EU憲法の批准を問う国民投票がフランス(2005年5月29日)、オランダ(2005年6月1日)と相次いで否決されたことを受け、ストロー外相(当時) も同年6月、英国における国民投票の実施を棚上げすることを明らかにするなど、暗礁に乗り上げた。当時英国のEU憲法条約批准について、英調査会社「MORI」が行った世論調査(2005年6月実施)によると、「反対」56%、「賛成」22%、「不明」22%となっていた。こうした否決の結果や国民投票を避けたい英国政府等の意向も踏まえ、欧州憲法条約に代わる基本条約(改革条約Reform Treaty)案が、2007年10月19日の非公式首脳会議(欧州理事会)での合意後、12月13日にリスボンにおいて調印された。
英国内では以前より、国民投票を行うべきという議論が強かったが、結局、政府は直接的に民意を問うことはせず、国会での審議を終えた後、同条約が2008年7月16日に批准された。アイルランドでは、2008年6月12日にリスボン条約締結に関する国民投票が実施され、賛成46.6%、反対53.4パーセントで同条約の批准が否決された。全加盟国の批准がリスボン条約発効の条件であるため、現在は条約の発効そのものに暗雲が立ち込めている。