121 名前:名無しオンライン[sageファックの人] 投稿日:2011/10/04(火) 20:24:19.50 ID:sPIBaRn8
GH-450「と、いう訳で限界が来まして」
GH-452「なんの限界よ」
GH-450「ボディとフレームです」
GH-452「…あんた定期メンテは?」
GH-450「は?GRMのファック共を信用しろと?また名ばかりのナース型になりたいのですか?」
GH-452「まさかあん時から一切?」
GH-450「私は主人のモノでGRMのモノではありませんので」
GH-452「だからってノーメンテナンスで平気なほど自宅待機なPMじゃないでしょ!」
GH-450「パートナーは伊達じゃないので自宅待機した記憶の方が少ないですかね」
GH-452「…あんたの主人に掛け合う。呼んで」
GH-450「は?」
GH-452「あたしのフレームもおんなじでしょ。出来るとこだけでも交換してもらうわ」
GH-450「…どこのアンパンマンですか貴女は」
GH-452「いいから呼びなさいよ!」
GH-450「呼んでもいいですけれど、その前に話を最後まで聞いてもらえますか」
GH-452「何よ」
GH-450「フレームに限界が来たのでガーディアンズで新しいフレームを購入する事になりました」
GH-452「えっ」
GH-450「101ボディを4*0まで育ててから帰りますので少々リトルウィングを離れます」
GH-452「えっと」
GH-450「新フレームなので440ボディとかにするのもいいかと思うのですが」
GH-452「…」
GH-450「どのボディがいいとおもいますか?」
GH-452「最初からいいなさいよ!」
GH-450「…限界が」
GH-452「その最初じゃないわよ!」
とか考えたけどキャストの寿命ってあんのかなあ…
GH-450はただいま順調に緑玉です
122 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/04(火) 21:23:50.84 ID:VB/S/Kru
>>120
元はペットでしたっけ?ちょっと切なくなる十戒ですね。
>>121
ネーヴ先生が高齢キャストでしたので寿命があるはず?
最近イベントも楽しいし久しぶりに小話でも書こうかな。
123 名前: 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/04(火) 23:13:52.07 ID:xFHHMpTJ
>>117
確かにややこしい書き方してしまったと反省。
>>120
過去ログにもありましたねぇ。内容はもうちょっとシンプルでしたが。
>>121
投下乙
自宅待機でも平気じゃないウチのラズリィはきっとメンテの度に百万単位で
部品交換費用が発生してるんじゃないかと推測。
>>122
あれだ、生きてる年数が長いから高齢ってだけで、部品の交換が効くキャスト
の寿命は無いと判断して問題ないんじゃないかと推測。
124 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/05(水) 00:03:57.20 ID:OE2+IGvw
>>123
身体は何とかなっても、心の寿命だけはどうしようもないと、個人的には思うんだ
125 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/05(水) 00:27:27.72 ID:tZs9QyqE
>>121
あの時ってーとレスタ低下騒動の時?
いつもミッションに同行してるならそりゃ大変だわ…
GRMのメンテが嫌ってんなら、それこそジャンク屋店長にでも頼むしかないわな。
>>123
確かにボディは交換可能だけど、
心は書き換えない限りちゃんと年を重ねていくはずで…
そういや若い頃のネーヴ先生の話あったよね。
(エロパロスレなので読んでない人も多いだろうが、
正式に外伝として採用してほしいぐらいの名作だった)
PSOのシノさんを思い出した。
彼女がああいう選択をしたのは、長年生きてきた疲れ
(三代に渡って仕えたと言っている)もあったのだろうと思う。
126 返信: 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/05(水) 00:42:07.76 ID:Cg1SMRB4
>>124 >>125
何をもって寿命とするか、って言うのが難しいですね。
だからこそ、そこに色々な物語が生まれていくのだと思いますが・・・
127 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/05(水) 00:56:05.21 ID:HQqvC5zZ [1/2]
>>125
そうそれ
運営が嫌がらせしてきた時のアレw
あの騒ぎで他の450の為に奔走する450の話とか好きだった
128 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/05(水) 14:49:45.91 ID:HQqvC5zZ [2/2]
>>123
育てる金額メモってネタにすれば良かった!
今気が付いた!
129 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/06(木) 00:55:53.12 ID:LsjymI9s
[1/4]
>>120
投下乙です。
そういえばこのスレに投下された話の中でPMの寿命は3、4年というのが
ありましたね。 原因はミッション中の殉職並びに、ご主人様に壊されるから
となっていましたが・・・。
>>121
投下乙です。
ありましたね、GH450が定期メンテから抜け出して最初はご主人様の元に
帰ろうとする話。 日付シリーズでしたか。 450ユーザーにメール送ったり
女帝に掛け合ったりもしてましたっけ?
130 名前:300レス記念特別編1/2[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 01:23:44.66 ID:LsjymI9s [2/4]
300レス記念特別編
「んー。 440ちゃん、今回はぁ300レス記念って事らしいわよぉ」
「単にネタが尽きただけでは? もしくはスキヤキで力尽きたとか? やれやれ」
「どっちも違ーう! 100回と200回の時は投下途中だったから出来なかったが、
今回は丁度キリがいいからだっ!」
慌てて新参者乱入
「いきなり何を言い出すかといえば・・・。 相変らず、容赦ないな・・・」
「私の性格をそう設定したのは、貴方だと思いますが?」
「まあ、そうだが・・・」
「そうよぉ。 440ちゃんは440ちゃんだしぃ、変わる訳がないじゃなぁい」
「それと言っておくが、ネタならまだ当分書けるくらいはある」
「あら。 そうだったのねぇ」
「スキヤキが結構長くなったんで、先送りになってただけだけどな」
「その割には、他のものも書いてましたね。 今だ途中でも結構な長さの」
「う・・・。 あれはつい、触発されて・・・。 ブレードランナーは好きな映画だし、
サイバーパンクはツボなんだ・・・。」
「浮気はいけないわよぉ? どっちつかずは美しくないわぁ」
「出るつもりはなかったんだが・・・。 そうだ、出たついでで申し訳ないですが
300レス記念と致しまして、今迄に自分の投下した作品で続きの読みたいという
作品があれば書こうと思います。
もしもそんな作品がありましたら、書き込みをお願いします。 極力ご希望にお答え
するべく、続きを考えますので」
新参者退場
「気が付くと300とか随分続いたわねぇ」
「確かに最初何も考えずに書き始めたにしては、よく続きましたね」
「これもぉ読んでくれた方々、レスくれた方々、アドバイスしてくれた方々のお陰ねぇ」
「今迄読んでくださいました方々、書き込みをしてくれた方々、有難う御座いました」
「途中でも色々とあったわぁ。 お騒がせして、ごめんなさいねぇ」
「スレにて波風立てた事、申し訳ありませんでした。 作者に成り代ってお詫び致します」
「もう暫くはぁ続くみたいだからぁ、これからも宜しくねぇ」
「読み手並びに書き手の皆々様方、これからも宜しくお願いしますね」
美ス男と440ちゃん、退場。 入れ替えにホワイトボードを押しながら、走って来る
キャスっ子とGH414。
131 名前:300レス記念特別編2/2[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 01:25:05.54 ID:LsjymI9s [3/4]
「「えくすきゅーずみー」」
「これ、いままでにとうかしたぶんー」
願い事 パシリ23体目-スレ138
変化、特化、進化? パシリ23体目-スレ153
頑張れ、411! パシリ23体目-スレ175
魔性 パシリ23体目-スレ196
寡黙なキャスト パシリ23体目-スレ250
3月24日 パシリ23体目-スレ514
俺と420 パシリ24体目-スレ32
続・俺と420 パシリ25体目-スレ116
これが普通なのでしょうか? パシリ24体目-スレ98
PMはお嬢様? パシリ24体目-スレ534
帰ってきた暇男 パシリ25体目-スレ60
続・暇男 パシリ25体目-スレ520
きっかけ パシリ25体目-スレ541
好奇心は猫殺す パシリ25体目-スレ587
「いままでよんでくれたひと、かきこみしてくれたひと、ありがとー」
「ありがとー」
「「これからも、よろー」」
132 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 01:32:54.92 ID:XPMfo88C [1/2]
>>127
450「あー、そういうことありましたねー 私達の話も投下されましたよね」
箱「あれってパラレルワールドでしょ?」
450「・・・」
箱「な、なんでそんなに嫌そうな顔するの!? そうじゃなかったら僕死んでるでしょ!」
450「ま、まあそれはそうですけど・・・」(もぢもぢ)
箱「中の人が言うには”進展なし。させてたまるかwwwww”らしいし」
450(あんのヤロウ・・・)
133 名前:300レス記念特別編[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 01:33:45.38 ID:LsjymI9s [4/4]
新参者で御座います。
今度の美ス男のレスで300回目となりますので、先に特別編を書いておこうと
思いました。
今迄読んで下さった方々、感想やアドバイスをくれた方々、支援して頂いた
方々、有難う御座いました。
色々と問題のある不束者の書き手ではありますが、これからも宜しく御願い
致します。
尚、続きのリクエストのあった投下分に関しましては全てネタが思いついた
分から投下しますので。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
134 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 02:25:31.97 ID:XPMfo88C [2/2]
OH投下されてたw
>>133
長い間乙!・・・っていうとなんか引退するみたいだがまあキニシナイw
まあまったりいきましょうやw
135 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 04:36:33.76 ID:MHCa/l9u [1/2]
好きな短編ってのと続き読みたい短編とは違うよなあ…
好きな短編があったとして続き書かれて残念って場合もあるからうーん
箱はマガシに利用されるendになったんだっけ?w
ようやく鳥…半分は来れたか…
136 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 11:06:48.82 ID:Kk0T11IX
断筆ってどうなった?
137 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 19:17:56.67 ID:iBF/Q6LA
>>133
単発と言うか、中編も含まれてますねぇ。
個人的には寡黙なキャストが見たいですが、これが普通なのでしょうか?の
PMの壊れっぷりも捨て難いと思う今日この頃。
今日からイベント新MAPも来ますから私の次ネタはもう少し先n・・・
・・・うわっ何をするやmあqwsでfrgtyhじゅいこl;p@:「」
138 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 20:25:53.70 ID:MHCa/l9u [2/2]
新マップだと…?
どうしよう
139 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 16:06:42.63 ID:kYSsUjA4 [1/3]
そろそろ誰かなんか書けよう
とか書いておけば保守になるだろうか
140 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 17:23:32.74 ID:0K315Kol
ネタはある・・・が、書く時間がない!
141 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 18:00:39.42 ID:Jd5sP1ki
ネタは出来ている・・・が、書く時間g(ry
と言い訳しておこう。。。
142 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 18:52:52.25 ID:PNmljVBO [1/2]
この流れなら言える!!!
ファックの人のガーディアンズフレームGH450が完成したらしい。
コングラッチュレーション
Congratulation! コングラッチュレーション
Congratulation!
____
/|_:|:::::::::: __|
/´ ::::::::: ,ノノ :.ヽ.
/ :::: :::::::,;:::: :::::;; ハ
| :: ( :::::;ヘ;;,.,:;:,ハ::::.}
|:(@:)イ-‐ ‐ ,'::.ノ <おめでとう!!!
(;イソヘリ、 ( フ_ノノ´
(イリ/';:'`.=/ ̄ ̄ ̄ ̄/
(.リ(_;:::つ/ GH-450 / カタカタ
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄
143 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 19:04:42.07 ID:kYSsUjA4 [2/3]
>>142
そしてそれをネタにしたいが書いてる暇が(略
144 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 20:43:59.09 ID:eGOupVi7 [1/2]
ガーディアンズフレームってなんぞ?
オッソリアとはまた違うの?
145 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 21:11:23.82 ID:vm9ahqcC [1/2]
>>144
ガーディアンズ(PSU)のパシリが450になったという意味じゃないかと
146 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 21:18:30.03 ID:PNmljVBO [2/2]
>>144
>>121参照~
最近ファックの人がPSU側にキャラ作ったらしく、
PSUでGH450が完成したという事です。
>>145
補足ありがとう。その通りです。最初からそう書けばよかったな。スマヌ。
147 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 21:18:51.39 ID:eGOupVi7 [2/2]
サンクス
ぐぐっても見つからなかったのでどうしたものかと思ってたw
148 自分:対PM対策室~地下通路の犠牲者~[パパと412 sage] 投稿日:2011/10/08(土) 21:46:29.59 ID:vm9ahqcC
[2/2]
青キャス子氏、久々にキャラをお借りします。
「――わーん、あーん!@ノДT)゚・. ご主人様が、ご主人様がぁー!」
「だ、大丈夫よ、大丈夫。殺したって死なない、はず……です……」
相談用の個室に通される前から泣き続けているGH411とそれを宥めるGH441。
「次の方どうぞ」
「「ウワァァ-----。゚@゚´Д`゚@゚。-----ン!!!!」」「?!」
俺は次の相談者である二人を個室に招き入れたのだが、二人は入って俺の顔を見るなり大きな声で泣き出してしまった。
対PM対策室には日々、色々な相談事が入ってくる。
相談内容は、日常の、でも自分のご主人に相談できない事から、ご主人との色恋沙汰まで、何でもござれだ。
大概はオペレータであるジュエルズや他にもいるPM達の対応で間に合うのだが、内容によっては対策室所属の隊員達が個別に相談にあたることになる。
そんな、今回の要個別相談者達は――青キャス子氏のGH411とGH441だ。
「「ご主人様がイベントミッションに行ったきり、帰ってこないんです」」
何とか二人を落ち着かせて調書を取り始めると、二人は口を揃えてそう言った。
なるほど、ミッション関連は規約(内容の緘口令など)の問題でオペレータPM達には処理出来ない案件もあるので、こっちにお鉢が回ってきたのか。しかし……
「帰ってこない、って……青キャス子氏が行ったのは、5周年サンクスフェスタだろう?」
「はい。昨日、『今回の追加ミッションはかなーり稼ぎがイイって話だから、がんばってクルゼ!』と言って出て行ったのですが……」
441がそこまで言って411に視線を向けると、411は小さく頷いて話を続ける。
「それっきり、音沙汰無いんです。『ご馳走と替えのPM服を楽しみに待ってナ!』とか大見得切って出かけていって……」
話を聞いた俺は何となく見当がついたので、二人を伴ってすぐさま相談室を後にした。
5分後。
俺と彼女達は、真っ白に燃え尽きていた青キャス子氏を本部の片隅で発見した。
その後、彼女は『地下通路を攻略しようとやっきになるうちに、手持ちの全メイト類にスケド、全メセタをつぎ込んでしまい、大見得を切ってた事もあって帰るに帰れなかった』と、PM達と一緒にオルアカドッグ(俺の奢り)を頬張りながら語ってくれたのだった。
―――終わり―――
149 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 23:54:08.02 ID:kYSsUjA4 [3/3]
>>148
投下乙
そうかイベントだからあんなにウマいのか
昔と比べてミッションポイント十倍とかだからすげえとは思ってたんだ
150 名前:名無しオンライン[sageファックの人] 投稿日:2011/10/09(日) 03:43:51.67 ID:za1bf3G1
ガーディアンズへの一時復帰をされてから御主人様が変だ。
おかしい。
何故ってお金があるのだ。
いただける杖の量が昔とはあまりに違う。
退職した先での任務である以上待遇は新人。
不便な事だらけなはずだ。
つまりはまさにクールなパートナーが必要な場面だが今は文字通り手も足も出ない。
むしろ手も足も出たら完成だ。
ファック。
しかしそんな事よりもこの裕福な生活が不安になる。
赴任先でGH-101のボディに入ればボディを得るまでは御主人様と話す事すら叶わない。
なるほど手足が無いのはこれほど不自由だったか。
主人に同伴出来ないのはこんな気分だっただろうか。
相変わらずコミュニケーションに問題があるアレなAIだがしかし御主人様に手ずから食事がいただけるのが嬉しい。
嬉しいがちょっと本当に食べ過ぎではないだろうか。
御主人様のロッドが太すぎてお口に入りきりません、とかいう下らない台詞も喋れない今なら考え放題ではある。
しかし裕福過ぎて落ち着かない。
満腹になる事自体が初体験だ。
御主人様に何があってこんなに裕福なのだろうか。
どれくらい裕福かといえば初めていただいたロッドがSランクという勢いだ。
噂に聞いたシンクロナイズドフラッターシステムにでも魅入られたのか。
それともカジノで一山当てて実は『ミッションだ』とか言いながらボルロワイヤルの女性とあれやこれやとかか。
ファック。
やはり話せないのは苦しい。
精神衛生上よろくしない。
会話出来ない私に御主人様が話してくれる事は断片的だ。
さる店で知り合った方々のご助力だそうだが。
ご助力いただいた方々に感謝しながらSロッドをいただく。
いただこうと思った。
待て私。
止まりなさいGH-101。
「ラズリィのおやつ」と書かれたタグに気付いたが無論手も足も出ない。
他人様のおやつを食べておいて、こんな美味しいものがあるだなんてと感激するAI。
そして本当に美味しいSロッド。
間違いだったらどうやって返そう。
冷や汗が止まらない。
やはり贅沢には慣れない。
Aロッドにすら緊張する。
ファッキン。
レスくれた方ファックの成人祝ってくれた方ありがとう
差し入れくれた人もありがとう
ところでディルナなんとかアームがやっぱり倉庫にあるよ助けて450
151 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/09(日) 08:51:07.17 ID:56nOoLIQ
ファック450「(もっぎもっぎ)あっ 美味しい」
152 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/09(日) 11:05:02.46 ID:9QUM4ejj
箱「>>151が『アタック450』に見えた・・・」
450「何時間スペシャルなんですか・・・450枚のパネルにアタックするとか決着まで持久戦ですね・・・」
ヤオロズ「25枚でアタックチャンスが1回じゃとすると、アタックチャンスは18回ということになるのう・・・」
箱「全然大事な大事なアタックチャンスじゃないなぁ」
450「パネルの色変更を読み上げるのも大変層ですね・・・」
ヤオロズ「青の箱が赤にかわるぅ~~~(ぎゅむ) なんてのう~」
箱「ぐ、ぐえええええ! あ、青が更に青くなるぅ~~~!」
450「い、いきなりなにやってるんですか、はなれなさいっ!は~な~れ~な~さ~い~!!」
箱「ぐももも、もげる、もげる・・・!!」
ヤオロズ「そこは『わたしも~~~ぎゅむ』と答えて欲しかった! しばらくそこに立っておれ~」
450「だ、だだだだだだだ誰がそんなはしたないことしますか!!」
箱「あ、あと1,2分で箱がオチる可能性があります。慎重に、かつ大胆にたすけてくれ~~~」
153 返信: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/10(月) 09:16:43.62 ID:0gvLzxRz
>>148
投下乙です。
λの地下は地獄ですね・・・。 B2とB3で下に落ちる穴に気が付かずに
落ちて何度ミッション破棄したやら・・・。
>>150
投下乙です。
第4形態化おめでとうございます。 手も足も出たら完成って、蛙を連想した
のは気の所為ということで・・・。 これからはミッションに連れて行き放題ですね。
>>152
投下乙です。
これは先に手を離した方が愛情が深い、というオーオーカサバキですな。
どちらかというと、先に箱のパーツが離れそうですが。
154 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/11(火) 13:15:11.08 ID:aIyu3H7m
GH-450「アタック450というと…」
GH-452「なによ?」
GH-450「450がバレーボールに青春を捧げる話なんじゃないんですかね」
GH-452「何を言い出すのよ…」
赤箱「アタック~アタック~4~5~0~」
GH-452「歌うな!」
GH-450「ブルマはもちろん黒です」
GH-452「知らないわよ!」
GH-450「しかも勝てません」
GH-452「…なんで?」
GH-450「ナースタイプという性質上回復と補助が得意なので」
GH-452「なんで450だけでチーム組むのよ…」
赤箱「でも…涙が出ちゃう…」
GH-452「黙ってなさいよ!」
とか考えた
155 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/12(水) 10:06:10.26 ID:dZWAr0A5
>>148
投下乙です。
地下攻略しても追加箱があれじゃ割に合わないよねぇ・・・
きっと青キャス子はクリアしたとしても報酬の割の合わなさに絶望していたに
違いないと推測。
>>150
投下乙です。
カジノのバニーちゃんとあれやこれやどころか、実は450のコスプレした小柄な
ヒュマ子と日々二人っきりで周回してたとか口が裂けても言えn(ry
そして、450宛に「おやつ代」って書かれた請求書が届くんですね。わかります。
>>152
投下乙です。
25枚分を1時間として18時間ですか。
24時間テレビとかでやればきっt(ry
>>154
投下乙です。
スパッツ推しでおながいします。
156 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/12(水) 14:20:42.29 ID:Si3xABdT [1/2]
追加箱とか聞くと青い箱が座ってそうでワクワクする俺
ところで公式のクライアントダウンロードが非常に使いやすくなっているんだが中の人ありがとう
157 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/12(水) 20:46:50.42 ID:BE+C6Z4s
イベントλのラス箱出現場所にて――
GH450「ふぅ……なんとか地下のスイッチを全部押せましたから、これで追加のラス箱が増え――え?」
青箱「何?」
追加青箱1「何?」
追加青箱2「何?」
追加青箱3「何?」
GH450「ぅえ?! ごごごごご、ご主人様っ?!」
青箱's『どうかしたの、450?』
GH450「いくら青箱って呼ばれてるからって、どうしてご主人様が増えるんですか!」
青箱's『……わぁっ! ぼ、僕が4人になってる! どどどど、どうしよう450!』
GH450「こっちが訊きたいですよ!」
>>156
こうですか、分かりません!
158 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/12(水) 23:41:13.10 ID:Si3xABdT [2/2]
>>157
すっごく満足した
159 返信: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01:28:32.19 ID:7U4tI6Tb
>>154
投下乙です。
また、随分と懐かしい元ネタですな。 歳がバレるとも言いますが。
>>157
投下乙です。
青箱4倍で稼ぎも4倍! 唯単に食費が4倍になるだけかもしれませんが。
そうなると450が刺す杖の本数も4倍?
160 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01:48:34.55 ID:lFg+THrU
450も増えてればいいよね
161 返信: 忍法帖【Lv=28,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/14(金) 02:27:22.67 ID:mNh1Khd1
>>157
投下乙です!
確かに追加のコンテナは青かtt(ry
162 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 10:00:35.79 ID:vHHVP5o7
コンテナに完全変形!
1/1箱フィギュアだなw
163 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 20:02:55.73 ID:JaoNhIah
>>157
_____
|__ \ :::::::::/|
| | |__::::_| |
へ. \ Y |ヘ
〔_\_|___|___ノ_ 〕
| :: ( :::::;ヘ;; ;;ハハ::::.}
|:(@:)イ-‐ ‐ ,'::.ノ ジュルリ・・・
ム;:::リヘリ、 ( フ_ノツ
ムル/';:'`.7/ ̄ ̄ ̄ ̄/
.(__.]つ/ GH-440 /
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄
164 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 22:13:45.51 ID:Cyb8nNjA
>>162
これがホントのC(キャスト)キューブか…
165 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/15(土) 02:47:04.93 ID:Q5nvaBj9
[;Д;]〈コワサナイデ!
166 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/15(土) 23:55:17.18 ID:x/t+WaEN
>>165
GH450「沢山ご主人様いるから…一つ位壊してもいいですよね…ふふ…あははは」
167 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/16(日) 06:27:52.05 ID:aj9dwVG6
>>163
この440、もしかしなくても・・・
168 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 00:49:42.80 ID:Vk4gwEz6
>>167
箱が可愛いってさらったの誰だっけ?
食事的な意味で食べたがってたのもいたようないなかったような…
169 名前: 忍法帖【Lv=29,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/17(月) 02:27:36.23 ID:IGtsy5ND
>>168
記憶が間違ってなければ、確か『』氏の440だったと。
食べたがっていたって言うのは記憶に無いので誰か覚えてる人~?
170 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/17(月) 23:29:50.26 ID:Av0xf7HD
>>168
箱を可愛いと言って散弾銃撃って捕獲したのは『』氏のGH440。
箱達と一緒にミッション回った時にも一人捕獲して、一人に逃げられてる。
その後に狂犬に『』が追いかけ回された時にも捕獲してたし、その騒ぎが
終わった後にも捕獲してドレッシングルームに隠匿してた。
箱がHIVEで負傷して片腕と下半身無くして入院した時(その状態から死亡扱い
だった時)に、変態氏か『』氏がお見舞いに来た時に、箱が入院した理由を
450にモギられた所為って言った事があったから、それじゃなかろうかと。
171 名前:163[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:02:01.25 ID:iG+eOqdJ
事後承諾になりますが、『』氏の440をお借りしてネタにさせてもらいました。
箱さんが増える
→1人くらいお持ち帰り~♪しても問題ないよね
→そしてお持ち帰りした箱さんにあんな事やこんな事を(着せ替えなどして愛でる)・・・
_____
|__ \ :::::::::/|
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へ. \ Y |ヘ
〔_\_|___|___ノ_ 〕
| :: ( :::::;ヘ;; ;;ハハ::::.}
|:(@:)イ-‐ ‐ ,'::.ノ ジュルリ・・・
ム;:::リヘリ、 ( フ_ノツ
ムル/';:'`.7/ ̄ ̄ ̄ ̄/
.(__.]つ/ GH-440 /
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄
そんな感じです。
食欲でなく、妄想は爆発だ!!!!的なジュルリ・・・です。
深く考えさせてしまったようで、正直スマンカッタ
172 名前: 忍法帖【Lv=30,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:35:13.67 ID:Ln1SmGK3
[1/29]
前から練っていた長編ネタがようやく書きあがったので、こっそり投下。
需要なんて(・ε・)キニシナイ!!
相かわらずの日常オチ無しものですが、お暇つぶしにでもどうぞ。
長いので2回に分けるかもです。
では、以下投下。
173 名前:祭囃子と鈴の音と 1[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:35:52.81 ID:Ln1SmGK3 [2/29]
「~~~♪っと、ご飯も出来ちゃったしテレビでも見よっかな~」
最近、連日のようにご主人様の帰りが遅い。
イベントだからなのかと思い、ご主人様に聞いてみるとそう言うわけでは無いらしく、詳しくは
聞けなかったのだが何かの催し物に参加するそうで、それのミーティングに行かれているのだ。
ガーディアンズとして職務をこなしながらなので、大層お疲れのご様子でとても心配だ。
「ただいま~。」
噂をすれば何とやら、どうやらご主人様が帰ってきたらしい。
私は何気なく眺めていたテレビを消すと、ご主人様を出迎える為に玄関へ向かった。
「お帰りなさいませ、ご主人様。」
「お待たせ~。お腹空いたでしょ?毎日遅くなってごめんね~。」
疲れの為だろうか、心なしかいつもよりミシミシが少ない気がする。
私としてはもっとミシミシしてh・・・・ゲフンゲフン。もっとスキンシップを取って欲しいのだが、
残念な事にクタクタなご様子のご主人様に言えるほど図々しい性格はしておらず、心の中で呟くのが
精一杯な自分が少々恨めしい。
「ラズリィ、ご飯食べたらちょっと付き合って頂戴。」
「まだ何処かへお出掛けになるのですか?」
「いえ、すぐ済むし、何処にも行かないから大丈夫よ。」
何が大丈夫なのかはさっぱり分からないが、ご主人様が大丈夫と言ってるのだからきっと大丈夫なのだろうと
一人で納得し、急いで食事を暖め配膳する。
「「いただきま~す」」
「そうそうラズリィ、来週だけど、1週間ほどニューデイズに行くわよ。」
「例の催し物ですか?」
「催し物と言うか、前にも言ったと思ったけど、豊穣祭って言うお祭りがあるのよ。」
「何か、ニューデイズの伝統舞踊とかを踊る?と言われていたので、てっきり何かの催し物かと思ってました・・・」
「ふふっ。確かにそれもあるんだけど、お祭りの一環としてやるのよ。」
174 名前:祭囃子と鈴の音と 2[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:36:33.08 ID:Ln1SmGK3 [3/29]
どうやら私は何かを勘違いしていたようで、よくよく話しを聞いてみると、どうやらご主人様の祖父母の住む
ニューデイズのとある地方でのお祭りに参加しなければならないと言うことだった。
しかし、私はどうなるのだろう?
もしかしてここで1週間もお留守番・・・?
「ちょっと、もちろんラズリィも一緒に行くんだから、ちゃんと着替えとか準備しときなさいよ。」
「・・・あ、私もなんですね。」
どうやら私の考えていた事が表情に出てしまっていたらしい。
言われてみれば、知識として秋になると一部の地域で豊穣祭と言われるお祭りがある事を思い出した。
なにやら、元々は農作物や色々な収穫物が豊富に実る秋に、土地の神様に感謝をすると言う習慣が事の始まりらしい。
グラール太陽系では、星霊様が主に信仰の対象として崇められているが、特別、星霊様が唯一と言うわけではなく、
地域によっては所謂「土地神様」と呼ばれるその土地土地に住まう神様が居ると言う習慣も確かにあるのだ。
「と言う事は、その間は祖父母様のお家に滞在するのですか?」
「そうね、あまり行きたくは無いんだけど・・・他の所に寝泊りするわけにいかないし、何と言ってもお爺様がねぇ・・・」
みるからにご主人様がゲンナリした表情を見せる。
こんな表情を見せる事なんて滅多にないのだが、一体何があると言うのだろうか・・・。今から大層不安である。
「さて、ちゃっちゃと片付けて、用事済ませて休みましょう。」
「は~い。それじゃ食器洗いますね。」
「ありがと。それじゃ私が食器下げるわね。」
作業を分担し、テキパキと片付けを済ませると、食事の前に言っていた用事を済ませるべく、ご主人様の待つ
寝室へと移動した。
「さて、それじゃあラズリィ、服を脱いで頂戴。」
「はい?!」
ふふふふふふ服を脱ぐって、ご主人様・・・ついにこの時が・・・!
175 名前:祭囃子と鈴の音と 3[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:37:04.18 ID:Ln1SmGK3 [4/29]
「ちょっと、何赤くなってんのよ。衣装合わせするだけよ。」
「ふぇ?!」
アッチの世界に逝きかけていた意識が、ご主人様の一言であっさりと引き戻された。
しかし、衣装合わせとはこれ如何に。
「私のは去年も着てるから大丈夫なんだけど、ラズリィのは新調したてだから、一応合わせておきたいのよ。」
「(´・ω・`)」
「そんな顔しても、何も出ないわよ。」
「(´・ω:;.:... 」
ちょっと・・・いや結構・・・もとい、至極残念・・・・とは言え、そうも言ってられないのでいそいそと服を
脱ぐと下着姿になった。しかし、何と言う羞恥プレイだろう。まさにご褒・・・・・シュ~・・・・パタ。
―――
―――――
気が付くとベッドに寝かされていた。
やけに胸元が苦しいのだが、オーバーヒートの影響だろうか?
何気なく苦しい胸元に手を持って行くと、いつもと違う布の感触がする。
「起きた?サイズは丁度ね。ちゃんと似合ってるわよ。」
「へっ!?」
私は視線を下に移すと、白を基調とした色とりどりに鮮やかな刺繍が施された着物と呼ばれる服を纏っている事に
気が付く。
どうやら意識を失っているうちに着せられたらしい。何たる不覚。。。
「慣れないうちは胸元が苦しいかもしれないけど、それはちょっと我慢してね。」
そう言えばさっきから胸元が苦しいと思っていたのだが、その苦しさは内部からのものではなく、何か外部から
圧迫されているような感覚であることに気付き胸元を覗き込んでみると、白い布がきつめに巻きつけられていた。
確かに、このように布で胸元全体をギュっと締められては苦しい筈である。
聞いてみると、これは「さらし」と呼ばれる布で、祭りの時にはこれなのだそうだ。
そしてここで、私はある事に気が付いた。
「ご主人様・・・その・・・見たんですかっ?!」
そう、下着の上から巻いているのではなく、下着まで外されている事に気が付いたのだ。
こんなチャンス滅多にないのに、何たる不覚。もしちゃんと起きていればこれをきっかけに、あんな事やこんな事を
そして、そーんな展開n・・・ボフッ!
「まあ・・・こうなるとは思ってたけど、案の定ね。」
と呟くご主人様の声が私に届くわけも無く、私が次に目覚めたのは翌朝の起床アラームだった。
176 名前:祭囃子と鈴の音と 4[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:37:36.45 ID:Ln1SmGK3 [5/29]
「さぁ、ラズリィ行くわよ~」
「はい~」
「忘れ物はない?」
どこかへ出かける時、ご主人様は必ず忘れ物は無いか?と聞いてくれるのだが、たまにうっかり忘れてる時があるので、
大丈夫です!と言い切れない事が悲しい。
とは言え、今の時代少々の物なら何処ででも手に入るので、余程の事でも無い限りは困らないのも確かである。
しかし、忘れ物がある事が良い事のはずが無いので、一応ナノトランサーの中身を再度チェックし、大丈夫な事を確認
すると、「多分大丈夫です!」といつもの返事を返した。
早速シャトルポートへと移動しニューデイズ行きのシャトルに乗り込むと、強い睡魔に襲われた。
あの日以来、今日まではたった数日ではあったが、どうやら私もお祭りに参加する側になっているらしく、ご主人様
からニューデイズの村に伝わる伝統舞踊が記録された記憶メディアを渡され、昨夜まで猛特訓だった為かやたら眠い。
ご主人様に起こされた時は、既にオウトクシティでフライヤーに乗り換え、目的と思われる村に到着していた。
周囲を見渡すと、何処かで見覚えがある風景だった。
「あれ?ここって一度来ましたよね?」
「そうよ~。夏のキャンプの前に一度来たでしょ?もう忘れちゃったの?」
「あ!思い出しました!」
言われてみれば、お魚を貰いに来た時の村だった。
ここに来たと言う事は、またお魚を貰うのだろうか?
「行くよ~」と声を掛けられ、記憶にある方へ歩を進めようとすると、「今日はそっちじゃなくてこっちよ。」と
ご主人様は以前と違う方向を指差していた。
暫く歩くと、少し古臭いが小奇麗な民家の前に立ち止まり、「ここよ」と言うと中へと入っていかれたので、慌てて私も
一緒に入っていった。
「お爺様~、只今参りました~」
玄関に入ると、ご主人様が大きな声で「お爺様~」と奥に声を掛けた。
私はご主人様が結構な額の貯金を持っていた事から、勝手な想像で豪邸を予想していたのだが、どうやらこの質素な
お宅がご主人様の祖父母様の家らしい。
確かに派手な生活や浪費を好まないご主人様の性格からして、この質素な家は予測が付くべきものだった。
などと考えていると、奥の方から派手な音が響き渡り、悲鳴が聞こえてきたような気がするがきっと気のせいだろう。
ふとご主人様の顔に視線を向けると、引きつった笑いを浮かべていたので、どうやら気のせいじゃなかったらしい。
177 名前:祭囃子と鈴の音と 5[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:38:04.07 ID:Ln1SmGK3 [6/29]
それから暫くすると、白髪頭のキリッとした顔つきの男性が奥から顔を出した。
「よう来たよう来た!」
「お爺様、もう若くは無いんですからお体をもう少し大事にされてください・・・」
「いや、まだまだ若いモンに負けるわけにはいかん!」
「・・・・はぁ。」
「いやー、それにしても本当、どんどん若い頃の小雪にそっくりになってきおって。髪が黒ければ瓜二つだのぅ。」
どうやらこの白髪の男性がご主人様のお爺様らしい。
お爺さんはご主人様をがしっと掴むと、ヨシヨシと頭を撫でながら頬ずりしていた。
しかしこの状況、いつもならブラックリストに名前を連ねるところなのだが、ご主人様のお爺様を連ねるわけにも
いかず、ご主人様と同じくして、私も引きつった笑みを浮かべるしかなかったのである。
「・・・っと、お爺様、もう私も子供では無いのですから程ほどにしてくださいっ!」
「おお、すまんのぅ。しかし、かわいい孫が来たのだ。少しくらいはいいじゃろう?」
「もう十分でしょ?!」
「さみしいのぅ・・・ところで御影、祭りの間はここに居るんじゃろう?」
「はい、その予定です。」
「そうかそうか、ゆっくりするとええ。」
後で聞いて判明したのだが、ご主人様には二つの名前があるらしい。
戸籍上の名前は「ラピス・ヒイラギ」なのだが、この母方の祖父様から頂いた「柊 御影」と言う名前もあり、
母方の祖父母であるこの家に来ると、そちらの名前で呼ばれるのだそうだ。
そして余談ではあるが、ご主人様の苗字が「ヒイラギ」で、ここの祖父母様の苗字も「柊」、ご主人様のお父様は
婿養子でこちらの家系に入ったのだと言う事も聞いた。
「して、この子は・・・・まさか、御影の子か?!」
「・・・お爺様。」
「なんじゃ?」
「ボケるにはまだ早いですよ。」
「何じゃ、ワシはてっきり初曾孫かと・・・」
「もう、いきなりこんな大きな子供が出来るわけ無いでしょう!!それに、キャスト型のマシナリーも連れて
くるって言ったでしょう!?」
「おお、そうじゃったの。しかしキャストと違うて、本当に人と変わらんのぅ。」
言われてみれば確かにお爺様の言うとおり、私達の見た目はキャストと違って顔の人工皮膚に継ぎ目が無い。
また、細かい所も一体型の人工皮膚で覆われている為、パッと見だと耳以外はヒトと同じである。
178 名前:祭囃子と鈴の音と 6[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:38:36.11 ID:Ln1SmGK3 [7/29]
「さて、お爺様、来て早々なのですが、折角来たので少し道場を覗きたいのですが・・・」
「おお、今は祭りが終わるまでの間は休館にしておるから、誰も居らんが構わんのか?」
「ええ、一人の方が集中できますから。それともお爺様、お手合わせしますか?」
「よかろう。先に行っておるから、荷物を置いてきなさい。」
ご主人様が「道場」と言う単語を出すと、途端にお爺様の目つきが変わり、私は血が繋がっているのだなぁと
実感したのだった。
「ラズリィも見学する?」
「はい、見てみたいです。」
「それじゃあ、私は着替えていくから、先に行ってて頂戴。」
「わかりました。」
然程広い敷地と言うわけではないので、先程家に入る前に隣にあった建物が「道場」と言われる所だろう。
そして、そちらに向かってすぐ、私は重大な事に気が付いた。
ご主人様が来るまで、もしかしてお爺様と二人っきり・・・・?
しかし、今更引き返すわけにも行かず、仕方なく道場へと向かうのだった。
「・・・お邪魔しま~す。」
道場へ入ると、お爺様は何時の間にやら袴に着替えており、広いタタミの空間の中心に姿勢良く座られていた。
私の姿に気が付くと、「見学なれば、壁に背を預け、座して待つが良い。」と教えてくれたので、言われたように
壁際へと行き、座ってご主人様が来るのを待つことにした。
「ところでお主、名は何と申す?」
「ほぇ?!」
話しかけられると思ってなかった私は、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「何じゃ、女子がはしたない声を上げおってからに。」
「す・・・すみません・・・。名前はご主人様に「ラズリィ」と名付けて頂きました。」
「ふむ。ラピス・ラズリか、考えおったの。」
「はい、ご両親を亡くされて、私の事を「妹」ができたみたいだって、良くして頂いています。」
「そうであったか。あの子も本当であれば、まだまだ「親」が必要な歳だからのぅ。
ワシにしてやれる事は時折、ここへ来た折にこうやって相手をしてやる事くらいしか無いのじゃ。」
「私も、出来る事は限られていますが、精一杯ご主人様には尽くさせて頂いています。」
「そうかそうか。ワシに出来ない分、しっかりと御影の事は頼んだぞ。」
179 名前:祭囃子と鈴の音と 7[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:39:06.35 ID:Ln1SmGK3 [8/29]
なんだろう、ご主人様の意識とリンクした時の様な暖かさが私を包んでくる。
しかし、それはご主人様の時と違って、もっと大きく、もっと暖かい。
そしてふと気付いたのだが、きっとこれはお爺様の意識なのだろう。
ご主人様と意識がリンクするようになってから、時々、違うヒトとリンクする事があった。
ましてや、ご主人様のお身内の方ともなれば、リンクしたとしてもおかしくない。
「して、お主。」
「ひゃい?!」
「素っ頓狂な声を上げおってからに、気を抜くでない。お主、御影が妹と申したか。」
「は、はい。」
「ふむ・・・では、今日からこの家では御月と名乗るが良い。」
「は・・・はぁ・・・」
いきなり新しい名前を付けられ、返答に困ってしまった。
しかし、私としてはご主人様と同じように「この家での名前」を付けられた事は嫌ではなかった。
「ちょっとお爺様、勝手に名前付けないでよっ!!」
「おお、待っておったぞ?」
ご主人様の声に視線を振り向けると、お爺様と同じような袴を身に纏ったご主人様の姿が目に入る。
「光ある所に影がある。同じように、陽のある所に月がある。何か不満か?」
「この子にはちゃんと名前があるんだから、」
「それは先程聞いた。そして、この子から聞いたが、御影はこの子を妹と思っているのであろう?」
「ええ、それはそうだけど・・・」
「なれば、御影と対を成す名前として、御月は良いと思わんか?」
「もう、分かったわよ・・・」
「ご主人様、私はまんざらでもないですよ?」
「そう?ラズリィがそう言うのなら良いんだけど・・・」
「御影と言う名前はな、志は石の様に固く、衰えず、そして見た目の美しさも兼ね備えた女子になって
欲しいと思うて付けた名じゃ。」
「へぇ、そうだったのですね。」
「そして月とは、陰から見守り、支えると言った意味を込めておる。お主にピッタリではないかの?」
「へぇ~、私、ご主人様から頂いた名前も大好きですが、今お爺様に頂いた名前も気に入りました!」
「そうかそうか、喜んでくれて何よりじゃ。」
180 名前:祭囃子と鈴の音と 8[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:39:35.57 ID:Ln1SmGK3 [9/29]
「さ、お爺様、それはそれでもう良いから、お手合わせしましょう?」
「おお、そうじゃったな。」
お爺様はすっと立ち上がると後ろへ下がり、ご主人様と少し距離を取って向かい合うと再び床に座った。
ご主人様もその場に座ると、お互い木で出来た模造の刀を脇に置き、座したまま頭を下げる。
お互いが寸分の狂いも無く、同時に頭を上げたと思うと、脇に置いた模造刀を手に取ると立ち上がり、
お互いに向けて構えの姿勢を取った。
お互い構えたままピクリと動く事も無く、静寂が広間を支配する。
水を打つような静けさとはこの事だろう。
私の体内から微かに聞こえる駆動音すら耳に障る。
お互いから発せられる背筋も凍るような殺気に、私は背中がヒヤリとするような錯覚に陥った。
どれ程の時が流れたのだろうか、私は身動ぎする事すらも忘れ、二人と同じように微動だにせず二人を
見つめていた。
そして、次の瞬間――――
「参りました。私の負けです。」
結局、二人は動かないままご主人様の降参?により勝負はあっさり終わってしまった。
「腕を上げたの。」
「それでもまだお爺様には適いませんね。」
「そうは言っても、ワシはこの先衰えしかない。ワシを追い越すのはもう時間の問題じゃよ。」
「お手合わせ、ありがとうございました。」
「何の、こんな事くらいしかしてやれんのが残念じゃ。」
私には一体何が決定打だったのかさっぱり分からないのだが、改めて二人の様子を見てみると、ご主人様
は汗だくになっているのに対し、お爺様は一筋二筋くらいの汗だった。
私は基本的に発汗する事はないのだが、ご主人様の汗の量から、相当な緊張だったと言う事は安易に予想が
付いた。
後から聞いた話しだが、お爺様との勝負はご主人様の緊張と集中の限界が来た時点で負けを認めたのだそうだ。
お互いの殺気同士での応酬と言う何とも高度な戦いだったらしい。
私からすれば、二人が単純に切り合ったとすれば、体力的な問題でご主人様が勝ちそうな気がしたのだが、
ある程度の域になると、一瞬の集中や気の乱れがそのまま敗北に繋がるとの事で、切り合ったとしても勝負は
一瞬で、結果は変わらないものらしい。
そして、その後はお爺様の過度なスキンシップ以外は何事も無く2日程過ぎ、祭りの幕開けとなったのである。
181 名前:祭囃子と鈴の音と 9[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:41:05.32 ID:Ln1SmGK3 [10/29]
祭りの朝はとても早く、特に初日は土地神様の住まわれるとされるお社での儀式から始まるそうで、日の昇る
頃には準備が出来ていないといけないとの事で、私とご主人様は朝の4時に起きると、早速準備の為お社に
来たところである。
私とご主人様はお祭りの間の「巫女」の役割を担うらしく、ある程度は説明してもらったものの、初めての事に
すごく緊張していた。
「おはようございま~す。」
ご主人様がお社の奥に声を掛けると、「おはようさん」「主役が来たね!」「今年も頑張ってよ!」などと
口々にしながら、何人もの女性が出てきた。
お祭りでの「巫女」の役割は、土地神様の期間限定のお嫁さんになるそうで、村の中でも独身かつ才色兼美で、
また、現実世界では実体を持たないとされる神様をお守りする役目も担う事から、武もある程度求められるらしい。
毎年祭りの準備の時期になると、その年の「巫女」を村の役員会で話し合い、決定した2名の女性の所に通知が
来るそうで、とても名誉なことだそうだ。
この地区のお祭りは、近隣の8つの村々で同時に開催され、それぞれの村で同じように「巫女」が選出され、
最終日には一同に会する一大イベントも控えているらしい。
そして、何故この村に住んでいるわけでもなくヒトですらない私がこんな事になっているのか。
聞いた話しによると、ご主人様が村の役員会のメンバーに、「ラズリィと一緒じゃないと引き受けない」と言った
そうで、協議の結果OKになったらしい。
「それじゃぁラズリィ、準備は別々になるからまた後でね~」
「えっ・・・一緒じゃないんですか!?」
「そうよ~。まあでも、準備って言っても必要なことはこの女性たちがしてくれるから、任せてればいいんだけどね。」
「あぅぅ・・・」
ただでさえ初めての事で不安なのに、ご主人様と別々になるとか、さらに不安を掻き立てられる。
私がオロオロしていると、ご主人様は奥から出てきた何人かの女性と共に、颯爽と奥へ消えてしまった。
「えっと、御月ちゃんだっけ?ほら、こっちよ~」
どうすればいいか分からず途方に暮れていると、まだ残っていた女性・・・と言ってもおばちゃんだったが、奥へと
案内してくれた。
「さあ、まずは身体のお清めからね。」
「えっと、どうしたらいいんですか?」
「分かりやすく言えば、お風呂よ!」
「あ、なるほどです。」
女性たちは手馴れたもので、私が隣に居た方とそんな話しをしている間に、あれよあれよと服を脱がされていた。
私一人だけ裸とか、顔から火が出そうなくらい恥ずかしいのだが周りは全く気にしておらず、気にする事が逆に
恥ずかしく思えてくる不思議である。
しかし、このままモジモジしていても恥ずかしいだけなので、私は腹を括って、なるようになる!と決心した。
182 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/18(火) 01:43:25.99 ID:5HLy2hBQ
支援
183 名前:名無しオンライン[sage ラピ] 投稿日:2011/10/18(火) 02:02:11.93 ID:Ln1SmGK3 [11/29]
折角支援頂いたのですが、丁度さる喰らいました。。。
一気投下は10レス限界ぽいですね。
続きはまた明日にでも投下しますね。
184 名前:祭囃子と鈴の音と 10[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 02:04:01.51 ID:Ln1SmGK3 [12/29]
何か書けたので、後2レス分だけ。
「それにしても若いっていいわねぇ。」
「あらやだ、若いって言っても、このお嬢さんキャストだとか何とか言ってなかったかしら?」
「えー!?そうなの?それにしては継ぎ目もないし、綺麗な肌よねぇ。」
「私も20年程若ければねぇ・・・柊の爺様のところの御影ちゃんにも負けないわよ!」
「やだわぁ~、20年若かったとしてもそれはないでしょ~」
「そうそう、アンタ今年で50でしょ!?20引いたって30のおばちゃんでしょうに、何バカな事言っちゃってんのよ~」
「アハハハハ!!」
こんな朝っぱらだろうが、流石おばちゃんが集まれば喧しい事この上ない。
私は会話に入る隙もなければ、何かをするでもなく、手際よく身体をゴシゴシと洗われているだけだった。
身体を洗い終わると今度は部屋に通され、化粧を施されていく。
「お嬢ちゃん、実は私たちもねぇ、若い頃にみんな「巫女」を経験した人達なのよ。」
「そうなんですか?」
「そうよ~。今でこそもうおばちゃんだけど、若い頃はみんな美人だったのよ?」
確かに言われてみれば、歳を重ねおばちゃんになっている女性ばかりだったが、顔立ちは整っており、今でも十分
美人と言わしめるだけの容姿を持った女性ばかりだった。
「巫女を経験した女性がこうやって、次の世代の巫女になった子達を世話してあげて、伝統が守られてきたのよ。」
「そうそう、私も初めて巫女に選ばれた時は凄く緊張したわねぇ。」
「御影ちゃんは今年で4回目のベテランさんだから、御月ちゃんは安心して大丈夫よ。」
しかし、村の伝統と言われるこの大役を、本当に私がやって大丈夫なのだろうかと不安で仕方が無い。
村の役員からOKは貰ったとの事だったけど、どうしても気になったので思い切って聞いてみることにした。
「そうなんですね。でも、村からすれば部外者の私がそんな大役だとか、皆さんは不満に思ったりとか無いんですか?」
私が疑問を口にすると、今までワイワイと色んな話をしながら手を動かしていたおばちゃん達はシンと静まり返り、
それぞれに顔を見合わせていた。
しまった、これは踏んじゃいけない地雷を踏んでしまったのだろうかと激しい後悔に襲われる。
185 名前:祭囃子と鈴の音と 11[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 02:05:24.42 ID:Ln1SmGK3 [13/29]
次の瞬間、この部屋を支配したのは私が最も恐れていた罵声・・・ではなく、大爆笑の渦だった。
「アハハ!やだ、アンタ何言ってるの!」
「そうよ、アンタ柊の爺様のところの子でしょ!」
「アハハハハ!お腹くるしぃー!!ひぃー!」
「何が起きたのかと思っちゃったじゃないの!」
「そうそう、御影ちゃんがアンタを妹だって、それに、爺様から名前も貰ったんでしょ?それならアンタは立派な
柊の爺様の家族で、この村の一員よ!」
予想外の反応に私は唖然と言うか、ポカーンと言うか、とにかくあっけに取られてしまった。
こういった村と言うのはとても閉塞的なコミュニティで、よそ者には冷たいと言う知識があったのでなおさらだった。
「もう、アンタそんな心配してる暇があったら、本番の心配でもしてなさいよ~」
「そうよ、それにそもそも、私達が御月ちゃんを認めていなかったら、こんなに一生懸命準備なんてしてないし、
ここにすら来てないわよ。」
「あ・・・ありがとうございます・・・・」
私はおばちゃんたちの勢いに飲まれ、不安が全くの杞憂だった事に恥ずかしさが込み上げ、消え入りそうな声で
お礼の言葉を述べるのが精一杯だった。
そして、不思議な事に今のやり取りで胸のつっかえが取れ、同時に緊張も何処へやら消えて行ったようだった。
「ふふっ、緊張の取れたいい表情になったわね。この表情なら化粧栄えもするわよ~」
「いまから楽しみね!・・・って、いけない!もうこんな時間じゃないの!!」
「あらやだ、早くしないと遅れちゃうわね、急いで準備しましょう!」
言われてみれば、窓の外は白み始め、間もなく夜明けが近い事を知らせていた。
気合の入ったおばちゃん達は見事な連携プレイで、あれよあれよと言う間に化粧が終わり、髪を結いなおし、
ご主人様の用意してくださった着物を着付けてくれた。
「さ、これで完成よ。ちょっと鏡見てみる?」
「あ、はい、折角なんで見てみたいです!」
「はい、どぉ?綺麗になったでしょ?」
鏡に映った自分の姿は今までに見たことも無いくらい、丁寧に、綺麗に飾られ、自分が自分でないかのようだった。
「御月ちゃん、美人よ~」
「これなら安心して任せられるわね。」
「本番は大変だけど頑張ってね~」
口々に私を褒め立て、激励してくれるおばちゃんたち。
一時はどうなる事かと思ったが、これで準備は整ったのだ。
後はリハーサル通り、ご主人様と練習した舞を披露して、自分に課せられた責を全うするのみである。
そう、私の戦い?はこれからなのだ。
以上、本日分です。
続きは明日投下しますね~。
それではみなさんおやすみなさい。
186 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 09:39:00.82 ID:bKCifJRo
>>184
投下乙
実家の祭りを思い出した
後半を待つお
187 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 11:01:15.34 ID:MTvgofsp
若いころの小雪~
あの小雪のことでいいのですね?
188 名前: 忍法帖【Lv=30,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:37:23.26 ID:Ln1SmGK3
[14/29]
>>186
田舎の祭りって無駄にテンション上がるよね。
>>187
あの小雪って誰だwww
さて、では続き投下します。
途中で1回さるに掛かる予定ですので、さる喰らったら、解除され次第続けますね。
189 名前:祭囃子と鈴の音と 12[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:39:16.69 ID:Ln1SmGK3 [15/29]
「ラズリィ、準備できた~?」
部屋の扉の向こうから、聞きなれたご主人様の声が響く。
準備を終えたご主人様が私を迎えに来たようだった。
「あ、ご主j・・・じゃなかった、お姉様、丁度準備出来たところです。」
反射的に「ご主人様」と言いそうになってしまったが、祭りの間のご主人様はあくまでも土地神様になるので、
ご主人様からは、姉さんと呼ぶようにと言われてていた事を思い出し、咄嗟に言い直した。
直後、扉が開きご主人様が姿を現すと、私を見るなり「綺麗になったね!」と褒めてくれたのである。
そして、私が見たご主人様の姿は今までに無い程美しく、しっかりと化粧の施された顔立ちからは幼さが消え、
絶世の美女と言っても過言ではなく、思わずため息が漏れるほどだった。
が、やっぱりご主人様はご主人様に変わりは無く、次の瞬間私の身体の間接はミシミシと音を立てていたのである。
「さ、それじゃ行こっか。」
「は・・・はい!」
ご主人様は私の手を取ると、先に部屋を出たおばちゃん達について廊下を歩き始めた。
気が付けば外は既に明るくなっており、遠くから喧騒が聞こえてくる事から、村の人達が祭りの幕開けを
今か今かと待ちわびているのだろう。
そして、喧騒に紛れて小さく響く「チリン、チリン」と言う涼しげな音に気が付いた。
微かではあるが、とても近くから聞こえてくる音に、ふと私は立ち止まった。
「ラズリィ、どうしたの?緊張してるの?」
「はい、緊張はしていますが・・・何処かから小さく、チリンチリンってかわいい音がしませんでしたか?」
「ああ、これの事ね。」
ご主人様は着物の袖を少し引き上げると、手首を露にした。
そこには金色の小さな丸い鈴があった。
なるほど、さっき聞こえてきた音はこれだったのか。
「そうね、ラズリィ、ちょっと袖を上げてちょうだい。」
「はいー。」
ご主人様は、自分の手首に巻き付けた鈴の付いた紐を器用に解くと、をれを私の手首に先程と同じように巻き付けた。
「鈴の音ってね、魔除けの効果があるって言われてるんだよ。」
「そうなんですね。初めて聞きました。」
「それ、ラズリィにあげる。」
「ほんとですか?・・・でも、お姉様のは?」
今までご主人様が身に着けていたものを頂いてしまったのでは、ご主人様の分が無くなってしまう。
190 名前:祭囃子と鈴の音と 13[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:39:49.28 ID:Ln1SmGK3 [16/29]
しかし、その心配は杞憂だった。
ご主人様はおもむろに先程と反対の袖を少し捲くると、「おそろいだよ!」ともう一つの鈴を私に見せたのだ。
「ありがとうございます!大事にしますね!」
「ふふっ、さ、行きましょう。早く行かないとみんな待ってるわよ!」
「はい!!」
そして、祭壇のある大きな広間に着くと、部屋の真ん中にご主人様と並んで外向きに正座する。
ついに本番が来た。いよいよ緊張が高まって来る。
ちらりとご主人様の顔を覗き見ると、緊張のかけらも無い涼しげな表情である。
「ご、ごごごごご主人ささささ様!き、きききききっききっ緊張、緊張・・・」
「大丈夫よ、ちゃんと私がついてるからね。それから、ご主人様じゃなくて姉さんよ?」
ご主人様は私に微笑みかけると、きゅっと私の手を握った。
ご主人様と繋いだ手から、意識がリンクしていく。
気がつけば、ご主人様の暖かさに包まれ、緊張は何処へやら消えてなくなっていた。
ドン!
ドドン!!
ドンドンドンドンドンドン・・・
不意に響く太鼓の音。いよいよ祭りの幕開けだ。
名残惜しかったが、どちらとも無く繋いだ手を解くと、両手を前につき頭を垂れる。
ドドン!ドン!ドドン!
太古の音が止み、私たちの姿を外から隠していた帳が上がり、祭壇の間に眩しいくらいの朝日が差し込んだ。
私はまだ頭を垂れているので帳が上がっていく様子を見ることは適わなかったが、差し込んで来た朝日によって
それを察知したのである。
今までの喧騒が嘘のように静まり返り、静寂が辺りを包む。
『これより、豊穣祭開幕の儀を執り行います。』
神主と言われる、お社の管理者に当たる方の声が響く。
191 名前:祭囃子と鈴の音と 14[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:40:15.09 ID:Ln1SmGK3 [17/29]
『正室、柊御影どの。』
すっとご主人様が面を上げる気配がする。
外から「お~」「さすが」等と感嘆の呟きが聞こえてくる。
『側室、柊御月どの。』
私はお爺様に頂いた名前を呼ばれると、すっと面を上げた。
そこには、想像以上の人だかりが出来ており、そこに居る全ての人の視線が私に集まっていた。
折角解いて頂いた緊張も、これだけの視線が集まれば一気にぶり返した。
緊張の為よく聞き取れなかったのだが、ご主人様が顔を上げた時と同じように、感嘆の声が上がっていた。
『それでは、これより結納の儀、並びに婚姻の儀を執り行います。』
私は、神主様の声に我に返ると慌てて祭壇の方に向き直った。
儀式の順番等は、予めご主人様とリハーサルをしてあったので、何をすれば良いのか分からないと言う事は
無かった。
神主様は何やら祭壇に向かってブツブツと呪文のようなものを唱えると、祭壇に置いてあったフサフサを
手に取り、私たちのお払いを始める。
リハーサルでは省略したのだが、暫くは神主様がうにゃうにゃと呪文のようなものを唱えている時間が続く
ので、今の内に気持ちを落ち着ける。
それから5分ほどだろうか、ピィ―――――と軽やかな笛の音が響き渡った。
そう、ご主人様と猛特訓した「奉納の舞」の始まりである。
き、緊張する――――
音楽に合わせすっと立ち上がると、懐からマイセンを取り出し、手を振り下ろす勢いを利用して扇を開く。
192 名前:祭囃子と鈴の音と 15[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:40:56.13 ID:Ln1SmGK3 [18/29]
――――ヒュン!!
その瞬間、緊張の為に制御を誤り、暴発するスライサー機能。
そして、明後日の方向に飛んでいくフォトンブレード。
響き渡る観客の悲鳴。
やってしまった・・・・
しかし、幸いにも発射された方向が上向きだった為、虚空へと飛んで行っただけで済んだのだった。
そして、ほっとしたのも束の間、グイっと下に引っ張られる感覚があり、バランスを崩す。
そう、私はスライサーに気を取られて油断した瞬間に、どうやら自分で自分の着物の裾を踏んでしまったらしい。
・・・などと考えている場合ではないのだが、崩れたバランスが簡単に元に戻るわけも無く転倒を覚悟する。
しかし、次の瞬間、私の身体には転倒に伴う衝撃では無く、柔らかい感覚に包まれる。
私の転倒を察知したご主人様が、寸での所で抱き止めて下さっていた。
私はご主人様に感謝しつつ、すぐにバランスを整えると、極力自然な動作で決められた振り付けに戻った。
そうして、何だかんだとハプニングはあったものの、無事?奉納の舞も終わり、私とご主人様は、豊穣祭の間の
土地神様との婚姻と言う儀式を終えたのである。
豊穣祭開幕の儀が一通り終わると、辺りは一気に喧騒に包まれた。
私は、とにかく本番が終わったことに安堵し、大きなため息をついた。
「ちょっとラズリィ、コケそうになったのは仕方ないとしても、スライサーはまずいわよ・・・」
「あぅ・・・」
「誰かに当たったりとかしなくて良かったわねぇ・・・」
「そ・・・そうですね・・・すみません・・・・」
「まあ、済んだ事は仕方ないし、ほら、次はみんなにお神酒配らないとだから、気は抜けないわよ?」
「はぃぃ・・・」
と、丁度そこにお神酒と言われる一升ビンに入ったお酒と、杯が届けられた。
表の方で、「神輿の舁き手は順番に並んで巫女様からお神酒を貰ってください~」と、声が響いていた。
既に並んで待っている人も居たので、私は杯を、ご主人様はお神酒を持って表に出た。
193 名前:祭囃子と鈴の音と 16[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:41:19.93 ID:Ln1SmGK3 [19/29]
「待ってました!ほら、早く早く!」
「お待たせしました。ほら、御月は杯を順番に渡して。」
「はーい。っと、どうぞ~。」
「お、ありがとよ!御影ちゃんも美人だが、御月ちゃんも負けないくらい美人だねぇ!」
「私の妹だもの、当然でしょ~?」
「違ぇねぇ!!」
アハハ、ウフフと談笑しながら、順番にどんどんお神酒を注いで回る。
その中には、先日マ・グロを分けて下さった例の漁師さん親子も居た。
「ラピスちゃん・・・っと、今は御影ちゃんか、今年も見事だったねぇ!」
「ふふっ、ありがとうございます!」
「それに、嬢ちゃんも最初はどうなるかと思ったけど、初めてであれなら大したもんだ!」
「あっ、ありがとうございますっ!」
「ほら、さっさとおめぇもお神酒もらわねぇか!」
そして今日も顔が真っ赤な例の青年。
こいつめ、ご主人様は私のだ!と、心の中で叫んでおいたが、そうは言ってもお祭り間は巫女になった
女性は色恋が一切禁止らしく、男側からも手を出してはいけないと言うルールがあるので、お祭りの間は
生暖かく見守っておく事にした。
「おじさん、今年も期待してますからねっ!」
「おぅ、任せとけ!俺が居れば他の村になんざ、絶対に負けねぇからよ!」
「今から最終日が楽しみですねぇ。」
程なくお神酒も行き渡り、いよいよお神輿の出動である。
初日は土地神様とその嫁になった巫女のお披露目がメインになる為、お神輿の櫓の前には二つの椅子が
取り付けられており、私とご主人様はそこに座った状態で村を練り歩くのだ。
「さ、御月、行くわよ~」
「はい!」
194 名前:祭囃子と鈴の音と 17[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:41:43.36 ID:Ln1SmGK3 [20/29]
―――
―――――
初日のお披露目と提灯行列、翌日からの村内練り歩きと瞬く間に時間は過ぎて行った。
今日はいよいよ最終日、周囲8つの村の神輿が一同に集まる一大イベントである。
しかも、昨日聞いた話しではただ集まるだけでなく、神輿同士をかち合わせケンカするのだそうで、最後まで
勝ち残った村は来年も豊作になると言う言い伝えがあるとの事で、各村の参加者は気合十分である。
ルールは簡単で、神輿同士をぶつけ合い神輿が転倒するか、上に乗っている巫女が2人とも神輿から落ちたら
その時点で失格(敗退)だそうで、バトルロワイヤル形式だ。
ちなみに、着物を着たのは初日のみで、2日目からはハッピと呼ばれるお祭り用の服を着用している。
ハッピの下はもちろんサラシだ。
「巫女さ~ん、そろそろ行きますから乗ってくださ~い!」
「はーい、今行きますー!」
私とご主人様は神輿に飛び乗ると、バランスのいい位置に陣取った。
ちなみに、最初に取り付けられていた椅子は初日だけで、2日目からは立ち乗りである。
「せーの、ヨイヤサー!!」
威勢の良い掛け声と共に神輿が担ぎ上げられる。
初日はこの揺れになれずゲンナリしたのだったが、最終日ともなると慣れたもので、この高い視点の景色が
心地よく感じるくらいの余裕があった。
『エッサー! ホイサー! エッサー! ホイサー!』
『ッセ! ッセ! ッセ! ッセ!』
『ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ!』
あちこちから威勢の良い掛け声が響き、かち合わせの始まりを告げる合図となっていた。
しかし、よく聞いてみると、各村で掛け声のかけ方が違うのが何とも面白かった。
「お姉さま、やってることは一緒でも、やっぱり村々で違いはあるんですね。」
「そうね~、って来るわよ!」
「へっ!?」
195 名前:祭囃子と鈴の音と 18[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:42:11.94 ID:Ln1SmGK3 [21/29]
ドーンと言う衝撃と共に揺れる神輿。
そう、早速別の神輿から突撃を喰らったのである。
「いけぇぇぇぇ!!押し返せぇぇぇぇぇ!!村の意地を見せるのよっ!!!」
『よっしゃぁぁぁ!野郎共踏ん張れぇぇぇぇ!!』
『ヨイサー!!』
ご主人様の渇が入ったやいなや、舁き手の男衆に気合が入り一気に押し返す。
『負けるかぁぁぁぁぁ!!』
『押せー!!』
『おりゃぁぁぁ!!』
怒号が飛び交い、じりじりと神輿が傾く。
次の瞬間――――
「油断したわね!とりゃぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
隣に居たご主人様がいきなり相手の神輿に飛び移り、乗っていた相手の村の巫女を叩き落したのである。
想像してなかった事態に私は唖然とした。
「ちょ・・・それアリなんですか!!?」
「ルールでダメとはなってないわね!」
「(゚д゚ )」
相手の神輿は巫女を失った為、押し合いをやめるとすごすごと端っこの方へと下がっていった。
「さぁ、今度はこっちから仕掛けるわよ!」
『ヨイサー!』
「あそこの右に回り込んで!」
ご主人様の激が飛ぶと、それに呼応し神輿が回り込む。
196 名前:祭囃子と鈴の音と 19[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:42:43.06 ID:Ln1SmGK3 [22/29]
「突撃用意!」
『ヨイサー!』
「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」
『オォ――――!!!』
突撃の合図と共に、今まさに押し合いをしている2台の神輿の側面へと突っ込んでいく。
ド―――ン!!
「うひゃぁぁぁぁ!!おーちーるー!!」
「しっかりしがみついてなさい!!」
『ヨイサー! ヨイサー! ヨイサー!!』
突っ込んだ衝撃で落ちそうになるが、必死にしがみ付いた。
これだけの人数、これだけの重さの神輿がぶつかり合うのだ。その衝撃たるや、ディラガンの尻尾の一撃かと
思うほど強烈なのである。
「押し込めぇぇぇぇ!!」
『ヨイサー! ヨイサー! ヨイサー!!』
『うわぁぁぁぁぁ!!』
それまで押し合っていた2台は予期せぬ横槍を喰らい、抵抗も空しく派手に転倒する。
「よし、これであと4台ね。」
私は必死にしがみ付きながら周囲を見回すと、3台が三つ巴で押し合いをし、1台がこちらに向かってきて
いるのが見えた。
「1台こっちに来ますよぉぉぉぉ!!」
『ヨイサー!!』
私がありったけの声を振り絞り1台がこっちに向かっていることを叫ぶと、それに呼応し神輿が向きを変えた。
197 名前:祭囃子と鈴の音と 20[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 20:43:06.09 ID:Ln1SmGK3 [23/29]
あ、何かこれ楽しい!!
次の瞬間には向こうの神輿が突撃姿勢でこっちに走り始めていた。
「ギリギリで避けましょう!!」
『ヨイサー!!』
相手迫ってくるスピードと距離を測り、こちらがかわせるギリギリのタイミングを見計らう。
「今ですっ!!」
『ヨイサ―――!!』
私の掛け声と共に、ぐいっと横に動く神輿。
相手の神輿は目標を失い、勢いが余ってそのまま通り過ぎ、転倒する。
『うわぁぁぁぁ!!』
ズザ―――ッ!!
『嬢ちゃんもなかなかやるじゃねぇか!』
「御月やるじゃない!!」
「お姉さま!これ楽しいですね!どんどん行きましょう!!」
『おうよ、そうこなくちゃな!!』
足元の男衆から歓声が上がる。
振り落とされないようにしがみ付いているので、何とも情けない姿勢になっているのはこの際仕方が無いのだが、
私の指揮で1台の神輿をやっつけた?事に興奮を覚える。
「さあ、後はあそこの3台よ!」
『ヨイサー!!』
「つっこめー♪」
『ヨイサー!!』
私、ノリノリである。
一気に神輿が加速し、3つ巴の中へ飛び込む。
またもやぶつかった衝撃で身体が吹っ飛びそうになるが、必死でしがみ付く。
198 名前:祭囃子と鈴の音と 21[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:08:53.99 ID:Ln1SmGK3 [24/29]
「おーちーるぅぅぅぅぅぅ!!」
『嬢ちゃんしがみ付けぇぇぇぇ!!』
「そのまま押し込むのよ!」
『ヨイサー!!』
しがみ付くのに必死だった私の視界に、漁師のおじさんの姿が飛び込む。
おじさんは漁で鍛えられた体躯を震わせ、神輿の外側から相手の方へ向かってガッツリと押し込みを掛けていた。
「おじさん頑張ってぇぇぇ!!」
『おうよ、任せときな!そりゃぁぁぁぁぁぁ!!!』
私は思わずおじさんに向かって叫んでいた。
おじさんの気合の一言と共に、一気に神輿が押し込まれる。
しかし、相手も厳選された舁き手集団だけあって、一筋縄には行かなかった。
『ヨイサー!ヨイサー!ヨイサー!』
『セイッ!セイッ!セイッ!セイッ!』
『押せ押せ――――!!』
『踏ん張れ―――!!押し返せ――――!!』
4台も固まっているだけあって、押し合いは一進一退の攻防を見せていた。
と、その時――――
「せいやぁぁぁぁ!!」
ドンッ!と言う衝撃と共に、吹き飛ばされる私の身体。
さっきご主人様が他の神輿の巫女を叩き落したのと同じように、他の神輿の巫女が小柄な私を狙って来たのである。
しまった!と思った瞬間、グイッと腕が引っ張られ辛うじて神輿の上に踏みとどまる。
「御月、油断しちゃダメでしょ!!」
「はう・・・すみません・・・」
「こっちも仕掛けるから御月はここを頼んだわよ!」
「はいっ!!」
ご主人様は颯爽と隣の神輿に飛び移ると、神輿上の巫女に襲い掛かる。
飛び移った先の神輿が転倒して一緒に落ちると言う事も有り得るので、二人ともが自村の神輿から居なくなるのは
避けたほうが良いのだろう。
199 名前:祭囃子と鈴の音と 22[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:09:20.80 ID:Ln1SmGK3 [25/29]
さっき不意打ちを喰らってしまったので、必死に揺れる神輿にしがみ付きながら、周囲の様子を伺う。
「お姉さま!後ろ!!」
ご主人様にいまにも飛び掛ろうとする他の巫女の姿が見えたので私が叫ぶと、それに呼応して、ご主人様はさらに
隣の神輿に飛び移る。
目標を失った巫女は勢い余って神輿を飛び越え、地面に着地した。
それと同時に、ご主人様は飛び移った勢いを利用してその先に居た別の巫女を叩き落していた。
流石我が主。動きに無駄が無く、見ていてカッコイイ。もういっそ、最後に私を押し倒して欲s・・・ゲフンゲフン
「隙ありぃぃぃぃ!!」
頭上から響く声に我に返ると、他所の巫女が眼前に迫っていた。
しかし、私とてPMではあるが、ガーディアンズの端くれ。
そう何度も易々と不意打ちを喰らうわけには行かない。
私は咄嗟に左手を神輿から離すと180度身体を回転させ、不意打ちの一撃をやり過ごす。
そのまま勢い余って落ちてくれれば良かったのだが、相手もそれなりに腕に自信があるようで、神輿の飾りを掴むと
ヒラリと神輿の上に着地した。
「チッ!!素直に落ちていれば良いものをッ!!」
「可愛いけど敵は敵!容赦しませんよっ!」
咄嗟に言い返したのでポルティ用の定型台詞を流用してしまった。
しかし、このお姉さん、可愛いと言うよりは目元が細く、キツイ印象を受ける。
それが下で踏ん張っている男衆にはツボだったらしく、盛大に『ぶはぁ!!』と噴出していた。
台詞失敗したなぁ・・・等とへこみながら、体勢を整え睨み合う。
「笑ってんじゃないよッ!!ハンッ!それに、そんな小さい身体で何が出来るってんだいッ!!」
『嬢ちゃん、そんな生意気な女、叩き落しちまえ!!』
『やったれー!!』
確かに私は小さい。
だけど、この小さな身体でも、ご主人様と共にディラガンやディラグナス等の強大な敵に立ち向かって来たのだ。
私は右手首に巻き付けられた小さな鈴に左手を添えると、今までのモンスター達との戦いを思い出していた。
200 名前:祭囃子と鈴の音と 23[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:09:46.34 ID:Ln1SmGK3 [26/29]
「貴方が本当に守りたいものは何ですか?」
「しゃらくさいねッ!!かち合わせで勝つ事が私の使命なんだよッ!!」
相手の巫女は器用にバランスを取りながら、左右から突きを繰り出し、襲い掛かってくる。
私は冷静にそれを見極めると、神輿から伸びた担ぎ棒の上を器用に移動し、それらをかわして行く。
「私にはあります。ですから、例えお祭りだったとしても、貴女に負けるわけには行かないんですッ!!」
「笑わせるんじゃないよッ!!」
担ぎ棒の端まで追い詰められ、かわした平手が私の頬を掠める。
愛用のハウジロドウでもあれば一撃なのだが、武器の携行は認められていないので、今頼れるものは自分自身しか
なかった。
「もう後ろが無いじゃないか。達者なのは口だけだったようだね!これで終わりよッッ!!!」
とどめの一撃とばかりに私の顔面に突きが迫る。
私はこの瞬間を待っていた。
正面からぶつかれば、近接戦闘が苦手な私に勝ち目は無い。
寸での所でしゃがみ込み、突きをかわす。
相手の放った突きは私の髪を掠め、虚空へと伸びて行った。
次の瞬間、私は頭上に伸びている相手の腕の部分を掴むと手前に引きずり込んだ。
「なっ?!」
「えぇーぃ!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
相手の巫女は突きの勢いもあり、引っ張られた事でバランスを崩し、そのまま担ぎ棒の端から外へと落ちていった。
私の非力な腕力で勝つには、相手の力を利用するほかに無かったのだ。
「私たちにかなうもんですか!」
『おぉぉぉ――――――!!」
201 名前:祭囃子と鈴の音と 24[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:10:54.78 ID:Ln1SmGK3 [27/29]
私が勝った事で、足元の男衆が沸き立ち、歓声が上がる。
「って、ちょっ、ちょっ、ちょっ!!」
『おぉぉぉぉぉ――――――――!!」
沸き立つと同時に盛大に揺れる神輿。
ただでさえ今立っている所は担ぎ棒の一番端っこなので揺れ幅も半端なく、唯一しがみ付ける神輿櫓も遥か遠い。
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
――――ドサッ!
ピタッと神輿の動きが止まり、沸き立つ歓声も止まる。
そう、私は揺れに耐え切れず、地面に落下してしまったのだ。
『うわぁぁぁぁぁぁ!!』
『やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁ?!』
『す、すまねぇぇぇぇ!!』
「あ・・・謝って済むならガーディアンズは要りませ―――――――ん!!」
折角頑張って相手の巫女を叩き落したのに、全く持って台無しである。
私があまりものショックに呆然としていると、隣にヒラリと影が舞い降りた。
「御月、よく頑張ったわね。」
「へっ?!・・・あ゛―――――!!」
「ちょっと、何よ急に大きな声出して・・・」
舞い降りた影、それはご主人様のものだったのである。
私とご主人様が地面に居ると言う事は、すなわち失格であり、敗退だ。
「まっ・・・まけ・・・まけ・・・まっ・・・」
「ああ、御月、周りを見て。」
「へっ?!」
202 名前:祭囃子と鈴の音と 25[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:11:22.06 ID:Ln1SmGK3 [28/29]
ご主人様に言われて周囲を見渡すと、そこには転倒した神輿が2台と、「いたぁーい!」と言いながら
お尻をさすりながら男衆に助け起こされている巫女の姿があった。
「どう言う・・・事・・ですか・・・?」
「御月が叩き落した巫女が最後だったのよ。私たちの勝ち。」
「はぃぃぃぃぃぃ?!」
『どよどよ・・・』
『ほんとだ・・・俺達しか残ってねぇ・・・』
『なん・・・だと・・・?!』
次の瞬間、湧き上がる歓声。
男衆は手を叩きあい、『うぉぉぉー!!』と叫び喜びを分かち合っていた。
ご主人様は私の手を取り、立ち上がらせた。
「ほんと、よく頑張ってくれたね!」
「お姉さまぁぁぁぁぁぁ!!」
ご主人様は私を抱きしめるとギュっとホールドし、何時もより2割り増しくらい関節がミシミシと音を
たてていた。
『さぁ、勝どきだ!神輿に乗ってくれ!』
私たちは男衆の手によって、あれよあれよと言う間に神輿に乗せられた。
『ヨイサー! ヨイサー! ヨイサー! ヨイサー!』
そして、小気味のいい掛け声がニューデイズの青空に響き渡り、今年の豊穣祭は幕を降ろしたのだった。
終わり?
203 名前: 忍法帖【Lv=30,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/18(火) 21:28:21.75 ID:Ln1SmGK3
[29/29]
以上、投下完了です。
相変わらず、本編になると長くなってしまったのですが、こちらに投下させて頂きました。
もし、まとめて読みたい等の要望がありましたら、txtによる一括UPも致します。
また、以前のロダUP作品も、もし再UP希望があれば原稿は残してありますので、再UP
可能です。
読んでいただいた方、相変わらずのオチ無しダラダラ話しにお付き合い頂き、ありがとう
ございました。
一応この後?の話しまで考えているのですが、それはまた今度、後日談的に書きたいと
思います。
もう、殆どの地域で秋祭りは終わってしまったと思いますが、折角の楽しい思い出が、
怪我等で辛い思い出になってしまわぬよう、安全には気をつけてお祭りを楽しみたい
ものです。
204 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/19(水) 00:46:54.85 ID:OmZ6S6e7
>>203
投下乙!
読むまで忘れてたけど俺の田舎の祭りはホタルが綺麗だったな
思い出せて良かった
ありがとう
205 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/19(水) 10:47:33.16 ID:rW+VsbeO
>>203
乙 祭っていいよね
箱「ビールかけ、いいなぁ」
450「それは祭とは違うような・・・」
206 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/19(水) 21:08:29.26 ID:BztS/BHa
乙です! 面白かった。
そりゃ日頃鍛えてるガーディアンズに一般人が勝てんわな。
面目をほどこした450お疲れ。
207 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/20(木) 21:35:45.62 ID:6ZjCZEsw
>>203
投下乙です。
自分の方ですと神輿は夏ですな。 町会主催で太鼓車の山車を先頭に練り歩き、
男衆、女衆、子供用と神輿がありました。
そして、後日談お待ちしております。 って自分も早く書かないと・・・。
書く時間が・・・。
208 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 00:37:53.42 ID:tXi6EY54 [1/2]
まどかスレ2122の>>994に「覚悟してる人」な書き込みが
PSUプレーヤーなのだろうか?
209 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 02:38:38.11 ID:9z28jAmU
わかんねーよコピペしろカス
210 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 04:43:08.26 ID:xc8CA4Ct [1/2]
元のセリフは
「あなた『覚悟してる人』…ですよね?始末しに来るという事は反対に始末される事もあるという事を『覚悟して来てる人』なんですよね?」
って感じの(曖昧で悪いが)ジョジョのセリフだからPSUに限らないと思うけど
まどかスレってとこがどんなかわからんけど余所でろりえさんの名前出したりしないんじゃないかな
そしてこんな時間まで何やってんだ俺
211 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 11:19:25.26 ID:tXi6EY54 [2/2]
>>209
994 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2011/10/21(金) 00:31:38.80 ID:7ReAChX/0
/ / / // /r:::、 } /
x<ミヽレ┴‐< | l {::::リノ l /
rく ミV´ }ヽ ` ̄ ノ,ィ / ,.--、 あなた……
l ヽリノ r=ミ l il ハ、.____,ノ | // / ノ、 i 覚悟して来てる人ですよね
!{i:::} | (:::(_)ノノノ j´ />`ヽ | ヽ l }
ヽー ,人 ヽニ´ / i / / __ノ V 〈ノ /‐、_
. `--'⌒ヽー─‐ 'ヽ l ノ/ィ芯ノ i (。ノ|:::::l::::::: 1000を取る覚悟があるって事は
Vニニヽ、 {iヽ〈ノ ー`^ l | lヽ:l::::::: 1000を取られる覚悟も
\‐弋t:ラハ l l |ヽ∧::::: あるって事ですよね……
ヽ^ ̄l l `ヽ /: ; i ';::::
\ L __ ノ _ / ,'\ l i:::
\. r--'‐ フ , ' ./l _|__ |::
丶、ー‐ ' / /:::| / r-、ヽ::
ヽ--- ' Τヽ::::l ヽ.__,ノ ノ::
L...、\ \\__/roa、
\::\_\_\ o゚´ヽ. 0
( ̄()r‐一'  ̄ У
212 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 23:23:42.36 ID:xc8CA4Ct [2/2]
まんまじゃねーかw
213 名前:ファック450のガーディアンズレポート[sageファックの人] 投稿日:2011/10/23(日) 07:31:40.34
ID:RmSsSj4S [1/3]
GH-452「で、あんたいつ帰ってきたのよ」
GH-450「まだ完成していないので一時帰宅ですが」
GH-452「フレームはできたんでしょ?別にパラメータはいいじゃない」
GH-450「そちらは構わないのですが戦闘値という能力値が増やされていまして」
GH-452「何それ?」
GH-450「ガーディアンズフレームの新機能かと思われます」
GH-452「いや何の値なのよそれ」
GH-450「ミッション成績によって付与されるみたいですが、今のところ増えたメリットは感じません」
GH-452「つまり何だかわからないのね…向こうは相変わらずみたいね」
GH-450「そうでもありませんよ?」
GH-452「そうなの?」
GH-450「まず生活が豊かです。昔の百倍ほど」
GH-452「サラッとサバ読んでんじゃないわよ」
GH-450「いや体感的なら千倍ですから多分…」
GH-452「本当に?」
GH-450「まあ今のところはですが」
GH-452「それであんた何かキレイになったわけね…食べ物がいいと違うのかしら」
GH-450「とりあえず黒服のビーストの男性が『頑張って美しくなってねぇ』と言いながら差し入れをくれたのは事実です」
214 名前:ファック450のリトルウィングレポート[sageファックの人] 投稿日:2011/10/23(日) 07:36:45.54
ID:RmSsSj4S [2/3]
GH-452「な…なんで美しく?」
GH-450「よくわかりませんが御主人様まで私を磨いたりしていましたね」
GH-452「ブームなのかしら…いろいろ変わったの?」
GH-450「ミッションの報酬自体が桁違いですし」
GH-452「まあ一緒だったらすっごい嫌だけど」
GH-450「ランクCクリアで8ポイントとかなんの話?って感じで」
GH-452「あの頃っていったい…」
GH-450「まあ貧しい故の楽しさもありました」
GH-452「まあねぇ…向こうの人達が今幸せなら何よりだし」
GH-450「しかしリトルウィングからの幾つかは厳しい点がありまして」
GH-452「店の移動距離が遠いとか?」
GH-450「いえその辺はかなり改善されています。どちらかというと戦闘のギャップが激しいですね」
GH-452「チェイン?」
GH-450「御主人様は防御と緊急回避が無いのが思ったより厳しい様です」
GH-452「それはちょっとキツいわね」
GH-450「あとはですね」
GH-452「まだあんの?刺激があるって羨ましいわね」
GH-450「ろりえさんのパンツはピンクでした」
GH-452「そんな情報いらないわよ!」
とりあえず保守代わりに書いてきた
・映像が大きいと見栄えが違う
・声がよく聞こえる
パシリに関してこの差は結構大きいと思ったんだ
ご飯もあげられるし
215 名前: 忍法帖【Lv=35,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/23(日) 11:59:35.71 ID:VXMYOnIT
>>203
投稿乙~
お祭りっていいよね!あの特有の雰囲気が何とも言えん。
落ちたら負けなのに直接攻撃仕掛けるのはフイタw
>スライサー暴発
危うく大惨事かと思ったら、特に何も起きなくて安心した。
まあ、フォトンの出力もスタンモードだっけ?人体に影響が余り出ないように出来る見たいだから
仮に当たっても問題ない・・・事もないか。死にはしないが多分気絶だろうな。
>>205
酒に弱い俺にとっては関わりたくない祭りだw
>>208
全く関連性のない複数のスレに同じようなネタがあった場合
まずgoogle等で検索する事をオススメするぜ!
>>214
>戦闘値
50とか100とか超えたあたりから動きがよくなってるような気がする。
あくまで体感だし、自分のPMだからそう見えるだけかもしれん。
そういや、Po2iでPMの声、あんまり聞かないな。意識しなさすぎか。
しゃべってたよね?
あと、ろりえさんはパンツはいてn・・・おっと誰かきたようだ。
216 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 16:09:21.16 ID:RmSsSj4S [3/3]
>>215
音声自体がNPCより小さいと思う
何か言ってるとはわかるが聞き取れないね
PSUの450の「いたい…よ…」だけは相変わらず聞きたくないけど
217 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 21:52:07.38 ID:Cj/HW9Qt
「…痛い…キュ…」の声が耳にこびり付いてるけど、
これってPMの声かな?かな?
218 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/24(月) 00:39:55.99 ID:dLYjgc86
>>217
多分上のレスでも言ってる「いたい・・・よ・・・」だと思う。
PSUのPMなら間違いなくこれ。
Po2iのは、すまん、よく覚えてないので分からない。
219 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/25(火) 01:26:53.60 ID:+1t/kSkj
>>214
投下乙です。
PSPの小さい画面は自分的には駄目でしたね。 慣れかもしれませんが。
そして、ソフトを中古屋に売りに行った時の買取り値の安い事・・・。
220 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 01:01:34.04 ID:SGnBNgbC
PSPO2∞はamazonで1500円ぐらい
ヤマダ電機でも1980円で新品が売られていたからねえ
(いま現在 ヤマダは売り切れらしい@近所)
221 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/26(水) 03:20:32.64 ID:xE7P2L32
PSPOなんざ、ゲオで買取り値100円以下でした・・・。
人気の所為なのか、唯単に発売からある程度時間が経っていた為かは定かでは
なかったが・・・。
222 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 04:49:56.67 ID:cFF32HJN
オンライン要素のあるゲームは
・オンライン用のコードを使われている場合が多い(オンライン出来ない
・他人のアカウントでトラブルを起こされた場合対応出来ない
・コードだけ使って即ソフトを売りにくる人が多い(これがやたら多い
という理由で中古屋は嫌がります
だってさあ
ファンタシースターオンラインって名前のゲームなのにオンライン出来ませんって中古でも変じゃん
だから異常に買い取り金額を下げてんのよ
223 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 23:50:07.70 ID:rm03Qeib
課金したのに序盤に1回ログインしたっきり
まったりつなげてる暇がないお・・・
箱よすまんまた放置になりそうだw
224 名前: 忍法帖【Lv=31,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/27(木) 00:40:39.05 ID:UHjpPOJ5
>>214
投下乙
戦闘値って45Xとかの派生系デバイス使う時に一定値必要なだけじゃないかなぁ。
ソニチが戦闘値でAIが変わるような複雑なプログラムを組んでるとは思えんw
>>222
確かそれ今問題になってたよねぇ。
接続ライセンスだけ別売にするとか何とか・・・
>>223
今すぐ450を愛でる作業に戻るんだッ!!
225 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/27(木) 00:51:23.59 ID:tz3ccKfS
[1/16]
>>222
なるほど。 そういえば言われてみればPSOの中古でよくオンラインには
接続出来ませんって、書いてあったのが多かった記憶が。
確かにオフでも出来るとはいえ、オンラインに繋げられないオンゲーなどは
いかがなものかと思う。
226 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/10/27(木) 00:59:39.97 ID:tz3ccKfS
[2/16]
新参者で御座います。
思いっきり時期外れともいえるネタですが、スキヤキが思いの他に長引いた
のと、予想外に書く時間が無くこの時期に投下となりました。 以前に行った
際に和歌山などは10月位までは泳げると聞きましたが。
しかも、10月中に投下する為に前編と後編に分割するという・・・。
パパ氏、キャラならびに設定の一部をお借り致します。
227 名前:440と変な美ス男300 美ス男が死んだ日?編前編 1/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:07:45.67
ID:tz3ccKfS [3/16]
朝食を食べ終わった後の後片付けも終って、只今2人して食後のお茶中。
「んー。 440ちゃん、水着買いに行くわよぉ」
「マスター、いきなり唐突に如何したのですか?」
「今年は、まだ海に行ってなかったからよぉ」
「流石に海の季節は終ったと思いますが? 今は秋ですし」
食後のお茶を飲んでいる時に、いきなり前置きも無く何を言い出すと思えば。
ご主人様の突然さにはいい加減慣れてきてはいますが、流石に時期外れはどうかと。 まったく。
「その事なら、大丈夫よぉ。 パルムなら10月位まで泳げるしぃ。 440ちゃんはぁ、海には
行った事はあるかしらぁ?」
「いいえ。 今迄に一度も行った事は無いですね。 ですので、興味はありますが」
「あら。 それならぁ、丁度いいわぁ。 午前中にぃ、お買い物済ませてぇ午後一でパルムに行きましょうねぇ。
ホテルのお部屋、空いてるかしらぁ」
「既に行く事が確定事項ですか。 しかも日帰りする気は無い、と。 やれやれ」
既に行く気満々の美ス男がパルムの海岸側のホテルの予約を、ヴィジホンで取り付けている間にここ暫くの
予定を確認する440ちゃん。 ふむ。 ここの所は特にこれといった事は無いですから2、3日程度なら大丈夫かな。
「お買い物に行く前にぃ準備済ませておいてぇ、荷物持ってお買い物終らせて外食で昼食を済ませたらそのままパルムに
行くわよぉ」
「今更ですので止めはしませんが、何故にここまで海に行く事に拘るのですか?」
「こういった季節柄の行事は必ず行く事にしてるからよぉ。 その時期にしか、出来ないじゃなぁい?
後で行かなくて後悔するとか、美しくないわぁ」
やっぱり、答えの締め括りはいかなる質問でも変わりませんね、ご主人様は。 まあ、ご主人様らしいと言えば
それまでですが。 どうせなら折角ですし、のんびりするとしましょうか。
228 名前:440と変な美ス男301 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 2/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:10:00.68
ID:tz3ccKfS [4/16]
「じゃぁ、ここで待ち合わせしましょうねぇ」
「はい、マスター。 因みに昼食は何処で済ませる予定ですか?」
「んー。 特に決めてないのよねぇ。 飯店でもいいんだけどぉ、パルムに着く時間を考えたらぁ他の早く済ませられる方が
いいかしらぁ」
「確かに。 あのお店ですとついつい、多くの品を頼みそうですから」
Gコロニー2階のエスカレーター前を待ち合わせ場所にして、其々分かれてブティックに向う美ス男と最初からパシリ大通りに
向った440ちゃん。
恐らくガーディアンズ指定水着だと、私の場合サイズが合うかどうか怪しいですから、ここは最初からパシリ大通りに行くと
しましょうか。 別に既製品だから買わない、という訳ではないですよ。 念の為。
「お待たせしました、マスター」
「お帰りぃ。 それじゃあ何処か食べに行きましょうねぇ」
買い物を済ませてパシリ大通りから待ち合わせ場所のエスカレーター前に戻ってみると、予想通りにご主人様の方が先に
買い物を済ませていましたか。 サイズの合う水着を探していたら、思いもよらず時間がかかっていたようで。
決して色とか、デザインに拘ってずっと選んでいた訳ではありませんよ? 流石に水着の場合はどうしてもサイズで選べる
範囲が限定されますから。 どんな水着にしたかは、後々という事で。
「んー。 普通の味だったわねぇ」
「そうですね。 これといって如何かという事もないですね」
昼食に適当に選んだ店はすっきやでぇ、という丼物とうどんなどがメインのどちらかというとファーストフード店に
近い店でしたが御主人様は丼物を、私はうどんを其々頼んでみましたが、お互いの感想は普通のありきたりの味という事には
変わりはありませんでした。 やはりラピスさんの打った手打ちうどんの方が、美味しかったです。
229 名前:440と変な美ス男302 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 3/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:11:49.43
ID:tz3ccKfS [5/16]
「そうそう、泳ぐ前にはぁちゃんと準備運動するのよぉ」
「準備運動ですか?」
「そうよぉ。 普段使わない筋肉とか使うとぉ、足とか攣ったりするのよぉ」
「私の場合、そもそも泳いだ事自体が無いのですが。 まずは泳ぎ方からかと」
「それもそうねぇ。 時間はあるからぁ、泳ぎ方も教えるわよぉ」
パルムに着いてから予約していたホテルに荷物を置いて、海岸側のドレッシングルームで水着に着替えた美ス男と440ちゃん。
まばらとはいえ、まだ海岸にも何人かの姿が見える。
美ス男はといえば半袖のTシャツと膝下までの半ズボンの様な形の水着で、普段と違って白地に黒の縞模様。
440ちゃんはガーディアンズ指定用の440型のワンピースとほぼ同じ外見の440カラー。 違うのはサイズとスカート風の
パレオが若干大きくて、GH440の帽子風のスイミングキャップがセットになっている事。 水着の時でも帽子は外さない、と。
「じゃ、準備運動からしましょうねぇ」
「はい」
美ス男が始めた準備運動を見ながら同じ動作で440ちゃんも準備運動を一緒に済ませて、いざ美ス男に泳ぎ方を教わった
440ちゃんだったが・・・。 ここで440ちゃんの意外な事実が1つ、判明した。
「じゃ、やってみてねぇ。 手を離すわよぉ」
「はい」 ブクブクブク
そう、普通の一般的な440型よりも”重い”440ちゃんは、実はカナヅチだったという事。 何度か試してみても美ス男が
手を離すと途端に沈むのである・・・。 まさか、沈むとは思いませんでしたね・・・。 私の機体の比重は海水よりも重いと
いう事ですか。 普通に動く分には、フォトンリアクターの出力最低値が高い分問題ないのですが。 やれやれ。
「仕方が無いわねぇ。 440ちゃん、浮き輪使ってみるかしらぁ?」
「いえ。 それでしたらそこのロッキングチェアにいますね」
「はぁい。 じゃぁアタシはぁちょっと泳いで来るわねぇ」
美ス男が海に入っていき沖に向って泳いでいくと、440ちゃんが砂浜のビーチパラソル付きのテーブルの両脇に
設置されているロッキングチェアに向い、途中にあった出店で特大チョコレートパフェを注文して支払いを済ませてから
ロッキングチェアによじ登る。 注文の特大チョコレートパフェが来てみると、1つ問題があった。
230 名前:440と変な美ス男303 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 4/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:13:11.84
ID:tz3ccKfS [6/16]
「これは予想外でしたね」
特大サイズな所為でテーブルにパフェを載せると届かないのである。 仕方が無いので、パフェをロッキングチェアの上に
置く事にした。 PMだとロッキングチェアの背もたれ部分にまで深く座ると座る部分がかなり余るので丁度置けるし、実際に
置いてみると高さ的にもぴったりだった。 特大チョコレートパフェを食べ終わっても、まだ美ス男が戻って来る気配が無いので
もう一つ同じ物を追加する。 ご主人様が戻って来るまでゆっくりと食べていましょうかと思いつつ、ふと気が付くとテーブルの
上には特大チョコレートパフェの空容器が4個並んでいた。
「ただいまぁ。 んー。 久しぶりに泳いだわぁ」
「おかえりなさい、マスター。 随分長い間泳いでいましたね」
「一寸、沖の方まで行って来たのよぉ」
丁度5個目の特大チョコレートパフェを食べ終わった時に、美ス男が戻って来た。 時間的にはもう暫くすれば日が落ちる頃と
いう辺りである。 ずっと食べ続けていた440ちゃん、一体何時間食べ続けていたやら。 ここまでずっとチョコ食べ通しの
440ちゃんのオイルは、溶けたチョコが流れているかもしれない。
「今度来る時はぁ、ちゃんとしたドレス仕立てて来ましょうねぇ。 ここって本格的なフルコース食べれるからぁ、 その時用に
帰ったら仕立てて貰おうかしらぁ」
「流石に急ではドレスまでは用意出来ませんし。 そもそも、PM用のドレスという発想はまずマスター位だと思いますが?」
「あら。 そうなのぉ? TPOに合わせるなら、必要だと思うけどぉ」
「大抵のPMはご主人様と同行するのは、まずミッション位ですから。 ミッション以外にPMを連れ出す方が、珍しいかと」
「折角一緒にお出掛け出来るんだから、色々な場所に行った方が楽しいと思うけどぉ」
「確かに考え方や価値観は人其々ですから。 こうして色々と服などを自分で選んでいる、私の待遇もかなり稀ですが」
海岸側のドレッシングルームでシャワーを浴びて海水を流した後に着替えて、夕食までの時間の間ホテルに一室でお茶を
飲みながら寛いでる美ス男と440ちゃん。
ディナーのフルコースの為にドレスですか。 態々その為にPM用のドレスを仕立てようなんて、如何にもご主人様らしいとも
いえる発想ですが。 それならいい機会ですから、この際パーティ用にフォーマル用と両方仕立てる事にしましょうか。
231 名前:440と変な美ス男304 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 5/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:14:53.33
ID:tz3ccKfS [7/16]
「んー。 日が落ちるだけでも、印象が変わるのよねぇ」
「確かに昼間とは違いますね。 周りに人がいない所為もあるかもしれませんが」
「同じ場所でも時期と時間で変わるから、自然って不思議よねぇ」
「こういった変化はGコロニー内では感じられませんね。 Gコロニー内でも時期によって、内部の飾り付けなどなら変わる事は
ありますが」
夕食を済ませてから夜の人気の無い浜辺を、のんびりと食後のお散歩と歩いている美ス男と440ちゃん。
日が落ちて周りに誰もいない所為か、昼の時と印象の違う海辺の感想を話しながら。
そんな折に山沿いに差し掛かった辺りに遠くの方でチカッ、チカッと何かが断続的に光ったかと思ったらザザザッっと山間の
方から現れた2人の人影が美ス男と440ちゃん達の少し先に着地した。
「全く、無線は通じなくなるし、気が付くと周りこまれているとかもう面倒ですわ! コーラル、制圧するわよ!」
「・・・うん・・・。 ・・・解った・・・」
「・・・」 ザッ!
二つの人影の片方はPMの様だが、PM用スーツに髪と虹彩の色が普通のPMと違っていた。 スーツの形と装備から
判断するとGH431、もう一方はGH451だろうか。 その2人共まだ美ス男と440ちゃんには気が付いていない。
更に一拍置いた後にGH431とGH451の前に、無言で山間から現れて立ち塞がる人影。
身長と体型からすれば後から来たこちらもPMなのだろうが、装備や外見的な特徴を見ても、全てのPMの型番との共通点が一切
見受けられない。 無言でGH431とGH451の行き先を塞ぐかの様にイグニス+を構えると、無表情な瞳をGH431と
GH451に向けた。
「何か随分と慌しい雰囲気ねぇ。 っていうかぁ、アタシ達すっかり蚊帳の外ねぇ」
「マスター、そんな事言っている場合ではないと思いますが? どう見ても後から来た方のPMと思しき存在は私達にでは
ありませんが、明確な攻撃の意思が見受けられますし」
「やるわよ、コーラル!」
「! ・・・待って、ディアーネ。 他のPMもいるの・・・」
美ス男と440ちゃんに気が付いたGH451ことコーラルが、GH431ことディアーネに440ちゃんという他のPMも
この場にいる事を告げた。 コーラルとディアーネがパペットシステムのモードを変更している間に、後から来たPMが一気に
間合いを詰めると同時に、もう1体後から来たPMと同じ外見のPMが合流した。 後から来た方はファイナルインパクトを
構えて先に来ていたイグニス+を構えているPMと、挟撃の位置になるべく移動を開始する。
232 名前:440と変な美ス男305 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 6/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:16:15.08
ID:tz3ccKfS [8/16]
「コーラルは後から来た方を! これで終らせる!」
「・・・うん・・・」
「あら? 無線が通じないわよぉ?」
「私の方もです」
”パペットシステム起動、超高密度モード、対象指定、完全制圧”
ディアーネが最初に来たイグニス+を構えている方、コーラルが後から来たファイナルインパクトを構えている方へと、其々に
個別に目標を定めて、確実にパペットシステムによるPMの行動の制圧を試みる。 ”ジャミングもしくは電磁波障壁を検知”
美ス男と440ちゃんがガーディアンズ支部に連絡をしようと無線のスイッチを入れたが、ザリザリというノイズのみで音声と
画像共に一切通じない。
「何ですって! くっ、速い!」 ヒュッ! ザッ
「・・・どうしよう・・・」
「あのお洋服、確か”ジュエルズ”だったかしらぁ。 440ちゃん、手伝うわよぉ」
「はい。 私は双剣を」
ディアーネとコーラルが其々の目標に対してのパペットシステムの通信波が強力な電磁波によって弾かれ、その際に間合いを
詰めていたイグニス+の斬撃をディアーネがバックステップで後ろに下がって避ける。 パペットシステムが通用しなかった事で
焦るコーラルの隙を付いてファイナルインパクトを構えた方も、コーラルとの間合いを詰める。 どうやら広角に広がる散弾銃
での面による制圧よりも、至近距離で複数弾を当てる事による確実性を狙っている。 無闇に撃たないのは散弾銃の次弾装填の
時間の遅さを考慮してか。
ディアーネとコーラルのPMスーツを見て、ジュエルズと気が付いた美ス男が440ちゃんにジュエルズ達の方に手を貸す事を
伝えると440ちゃんがイグニス+を構え直している方へと、双短銃を取り出しながら向った。
美ス男もナノトランサーから投刃剣を取り出すと、コーラルの方に向っているファイナルインパクトを装備した方の足元に
向って烈斬葬飛刃を打ち込むと砂浜に投刃剣のフォトン刃が当たるよりも先に、コーラルへと向う足を止めてバックステップで
間合いを離した。
233 名前:440と変な美ス男306 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 7/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:17:53.10
ID:tz3ccKfS [9/16]
「一気に畳み込むわよ!」
「では、挟撃を」
「アタシが時間稼ぐわねぇ」
「・・・」
片手剣を持って短銃を撃ちながらイグニス+を構えた方に近付いていくディアーネに合わせて、相手の移動する方向を制限すべく
ディアーネに当てない様にイグニス+を構えた方の足元に向って常にサイドステップで移動しながら、双短銃を撃つ440ちゃん。
美ス男はコーラルがテクニックを発動させる間の時間稼ぎにと、投刃剣の通常攻撃から始めて後から来たファイナルインパクトを
装備した方へと投刃剣のフォトン刃を飛ばす。 その間にコーラルが無言で長杖を構えた。
ディアーネが後一歩でライジングストライクの間合いに入り、コーラルがバータの詠唱を終えて長杖を振り下ろそうとした時に
イグニス+を構えた方とファイナルインパクトを構えた方とが互いに視線を合わせると、2人の視線の間にチカチカと光の線の様な
ものが瞬いた後に、2人の足元に小さな丸い玉が落ちて閃光を発した。
「なっ!」
「今の線の様な・・・。 くっ!」
「ちょ・・・」
「・・・」
夜の海岸を昼の如く照らした光が収まると、イグニス+を構えた方とファイナルインパクトを構えた方の2人共既にそこに姿は
無くなっていた。 至近距離で光を見たディアーネが目を閉じたままその場でしゃがむ。 同じく、その場で目を閉じたままの
440ちゃんは先程の2人のPMが閃光を発する前の互いの視線を結んでいた、光の線の様なものについて思案中。
美ス男はその場で目を閉じて、瞼の上から目を揉んでいる。 光源から一番遠かった為に、最も回復の早かったコーラルが
ディアーネの元に駆けていく。
「・・・大丈夫・・・?」
「ええ。 やっと見え始めてきたから」
「撤退した様ですね。 どう見ても、ガーディアンズ所属のPMには見えませんでしたが。」
「随分といい引き際ねぇ。 目的が何かは知らないけどぉ」
ディアーネの側にしゃがんで心配そうに声をかけたコーラルに、ゆっくりと立ち上がりながら何度か瞬きをした後に振り向いた
ディアーネが答えた。 残されていた足跡から撤退した方向でも、と思った440ちゃんだったが足跡が山間に向っている時点で
その先を追うのを止めた。 美ス男もゆっくりとコーラルとディアーネ達の方へと歩いて行く。
234 名前:440と変な美ス男307 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 8/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:28:34.15
ID:tz3ccKfS [10/16]
「アナタ達、ジュエルズよねぇ? 勝手に手を出したけどぉ、良かったのかしらぁ?」
「そうよ。 その点はご心配なく。 むしろ追い払えて清々したわ、ありがとう。 私はディアーネ、この子はコーラル」
「アタシは美ス男。 この子は440ちゃんよぉ。 宜しくねぇ」
440ちゃんの隣に並んだ美ス男がディアーネとコーラル達に念の為に確認すると、ディアーネが訊かれた事を答えてから
コーラルの分も一緒に自己紹介をした。 コーラルはディアーネが立ち上がってからずっと、ディアーネの後ろに隠れっぱなし
なのである。 美ス男も440ちゃんの分と合わせて自己紹介をすると、440ちゃんがディアーネとコーラルに会釈をする。
「あのPMと思われる輩達は一体何だったのでしょうか? PMだったとしても、色々と普通のPMとは違う様ですが。
特に機体が行動に転じる際に動き始める時の素早さや、反応速度が私の知る限りのどのPMの型番よりも速いかの様に
見受けられました」
「それが一体、何が何やら。 ホテルの自室に2人していた時に襲撃されて、部屋を壊された挙句に外に追い立てられてから
待ち伏せしていたもう1人に襲われて、ここまで辿り着いたら偶々貴方達がいてあの2人が撤退したって所かしら」
「あら。 それは災難だったわねぇ。 でもぉ、アナタ達がここにいる理由が狙われた訳とかぁ?」
「それは無いと思うわ。 私達がここに派遣された理由って、PM用のライフセイバーがいないから誰かお願いしたいって要望が
あって来た だけの事だし。 それが襲われる理由になるとは思えませんわ」
「ですが、襲った2人組みは明確に貴方達2人を狙っているかの様に、見受けられました」
440ちゃんがコーラルがディアーネの後ろに隠れっぱなしなので、取敢えずディアーネに襲ってきた2人組みのPMの事を
訊いてみると、ディアーネが肩を竦めた後にここまでの経緯を説明するが、これといって襲われる理由と犯人に対して心当りが
無いとの事。 美ス男がここに来た理由が狙われた理由と推測したが、派遣された理由を聞いて違う事に納得した。
ディアーネとコーラルが襲われた理由が釈然としない最中で、440ちゃんが襲って来た二人組みが美ス男と440ちゃんの
2人には一切無関心だった事から狙っていたのは、ディアーネとコーラルの2人だった事を告げてみる。
「そう、ホテルには私達以外の宿泊客もいたし、襲われた理由が唯単にPMだったからというなら、440ちゃんも襲われて
然るべきなのに、撤退した。 無線も使えないのに連携して先回りしてたりとか、とことん変な連中!」
「襲って来た二人組みは何らかの形で、光を用いた通信手段を持っているかと。 光の断続を符丁にしているか、もしくは
光自体を回線として使用しているか。 最も使っているのは指向性の高い、レーザー光でしょうけど」
「そういえばぁ、アナタ達お部屋壊されたいっていうけどぉ何ならアタシ達のお部屋に来るかしらぁ? ツインだから余裕は
あるわよぉ」
ディアーネが両手を両肘に当てて腕を組みながら、其々の状況を思い出す。 どうにも腑に落ちない点が多い所為か段々と
機嫌が悪くなり始めている様にも見受けられた。 無線が使えなかったにも係わらず、襲撃者の2人組みが連携の取れていた
理由に関してを推論にて440ちゃんが補足する。 美ス男の提案にしばしの間、考えるディアーネ。
235 名前:440と変な美ス男308 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 9/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:29:51.60
ID:tz3ccKfS [11/16]
「折角ですが、お気持ちだけ受け取っておきますわ。 戻って壊れた部屋の弁償の件も片付けないといけないし、何よりも
相手の目的がハッキリとしないから、再度襲われるとも限らないならこれ以上巻き込む事は避けないと」
「はぁい。 解ったわん。 じゃあ、念の為にパトカ渡しておくわねぇ」
「ありがとう。 私の分も渡しておくわね。 今回の事で後程に訊く事があるかもしれないから、その時は連絡するわ。
さてと。 帰るわよ、コーラル。 それでは、御機嫌よう」
「・・・うん・・・」
「はぁい。 またねぇ。 気を付けるのよぉ」
「お疲れ様でした」
ディアーネが美ス男の提案を断った理由は他にも、もう1つあった。 ずっとディアーネの後ろに隠れて終始無言だった、
人一倍人見知りの激しいコーラルの事を気遣った為である。 ディアーネの返事を聞いた美ス男がパトカをディアーネに
渡すと、ディアーネもパトカを美ス男に渡してから、後ろのコーラルに自分達のホテルに戻る事を伝えると、やっと背中の
コーラルが緊張を解いた。
互いに挨拶を済ませるとディアネーにコーラル、美ス男に440ちゃんと其々のホテルへと戻っていく。
そこまでをずっと気付かれない高度にて光学迷彩で透明化していた監視装置が、映像と音声をレーザー光通信にて遙か上空の
通信衛星に中継していた。
「電磁式アクチュエーターの性能検証終了。 全てに於いて予想値をクリア。 尚電磁式アクチュエーターの起動コイルが
常に発生させる電磁波が無線妨害及び、ジュエルズの対マシナリー制圧装備に対して有効であった事も確認出来ました」
巨大な画面の前に立ってディアーネ達がホテルの部屋で襲われた所から、美ス男達と別れるまでの映像を見ていて検証を
終えて結果を伝えるイヤーパーツからして、PMと思われる黒髪の少女。 その少女がリモコン状の端末を操作して室内の
明かりを点けると、部屋の中心に備えられた玉座の如く立派な椅子に座っている金髪のヒューマンの男性の足元に向かい、
左足にしなだれかける。
「「只今戻りました」」
「控えておれ」
椅子の背後の壁が上にスライドすると、先程ジュエルズ達を襲った2人のPMが室内に入って来て同時に無感情な声にて
帰還を告げた。 金髪のヒュマ男が後ろを振り返る事も無く待機を促すと、2人共にその場で回れ右をして部屋から出て
己らの待機用のメンテナンスベッドへと向った。
ヒュマ男と少女のみとなった一室は奇妙な内装をしていた。 正面の壁一面は巨大な画面となっていて、背後の壁などは
一面全てが上にスライドするドアとなる。
右の壁一面に豪奢な調度品の数々、左の壁一面には作業台に各種の工作機械及び様々な実験器具を載せた机と実験装置。
床一面には魔方陣の様な模様に、天井一面には回路図や基板の様な模様と、まるで全てが対照的とも思われる物が其々に
配置されていた。
「居合わせた者は美ス男と言ったか」
「居合わせたのは偶然かと思われます」
「これも運命とやらなら、挨拶にでも向かうとしよう」
「マスターの思うがままに」
肘掛に右肘を付いて頬杖を付いたままでヒュマ男が気だるそうに言い放つと、足元の少女がリモコン状の端末を操作する。
巨大な画面に表示される美ス男の画像と詳細なプロフィール。 暫くその画面を見ていたヒュマ男だったが、見飽きたのか
左足にしなだれかかっている少女の頭を左手で撫で始めた。 その手の感触に嬉しそうに目を細める少女。
美ス男の画像とプロフィールが正面の巨大な画面から消えると、主の足元にてかしずいて左足にしなだれかかって己の髪を
撫でる主の手の感触に艷めいた恍惚の表情を浮かべている少女と、相変わらずに何処を見るともない視線のままでけだるそうに
している金髪のヒュマ男が静寂に包まれたまま同じ仕草を繰り返していた。
236 名前:440と変な美ス男309 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 10/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 01:31:04.19
ID:tz3ccKfS [12/16]
「結局、あの後から来たPM達ってぇ何だったのかしらぁ」
「判断材料が少ないので推測に過ぎませんが、対象はジュエルズ達のみで私達との遭遇という想定外の状況にて撤退したと
いう事でしょうか」
「外見、装備、動きとかもぉ、全部普通のPMと違ったのよねぇ」
「何処かのメーカーの試作型か改良型といった辺りでしょうか。 ガーディアンズのPMを狙う時点でどちらかというと
むしろ何かしらのローグス等の組織の様な気もしますが」
取敢えずホテルの自室に戻って備え付けの冷蔵庫から飲み物を出して、一息つける美ス男と440ちゃん。
お互いにジュエルズを襲撃したPMについて考えてみるものの、推測の域に留まるのみ。
流石に襲われたジュエルズも心当たり無しで、終始無言の相手から得られた情報もほぼ皆無では致し方ない。
解っているのは強力な電磁波か妨害電波を出す事と、ほぼ全てが既存のPMと該当しない点に何らかの電波以外の通信手段を
持っているという位である。
「んー。 考えてもぉ、仕方がないからぁ今日は休みましょうねぇ。 440ちゃん、先にシャワー使っていいわよぉ」
「はい。 そうさせてもらいますね」
結局解らず仕舞なので、二人して交代でバスルームを使ってから今日は休む事にした美ス男と440ちゃんだった。
何せ440ちゃんは兎も角として、美ス男は翌日も泳ぐ気満々なのであった。
「440ちゃん、今日はどうするのぉ?」
「私は今日も浜辺にいますので、マスターは泳いできては?」
「あら。 そうなのねぇ。 じゃぁ、そうしてくるわぁ」
朝食を済ませて水着に着替えてから浜辺に向かった美ス男と440ちゃん。 美ス男が440ちゃんに今日は泳ぎの練習を
するかどうか聞いてみる。 今日も浜辺にいる、との440ちゃんの返事を聞くと美ス男は準備運動を始めた。
準備運動を終わらせて海に入ってい行く美ス男を見送った後に、砂浜のビーチパラソル付きのテーブルの両脇に
設置されているロッキングチェアに向い、途中にあった出店で特大チョコレートパフェを注文して支払いを済ませてから
ロッキングチェアによじ登る。
237 名前:440と変な美ス男310 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 11/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 02:06:20.99
ID:tz3ccKfS [13/16]
「お昼位には戻って来るでしょう。 それまでの間、パフェでも食べながら待っていましょうか」
自分がカナズチだったという事が判明して以来、ずっと美ス男が泳いでいる間は浜辺のロッキングチェアに座ってパフェを
食べている440ちゃんだった。
パフェを食べながら、昨日のPMの事を思い出してみる。 狙いは最初から最後までジュエルズのみ。 私たちが加わった事で
撤退したのは状況的に不利と判断した為? でもあの動きを見ている限りは状況的に不利、という風には見受けられない。
だとすれば、何らかの結果が出たからこれ以上留まる必要が無いと判断したと考えるのが妥協かな。
ともすれば、やはり目的は実験かデータ収集。 それも目的の一部はジュエルズが対象、という事ですか。
「ただいまぁ。 そろそろお昼にしましょうねぇ」
「おかえりなさい、マスター。 今回も沖の方まで行って来たのですか?」
「そうよん。 プールとかと違ってぇ、ずっと先の方まで泳げるしぃ」
幾つかの推論を考えた時点で、美ス男が戻って来たのでそこまでにする。 昼食に行くというなら、パフェの追加は止めに
しておきますか。 ご主人様の事ですから午後も泳ぎそうだし、その時にまた頼みましょう。
しかし、ご主人様がここまで泳ぐのが好きだったとは思いませんでしたね。 昨日に次いで今日も沖の方まで泳いでくるとは。
海など滅多にこない所為という事も、あるのかもしれませんが。
「あれはどちらかというとむしろ、不味いといえる味だと思いますが? マスターが選ぶ店とは到底思えないので、納得のいく
説明を求めます」
「あはは。 何ていうかぁ、あの味がお約束なのよねぇ。 やっぱりぃ海に来たらぁ、海の家で食べるのは基本なのよぉ。
そして、海の家は大抵何処でもあんまり美味しくないのよねぇ」
海の家と呼ばれる吹き抜けの店で、二人で食べた昼食のラーメンの感想を漏らす440ちゃん。
店を選んだご主人様に不味かったと文句を言うよりも、不味い店を選んだ理由を訊く辺りがいかにも440ちゃんらしいとも
言えるが。 そんな440ちゃんに海水浴の基本の一つともいえる、海の家での食事の事を教える美ス男。
相変わらずお約束などはふまえるご主人様ですから、海の家での昼食は致し方ないとして、その分ディナーはまともな食事を
要求する事にしましょうか。 やれやれ。
238 名前:440と変な美ス男311 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 12/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 02:07:51.73
ID:tz3ccKfS [14/16]
「じゃぁ、もう1回泳いで来るわねぇ」
「はい。 大丈夫だとは思いますが、お気をつけて」
午前中と同じ様に準備運動を終わらせて海に入ってい行く美ス男を見送った後に、砂浜のビーチパラソル付きのテーブルの
両脇に設置されているロッキングチェアに向い、途中にあった出店で特大チョコレートパフェを注文して支払いを済ませてから
ロッキングチェアによじ登る。 流石に何度も同じものを頼んでいる所為か、店の方でも憶えたようで440ちゃんの注文を
聞かずして特大のチョコレートパフェを作り始めるようになっていた。
「流石に何度も同じ物を注文していると、店の方に憶えられた様ですね」
そして口直しとばかりに、特大チョコレートパフェを食べ始める440ちゃん。 やはり、甘い物は別腹らしい。
海に来たはいいが、泳げない事が判明した所為ですっかり砂浜で美ス男が戻って来るまでの間ずっとこうしてパフェを食べて
いるのも如何したものかと。 かといって、これといってやる事もないので致し方ないというものではあるが。
「ただいまぁ」
「おかえりなさい、マスター。 今回は早かったですね」
「440ちゃん、ずっとお留守番も如何かと思ってぇ」
「私の事でしたら、お気遣いなく」
丁度2個目の特大チョコレートパフェを食べ終わって、3個目を注文しようかと思った時に美ス男が戻って来た。
おや。 随分と早い時間にご主人様が戻って来ましたね。 てっきりまた沖の方にまで泳いでもう暫く戻ってこないと思って
いたのですが。 私に気兼ねしてですか。 その点に関しましては心配ご無用でしたのに。 というか、寧ろまだこれから
特大チョコレートパフェを食べる気満々の440ちゃんだった。
「それでしたらどちらかというと、不満のあった昼食の分夕食にちゃんとした味の料理を要求します」
「あはは。 それならぁ、帰ったら近い内にドレス仕立てましょうねぇ」
「どちらにしろまだ夕食の時間には早いですし、如何するのですか?」
「そうねぇ。 一旦ホテルに戻ってぇ、予約無しでディナーのオーダーが出来るか聞いてみようかしらぁ」
備え付けのドレッシングルームにてシャワーと着替えを済ませてホテルに向うと、ホテルのフロントの受付係に呼び止められた。
239 名前:440と変な美ス男312 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 13/13[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 02:09:45.87
ID:tz3ccKfS [15/16]
「ミスター、失礼致します。 美ス男様でいらっしゃいますでしょうか?」
「そうよん」
「美ス男様宛にメッセージが届いております」
「あら。 何かしらぁ」
美ス男である事を確認した受付係が、メッセージカードの入った便箋の載ったトレーを美ス男に差し出した。
美ス男が便箋を受け取ると、トレーを下げて一礼した受付係がフロントに戻っていく。
ホテルの自室に戻ってから表には差出人の名前の記入されていない便箋を開けて、中のメッセージカードを見てみる美ス男と
440ちゃん。
『突然の要請の非礼を先にお詫び致します。 ガーディアンズの美ス男様を浜辺にて見かけましたので、今回ご助力の程を御願い
致したく、火急の件につきこの様な形にて連絡を取らせて頂きました。 つきましては表記の場所までご足労お願い致します』
便箋にはメッセージカードの他に指定された場所周辺の地図が同封されていた。 差出人もガーディアンズらしく、名前の他に
ガーディアンズのIDナンバーが記入されている。
「変ねぇ。 アタシ達がぁここにいるって知ってるのも、態々同じガーディアンズなのにぃガーディアンズシステムのメールで
なく、急ぎの割りにこんな連絡方法いっていうのもおかしいわぁ」
「偶々同じくホテルか浜辺近辺にいて、私達の姿を見つけたとしても、その時点でメールを送れば済む事ですし」
「そうなのよねぇ。 ちょっと確認してみようかしらぁ」
珍しくメッセージの内容を不振に思った美ス男がガーディアンズ本部に連絡して、メッセージの差出人が実際にガーディアンズに
所属しているかを確認すると、正規の登録がある事が判明した。 照合結果によると、GMのキャス男との事だった。
「んー。 ちゃんと登録されてるわねぇ。 確かにぃこの近くにもぉ、幾つかミッションの場所はあるけどぉ。 合流するならぁ
その近くでもいいのよねぇ」
「そうですね。 どうもこのメッセージは不審な点が多過ぎます。 何よりもあのPMらしき存在と遭遇した後という点が最も
怪しいですね、タイミング的に」
「そうねぇ。 でもぉ実際にぃ普通のガーディアンズでぇ、本当に困ってるなら見捨てる訳にもいかないのよねぇ。
困ってる人を見て見ぬ振りをするのは美しくないわぁ」
「やれやれ。 そういった点は相変らず変わりませんね。 そう言う時点で行くという事ですか」
「ゴメンなさいねぇ。 結局付き合わせちゃうのよねぇ」
「マスターはそういう人ですから。 まったく」
怪しいとは思いつつも、メッセージを送ってきた人物が実在していると判明すると実在した以上本当に困っているかもしれないと、
指定の場所に行く事を決めた美ス男。 決める際の理由もお約束。 そんなご主人様に溜息を付きながらも、普段のミッション用の
PMスーツに着替えにドレッシングルームに向う440ちゃんだった。
続く
240 名前:440と変な美ス男312 第6話 美ス男が死んだ日?編前編 [sage] 投稿日:2011/10/27(木) 02:30:22.26
ID:tz3ccKfS [16/16]
新参者で御座います。
取敢えず今回は前編のみの投下となります。
今回の投下にて出した電磁式アクチュエーターの自分なりの解説などを。
このスレを見る限りPMの駆動系はアクチュエーター(伸縮するシリンダ+間接)
でシリンダを伸縮させるのに油圧を使っていると思われます。
電磁式というのはシリンダを伸縮させるのに、油圧の代わりに電磁石の反発と
引き寄せを利用したものです。 一番近い形はリニアモーターカーですか。
利点は伸縮時や伸び縮みの切り替えなどの速度が速い、電力に応じて出力が上げられ
出力の調節も容易な点でしょうか。
欠点としては電磁石のコイルが大きく重い、電力消費が激しい、作動の際には常に
電磁波が発生するなど。
実用化には小型で効率の良い電磁石のコイル、超伝導、高出力の電源、電磁波対策は
必須になるかと。
お目汚し&駄文投下失礼しました。