1970年代の長期経済停滞に対し、サッチャー保守党政権は「市場原理と小さな政府への回帰」を目標に、民間資本の活用を積極的に推進した。その後を継いだメージャー保守党政権でも同様の政策が採られ、1992年に、当時のラモント財務大臣の提唱によりPFIが導入された。
その後、1997年5月に誕生したブレア労働党政権は、保守党政権下における民営化やPFIを検証し、PFIを含むより広い概念としてPPP(Public Private Partnership)という概念を打出し、これによる社会資本整備は有効であるという方針を固めた。なお、PFIの問題点の把握と改善を進める過程で提出されたのが「ベイツ・レビュー」であり、PFI手法の簡素化、入札費用の削減、PFIに関する地方自治体の権限の明確化など29項目の改善点に基づいた見直しが行われた。
財務省の統計によると、2009年4月現在で641件、資産価値にして約638億ポンド(約10.3兆円)のプロジェクトが契約済みである。省別のプロジェクト数では児童・学校・家族省が最多で124件、次いで保健省が102件、コミュニティ・地方自治省が60件などとなっている。契約済みプロジェクトの資産価値が最も高くなっているのは運輸省で、全体の約半分を占める約227億ポンド(約3.7兆円)、次いで保健省が約109億ポンド(約1.8兆円)、国防省が約87億ポンド(約1.4兆円)。地方別ではロンドンが最も多く約252億ポンド(約4.1兆円)で、スコットランドやイングランド南東部なども多くなっている 。(HM TREASURY Website)