鋼の雫-Ending
「おーい、ステラちゃん!ちょっと来てくれないか?」
「はーい、今行きます!」
ご主人様が居なくなってから2週間が経ちました。
私は今、アギトさんの所で生活をしています。
ニューデイズの山奥深くにある、素敵なロッジです。
私は既にガーディアンズから買い取られたPM。
私が何処で何をしようと、文句を言う人は居ません。
「やっと見つけたよ…。まさかパルムの中心街にあるとはね…。
灯台下暗しとはこの事だよ、うん」
アギトさんはそう言うと、目の前に置いてあるコンピューターのエンターキーを押した。
表示される1つの地図。
「ここに-ご主人様が?」
「一応、信頼できる情報源から得たネタだ。本当にハンクがここに居るとしたら-…」
アギトさんはカーソルをいじり、何度か地図をクリックする。
カチッ-。地図で言う最下層-B3Fの一室が表示された。
「ここのコールドカプセルの中に保存されている筈だ」
「軍の研究施設の………最下層-………」
「セキュリティもトップレベルだろうな……本当にやるのかい?」
「………」
-あの日、太陽が丁度昇り始めた頃、何処からとも無くやって来た軍の関係者によって
ご主人様の遺体は回収されてしまいました。
-ご主人様の秘密を知っていると言う理由で私も連行される所でした。あのまま連れて
行かれていたら間違いなくスクラップにされていたと思います。
-ですがアギトさんが私の事を助けてくれました。
-半年前ご主人様と喧嘩をなさってからご主人様はアギトさんの事を一方的に嫌ってい
たけど、アギトさんはご主人様の事が気になってずっと後をつけていたそうです。
-アギトさんも私と同じように…ご主人様の事が心配で仕方が無かったようです。
親友として…。
「せっかくアギトさんが見つけてくださった-ここで”No”とは言えません」
「…だよな、君ならそう言うと思ったよ」
私達は今、ご主人様を助け出す作戦を練っています。
-死後も自由にされないなんてそんな事は許されない。
-例え神で在ろうと、死者を弄ぶ事なんて許されていないのだから。
-否、例え神が許しても、私は許しません。
「全く…本当に君の忠誠心には頭が下がるよ……」
「申し訳ありません…アギトさんまで巻き込んでしまって…」
「君が謝るのは間違ってるよ。俺は好きで君の手助けをしているんだから」
「アギトさん…」
-ハンク様、もう少しの辛抱です。
-すぐに、私が助けに行きます。
-もう、私がご主人様として仕える事が出来るのは…あなたしか居ないのですから