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出木杉の未来大冒険 その4」(2007/03/09 (金) 22:35:30) の最新版変更点

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[[前へ>出木杉の未来大冒険 その3]]  チョンチーのタイプは水・電気、という事は有効なのはキルリアのマジカルリーフだ。 「いけ、キルリア!マジカルリーフだ。」 「そうはさせませんよ、超音波です。」 チョンチーによって混乱させられたキルリアは自分を攻撃してしまった。 こちらに休む暇を与えず、早速オルソンは次の手をうってきた。 「今です、スパーク!」 電撃を浴びたキルリアが苦しんでいる。 「キルリア、何度もマジカルリーフで攻撃しろ。」 結局3度目の攻撃が成功してチョンチーは倒れたが、かなりのダメージを追ってしまった。 「そんな力任せの戦い方でいつまで持ちますかな・・・ライチュウ、頼みましたよ。」  敵の最後のポケモンは、マチスと同じくライチュウだった。 混乱したままでは不利だ、ここは一度キルリアを戻さなければ・・・ 「させませんよ・・・ライチュウ、電光石火です!」 僕がキルリアを戻す前に、ライチュウが目にも止まらぬスピードでキルリアへ体当たりした。 どうやらキルリアはもう戦えないようだ。 「ご苦労様、キルリア。リザード、出番だ!」 遂に僕は最後の1匹まで追い詰められてしまった。 だが、諦める気などまったくない。 「リザード、龍の怒りだ。」 「させませんよ。ライチュウ、高速移動でかわして叩きつける!」 リザードの攻撃は素早いライチュウにかすりもしない。 リザードは敵の攻撃によって地面に叩き付けられ、ひれ伏すような格好になってしまった。 「まだまだ、もう一回龍の怒りだ!」 「何度やっても同じです。ライチュウ、もう一度高速移動からの叩きつける!」 オルソンの言うとおり、2度目もさっきと全く同じような結果に終わってしまった。 やはり、厄介なのはあのスピード・・・何か打開する手は考えなければ・・・ 僕は神にすがりつく気持ちで図鑑にあるリザードのデータを調べる・・・ん、これは!? まだ、僕に勝つ術は残されているのかもしれない・・・ ---- 「リザード、龍の怒り!」 「何回やっても結果は変わらないと言ったでしょう。ライチュウ、終わらせてしまいなさい。」 龍の怒りはまたもや外れてしまった・・・でも、僕の狙いはこの攻撃を当てることじゃない! 「今だリザード、怖い顔!」 リザードに鋭い目で睨まれたライチュウは思わずその足を止めてしまう。 「よし、もう一度龍の怒りだ!」  遂に龍の怒りが炸裂した、ライチュウの苦しむ姿がその威力の高さを物語っている。 攻撃を当てさせた最大の立役者である怖い顔は相手の素早さを下げる技、ゲームでもこの世界でも全く使わなかった技がまさかこんな重要なときに役立つとは・・・ しかし、オルソンは早速次の手をうってきた。  「ならここは敵を鈍くさせるとしましょう。ライチュウ、電磁波。」  リザードの体が麻痺状態となり、動きが鈍くなる。 「これなら怖い顔は間に合わない・・・ライチュウ、止めの叩きつける。」 「させない!リザード、怖い顔だ。」 オルソンの予想に反して、麻痺して動きが鈍くなったはずのリザードはあっさり技を成功させた。 リザードの手には麻痺状態を回復する“クラボの実”が握られていた。 「今だ、止めの龍の怒り!」 2度目の龍の怒りが炸裂した。 ライチュウは倒れ、動かなくなった・・・僕の勝ちだ! ----  オルソンはライチュウをボールに戻し、僕に近づいてきた。 「私の負けだ。このバッジを受け取りなさい。」 彼の手から念願のオレンジバッジを手渡された。 「やった!ありがとう、リザード!」 嬉しそうにリザードと会話する僕にオルソンが話しかけてきた。 「さっきの勝負、見事でした。 リザードとライチュウの戦いの時、あの劣勢から勝負を覆されるとは思いませんでしたよ。 あなたがもうちょっと遅くここに来ていたら、ジムリーダーのマチスとあなたの対戦を見ることが出来たのに・・・残念です。」 「え、もうちょっと待てばマチスさんと戦えたんですか?」 「ええ。1週間後くらいに帰ってくる予定ですので。」  マチスの姿を見てみたい・・・という気持ちはあるが、今は競争の真っ最中だ。 一週間もこんなところで油を売っているわけには行かないのだ。 僕はマチスと会うことを諦め、ジムを出ていった。  さて、次の目的地はシオンタウン、そこに行くにはイワヤマトンネルを通らなければならない事になっている。 暗いイワヤマトンネルを通るには、フラッシュの秘伝マシンが必要不可欠だ。 だが、フラッシュを貰うには10匹以上のポケモンを捕まえていなければならない。 そして現在、ポケモン図鑑の捕まえた数は5匹だ。 「と、いうわけで・・・適当に何か捕まえるか。」  僕はその辺のポッポやコラッタなどを捕まえ、図鑑のデータを埋めていった。 だがここで、1つの問題が浮上した。 この雑魚ポケモン達をどうするか、だ。 コラッタやポッポは育成しても大して強くならないから、使うことは無いだろう。 だがしかし、使いもしないのに手持ちに入れたままにしておくのには罪悪感があった。 結局僕はこの雑魚ポケモンたち、そして多分もう使わないであろうサイホーンも逃がすことにした。 だがこの後、僕はこの行動を後悔することになったのだ。  ----  9番道路のトレーナーを難なく切り抜け、遂に僕はイワヤマトンネル入り口前のポケモンセンターまで来ていた。 「はい、あなたのポケモンは皆元気になりましたよ。」  みんなって言っても2匹しかいないんだけどね、などと心の中でツッコミを入れ、いざ、イワヤマトンネルへ!というところで、あの男はやって来た。 「よう、出木杉!いいところに来てくれた!実は頼みがあるんだけどさぁ・・・」 この男、剛田武のことだ。 ろくでもないことを頼んでくるに違いない。 「断る。」 僕は用件も聞かずに彼の頼みを拒んだ。 「ちゃんと話ぐらい聞けよ!実はフラッシュの秘伝マシンを取り忘れちゃってさあ、お前のを俺にくれない?」 「そんなことだろうと思ったよ、無理だね。欲しければ自分で貰って来なよ。」 僕の言葉を聞いたジャイアンはやはりキレた。 「んだとてめえ!こうなりゃ喧嘩で・・・ん?ちょっと待てよ。」 ジャイアンは振り上げた拳をすぐに下げ、なにやら考え始めた。 「よし!ならポケモンバトルで勝ったほうが言うことを聞く!これでどうだ!」 ポケモンバトル・・・そう来たか。 「いいよ、ただし負けたらだけどね。」 「俺様に喧嘩売ったこと、きっと後悔するぜぇ。」 僕が勝っても何も得することが無いじゃないか、と言い出せないまま勝負が始まった。  ジャイアンのポケモンはたしかエビワラーとニドキング。 どうやら、キルリアで速攻片付けれそうだ。 ----  ジャイアンのポケモンはエビワラー、僕はキルリアだ。 「速攻で片付けさせてもらうよ。キルリア、念力だ。」 効果は抜群・・・のはずなのだが、エビワラーはそんなにダメージを受けていなかった。 何故?という疑問の後にすぐ、エビワラーの特防の種族値が110もあったことを思い出した。 「こんどはこっちの番だな、メガトンパンチだ!」 キルリアはあっさり倒されてしまった。 「そんな・・・いくら防御が低いといえ、一発でやられるなんて・・・」 「ハハハ!エビワラーにはパンチ技を強くする特性“鉄の拳”があるんだよ!」 ジャイアンの戦いはディグダの穴でも見たが、作戦も何も無いただの力押しだった。 だが裏を返せば、そんな戦術が実行できるほどポケモンに力があるということなのだ。 「くそ・・・リザード!龍の怒りだ。」 龍の怒りをくらったエビワラーは一発でやられた。 今度はジャイアンが驚く番だ。 「い、一発?馬鹿な!リザードがこんなに強いなんて・・・」 「エビワラーの弱点はHPの低さだ、かならず40の固定ダメージを与える龍の怒りには弱かったようだね。」  勝ったと思うのはまだ早い、ジャイアンのはまだニドキングが残っているのだ。 だがこの時点でニドキングはまだ地面技を覚えてないはずだ。 龍の怒りを連発すれば勝てるはず・・・ ---- ・・・だが、そんな考えは甘かった。 ニドキングは炎タイプに強い岩石封じや水の波動を使ってきて、あっという間に僕は負けてしまった。 そう、僕はジャイアンが技マシンを使っている可能性を考えていなかったのだ。 この世界ではポケモンの技数に制限が無い、だからニドキングのように豊富な技を覚えることが出来るポケモンはかなり役に立つのだ。 その後、フラッシュ用に捕まえたビリリダマもあっさりやられ、僕の負けは決まった。  敗戦の瞬間、もし先程逃がしたポケモン達が居れば・・・という思いが胸をよぎり、逃がしたことを後悔する事になったのだ。 だが、次のジャイアンの一言で地獄がまだ続いている事を思い知らされる。 「じゃあフラッシュはいただくぜ・・・と言いたいところなんだが、実は俺フラッシュ使えるポケモン持ってねえんだよ。 だから、お前もフラッシュ役として洞窟を抜けるまで俺について来てくれ!」 負けた僕は断ることも出来ず、結局ジャイアンに同行するハメになってしまった。  一応、洞窟内の敵は全てジャイアンが倒してくれた。 だがそのせいで、僕は自分のポケモンのレベルを全く上げれなかったのだ。 シオンタウンに着いてジャイアンと別れた後、先程のこともあってビリリダマを逃がすかどうか真剣に悩んだ。 でも結局僕は使わないポケモンを手持ちに入れることが出来ず、ビリリダマを逃がしてしまった。  この世界に着ての初敗戦やポケモンを逃がしたことなどで、僕はすっかり落ち込んでいた。 ----      現在の状況        シオンタウン     手持ち リザードLV26、キルリアLV28     所持金 6000円     バッジ 3個      出木杉メモ   名前     手持ち   のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)   ドラえもん  フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時)   静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)   ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)   スネ夫    イーブイ、ズバット(3番道路時) ----    手持ちポケモンの回復を終えた僕は、とりあえずカントー地方の中心であるヤマブキシテイを目指すことにした。 ヤマブキとシオンを結ぶ8番道路にはかなりの数のトレーナーがいたので、時間の無駄を避けるために見つからないように進んだ。 しかし、ヤマブキに入るゲートは現在整備中で通れないそうだ。 仕方なく予定を変えて地下通路からタマムシシティへ行くことにした。 タマムシシティで行きたいところは3箇所ほどある。 デパート、ゲームセンター、そしてジムだ。 早速ジム戦・・・と行きたいところだが、今のレベルではかなりの苦戦が予想されるので先に他の2箇所をたずねることにした。  タマムシデパートで興味があるものは技マシンだ。 ファイアレッドの時の品揃えは吠える、破壊光線、穴を掘る、瓦割り、秘密の力、メロメロだったのだった。 だが僕の予想通り、守る、リフレクター、光の壁にDPで加わった峰討ちと気合球の技マシンも追加されていた。 僕は持っている技マシンといらないアイテムを全て売り払い、瓦割り、気合球、守る、リフレクター、光の壁の技マシンを購入した。 これで所持金はほとんど一文無しになってしまった。  買い物を終えた僕は次にゲームセンターへ向かった。 ここには特に用は無かったのだが、一応見物しておこうと思ったのだ。 やはり10年前と変わらずたくさんの客がスロットに熱中していた。 他に特に目に付くような物は無いし、そろそろ帰ろうか・・・ と、おもったその時だった!どこかから物凄い爆発音が聞こえ、激しく地面が揺れ始めた。 建物内の客は混乱して慌て始め、店員がそれを落ち着かせて避難させようとする。 さっきの衝撃、どこかで味わったことがあるような・・・ 僕の頭に1つの記憶が頭を過ぎった、お月見山の時のことだ。 そして1つの疑問が生まれる・・・まさか、ここにも信者が? ---- 客の大部分が避難し、建物が落ち着きを取り戻し始めた。 僕も逃げようかと考えていたその時、背後から何者かが声をかけて来た。 「出木杉!これってもしかして信者の仕業じゃ・・・」 その声の主は青い狸、ではなく猫型ロボットのドラえもんだった。 「その可能性は高いと思うよ。ここは早く逃げたほうが・・・」 「何を言ってるんだ!あいつらを倒さないとここの人たちが困るじゃないか。」 ドラえもんに信者と戦おうとしつこく説得され、結局彼の意見を認めてしまった。 作戦を練ろうとすると、後ろのスロットがガタッと揺れる音がした。 「「誰だ!」」 僕とドラえもんが同時に叫ぶと、スロットの後ろからスネ夫が出てきた。 「スネ夫!君もさっきの話聞いてたよね。一緒に戦ってくれないか?」 「断る!何で僕が・・・」 ドラえもん何度説得しても、スネ夫は僕と違って全く折れない。 「じゃあ、もし協力してくれたらこれをあげるとしたらどうだい? 僕が1時間スロットで粘って手にいれた技マシンだよ。」 「わかったわかった。その代わりその技マシンは先に貰っておくよ。」 ドラえもんが差し出した10万ボルトの技マシンにスネ夫はあっさり釣られた。  作戦会議はドラえもんの司会進行で始まった。 「じゃあ、早速作戦を・・・」 「待った!大体敵がどこに居るかも分からないじゃないか。」 「いや、実は大体見当はついてるんだ。」 実は僕にも大体見当はついている、このゲームセンターの地下にある 元ロケット団アジトだ。 だが、それ以外のことは何もわからない。 作戦といっても、敵が何人いるのか?敵はどのくらい強いのか? 全く予想が出来ないので結局作戦は無いに等しい状態での戦いとなった。 ---- アジトはゲームセンターの地下にあり、全部で地下4階まである。 僕たちがその中のB2Fに着いたとき、1人の小柄な男が立ち塞がった。 勿論、ロケット団の制服をまとっている。 「ほう、逃げずに立ち向かってくる奴がいたとはな。しかもこんな小さな子供とは・・・」 「さっきの爆発はお前たちの仕業か!」 「その通りだ。俺と仲間たちが一発ドカーン!とやったわけよ。」 やはり複数犯か・・・これはキツイ戦いになりそうだ。 「お前の仲間は後何人居るんだ!」 ドラえもんが叫んだ、そんな事聞いたって教えてくれるはず・・・ 「後2人だ。それも俺より強いやつがな。」 「全部で3人か、なら一対一でいけるね。」 意外すぎるほど敵はあっさり答えた。 「ならここは僕が行くよ。2人は残りの敵を頼む。」 意外にも、スネ夫が戦いに立候補した。 彼のことだから、この相手が一番弱いと聞いてのことであろう。 僕たちは小柄な男の相手をスネ夫に任せて下の階へ向かった。  最下層にいた2人とは、一度ハナダシティで戦ったあの金髪の男と大柄の男の2人組だった。 「成程、侵入者って言うのはお前らの事だったのか。2度も会ったんだから名前ぐらい知っといてくれよ。俺はレン、こいつはセイジだ。よろしくな。」 「君たちが首謀者だったか・・・なんでこんな事をしたんだ!」 ドラえもんが尋ねると、レンと名乗る金髪の男が答えた。 「サカキ様がアジトとしていらさったこの場所は俺たちにとって特別な聖域なのさ。 それが今じゃあゲームセンターの物置だなんて、ふざけんじゃねえよ! だから聖域を取り戻しに来た、それだけのことさ。」 やはり彼らは元首領のサカキを今でも崇拝しているようだ。 「そんなくだらない理由で・・・出木杉!僕はでかい方を相手にする。 君はその金髪をよろしく。」 「今回は一対一か・・・悪くない。よし、ガキ!上の階でやるぞ!」 僕はレンに誘導されて上の階へと向かった。 ---- 僕はリザード、レンはドガースを繰り出した。 「行くぜ!ドガース、スモッグだ。」 「そうはさせるか。リザード、煙幕だ。」 ドガースのスモッグは煙幕によって命中率を下げられて外れた。 「今度はこっちの番だ。龍の怒り!」 必殺の一撃が決まり、ドガースが悲鳴を上げる。 「クソッ!ドガース、体当たりだ。」 「接近戦なら負けないよ。瓦割りだ!」 先程会得したばかりの瓦割りが敵の体当たりに打ち勝ち、ドガースが怯んでいる 「今だ、止めにもう一発瓦割り!」 「させるか。自爆しろ!」 リザードが攻撃を決めようとしたその時、ドガースの体が眩しい光を放った。 そして次の瞬間、ドガースは粉々に砕け散った。 ここまで圧倒的に押していたのに、たった一撃で戦いを白紙に戻されてしまった。 「危ない危ない。行って来い、ゴースト。」 次にレンはゴーストを出して来た。僕はキルリアだ。 「まずは防御を固めるか・・・光の壁だ。」 「なら今のうちに逃がさないようにさせてもらうぜ。黒い眼差し!」 黒い眼差しを使った・・・ということは、敵はどうやら 僕の残りがこのキルリア一体だという事を知らないようだ。 僕は効果抜群である念力で体力を削る手に出た。 「そんなショボイ攻撃、大した事ないぜ。怪しい光で混乱させろ。」 ゴーストの体内からキルリア目掛けて不気味な光が放たれる。 「よし、今のうちにナイトヘッド・・・って何やってるんだゴースト!」 ゴーストはなんと自分で自分を攻撃している。 「まさか、光の壁で怪しい光が反射したのか?クソ!いったん戻れ!」 だがゴーストは戻らない・・・黒い眼差しも光の壁の影響を受けていたのだ。 結局敵は次の念力で倒れた。 「まさかここまで追い詰められるとは・・・だがこいつに勝てるかな?」 レンが最後に出したのは相性で苦戦が予想されるナッシーだった。 このままでは負ける・・・そう思っていると、突然キルリアの体が光りだした。 ---- キルリアをまとっていた光が消えると、そこには最終進化形態であるサーナイトがいた。 「進化したか、面白い。ナッシー、種爆弾だ。」 サーナイトは種爆弾を浴びたが、進化したのでこの程度のダメージでは倒れない。 「ここは長期戦になるかな。瞑想で能力を上げろ。」 サーナイトは能力アップに尽くす体勢に入った。 「なら動きを止めるぞ、痺れ粉だ。」 粉を浴びたサーナイトは痺れたが、特性“シンクロ”によってナッシーもマヒ状態になってしまった。 「どうやらミスを犯してしまったようだね。サーナイト、瞑想はその辺にして攻撃に移るぞ。」 僕のこの一言を聞いたレンは焦りだした。 「こうなったら・・・ナッシー、ソーラービームだ。」 レンは先に敵を仕留めようとする・・・が、この選択が彼の痛恨のミスとなってしまった。 ソーラービームはすっかり忘れられていた光の壁で跳ね返ってナッシーに直撃してしまった。 「今だ、マジカルリーフ!」 効果はいまひとつだが、瞑想によって特攻を上げていたのでかなりの威力があった。 ナッシーの巨体が倒れ、豪快な音がする。 「て、手持ちはもういない・・・俺の負けだ。」 レンが自分の負けを伝える、僕が勝ったのだ! 「リーダー格のあなたを倒した・・・どうやら僕たちの勝ちのようですね。」 僕はレンに止めを刺す一言を伝えた・・・つもりだったが、それを聞いた彼は笑い出した。 「ハハハハハ!いいことを教えてやるよ。下の階で狸と戦っているセイジ、あいつは俺とは比較にならないくらい強いぜ。なんせ元幹部だった男の弟だからな。」 「「な、なんだって!」」 僕と、いつのまにか戦いに勝利してここに来ていたスネ夫が驚きの声を上げる。 僕たちは急いで下の階へと向かった。 101 :出木杉の未来大冒険 ◆dqVzDvT5pM :2007/03/02(金) 23:21:55 ID:???  B4Fに降りた瞬間、スネ夫は身を守るために自分の全手持ちポケモンを出した。 だが、そこにいたのはドラえもん1人だった。 「一体何があったんだい?」 僕が訪ねるとドラえもんはまず彼に逃げられたと告げ、詳しく説明していった。 「ポケモンバトルで、僕はあのセイジという男に一方的にやられたんだ。 でも最後の一体だったこいつのフラッシュで敵の目を眩ませたんだ。 そこを捕まえようとしたんだけど、残念ながら結局逃げられちゃったんだ。」 そういいながらドラえもんが出した最後の1匹、というのは なんと僕が逃がしたビリリダマだった。 まさか、ドラえもんが捕まえていたとは・・・  その後、とりあえず僕たちは地上に戻った。 するとそこにはたくさんの警官がいて、レンと小柄な男を捕まえていた。 いつの間に・・・と僕たちが呆然としていると、小太りの男が僕たちに声をかけて来た。 「いやあ君たちがあの信者と戦ってくれた子供たちか! 僕はここの店長だ。君たちのおかげで被害をだいぶ抑えることが出来たよ、 本当にありがとう。 そこできみたちに渡したい物があるんだ・・・」 店長はそう言うと、1個のモンスターボールを取り出した。 中に入っているのはここで一番の景品、ポリゴンだった。 早速誰が貰うか、という話になったが、ドラえもんは遠慮してくれた。 僕とスネ夫はお互いに譲らず、結局ジャンケンで勝った僕がポリゴンを勝ち取った。 負けたスネ夫はダダをこねたが、見かねた店長からシャドーボールの技マシンを貰うと笑顔に戻った。 こうして僕たちの対信者戦は勝利?かどうか微妙な結末で幕を閉じた。 僕は2人と別れ、次のジムリーダーが待つタマムシジムへと向かった。 ----      現在の状況        タマムシシティ     手持ち リザードLV27、サーナイトLV30、ポリゴンLV20     所持金 1100円     バッジ 3個      出木杉メモ   名前     手持ち   のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)   ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)   静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)   ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)   スネ夫    サンダース、ゴルバット、スリープ(タマムシシティ時) [[次へ>出木杉の未来大冒険 その5]] ----
[[前へ>出木杉の未来大冒険 その3]]  チョンチーのタイプは水・電気、という事は有効なのはキルリアのマジカルリーフだ。 「いけ、キルリア!マジカルリーフだ。」 「そうはさせませんよ、超音波です。」 チョンチーによって混乱させられたキルリアは自分を攻撃してしまった。 こちらに休む暇を与えず、早速オルソンは次の手をうってきた。 「今です、スパーク!」 電撃を浴びたキルリアが苦しんでいる。 「キルリア、何度もマジカルリーフで攻撃しろ。」 結局3度目の攻撃が成功してチョンチーは倒れたが、かなりのダメージを追ってしまった。 「そんな力任せの戦い方でいつまで持ちますかな・・・ライチュウ、頼みましたよ。」  敵の最後のポケモンは、マチスと同じくライチュウだった。 混乱したままでは不利だ、ここは一度キルリアを戻さなければ・・・ 「させませんよ・・・ライチュウ、電光石火です!」 僕がキルリアを戻す前に、ライチュウが目にも止まらぬスピードでキルリアへ体当たりした。 どうやらキルリアはもう戦えないようだ。 「ご苦労様、キルリア。リザード、出番だ!」 遂に僕は最後の1匹まで追い詰められてしまった。 だが、諦める気などまったくない。 「リザード、龍の怒りだ。」 「させませんよ。ライチュウ、高速移動でかわして叩きつける!」 リザードの攻撃は素早いライチュウにかすりもしない。 リザードは敵の攻撃によって地面に叩き付けられ、ひれ伏すような格好になってしまった。 「まだまだ、もう一回龍の怒りだ!」 「何度やっても同じです。ライチュウ、もう一度高速移動からの叩きつける!」 オルソンの言うとおり、2度目もさっきと全く同じような結果に終わってしまった。 やはり、厄介なのはあのスピード・・・何か打開する手は考えなければ・・・ 僕は神にすがりつく気持ちで図鑑にあるリザードのデータを調べる・・・ん、これは!? まだ、僕に勝つ術は残されているのかもしれない・・・ ---- 「リザード、龍の怒り!」 「何回やっても結果は変わらないと言ったでしょう。ライチュウ、終わらせてしまいなさい。」 龍の怒りはまたもや外れてしまった・・・でも、僕の狙いはこの攻撃を当てることじゃない! 「今だリザード、怖い顔!」 リザードに鋭い目で睨まれたライチュウは思わずその足を止めてしまう。 「よし、もう一度龍の怒りだ!」  遂に龍の怒りが炸裂した、ライチュウの苦しむ姿がその威力の高さを物語っている。 攻撃を当てさせた最大の立役者である怖い顔は相手の素早さを下げる技、ゲームでもこの世界でも全く使わなかった技がまさかこんな重要なときに役立つとは・・・ しかし、オルソンは早速次の手をうってきた。  「ならここは敵を鈍くさせるとしましょう。ライチュウ、電磁波。」  リザードの体が麻痺状態となり、動きが鈍くなる。 「これなら怖い顔は間に合わない・・・ライチュウ、止めの叩きつける。」 「させない!リザード、怖い顔だ。」 オルソンの予想に反して、麻痺して動きが鈍くなったはずのリザードはあっさり技を成功させた。 リザードの手には麻痺状態を回復する“クラボの実”が握られていた。 「今だ、止めの龍の怒り!」 2度目の龍の怒りが炸裂した。 ライチュウは倒れ、動かなくなった・・・僕の勝ちだ! ----  オルソンはライチュウをボールに戻し、僕に近づいてきた。 「私の負けだ。このバッジを受け取りなさい。」 彼の手から念願のオレンジバッジを手渡された。 「やった!ありがとう、リザード!」 嬉しそうにリザードと会話する僕にオルソンが話しかけてきた。 「さっきの勝負、見事でした。 リザードとライチュウの戦いの時、あの劣勢から勝負を覆されるとは思いませんでしたよ。 あなたがもうちょっと遅くここに来ていたら、ジムリーダーのマチスとあなたの対戦を見ることが出来たのに・・・残念です。」 「え、もうちょっと待てばマチスさんと戦えたんですか?」 「ええ。1週間後くらいに帰ってくる予定ですので。」  マチスの姿を見てみたい・・・という気持ちはあるが、今は競争の真っ最中だ。 一週間もこんなところで油を売っているわけには行かないのだ。 僕はマチスと会うことを諦め、ジムを出ていった。  さて、次の目的地はシオンタウン、そこに行くにはイワヤマトンネルを通らなければならない事になっている。 暗いイワヤマトンネルを通るには、フラッシュの秘伝マシンが必要不可欠だ。 だが、フラッシュを貰うには10匹以上のポケモンを捕まえていなければならない。 そして現在、ポケモン図鑑の捕まえた数は5匹だ。 「と、いうわけで・・・適当に何か捕まえるか。」  僕はその辺のポッポやコラッタなどを捕まえ、図鑑のデータを埋めていった。 だがここで、1つの問題が浮上した。 この雑魚ポケモン達をどうするか、だ。 コラッタやポッポは育成しても大して強くならないから、使うことは無いだろう。 だがしかし、使いもしないのに手持ちに入れたままにしておくのには罪悪感があった。 結局僕はこの雑魚ポケモンたち、そして多分もう使わないであろうサイホーンも逃がすことにした。 だがこの後、僕はこの行動を後悔することになったのだ。  ----  9番道路のトレーナーを難なく切り抜け、遂に僕はイワヤマトンネル入り口前のポケモンセンターまで来ていた。 「はい、あなたのポケモンは皆元気になりましたよ。」  みんなって言っても2匹しかいないんだけどね、などと心の中でツッコミを入れ、いざ、イワヤマトンネルへ!というところで、あの男はやって来た。 「よう、出木杉!いいところに来てくれた!実は頼みがあるんだけどさぁ・・・」 この男、剛田武のことだ。 ろくでもないことを頼んでくるに違いない。 「断る。」 僕は用件も聞かずに彼の頼みを拒んだ。 「ちゃんと話ぐらい聞けよ!実はフラッシュの秘伝マシンを取り忘れちゃってさあ、お前のを俺にくれない?」 「そんなことだろうと思ったよ、無理だね。欲しければ自分で貰って来なよ。」 僕の言葉を聞いたジャイアンはやはりキレた。 「んだとてめえ!こうなりゃ喧嘩で・・・ん?ちょっと待てよ。」 ジャイアンは振り上げた拳をすぐに下げ、なにやら考え始めた。 「よし!ならポケモンバトルで勝ったほうが言うことを聞く!これでどうだ!」 ポケモンバトル・・・そう来たか。 「いいよ、ただし負けたらだけどね。」 「俺様に喧嘩売ったこと、きっと後悔するぜぇ。」 僕が勝っても何も得することが無いじゃないか、と言い出せないまま勝負が始まった。  ジャイアンのポケモンはたしかエビワラーとニドキング。 どうやら、キルリアで速攻片付けれそうだ。 ----  ジャイアンのポケモンはエビワラー、僕はキルリアだ。 「速攻で片付けさせてもらうよ。キルリア、念力だ。」 効果は抜群・・・のはずなのだが、エビワラーはそんなにダメージを受けていなかった。 何故?という疑問の後にすぐ、エビワラーの特防の種族値が110もあったことを思い出した。 「こんどはこっちの番だな、メガトンパンチだ!」 キルリアはあっさり倒されてしまった。 「そんな・・・いくら防御が低いといえ、一発でやられるなんて・・・」 「ハハハ!エビワラーにはパンチ技を強くする特性“鉄の拳”があるんだよ!」 ジャイアンの戦いはディグダの穴でも見たが、作戦も何も無いただの力押しだった。 だが裏を返せば、そんな戦術が実行できるほどポケモンに力があるということなのだ。 「くそ・・・リザード!龍の怒りだ。」 龍の怒りをくらったエビワラーは一発でやられた。 今度はジャイアンが驚く番だ。 「い、一発?馬鹿な!リザードがこんなに強いなんて・・・」 「エビワラーの弱点はHPの低さだ、かならず40の固定ダメージを与える龍の怒りには弱かったようだね。」  勝ったと思うのはまだ早い、ジャイアンのはまだニドキングが残っているのだ。 だがこの時点でニドキングはまだ地面技を覚えてないはずだ。 龍の怒りを連発すれば勝てるはず・・・ ---- …だが、そんな考えは甘かった。 ニドキングは炎タイプに強い岩石封じや水の波動を使ってきて、あっという間に僕は負けてしまった。 そう、僕はジャイアンが技マシンを使っている可能性を考えていなかったのだ。 この世界ではポケモンの技数に制限が無い、だからニドキングのように豊富な技を覚えることが出来るポケモンはかなり役に立つのだ。 その後、フラッシュ用に捕まえたビリリダマもあっさりやられ、僕の負けは決まった。  敗戦の瞬間、もし先程逃がしたポケモン達が居れば・・・という思いが胸をよぎり、逃がしたことを後悔する事になったのだ。 だが、次のジャイアンの一言で地獄がまだ続いている事を思い知らされる。 「じゃあフラッシュはいただくぜ・・・と言いたいところなんだが、実は俺フラッシュ使えるポケモン持ってねえんだよ。 だから、お前もフラッシュ役として洞窟を抜けるまで俺について来てくれ!」 負けた僕は断ることも出来ず、結局ジャイアンに同行するハメになってしまった。  一応、洞窟内の敵は全てジャイアンが倒してくれた。 だがそのせいで、僕は自分のポケモンのレベルを全く上げれなかったのだ。 シオンタウンに着いてジャイアンと別れた後、先程のこともあってビリリダマを逃がすかどうか真剣に悩んだ。 でも結局僕は使わないポケモンを手持ちに入れることが出来ず、ビリリダマを逃がしてしまった。  この世界に着ての初敗戦やポケモンを逃がしたことなどで、僕はすっかり落ち込んでいた。 ----      現在の状況        シオンタウン     手持ち リザードLV26、キルリアLV28     所持金 6000円     バッジ 3個      出木杉メモ   名前     手持ち   のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)   ドラえもん  フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時)   静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)   ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)   スネ夫    イーブイ、ズバット(3番道路時) ----    手持ちポケモンの回復を終えた僕は、とりあえずカントー地方の中心であるヤマブキシテイを目指すことにした。 ヤマブキとシオンを結ぶ8番道路にはかなりの数のトレーナーがいたので、時間の無駄を避けるために見つからないように進んだ。 しかし、ヤマブキに入るゲートは現在整備中で通れないそうだ。 仕方なく予定を変えて地下通路からタマムシシティへ行くことにした。 タマムシシティで行きたいところは3箇所ほどある。 デパート、ゲームセンター、そしてジムだ。 早速ジム戦・・・と行きたいところだが、今のレベルではかなりの苦戦が予想されるので先に他の2箇所をたずねることにした。  タマムシデパートで興味があるものは技マシンだ。 ファイアレッドの時の品揃えは吠える、破壊光線、穴を掘る、瓦割り、秘密の力、メロメロだったのだった。 だが僕の予想通り、守る、リフレクター、光の壁にDPで加わった峰討ちと気合球の技マシンも追加されていた。 僕は持っている技マシンといらないアイテムを全て売り払い、瓦割り、気合球、守る、リフレクター、光の壁の技マシンを購入した。 これで所持金はほとんど一文無しになってしまった。  買い物を終えた僕は次にゲームセンターへ向かった。 ここには特に用は無かったのだが、一応見物しておこうと思ったのだ。 やはり10年前と変わらずたくさんの客がスロットに熱中していた。 他に特に目に付くような物は無いし、そろそろ帰ろうか・・・ と、おもったその時だった!どこかから物凄い爆発音が聞こえ、激しく地面が揺れ始めた。 建物内の客は混乱して慌て始め、店員がそれを落ち着かせて避難させようとする。 さっきの衝撃、どこかで味わったことがあるような・・・ 僕の頭に1つの記憶が頭を過ぎった、お月見山の時のことだ。 そして1つの疑問が生まれる・・・まさか、ここにも信者が? ---- 客の大部分が避難し、建物が落ち着きを取り戻し始めた。 僕も逃げようかと考えていたその時、背後から何者かが声をかけて来た。 「出木杉!これってもしかして信者の仕業じゃ・・・」 その声の主は青い狸、ではなく猫型ロボットのドラえもんだった。 「その可能性は高いと思うよ。ここは早く逃げたほうが・・・」 「何を言ってるんだ!あいつらを倒さないとここの人たちが困るじゃないか。」 ドラえもんに信者と戦おうとしつこく説得され、結局彼の意見を認めてしまった。 作戦を練ろうとすると、後ろのスロットがガタッと揺れる音がした。 「「誰だ!」」 僕とドラえもんが同時に叫ぶと、スロットの後ろからスネ夫が出てきた。 「スネ夫!君もさっきの話聞いてたよね。一緒に戦ってくれないか?」 「断る!何で僕が・・・」 ドラえもん何度説得しても、スネ夫は僕と違って全く折れない。 「じゃあ、もし協力してくれたらこれをあげるとしたらどうだい? 僕が1時間スロットで粘って手にいれた技マシンだよ。」 「わかったわかった。その代わりその技マシンは先に貰っておくよ。」 ドラえもんが差し出した10万ボルトの技マシンにスネ夫はあっさり釣られた。  作戦会議はドラえもんの司会進行で始まった。 「じゃあ、早速作戦を・・・」 「待った!大体敵がどこに居るかも分からないじゃないか。」 「いや、実は大体見当はついてるんだ。」 実は僕にも大体見当はついている、このゲームセンターの地下にある 元ロケット団アジトだ。 だが、それ以外のことは何もわからない。 作戦といっても、敵が何人いるのか?敵はどのくらい強いのか? 全く予想が出来ないので結局作戦は無いに等しい状態での戦いとなった。 ---- アジトはゲームセンターの地下にあり、全部で地下4階まである。 僕たちがその中のB2Fに着いたとき、1人の小柄な男が立ち塞がった。 勿論、ロケット団の制服をまとっている。 「ほう、逃げずに立ち向かってくる奴がいたとはな。しかもこんな小さな子供とは・・・」 「さっきの爆発はお前たちの仕業か!」 「その通りだ。俺と仲間たちが一発ドカーン!とやったわけよ。」 やはり複数犯か・・・これはキツイ戦いになりそうだ。 「お前の仲間は後何人居るんだ!」 ドラえもんが叫んだ、そんな事聞いたって教えてくれるはず・・・ 「後2人だ。それも俺より強いやつがな。」 「全部で3人か、なら一対一でいけるね。」 意外すぎるほど敵はあっさり答えた。 「ならここは僕が行くよ。2人は残りの敵を頼む。」 意外にも、スネ夫が戦いに立候補した。 彼のことだから、この相手が一番弱いと聞いてのことであろう。 僕たちは小柄な男の相手をスネ夫に任せて下の階へ向かった。  最下層にいた2人とは、一度ハナダシティで戦ったあの金髪の男と大柄の男の2人組だった。 「成程、侵入者って言うのはお前らの事だったのか。2度も会ったんだから名前ぐらい知っといてくれよ。俺はレン、こいつはセイジだ。よろしくな。」 「君たちが首謀者だったか・・・なんでこんな事をしたんだ!」 ドラえもんが尋ねると、レンと名乗る金髪の男が答えた。 「サカキ様がアジトとしていらさったこの場所は俺たちにとって特別な聖域なのさ。 それが今じゃあゲームセンターの物置だなんて、ふざけんじゃねえよ! だから聖域を取り戻しに来た、それだけのことさ。」 やはり彼らは元首領のサカキを今でも崇拝しているようだ。 「そんなくだらない理由で・・・出木杉!僕はでかい方を相手にする。 君はその金髪をよろしく。」 「今回は一対一か・・・悪くない。よし、ガキ!上の階でやるぞ!」 僕はレンに誘導されて上の階へと向かった。 ---- 僕はリザード、レンはドガースを繰り出した。 「行くぜ!ドガース、スモッグだ。」 「そうはさせるか。リザード、煙幕だ。」 ドガースのスモッグは煙幕によって命中率を下げられて外れた。 「今度はこっちの番だ。龍の怒り!」 必殺の一撃が決まり、ドガースが悲鳴を上げる。 「クソッ!ドガース、体当たりだ。」 「接近戦なら負けないよ。瓦割りだ!」 先程会得したばかりの瓦割りが敵の体当たりに打ち勝ち、ドガースが怯んでいる 「今だ、止めにもう一発瓦割り!」 「させるか。自爆しろ!」 リザードが攻撃を決めようとしたその時、ドガースの体が眩しい光を放った。 そして次の瞬間、ドガースは粉々に砕け散った。 ここまで圧倒的に押していたのに、たった一撃で戦いを白紙に戻されてしまった。 「危ない危ない。行って来い、ゴースト。」 次にレンはゴーストを出して来た。僕はキルリアだ。 「まずは防御を固めるか・・・光の壁だ。」 「なら今のうちに逃がさないようにさせてもらうぜ。黒い眼差し!」 黒い眼差しを使った・・・ということは、敵はどうやら 僕の残りがこのキルリア一体だという事を知らないようだ。 僕は効果抜群である念力で体力を削る手に出た。 「そんなショボイ攻撃、大した事ないぜ。怪しい光で混乱させろ。」 ゴーストの体内からキルリア目掛けて不気味な光が放たれる。 「よし、今のうちにナイトヘッド・・・って何やってるんだゴースト!」 ゴーストはなんと自分で自分を攻撃している。 「まさか、光の壁で怪しい光が反射したのか?クソ!いったん戻れ!」 だがゴーストは戻らない・・・黒い眼差しも光の壁の影響を受けていたのだ。 結局敵は次の念力で倒れた。 「まさかここまで追い詰められるとは・・・だがこいつに勝てるかな?」 レンが最後に出したのは相性で苦戦が予想されるナッシーだった。 このままでは負ける・・・そう思っていると、突然キルリアの体が光りだした。 ---- キルリアをまとっていた光が消えると、そこには最終進化形態であるサーナイトがいた。 「進化したか、面白い。ナッシー、種爆弾だ。」 サーナイトは種爆弾を浴びたが、進化したのでこの程度のダメージでは倒れない。 「ここは長期戦になるかな。瞑想で能力を上げろ。」 サーナイトは能力アップに尽くす体勢に入った。 「なら動きを止めるぞ、痺れ粉だ。」 粉を浴びたサーナイトは痺れたが、特性“シンクロ”によってナッシーもマヒ状態になってしまった。 「どうやらミスを犯してしまったようだね。サーナイト、瞑想はその辺にして攻撃に移るぞ。」 僕のこの一言を聞いたレンは焦りだした。 「こうなったら・・・ナッシー、ソーラービームだ。」 レンは先に敵を仕留めようとする・・・が、この選択が彼の痛恨のミスとなってしまった。 ソーラービームはすっかり忘れられていた光の壁で跳ね返ってナッシーに直撃してしまった。 「今だ、マジカルリーフ!」 効果はいまひとつだが、瞑想によって特攻を上げていたのでかなりの威力があった。 ナッシーの巨体が倒れ、豪快な音がする。 「て、手持ちはもういない・・・俺の負けだ。」 レンが自分の負けを伝える、僕が勝ったのだ! 「リーダー格のあなたを倒した・・・どうやら僕たちの勝ちのようですね。」 僕はレンに止めを刺す一言を伝えた・・・つもりだったが、それを聞いた彼は笑い出した。 「ハハハハハ!いいことを教えてやるよ。下の階で狸と戦っているセイジ、あいつは俺とは比較にならないくらい強いぜ。なんせ元幹部だった男の弟だからな。」 「「な、なんだって!」」 僕と、いつのまにか戦いに勝利してここに来ていたスネ夫が驚きの声を上げる。 僕たちは急いで下の階へと向かった。 ----  B4Fに降りた瞬間、スネ夫は身を守るために自分の全手持ちポケモンを出した。 だが、そこにいたのはドラえもん1人だった。 「一体何があったんだい?」 僕が訪ねるとドラえもんはまず彼に逃げられたと告げ、詳しく説明していった。 「ポケモンバトルで、僕はあのセイジという男に一方的にやられたんだ。 でも最後の一体だったこいつのフラッシュで敵の目を眩ませたんだ。 そこを捕まえようとしたんだけど、残念ながら結局逃げられちゃったんだ。」 そういいながらドラえもんが出した最後の1匹、というのは なんと僕が逃がしたビリリダマだった。 まさか、ドラえもんが捕まえていたとは・・・  その後、とりあえず僕たちは地上に戻った。 するとそこにはたくさんの警官がいて、レンと小柄な男を捕まえていた。 いつの間に・・・と僕たちが呆然としていると、小太りの男が僕たちに声をかけて来た。 「いやあ君たちがあの信者と戦ってくれた子供たちか! 僕はここの店長だ。君たちのおかげで被害をだいぶ抑えることが出来たよ、 本当にありがとう。 そこできみたちに渡したい物があるんだ・・・」 店長はそう言うと、1個のモンスターボールを取り出した。 中に入っているのはここで一番の景品、ポリゴンだった。 早速誰が貰うか、という話になったが、ドラえもんは遠慮してくれた。 僕とスネ夫はお互いに譲らず、結局ジャンケンで勝った僕がポリゴンを勝ち取った。 負けたスネ夫はダダをこねたが、見かねた店長からシャドーボールの技マシンを貰うと笑顔に戻った。 こうして僕たちの対信者戦は勝利?かどうか微妙な結末で幕を閉じた。 僕は2人と別れ、次のジムリーダーが待つタマムシジムへと向かった。 ----      現在の状況        タマムシシティ     手持ち リザードLV27、サーナイトLV30、ポリゴンLV20     所持金 1100円     バッジ 3個      出木杉メモ   名前     手持ち   のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時)   ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)   静香     カメール、ピカチュウ(クチバシティ時)   ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)   スネ夫    サンダース、ゴルバット、スリープ(タマムシシティ時) [[次へ>出木杉の未来大冒険 その5]] ----

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