はい、いいですよ。船はもうすぐ出港しますから。」

船乗りの元から離れて船乗り場まで行くと、タマキがリーフに紙を手渡した。
タマキ「これに、向こうでの事を一応書き留めてあります。これにも書いてありますが、カイナの船着き場でオダマキ博士が待っています。その人にミシロタウンまで連れて行ってもらって、それからの事を聞いて下さい。」
リーフがタマキからチケットを受け取りながら聞く。
リーフ「わかりました。それじゃあ…」
リーフがそう言って船に乗ろうとすると、タマキが呼び止める。
タマキ「リーフさん!」
船へ続く階段を上ろうとしていたリーフが振り向くと、心配そうな目をしてリーフを見ているタマキが居た。
タマキ「必ず…必ず帰って来てください!」

リーフは笑って返す。
リーフ「わかった!帰って来たらまた、夕飯お願いしますね!」
タマキ「はい!」

そんなやり取りを終えてすぐ、船はクチバ港を離れた。


それを見届けたタマキは、オーキド研究所に戻った。

六人を乗せた船は一路、ホウエンへ向かう。


第一部─完─。