1 名前: 名無しオンライン 2007/01/23(火) 23:28:11.90ID:mOcS8poy
合言葉は
( ゚д゚ )<倫理的におk
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
[´・ω・`]<創作能力がしょぼいんだけど投下していいの?
(゚д゚)<倫理的におk 尋ねる暇があったら投下マジオヌヌメ
[´・ω・`]<凄く長くなったんだけどどうすればいい? あとパシリ関係ないのは?
(゚д゚)<空気嫁ば倫理的におk 分割するなりうpろだに上げるなりするんだ
[*´・ω・`]<エロネタなんだけど…
(゚д゚)<ライトエロなら倫理的におk あまりにエロエロならエロパロスレもあるよ
ファンタシースターユニバースのエロパロ ../../bbspink-sakura03_eroparo/1157/1157960314.html
[ ´;ω;`]<叩かれちゃった…
(゚д゚)<叩きも批評の一つ。それを受け止めるかどうかはおまいの自由だ
m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ するほうもそこを考えよう
[ ´・ω・`]<投稿する際に気をつけることは?
(゚д゚)<複数レスに渡る量を書きながら投稿するのはオヌヌメできない。まずはメモ帳などで書こう。
m9(゚д゚)<あとは誤字脱字のチェックはできればしておいたほうがいいぞ
[ ´・ω・`]<過去の住人の作品を読みたいんだけど
(゚д゚)<まとめサイトあるよ #http://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル 「パシリ」七体目
../../live25_ogame3/1167/1167044299.html
(゚д゚)<次スレは容量が470kを超えるか、>>800を超えた辺りから警戒しつつ立てよう。
2 名前: 名無しオンライン 2007/01/23(火) 23:28:54.77ID:Y+s9Vzr7
2です
3 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 00:14:14.15ID:rFeExL4K
誰よりも早く>>1乙
4 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 01:07:04.88ID:g+5lcZ5x
>>1
つ[乙メイト]
5 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 01:13:14.21ID:6rX7k+Jl
5番目の>>1乙
6 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 01:13:32.65ID:4paB8nrQ
>>1
つ[オツレジン]
7 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 04:20:07.97ID:ig6OnoYt
>>1
っ「オツー・エボン」
8 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 06:25:00.90ID:7ETAMSQD
,. -─―-、.
,‐'´::::::::::::::::::::::::::`‐、
\ ,.. ---―─- 、_/__
/ ,, ....... 〃'⌒ヾ:、
./' ;; ::::::::::::: ノ j, '!
| ,l /`ゝ、ノ川ノレィ''`i
. 〔Θ〕 | ○ ○.| :|
. ヽハ | // //.l l
V :| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
.ハ | |
/:::::ヽ| .|_
.〈::::::::::::|
>>1 乙 rニ-─`、
,.-─┴-、 `┬─‐ .j
/ .-─┬⊃ |二ニ イ
ヘ ニニ| |`iー"|
. \_ノ____________|rー'/
9 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水) 07:23:43.57ID:9GYovMy0
>>1乙
このスレは今やPSUの最後砦たな。
10 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水)
07:35:00.79ID:0rKYN2sy
>>9
おいおい、芸術的なSSスレを忘れてもらっては困る
それはともかく>>1乙
11 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水)
10:02:57.89ID:x3fHcxYx
_______
l:::::ヘ:l
(...ノヽハ〉
@リ;゚ ヮ゚ノi < これが完全>>1乙です!
<:::l=l:)
Cl:l___l_ヽ
レi_'ォノ
12 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水)
23:15:46.94ID:r/j9zLUX
#http://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2159.png
はじめまして。
いつもは430スレに投下してたんですが
なんかコッチ向きになってしまった気がしたのでコチラに。
お目汚しスンマソン。
13 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水)
23:29:52.08ID:tUS2oNdd
この絵大好きです
和むってレベルじゃねーぞ!
絵上手くなりたーい
14 名前: 名無しオンライン 2007/01/24(水)
23:53:37.78ID:DNASl/xX
>>12
やべぇ440カワユスwGJ!
良かったらまたこのスレにも来てやって下さいw
15 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
02:45:00.20ID:FQGGQp16
>>1
っ基板/オツカレック
>>12
1000万回保存した。
1個目の絵から大好きでしたwwwwwwwwwwww
またこのスレに来てくださいな!!!
16 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
03:01:45.34ID:Nl+LYZR8
>>12
保存しすぎてHDDパンクした。弁償としてまた顔を出すように。
べ、べつに来てほしいわけじゃないんだからねっ!勘違いしないでよねっ!
17 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
16:04:01.10ID:RukKBM1R
>>12
画像が見れないだとぅ!?
消されたかな・・・(;_;)
18 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
16:05:49.39ID:efRfjQCz
>>12
ワラタ
腹いてぇぇ
19 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
16:06:23.41ID:wYTGLITg
>>12
GJ!和んだ( ´ω`)
ツンデレかわいいよツンデレ
>>17
wiki行ってそこの臨時Uploaderからたどってみ
消されてたら無理だが( ´・ω・`)
20 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
16:42:37.04ID:75CHeS9C
>>12
見れねえ、見れねえよ。
見てええ、見てええよ。
21 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
16:44:45.13ID:0hpP0cBu
>>17
アドレスのmoemiをwwwに置き換えて見るんだ。
どうも引っ越し後の自動転送が不安定っぽい。
22 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
17:05:45.31ID:wYTGLITg
流れぶった切って投下w
もうちょっとかかりそうなメンテの間の暇潰しにでもしてくれい[´・ω・]ノ
23 名前: 炎の追憶 6 2007/01/25(木) 17:06:18.41 ID:wYTGLITg
「いらっしゃい」
重く、メタリックな扉が開き、入ってきた客に今日も老キャストが声をかける。
その言葉と共に、来店した者を迎える少しの喧騒。店は、三分の一ほどの席が埋まっているようだった。
「いつもの」
その男…紅いキャストは、いつものようにカウンター席に座り、いつものようにぶっきらぼうに注文をする。
「珍しいねえ、週に2回も来るなんて」
グラスに酒を注ぎながら老キャストが声をかける。
紅いキャストは黙ったまま注がれた酒を一口含む。
何時ものやりとりに老キャストはやれやれと肩を竦める。
その仕草を見たからというわけではないが、珍しく紅いキャストが呟いた。
「じいさん」
一言、ぽつりと呟く。
「なんだィ?」
珍しく紅いキャストのほうから声をかけられ、少し驚きつつも嬉しそうな表情を浮かべる老キャスト。
「アンタ、毎日毎日この店で酒を売り、グラスを拭いていて、どう思う」
そんな妙な問いに、老キャストの表情が怪訝なものに変わる。
「どうだろうねェ、考えたこともないな」
そう言うと、再びグラスを拭き始める。
「ま、ワシの場合、これが仕事…いやさ、日課みたいなモンだからな。疑問に感じたことは無いねェ」
そう言うと、最後にほっほっほと笑いを付け加える。
「そうか」
また一口酒を流し込む。
「なんだい? 戦うことが虚しくなった…とかそういうことかい?」
グラスを拭く手を休め、少し驚いたような表情で尋ねる老キャスト。
いつもの彼の台詞ではない台詞。そんな奇妙な一つの台詞が、彼等の日常を少しだけ歪める。
「いや、それはない。俺にとって戦いは全て。じいさんの言葉を借りるなら、戦いが日課みたいなモノだ。ただ…」
コトン。 長い台詞を区切るように、グラスとテーブルを衝突させ、鳴らす。
「ヒュ…いや、劣等種どものことだ。キャストが自立したいと言ったたからといって、
自分達の命を賭けてまで阻止するようなことなのか?
俺には解らん。俺の前に立つ奴らは、愚かな自殺志願者にしか見えんのだ」
そう言って、グラスに残った酒を一気に飲み干す。
テーブルに置かれた空のグラスから、紅いキャストの手が離れたのを見計らい、
老キャストが酒を注ぎつつ答えた。
「そりゃ、あやつらヒューマンからすれば、ワシらキャストは異質のモノじゃからなァ。
異質故に考えが解らない。異質故に理屈が解らない。だから恐怖を感じちまうんじゃないかね?」
グラスに絶妙の量を注ぎ、酒瓶が立てられる。
「それにだ、相手が自殺志願者とかなんぞ、おまえさんだから言えるのさ。
ワシら普通のキャストからすれば、あやつらヒューマンも異質のものさね。ほっほっほ」
そう笑うと、何時の間にか置かれていたメセタを取り、レジに向かう。
「……」
もう紅いキャストは何も喋らないだろう。
これが今日、この店での最後の一杯。あとは一人で呑ませてくれ。
そういう意味を含んだメセタをレジに仕舞うと、老キャストは紅いキャストから離れたところで
彼の日課…グラスを拭き始めた。
数刻の後、ふと見た紅いキャストの席には、もう彼は居なかった。
残されたグラスと酒瓶を片付け、テーブルを拭く。
「やれやれ、まだまだ戦は続きそうだねェ…」
そう呟くと、彼は増えてきた喧騒に耳を傾け始めた。
24 名前: 炎の追憶 7 2007/01/25(木) 17:07:16.41 ID:wYTGLITg
プシュー
扉が開き部屋に入ろうとする紅いキャストに、廊下のほうから唐突に声がかけられる。
「たいちょ~う、たいちょ~う!!」
鬱陶しそうに彼が声のほうを見ると、青と白のボディカラーの女性キャストが走ってくる。
「フン……」
一つ溜息をつき、面倒そうに彼女を待つ紅いキャスト。
「はぁ、はぁ、あの、ちょっといいですか?」
恐々と尋ねる。
紅いキャストからの返事は……
「入れ」
肯定だった。
「うわぁ、なーんにもないんですね……」
がらんとして、本の一冊も見つからない殺伐とした空間に呆気に取られる女性キャスト。
なんの飾り気も無いベッドに、機能性のみのテーブル。
他にあるものといえば、立てかけられている武器と工具くらいだ。
「座れ」
酒瓶と、グラスを一つテーブルに置くと、紅いキャストは椅子にどっかりと腰をおろす。
それに倣い、テーブルを挟んで反対側の椅子に腰をおろす女性キャスト。
「好きに飲め」
そう言ってグラスと酒瓶を女性キャストの前に置き直す。
「え? えっと、隊長は?」
一つしかないグラスに、不思議そうに尋ねる女性キャスト。
「俺は要らん。もう呑んできたからな。 で、何の用だ」
相変わらずぶっきらぼうな台詞に、女性キャストは少し腰が引けながらも会話を何とか繋ごうとする。
「え、えっとですね」
「なんだ」
「えっと…… こ、今度……あの……お食事を作りに来てもいい……ですか?」
想像だにしなかった台詞に呆気に取られる紅いキャスト。
つい、訝しげそうに尋ねてしまう。
「なんだと?」
本人は単なる疑問なのだが、まるで怒っているかのようだ。
「あ……え、えっと……ですね。隊長何時もプライベートではお一人みたいですし、
お食事とかちゃんと食べてらっしゃるのかな~~って…」
紅いキャストの反応に、わたわたしながら答える。
しかし、紅いキャストの反応は、ただ一言。
「要らん」
そっけない、その言葉だけだった。
そんな紅いキャストの反応に、女性キャストは無理に笑顔を作って続ける。
「え……えっと……わ、わたし、こう見えてもお料理上手いんですよ! きっとご満足頂け……」
しかし、女性キャストの言葉を、紅いキャストが途中で遮る。
「要らん。美味かろうが、不味かろうが、俺には味など感じる機能は無い。作るだけ無駄だ」
25 名前: 炎の追憶 8 2007/01/25(木) 17:07:47.84 ID:wYTGLITg
『無駄』
その言葉に悲しそうな表情を浮かべる女性キャスト。
しかし、けなげにもなんとかこの雰囲気を打破しようと、言葉を続ける。
「で、でも… お酒とか…呑んでらっしゃるみたいですし…」
「あれは単に呑んでいるだけだ。味など解らん。酔うこともできん。単に、酒を呑めば気が紛れると聞いたから、形式だけ真似ているだけだ」
それでも女性キャストは食い下がろうとする。
「じゃ、じゃあ、別の……」
「そんなことより、俺にかまっている暇があるのなら訓練をしてこい。俺に世話は無用だ。
どうせ戦闘能力以外は最低限の日常生活が行える機能しかもっていないのだからな。
今まで何も困りはしなかったし、特に必要なものもなかった。現状で十分だ」
「そ、そうですか…」
少し、震える声。
「出すぎた真似をして申し訳ありませんでした。これから訓練に向かいます」
椅子から立ち上がり、ぺこりと一礼する。
「ああ。しっかりやってこい」
「はい。では、失礼します」
いつもの明るい言葉遣いとはまるで違う、事務的な言葉。
彼女はそのまま、紅いキャストに顔を見せることなく、早足で部屋を出て行った。
部屋には、紅いキャストが一人。
「……」
ギチッ
酒瓶の蓋を開け、使われなかったグラスに酒を注ぐ。
琥珀色の液体をグラスに半分ほど入れ、一気に飲み干す。
「ふぅ……」
無意識に溜息が、零れた。
「ちッ…… せめて……酔うことだけでもできればな……」
紅いキャストはそう呟き、椅子に身体を深く預け、自らをスリープモードへと移行した。
26 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木) 17:08:53.40ID:wYTGLITg
以上。御粗末さまでした。
まだ続きそうです[´・ω・`]ゴメンポ
余談ですが、450は元気に成長中です[ ´∀`]
27 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
17:49:49.56ID:eqrQTw//
>>26
渋いな、紅キャスと老キャスといい。
そして、これからの彼女との絡みも気になってくるな。
続きwktk
28 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:33:19.90ID:WgQ/zEFv
~黒キャス子と430過去話~
27年前。
チャキッ
フィアー「動くな」
惑星パルム。
ローグス首領「………どうやってこの中に」
ラフォン草原某所。
フィアー「誘拐したキャストはどこだ…」
ローグスのアジト内部。
ローグス首領「………」
フィアー「無駄だ。外は軍が包囲している。抵抗はしない方が身のためだ」
ローグス首領「な、何故ガーディアンズと軍が…」
フィアー「お前には関係のない事だ…。早くキャスト達の居場所を吐け。さもなくば…」
ローグス首領「わ、わかった、教えるから撃たないでくれ!ここの最東端の部屋だ!」
フィアー「…警備機構はどこで管理している?」
ローグス首領「こ、この部屋の隣だ!早く銃を下ろしてくれ!」
フィアー「よし…」
バッ
ローグス首領「かっ………はっ………!」
フィアー「人を呼ばれたら厄介なんでな。少しばかり静かにしていてくれ」
ローグス首領「………っ!!!」
~~~~~~~~~~
29 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:33:49.76ID:WgQ/zEFv
フィアー「フライト、終わったぞ」
私が呼びかけると、部屋のドアから小さな影が慎重に入ってくる。
フライト「遅いわ。巡回に見つかったらどうするつもり?」
フィアー「…見つかってないだろう」
フライト「まぁいいわ。早く隣の部屋に行くわよ」
コイツはフライト。私の最愛にして唯一無二のパートナーだ。
フライト「何してるの。早くしなさい」
少し無愛想なのが玉に傷だが。
~~~~~~~~~~
フライト「これがこのアジト全体の警備機構ね」
フィアー「あー…、そうらしいな」
フライトは端末に手をかざし、意識を集中させる。
フィアー「どうだ?」
フライト「…ドアのロックは外せそうだけど、警報機の解除までとなると時間がかかるわね」
フィアー「十分だ。警報機の位置だけ教えてくれ」
フライト「OK、ここから指示する。警報機も出来るだけ解除していくわ」
フィアー「…無茶はするな」
ナデナデ
フライト「わ、分かってるわよ。さっさとキャスト達を助けに行きなさい!」
~~~~~~~~~~
30 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:35:12.65ID:WgQ/zEFv
ピピピ
フライト「待って。何かおかしいわ」
フィアー「あぁ、気付いてる」
フライト「巡回が誰もいなくなってるなんて…」
フィアー「確かにさっきまではいはずだ…」
フライト「これは………罠?」
フィアー「そうかもな。だとするとさっきの首領の情報は…」
フライト「信憑性に欠けるわ」
フィアー「だが手がかりはそれしかない」
フライト「なら行ってみるべきじゃない。………罠の可能性が出てきたっていうことは、キャスト達はもう…」
フィアー「行って確かめればいい」
フライト「………無茶は駄目よ」
フィアー「わかっている。だが私にはアレがある」
フライト「過信はダメよ」
フィアー「過信してる訳じゃない。大きな戦力なのは確かだ」
ブツッ
~~~~~~~~~~
最東端・通路。
私は少し離れた所から部屋のドアの方を覗き込む。
周囲を警戒しながらドアの前まで素早く移動し、フライトを呼び出す。
ピピピ
フィアー「この中に何があるか分かるか?」
フライト「…ダメね、そこは電子的なブロックが固すぎるわ」
フィアー「入って確かめるしかないか…」
フライト「…気をつけなさいよ」
フィアー「ああ」
プシュー
~~~~~~~~~~
31 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:37:05.35ID:WgQ/zEFv
その部屋の中は真っ暗で何も見えなかった。だが、確実に何者かの気配がする。
バッ
不意にライトがつく。
「ようこそ、フィアー君」
チャキッ
フィアー「誰だ!?」
私に話しかけてきた人物は、私から少し離れた所に立っていた。
研究者の出で立ちで、その目は何やら怪しい光を宿している。
フィアー「なっ!?」
この部屋にいたのは彼だけではなかった。
私の左右に整然と並ぶキャスト。キャストキャストキャストキャストキャストキャストキャストキャストキャストキャストキャスト…
誘拐されたのは複数体のキャストだとは聞いていたが、多すぎる。
「驚いただろう?私の可愛い実験体達だ」
フィアー「…実験?」
「そうだ、実験だ。お前がここに来た事で私の実験は最終段階に入る」
フィアー「どういう事だ?」
「ククク…、実験には成果を試す機会が付き物だろう?」
その男が言い終えた直後、一体のキャストが私の前に進み出る。
「さあ!見せてくれ!私の………」
男は両手を高く上げ、悦に入った様子でしゃべり続ける。だが、私はそんな無駄話に付き合うつもりはさらさらない。
バシュッ
男に狙いを定め、射撃。
それを見た男は驚愕………するどころか、顔を歪めて不敵な笑みを浮かべる。
ガァン
私の放ったフォトン弾は男に届く事はなかった。私の攻撃を遮ったのは一振りの小剣。
そしてそれを持つ者は………
フィアー「なっ………!!!」
そこには私がいた。
身長や体格など、厳密に言えば同じではないのかもしれないが、真っ白い髪、パーツ、肌、そして紅い目。
私のAIがフル稼働してこの状況を把握しようとする。
誘拐。キャスト。実験。私。実験。何の。私。コピー。私。元軍人。コピー。何を。戦闘。どうやって。戦闘値。上書き。…上書き!
32 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:38:58.23ID:WgQ/zEFv
フィアー「戦闘値の上書き…」
「ほう、もう気付いたのか。80年生きてなお現役か…。素晴らしい、素晴らしいぞ!」
フィアー「何故私なんだ!戦争を経験したキャストは他にもいるはずだ!」
「………偶然だよ」
フィアー「…なに?」
「そう、偶然だ。今は廃棄された野戦病院跡地からお前の戦闘値のデータが回収されてきた。
すぐに解析が進められたが、それは驚くべきものだったよ。
キャストは生まれながらには個性を持たない物だ。しかし経験によって個体差が生じるのは言うまでもない。
そのデータには戦場において10年間生き延びた経験が詰まっていた。
他のキャストが回避しようのない危機を乗り越え、他のキャストが破壊する事など不可能な相手を破壊する。
もしその経験を最初から持ったキャストを大量生産することができたら…。私は体の震えを抑える事が出来なかったよ。
私が生まれた時、既にこの星に我々ヒューマンの居場所はなかった…。コロニーに移住する事も出来ず、孤独な毎日を送って来た。
お前らにわかるか!我々をこの星から追いやったお前らにわかるのか!いや、わかるまい!!
そんな私に千載一遇のチャンスが巡って来たのだ!
ハァッ………ハァッ………ククク、ハハハ、ハァッハッハッハッハッハッハ!!!
既に私の同志がキャストの大量生産に着手している!
私達がお前らの積み上げて来た物を粉々に打ち砕く日も、そう遠くはないぞ!!
ハァッハッハッハッハッハッハ!!!!」
フィアー「………………」
「ガハッ………ゲホッ………。ククク、今日はお前に礼がしたくてここまで来てもらったのだ」
フィアー「礼…だと?」
「そうだ。お前の戦闘値がなければ私はここまで来ることが出来ず、くすぶり続けていただろう」
ザッ
周囲のキャスト達が一斉にそれぞれの得物を構える。
「今日ここで最大限の礼を受け取って、死ぬがいい」
その瞬間、私が目にしたのは襲いくるキャスト達と下媚た笑みを浮かべる男。
そして、静かに私を見据える紅い瞳。
~続く~
33 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木)
20:39:49.63ID:WgQ/zEFv
納得できない部分もあると思うけどこういう妄想もありかな、と思ってくれれば嬉しい
ご理解とご協力を(ry
噂のデバイスでパシリの性格や戦闘スタイルが変わると言うので、キャストも同じことが出来るのかなぁと考えてみたり
でもキャストのAIはマシーナリーのより複雑だって言うし、今回の話は正直妄想
某潜入アクションゲームの影響も受けすぎた事だし、ちょっと反省してくる
黒キャス子関係ないと思うかも知れませんが、実は登場してます。そういうことです。
「後半パシリが放置な件」とか言われたら逃げるしかない
34 名前: 在りし日の(1/8) 2007/01/25(木) 21:03:37.96 ID:1/S0Z1MJ
「終わってしまいました。」
パルムのヒューマンとニューマンの紛争が、ニューディズのヒューマンとニューマンに
飛び火、ヒューマンが資源確保のためモトゥブへ侵攻した事で惑星間戦争へ発展し
500年間続いた戦争はタルカス三惑星同盟締結により終焉を迎えた。
「これからどうすればいいのでしょうか?」
ニューディズはこの同盟によりニューマンの居留惑星として制定され
パルム、モトゥブとの相互不可侵の協約を調停した。
また事実上の勝者が存在しない戦争終結は、三惑星全てに軍備縮小を求めた。
これにより職を奪われた多くの(元)軍人達が野に放たれたのであった。
「それなんだが、ちょっとした当てがあるんだ。行くとこが無いのなら付き合うか?」
退役の手続きを終えパルムの同盟軍(旧パルム軍)ゲートを後にした男女2人のキャスト。
そして何処へとも無く立ち去る。
パルムの学術都市ローゼノム・シティの一角、学者向けの資材器具を扱う店から
日々の日常品扱う店まで揃ったちょっとした規模の商店街。
その中でシャッターの閉まった店の通用口から中に入る先程のキャスト達。
「ここがその“当て”なのですか?」
店舗部分を通過して倉庫の方へ入り照明を点けるキャス男。
「いや、ここには荷物を取りに来ただけさ。」
そう言いながら、最近搬入されたのであろうか真新しいシートの掛けられた
コンテナを開いた。
「これは・・・・・私の・・・。」
コンテナの中には、調整用だろうか整備用だろうかのいくつか機材に接続された
♂♀2体の軍用キャストが納められていた。
「ここは俺の店さ。軍から横流しした物資を学者連中に売って小銭を稼いでたんだが」
「ドンパチが終わったんならそうもいかん・・・別の商売も考えんといかんなぁ」
「これは退役で交換した俺達の機体を廃棄ルートに乗せてここに持ち込んだって訳だ。」
キャストの人権宣言以降キャストにも職業選択の自由が認められた。
が、依然としてキャストが用途別(軍用、民生用、作業用、etc)に製造されている事も
事実でキャストが転職を求める場合転職先に応じた機体と交換する事が認められている。
通常、旧機体の整備、システムデータのバックアップ、新機体への移設は数時間で
済むのだが、軍備縮小により退役するキャストが大量にあったため
2人の民生機移設には、システムバックアップから10日ほど経過していた。
35 名前: 在りし日の(2/8) 2007/01/25(木) 21:04:29.32ID:1/S0Z1MJ
コンテナ内の機体に接続した機材をいくつか操作したキャス男は
「ちょっと腕を動かしてみ。」
右腕を上げるキャス子。キャス子とまったく同じ動きで腕を上げる♀型軍用機。
「エ?」 困惑の表情を見せる。
「こいつらのシステムはまだ生きている。それと俺達とのリンクもそのままだ。」
「いつでもこいつらを動かす事が出来る。俺が取りに来た荷物はこれさ。」
♂型軍用機に自分と同じ動きをさせるキャス男。
「パルムの軌道上にドンパチで住めなくなって廃棄されたコロニーがあってな」
「そいつに軍縮で遺棄扱いになった戦艦を繋いで復旧させたそうだ。」
「そこに、軍からあぶれた軍人集めて収容する。ガーディアンズとか言ってたな。」
「表向き雇用確保の公共事業で、元軍人を集めた便利屋みたいなもんだが、」
「同盟の条件でここはパルムにもニューデイズにもモトゥブにも属してない。」
「軍人崩れが集まる無法地帯 それがどんな場所だかお前にも判るだろ?」
まだ♀型軍用機を動かし続けているキャス子。
「どうしてこんな事を?これから私はただ平和に暮らしていければ十分なのに。」
「おまえにその気が無いならそいつを学者にでも売って俺の小遣いにするだけさ。」
「それは困ります。」
「だろうな、おまえにはその機体が必要な筈だ。」
「このまま売られるのが困ります。 せめてスクラップにしてから売ってください。」
キャス子の話を聞いていないキャス男。
「なんならおまえの元の機体を手に入れてもいい。」
「異星の技術研究用でローゼノムに持ち込まれたのを学者がまだ保管してる。」
「学者連中には色々と無理を聞いてやったコネもあるしな。」
「エ?」
「そう不思議そうな顔はするな。一応情報も扱う商売だ。調べられるものは調べたさ。」
「それにだ、同じ部隊に居た俺にはおまえは死にたがりの所がある様に見える。」
「おまえを放っておいたら何しでかすかわからん。」
「あの・・・。」
「独りで行くつもりだったんなら黙って俺に付いて来い。」
「そうじゃないなら、オマエが無理出来ないようにその機体は売る。」
36 名前: 在りし日の(3/8) 2007/01/25(木) 21:05:12.49ID:1/S0Z1MJ
直径6km全長20kmの密閉型のブロックを縦に2つ並べた円筒型コロニー。
2つの円筒ブロックの内1つは半分以上が損壊しコロニーとしての機能は完全に失い
もう1つは破損部分を修復した上で、2ブロック構成の1ブロックを失った事による
動力の不足を数隻の遺棄戦艦(書類上は破損後戦場に放置された艦になっている)で
補う事で辛うじてコロニーの機能を維持しているここに、三惑星から約80万人の
終戦難民である元軍人達が隔離収容されていた。
「どうだい。誰の差し金かは知らんがあそこに宇宙軍規模の武器と兵隊が居るんだぜ」
「コロニーに係留してる戦艦なんざ現役バリバリの代物だ。」
「それが目的なら必ず失敗します。」
「どーしてだい? へたすりゃ軍縮で弱りきったどの星の軍隊よりも強力かもしれん」
「また戦争が起きたとして、それが数の論理で勝てるなら苦労はしません。」
「そんなもんかね? 俺の所にはきな臭い情報しか入ってこないんだが。」
コロニーへ向かうPPTの中ではそんな和気藹々とした会話が繰り広げられていた。
タルカス三惑星同盟により三惑星何れにも属さないコロニーが戦艦と兵士を集め
ガーディアンズと呼ばれる事は実に皮肉な事である・・・・・が。
後にここがガーディアンズコロニーと呼ばれる時代になってもそういう軍事行動の類が
起きたと言う記録は残されていない。
コロニー内を目的地に向かってエレベータで移動するキャスト2人
コロニー内部は80万人を収容するために通常は最外周のみに存在する居住エリアが
コロニーを多層構造に改修しそれぞれの層に設けられていた。
「内側の層と外側の層で重力のかかり方が変わります。不便ではないでしょうか?」
「ここの改修を考えた奴は、住民を数多く押し込む方法しか考えてないようだな」
外側に向かって階層を抜けながら移動するエレベータ。新しい階層に移るたびに
ガーディアンズ募集のキャンペーンが繰り返し現れる。
『ガーディアンズは未来への希望です。』
「不思議な光景ですね。ここの住民はみんなガーディアンズではないのですか?」
「いや、ガーディアンズはライセンス制でライセンスを持ってないのが殆どだとさ。」
「平和ですね」
「いったい何が平和なんだ?????」
エレベータは0.2~0.3Gが掛かった中途半端な階層に止まる。
「どうやら付いたようだ。」
今までの多層構造とは違った開けた空間、ただ照明が少なく全体的に薄暗い。
「ここはコロニー構造上の干渉エリアで厳密な意味では居住エリアではありません。」
暗がりの中からモーニング姿のヒューマンが現れる。
「ようこそガーディアンズコロニーへ。」
37 名前: 在りし日の(4/8) 2007/01/25(木) 21:05:57.67ID:1/S0Z1MJ
「ガーディアンズコロニーだぁ?」素っ頓狂な声を上げるキャス男。
「たしかもっと別の名前が候補に上がってたと思ったが?」
「そうですね。上の方ではより威厳ある名前や、我々に相応しい名前を候補に」
「考えている様ですが、民衆には単純で判り易い名前が支持されるものです。」
「つまりあんたらは勝手に“ガーディアンズコロニー”と呼んでるわけか。」
「勝手ではなくそれが民意と言うものです。 そちらの女性は?」
「俺のタッグパートナーだ。荷物は届いてるんだろ? 判ってるもんだと思ったが」
「ええ、念のためにです。」
「申し遅れました。私があなた方のマッチメーカーの・・・・」
「いや、名乗らない方がお互いのためでしょう。」
「あなた方のリングネームは死神と・・・・・。」
「黒きゴキブリ。」ヒューマンを睨み付けるキャス子。
「そう・・・でしたね。ですがそんな怖い顔で睨まないで下さい。」
「私達の戦争は10年も前に終わっています。」
タルカス三惑星同盟の10年前キャストがパルム政権掌握した時に
パルム軍から全てのヒューマン兵は追放されグラール史の表に出る事のない
ヒューマンとキャストの確執によるパルム内戦は幕を閉じた。
「あれから10年。パルムを追われたヒューマン兵士の安住の地を求めて」
「長い様で短い10年でした。やっとここが人の住める場所に整備できたと言うのに」
「・・・・いや、愚痴を零すのは止めにしましょう。」
「マッチですが、基本的に何でもありです。相手を行動不能にする事が勝利条件です。」
「ただし、相手を殺してしまうとポイントが減点されます。」
「“殺すな”とは随分と御優しい裏社会の闇バトルだな。」
「戦争で500年も殺し続けて来たのです。ギャラリーは殺し合いに飽きています。」
「今は清清しい勝負の方がギャラリーの受けがいい様です。」
「まぁ、上は殺伐とした殺し合いを望んでいるようですが・・・・。」
「それとあなたのリニアカノンは使用禁止とさせていただきます。」
「ちょっと待て、それはいったいどう言う事だ?」
「まずリニアカノンは威力がありすぎると言うこと。」
「もう1つは・・・・客席と闘技場をシールドラインで隔てている以上」
「フォトンに干渉されない(シールドラインで防げない)武器は使用禁止です。」
「・・・・代わりの武器なんて持ってないぞ、どうすりゃいいんだ?」
「素手で十分でしょう。現役の頃はそれで随分と泣かされました。」
「シングルならそれでもいいが、タッグとなると・・・なぁ、適当な武器は無いか?」
38 名前: 在りし日の(5/8) 2007/01/25(木) 21:07:06.08ID:1/S0Z1MJ
「仕方ありませんね。どの様な武器が御所望ですか?」
「そうだな、支援砲撃の出来る実弾銃が欲しい。」
「これはまた難しい注文を・・・・。」
「普通の武器なら俺だって持ってる。でもそれじゃこいつの後方支援は出来ん。」
胸の内ポケットから端末を取り出したモーニングヒューマンは武器リストを示す。
「これあたりならどうですか?」
「Nug2000・・・異星の武器か・・・・。」
「そういやあんたは元パルム軍のヒューマンで上級士官だったか・・・・」
「異星の傭兵団を呼ぶくらいだ。武器の持ち込みルートぐらい持ってるって事か・・・」
「お互い細かい詮索は止しましょう。Nugでよろしいですか?」
「ああ、Nugなら問題ない。」
「では、30分後にマッチをやっていただきます。」
「Nugは他の荷物と一緒に控え室へ届けます。」
「30分後って、いくららなんでも時間が無さ過ぎる。こっちの事情も考えてくれ!」
「御二方に御二方の都合がある様に、私に私の都合があります。」
そう言いながら、モーニングヒューマンは現れた暗がりの中に消えていった。
「あまり時間がありません。準備を急ぎましょう。」
「おい、いいのか? あいつの事嫌っていたみたいだっだが。」
「昔は敵でしたが・・・・。 悪い人ではない気がします。」
「ああ、信用していい奴だって事は俺が保証する。」
39 名前: 在りし日の(6/8) 2007/01/25(木) 21:07:59.71ID:1/S0Z1MJ
コロニー干渉エリアに設立された真新しい闘技場。
そこに引き出された♂♀2体の軍用キャスト。闘技場の周囲を埋め尽くす観客の怒号。
闘技場の中にせり上がって来る障害物の数々・・・・・。
そして、闘技場に巨大スクリーンに表示された対戦カードのポスター。
一方はチャンピオンらしきビーストとニューマン、もう一方のチャレンジャー側は
黒く塗りつぶされたシルエットのみ。
ピッ♂♀のキャスト間で無線が入る。
『対戦ポスター 酷いものですね。』
『まぁな、俺たちは連勝チャンプ用のかませ犬って事か。』
『裏切られましたか?』
『いや、事前チェックしたNugは本物だった。』
『私もそう思います。』
『・・・何を“そう思う”んだ?』
チャンピオン側の奈落が上がり、ポスターに描かれたビーストとニューマンが現れる。
『チャンピオンのポスター リングネーム脇の数字は何でしょうか?』
『・・・何かの番号みたいだな。』
『数字なのですから当然です。』
『そうだな。』
チャンピオンのリングネームとガーディアンズのライセンスNo.がコールされる。
「ガーディアンズは未来への希望です。」
コロニーのあちこちで見かけた文句が対戦ポスターの下側にテロップで表示される。
『あの数字チャンピオンのライセンスNo.でしたか。』
『やらせ負け試合にしても・・・・露骨すぎるよな。』
チャンピオンが対戦位置に付き試合開始のブザーが闘技場に鳴り響く。
同時に♂♀のキャスト間の無線にノイズが入る。
『・・・・§Θ♪・・Δ∬〒・・ω‡♀★◎・・』
「ちっ無線封鎖かい・・・やる事がいちいち持って姑息だな。」
前衛のビーストが同じく前衛の♀キャストにツインダガーで切りかかる。
クルクルクルクルクルゥ~~♪
♀キャストはスラスターを横に噴かして回転中のビーストの側面から背後に回りこむ。
僅かに掠めたビーストのダガーが♀キャストの装甲に大きな切れ目をつける。
「ちっ」斬った手ごたえを感じたが♀キャストが倒れない事に舌打ちをするビースト。
「シールドラインが効いてないね。フォトン無効化武器は使用禁止じゃなかったか?」
「こっちも軍用装甲でフォトンの減速材やら分散材やら積層してるから同類だが」
回転の止まったビーストを後方からスラスターを噴かして蹴り飛ばす♀キャスト。
「まぁ、武器を使わせない様にインファイトに持ち込めば装甲がある分こっちが有利。」
「にしても障害物が多すぎて支援砲撃ができんなぁ」
「まぁ、これも向こうのニューマンも同じだもんな・・・・・。暇だ。」
40 名前: 在りし日の(7/8) 2007/01/25(木) 21:08:51.84ID:1/S0Z1MJ
♀キャストは蹴り飛ばしたビーストの右腕を巨大な機械爪のファルクローで掴んで
持ち上げる。ビーストを宙に浮かし、その右腕を切り落とさんばかりに
3本の機械爪が締め上げる。
その光景に客席からブーイングが上がる。
「ほらみろ、チャンピオンを勝たせるやらせ試合なんだから適当に負けて帰って来い。」
「向こうさんにも人生ってもんがあるんだから腕切り落としたりするんじゃないぞ。」
闘技場客席の一段上、スタッフブースから観戦するモーニングヒューマン。
「ギャラリーが求めているものは単純な勝利ではないのですよ。」
ゴゴゴゴと唸りを上げ、闘技場中央よりチャンピオン側の障害物が下がり始める。
視界が開けたニューマンの法撃が♀キャストに始まると客席のブーイングが一段と
大きくなる。
♀キャストはビーストの腕を放し、挑戦者側の障害物に隠れてニューマンの法撃を凌ぐ。
体制を立て直したビーストが♀キャストににじり寄る。
また、声が高まる客席のブーイング。
「ん?客はチャンピオンを勝たせたいんじゃないのか?」
モーニングヒューマンの言葉がふと♂キャストの脳裏によぎる。
『今は清清しい勝負の方がギャラリーの受けがいい様です。』
Nugのスコープ越しに♀キャストのマーカーがオレンジとグリーンの点滅を繰り返す。
「何が言いたい?」
そして、スラスターを噴かして障害物の上に飛び上がる♀キャスト。
慌てて杖をハンドガンに持ち返るニューマン。
♀キャストはスラスターを噴かして宙に浮いたままファルクローでビーストを
壁側に殴り飛ばす。
縦横無尽に飛び回る♀キャストにニューマンのハンドガンは当たることなく
ビーストとニューマンをチャンピオン側の壁際に追い詰める。
スコープ越しに♀キャストのマーカーが点滅からグリーンの点灯に変わる。
「目標確保か・・・ つまりここから闘技場のシールドラインを撃てって事かい。」
♀キャストのグリーンマーカーに向かってNugを撃つ♂キャスト。
障害物に遮られた♂キャストの姿はチャンピオン側からは見えない。
スラスターを噴かして回避運動に入る♀キャスト。
チャンピオン頭上のシールドラインに着弾して爆発するNugの砲弾。
範囲攻撃のNugの直撃を食らうチャンピオン。
ブーイングが怒涛の歓声に変わる客席。
スタッフブースのモーニングヒューマン。
「良くぞやってくれました。」
41 名前: 在りし日の(8/8) 2007/01/25(木) 21:10:05.84ID:1/S0Z1MJ
埃が積もり荒れ果てた闘技場に車椅子に乗った年老いたヒューマンとその車椅子を押す
30代前後のヒューマンと女キャスト。
「ここももう閉鎖されてしまいましたね。」
年老いたヒューマンがゆっくりと目を開ける。
「あなたは・・・いつまでもお美しい。」
「キャストの寿命は長いですから。」
「本当にありがとうございました。 おかげで戦争を起こさずにすみました。」
ガーディアンズ籍のチャンピオンが敗れた事でコロニーは本格的な無法時代に突入し
再びガーディアンズの統治体制が整うまで50年程が経過していた。
戦艦も退役軍人も既に過去の遺物と成り果てていた。
「御二人はこれからどうなさいます。」
若いヒューマンが
「俺はモトゥブに行ってみようと思う。物事は表だけでも裏だけでも駄目だって事を」
「あんたに教えてもらった、だからモトゥブでローグス相手に腕と商売を磨いてくる。」
「そうですか・・・・あなたは?」
「私は・・・・・。」
「私はあなたが羨ましい。私があなたなら失意の内に寿命が尽きた事でしょう。」
「あなたはまだ生きていられる。生きていればきっといい事もありますよ。」
年老いたヒューマンはゆっくりと目を閉じる。
「御二人ともそろそろ行って下さい。当局に見付かるとやっかいです。」
「私の死に場所はここと決めていました。あの日パルムを追われた仲間たちと築いた」
「大佐もっと良く見てくれよ。これあんたの若い時の姿なんだぜ。」
「誰もあんたの事を覚えていなくても、俺達は絶対に忘れない。」
その場を立ち去るヒューマンと女キャスト、そして年老いたヒューマンは・・・。
「間違っていますよ・・・・・私の最終・・・は・・・中佐です。」
「破壊工作専門の 狙撃部隊を いつまで経っても だから 降格 しまいました。」
「そうだ・・・もし・・・なにもやりたい事が・・・ないのでしたら・・・・」
「ほとぼりが 冷めて・・・ガーディアンズを みませんか? あなたの」
「求める・・・・に・・・一歩 近づけるのでは ませんか?」
黒いスカートとオレンジ色のワインポイントが入ったスラスターのガーディアンズ
キャス子にPM GH101が支給された。
「私の名前を決めてください。」
42 名前: 名無しオンライン 2007/01/25(木) 21:10:41.21ID:1/S0Z1MJ
店長とボケ主人の過去編でした。(過去編ブームみたいなので・・・てへ)
450d「パシリが出ていないのですが・・・・・・。」
450c「うち・・・台詞一個だけ・・・・・・・・。」
何気に疲れた。
43 名前: 小ビス子と430 喧嘩をする<後編1>2007/01/25(木)
23:38:17.32 ID:QpALwB3b
■前回までのあらすじ
めでたくLv20に(ようやく)なった小ビス子。
ビーストとして一人前と認められる為にブラストバッチを入れることを430に話すが、
「珠の肌に入れ墨(モンモン)が入るなんて許せない」と大反発。
ついには喧嘩になってしまい、小ビス子はマイルームを飛び出してしまう。
主人にべったりPMにべったりの二人が別々に過ごす雪の夜。
430は黒キャス子に飲みに誘われ、小ビス子は町で450連れの箱と出会う。
自分の言いなりになるのが理想のご主人様なのか?
あの温厚な小ビス子と「喧嘩が出来る」ということは、どういうことか?
黒キャス子にそれを諭されて反省する430。
…そしてその頃、小ビス子は…。
・view 小ビス子 ガーディアンズコロニー3F
「はぅ、はぅ、ひっく、ずるずるずる…、はうっく」
「な、泣き止んでから食べるか、食べてから泣いた方がいいと思うんだ…」
困った顔で見下ろしてくる箱さんにこくこく頷いて…、
私はやっぱり泣いたまま、ご馳走してくれたコルトバヌードルを啜ります。
「私はその430が一方的に悪いと思います。主人の意向がPMの意向。
明確な理由も告げずに主人の行いを阻止しようとするなど、あってはならないことです」
「…450も時々僕の意向とか関係無しに色々してる気がするんだけど…」
「気のせいです」
ショップテナントの並ぶ通りの片隅のベンチ。
私たちはそこに三人並んでコルトバヌードルを食べています。…ずるずる。
箱さんは見た目すごく大きくてびっくりしましたが、とても優しい人でした。
450さんは時々箱さんに容赦がありませんが、やっぱり優しい人でした。
見ず知らずの私を、わざわざ慰めてくれるのですから。
…私は、ぽつぽつと、今日あった出来事をお二人に話していました。
「430は悪くないのです。きっと私が何か悪いことしてしまったのです…。はぅ。
ずっとそうなのです。430はPMとしてとても立派な子なのです。
お料理もお洗濯もとても上手で、戦うのだって上手なのです。
私みたいな、『耳がふさふさしたニューマン』呼ばわりされるような、
落ちこぼれのビーストではないのです…」
ぽちょん。こぼれた涙がコルトバヌードルのカップの中に落ちる。
「ひぅ、だから…、いちにんまえのびーすとになりたいのです…、はぅ、
なのぶらすと出来れば、いちにんまえになれると思うのです…、ひっく!」
駄目です…、喋ってると、また泣きたくなってしまいます…。
私は落ちこぼれ。訓練校だってギリギリの成績でしか卒業出来ませんでした。
ミッションだって失敗ばかりです。…同期の人たちの中には、もう教官職に
就いている人だっています。
私は強くなりたくてガーディアンズ訓練校に入ったのです。
びくびくおどおどしている自分を変えたくてこの職に就いたのです。
たくさんたくさんの人を助けたくて、家族のいる家から出てきたのです。
「…はぅ、でも、私は何をしているのでしょうか…、はぅう…」
頭がすごく重くなって、私はただ、俯いてしまいます。
私は、何か、たった一つでも変わることが出来たのでしょうか?
44 名前: 小ビス子と430 喧嘩をする<後編2>2007/01/25(木) 23:38:44.79 ID:QpALwB3b
「一人前かぁ」
ぽつりと、箱さんが言いました。
「僕はビーストじゃないからナノブラストは知らないけれど、
それが出来たら一人前なのかなぁ?」
「はぅ…?」
「認定レベルが20になることも、ブラストバッチを入れることも、
形としてだけの証明な気がするよ」
見上げると、箱さんはコルトバヌードルのカップを持ったまま、
小首を傾げるようにしてコロニーの天井を見ていました。
「ナノブラスト出来たら一人前、ってなんだか簡単過ぎる気がしない?
…まぁ、僕だって半人前以下だし、偉そうなこと言えないけどね」
「たまには良いこと言いますね」
ちょっと呆れたように450さんは笑って、ベンチから降りると、
私の目の前に立って、言います。
「屈強であること。くじけないこと。助けた人の数。クリアしたミッションの数。
それらは確かに「強さ」の証明かも知れませんが、
…人はそれだけで計れるものではないでしょう」
にっこりと微笑んで、450さんは両手でカップを握る私の手のひらに、
そっと自分の手のひらを重ねて下さいます。
「貴方はとても優しい。たかだかPMと喧嘩をしたことを、こんなに後悔して、
こんな顔になるまで泣いて。
同じPMだからわかります。貴方の430は、きっと貴方に幸せにしてもらってる。
それは貴方の「強さ」の一つです。…胸を張って良いことです」
ぽろぽろと、私の目からまた涙が溢れてくる。そんなこと…言われたことありませんでした。
私は430に迷惑ばかり掛けていると思っています。申し訳なく思っています。
でもこの450さんは…、そうではないと、言ってくださいます…。
「ちなみに言うと、僕は君の430の言うことも少ぉしわかるかな」
私と450さんとで、箱さんを見る。箱さんは小さく笑って、自分を指さして。
「僕はこんな大きな図体だからね。君にも最初びっくりされた。
僕も君と同じように気が小さいから、びっくりされるとちょっとショック」
「はう…! そうとは知らず、ごめんなさいなのです!」
箱さんは、いいんだよ、と気楽そうに手を振って。
「ブラストバッチって入れ墨だよね。
偏見だけど、体の大きな強そうなビーストさんの腕にあるイメージがあって、
僕はちょっとだけあれが怖い。『怖い人かも』って身構えてしまう」
「それは多少ありますね。悪い風習では、あのようなタトゥはアウトローの
証明のようなものですから」
…それは、知りませんでした…。
そんな風に見る人もいるのですか…。気付いていませんでした…。
「僕の大きな体も、ブラストバッチも、人によっては怖くみられてしまうことだってあるんだよ。
何て言うかね、君は可愛いから。他の人にそう見られたくないって、
君の430はそう思ったのかも知れないね」
「は、はぅはぅはうはぅはぅううう!?」
かぁああっ! と顔が熱くなってしまいます!
か、かわいいなんて、言われたことなかったのです…!
ビーストの皆さんからは「頼りなさそうだ」としか…!
ふと、私の目の前で、たはぁっ、と450さんが心底疲れたようなため息を吐きます。
「…どーして、その洞察力を私に向けてはくれないのでしょうか…」
箱さんには聞こえないようでした。私はわからなくなって首を傾げてしまいます。
「まぁ…、ご主人様がそう仰られるのも一理あるとは思います」
こほんっ、と場をごまかすように咳払いをして、
「けれどもそれはまた他人の視点です。…貴方がそれを本当に必要だと思うのなら、
時には反対する意見とぶつかる覚悟を持つべきでしょうね。
それが出来れば、貴方の「強さ」は、一つ増えることになるのですよ」
45 名前: 小ビス子と430 喧嘩をする<後編3>2007/01/25(木)
23:39:13.55 ID:QpALwB3b
やがて…、大きな体と小さな体を隣り合わせ、箱さんと450さんは
コロニーの人混みに混じっていきます。
とても優しい人たちでした。
あれ…? なんだかちょっとした口喧嘩になったみたいです。
450さんが杖で箱さんの頭をぽこぽこ叩いているように見えますけれど…。
でも、なんだかとても幸せそう。
私はその二人の背中を、見えなくなるまでずっと見送っていました。
今更のように…、430に会いたいなぁ、って、思いながら。
・view 430 ガーディアンズコロニー3F
「ご主人様!」
ぼぅっと、通りの人混みを見詰めているご主人様の背中を見付けて、私は声を上げた。
黒いキャストに諭されて…、私はずっとコロニーの中を走り回っていた。
酔いなんかすっかり冷めた。ただただ、謝りたくて仕方がなかった…。
「…はぅ」
聞こえたんだろう。ご主人様は、少し、振り向くのを怖がるように、ゆっくりと
私の方を振り返って…。
がば、とご主人様の胸に飛び込んで、私は、ぼろぼろと大泣きした。
たった数時間。本でも読んでいればあっという間に過ぎてしまう、そんな程度。
でもそれだけの時間に、冷静になった私は、身を引き裂かれるような痛みを味わった。
馬鹿すぎた。…幸せな時間に慣れすぎて、見失ってしまっていた。
私はこの、度が過ぎるくらい優しいご主人様の為だけに生きようって、
そして願わくば、この人にとって「特別」になることが出来たならって、
それだけを望んで、この人に仕えているんだった。
「…あの」
ぎゅうって、ご主人様は小さな腕でそんな私を抱きしめてくれて、
「私…、その、人と喧嘩したことが、ないのです…」
ものすごく、困ったように…、
「だからその…、仲直りの方法って…、わからないのですが…、その…」
ああ…、あはは、うん、…あはは。
私は思わず、ご主人様の胸に顔を埋めたまま、ちょっとだけ笑ってしまう。
そうだ、この人が私のご主人様。…こういう、人なんだ…。
「430には一緒にいて欲しいのです…。離れているのは寂しいのです…。
仲直りしたいのです…。430は…、してくれますか…?」
私はただ、こくこくと何度も頷いて…、ご主人様にしがみついて、
私たちは、通りの人たちに何事かと視線を向けられながら、
随分長いこと、…泣いていた。
46 名前: 小ビス子と430 喧嘩をする<END>2007/01/25(木) 23:40:58.05 ID:QpALwB3b
「わわわわわわ、はぅ!」
最近なんとか形なってきた太刀筋で、ご主人様がヴァーラを撃退する。
すっきりと晴れ渡ったパルムの平原。
「…あ、ご主人様、そろそろよろしいかと」
センサーを掛けていた視界を通常視認に切り替え、私はご主人様に告げる。
ご主人様のブラストゲージはもう十分だ。
「は、はぅ! じゃあ、やってみます!」
あれから…、私たちはお互いの悪かったところをちゃんと話し合った。
私は、ろくな理由も述べずにご主人様の意見を遮ってしまったこと。
ご主人様は、意見がぶつかるのが怖くてマイルームから逃げ出してしまったこと。
そして、お互いにごめんなさい。
ご主人様の右腕には、小さなブラストバッチが掘られている。
出来るだけ小さく出来るだけ目立たないように。それが、エステルームでご主人様が
受付の人に言った「条件」だった。
普段は服で隠れて他人が目にすることはない。
だからそれがあるのを知っているのは、ご主人様と私だけだ。
…小さな秘密を共有しているみたいで、ちょっとどきどきする。
それになにより…、
「知ってる? ブラストバッチを入れた皮膚ってね?」
飲み屋で、別れ際に黒いキャストはにやにや笑いながら言った。
「すんごい敏感になんのよ? 攻め場所が一つ増えたと思えばいーんじゃない?」
そ れ を は や く い え
…たまんねぇ…。時が来たら指でなぞって舌で舐ってさんざん責め立てよう…。
どんな反応するかなぁ…、どんな声で鳴くかなぁ…、ふ、ふふふ、うふふふふ。
ぼとぼとぼとぼと。
緑鮮やかなパルム平原にどす黒いオイルの水たまりが出来ていく…。
「なのぶらすとー!」
高い空に響き渡る、どこか間の抜けた、暖かい声。
「…」
私たちは沈黙する。
心なしか向こうのディストバも呆然としているように見える。
「…は、はぅ!?」
ご主人様は広げた両手をきょときょとと見下ろして、
「430! なのぶらすとできていませんです!」
「い、いえ、あの、叫んだだけでは、どうにも…」
ブラストゲージは満タンだ。問題ない。ブラストバッチだって間違いなくある。
「どうしたらいいのでしょう!?」
あ…、と、私は不意にその原因に気が付いた…。
「その、つまりですね、ご主人様、要はキレて貰わないと…」
ナノブラストとは、遺伝子の奥に潜む凶暴性を具現化する技だ。
その引き金とは、怒り。
「キレるってなんですか!? はう!?」
私には卵を割るより簡単なことですが…、
ひょっとしたら、ご主人様には果てしなく難しいことでは…、
「怒ってください! ご主人様!」
「そんな! はぅ! 理由もないのに怒れませんです!」
「ほ、ほら! 向こうのディストバが怒って向かってきています!
ご主人様も怒らないと!」
「あくびしてるですよー!?」
パルムの空は至って平和。
私たちも至って平和。
…ご主人様がナノブラストするのは、果たしていつになるのやら。
47 名前: 小ビス子と430 喧嘩をする<END>2007/01/25(木)
23:44:47.66 ID:QpALwB3b
今更ながら失礼します…。とうとう「七体目」は一度も書き込み出来ずに終わってしまいました…。
なかなか書く時間が取れずに気が付けば一ヶ月経過。待っていた下さった方には申し訳ありません><
箱作家様、箱と450をお借りしました。
本当は箱と小ビス子と「おちこぼれ」としての共通の意識をもうちょっと押し出すつもりだったのですが、
書き切れませんでした、無念…。
書こうと思っていた小ビス子のお正月帰省ネタ、時期的に書けなくなってしまった…orz
48 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
00:20:48.78ID:B+PD3/NQ
>>47
おー、お久しぶり。続きwktkしてたぜー
箱も人様を諭させてもらえるようになったか…嬉しいものだ(ノ∀`)
そしてオチにワロタw こうくるとはおもわなかったwwwGJ!
んで
>450さんが杖で箱さんの頭をぽこぽこ叩いている
箱「うーん」
450「どうしました?」
箱「いやあ、さっきのビーストの子、可愛かったよね~って思って」
450「(ムッ) …珍しいですね、相手が女性なのに」
箱「んー、そうだねえ。なんでだろ?ちゃんと普通に喋れたし」
450(ま、まさか…)
箱「でもさー、あの子のパシリ…430だっけ? きっとその子も優しいんだろうなあ…」
450(まさかまさか…!!)
箱「一度会ってみたいよねえ。きっとすっごく優しくていいパシリなんだよ、きっと」
箱「ねえ、今度ダンゴモチ持って遊びにいこうか?」
450「……(ジロ)」
箱「ん?なに?」
450「……あーゆー女性(ひと)がお好きなんですか?」
箱「えぁ!? あ、いや、あの、その、別にそういうわけじゃ!」
450「…じゃあどういうことですか?」
箱「ど、どういうって、あのーそのー」
450「(ボソッ)浮気者…」
箱「え? 何?」
450「なんでもありません!」
箱「なんで怒ってんの…」
450「怒ってませんっ!(バキッ)」
箱「いで」
450「怒ってません!全然怒ってませんっ!!(バキボコメコ)」
箱「い、いたい!いたいってばあ!!」
450「全然ちっとも微塵もこれっぽっちも怒ってませーーーーん!!(ドゴベキドスベチバゴ)
なんてなことを妄想してしまった件w
49 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
00:27:50.11ID:B+PD3/NQ
↑が妄想で長くなったので分割w
>>28
ローグスってえらく昔からあったんだなあ
殆ど世界設定知らないわwww
続きwktk
>>34
上記のように世界設定がよくわからないので
戦争とかそんなに長かったんだ…とか、スラスターなんてついてたんだ…とか思ってしまった件('A`)
なんか無知すぎて恥ずかしい( ノノ)
50 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
01:41:31.42ID:83s//qJS
>>19,21
有難う!見れました~^^
これはいい、最高だ
51 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
01:44:39.75ID:bVssVqhS
なんかかなり増えてるなぁ、正月の忙しい時期抜けたからみんなぽろぽろ戻り始めたんかな
>>12
かわえぇ・・・w
こういう440も結構新鮮な気がするw
>>23
ブラッドリィは箱と違って常に渋いなぁ、他のキャラもいい味出してるし・・・w
ところでキャストも酒に強い弱いがあったりするんだろうか
てか個体差は誰が決めてんだろ・・・w
>>28
キャストが生まれてからの行動で個体差が決まるか
戦闘値=戦闘経験だからそれをコピーすれば同じ戦闘力のキャストが作れる、と
パシリで似たようなネタ考えた事あったなぁ・・・w
>>34
確かに過去編がブームだなぁ、うちもかかねえと・・・w
こういうのはパシリが出て無くても面白いからいいと思うんだぜ
>>43
小ビス子ネタktkr
まさか怒れないからナノブラスト使えないとは・・・w
うちのビス男もナノブラスト使わないがあれは使いたくない(単なるPA馬鹿とも言う)だからなぁ
しかしまあ430の妥協案もよくわからんことに・・・w
小ビス子がナノブラストしてオイル吹くのかと思ってたw
>>48
居るよなぁ他人の事はすぐ気付くのに身近な人の事は気付かない奴・・・w
52 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
05:31:41.02ID:z9bnuaVR
>>46
>「ほ、ほら! 向こうのディストバが怒って向かってきています!
> ご主人様も怒らないと!」
> 「あくびしてるですよー!?」
ディストバ「草うめぇwww」
53 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
12:25:56.76ID:yH8u4G8u
俺は小ビス子がナノブラすると、小さくなってぬいぐるみみたいになると思ってたんだぜ?
54 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
14:05:24.36ID:vQiKY1mi
>小さくなってぬいぐるみみたいになる
真サム思い出した
55 名前: 一緒に食卓を 1/7 2007/01/26(金)
15:42:07.07ID:qRi9MUmv
久しぶりのコロニーの一室。
今日も、ヘトヘトになりながら帰宅する一人のヒューマン♂
「ただいまー…」
ヒュマ助は念願の自分の飯店を開いたが、今日も彼は出稼ぎ労働者が如く働いている。
お金はといえばそれなりに貯蓄が出来て、彼の腕もそれなりにあがっていた。
「おかえりなさいませ、ヒュマ助様」
部屋の奥から彼のパートナーマシナリーであるGH440が姿を現す。
彼女は他のパシリ達とは違って、何故かニューディズ文化や風習を愛している。
だからだろうか?「カッポウギ」という古風な衣装を好んで服の上に着こなす。
「いやぁ…変な宗教勧誘がしつこくってさぁ…」
「宗教勧誘?…またぞろ、グラール教団ですか?」
部屋に440の趣味で備え付けられた一角、「タタミ」という敷物を敷いた「チャノマ」
其処に上着を脱いで座ると、440の差し出したお茶を啜りながらヒュマ助は答えた。
「いや、なんか新団体らしいよ…?」
「このご時勢に…ですか?」
「うん。何でも『ロリニュマ子崇拝団体【ヒンヌー教】』だそうで…さ」
変なネーミングだよねー…とお茶を啜りながら和んでいる主人。
(ヒュマ助様…本当に勧誘されなくてよかった…)
その横で、本気で主人がノーマルで良かったと440は安堵していた…
56 名前: 一緒に食卓を 2/7 2007/01/26(金)
15:43:22.63ID:qRi9MUmv
「さてと、それじゃぁ晩御飯作ろっか」
「あ、それではお手伝い致します」
ヒュマ助が立ち上がり、愛用のエプロンを身に着ける。
440はというと、カッポウギから白い布を取り出すと、それで髪を隠す様に被った。
何でも、ニューディズ古来の料理する時の「身だしなみ」…らしい。
以前の帽子は…お出かけ以外では被らない事にしたようだ。(ずり落ちるので)
「今夜は寒いし、暖かいナベモノにしようか」
「そうですね、オルアカのお肉があるので…ボタンナベにしましょう」
甘辛い味付けの出汁に野菜や茸をたっぷりといれ、しんなりするまで火に掛ける。
その出汁でオルアカミートを煮込むこの料理は、寒い日にぴったりである。
程なくして部屋から美味しそうな香りが漂い始めた。
「さー、出来たよ~?」
湯気の立つ鍋をチャノマに置いたチャブダィに置く。
蓋を開けると、桜色に染まるオルアカミートや、出汁をすった野菜が顔をだした。
「ひ、ヒュマ助様…そ、そろそろ…(ジュルリ」
「あはは、うん。それじゃぁ食べよっか!」
「は、はぃ!い…いただきます!」
自分の料理を美味しそうに食べてくれる440を、何時も通り見つめようとするヒュマ助。
それを知りつつ、彼の手料理に舌鼓を打とうと箸を伸ばす440。
その時…
―ウィーン…プシュー…
唐突にヒュマ助の部屋のドアが開く音。外の冷たい空気と一緒に見える、小さな影…
「ぁ…」
声の主は、小さな猫の耳の形をした飾りをつけた…パートナーマシナリーだった。
57 名前: 一緒に食卓を 3/7 2007/01/26(金)
15:44:08.49ID:qRi9MUmv
急に開いた部屋のドア。そこに佇む小さな子。
ドアが開いてしまった事に驚いたのだろうか?その子は目をパチパチさせている。
「いらっしゃいませ。今日の営業は終了しましたが…何か御用でしょうか?」
妙にムスーっと不機嫌そうな440。大方早く箸を進めたい所だろう…
「あ、あの…い、いぇ!その…ごめんなさいっ!」
涙目になって頭を下げるその子。姿から言えばGH420だろうか?
「えっと、ごめんなさい…て」
急な謝罪に今度はヒュマ助が面食らう。
「特に用事はなかったの…!でも、ドアに近づいたら開いちゃって…」
「あ、そ…そうなの。別に、それならそれで謝らなくても…」
一旦お鍋の火を消して、420に歩み寄る二人。420はさらに深々と頭を下げる。
「どうして、僕の部屋の前に…?」
「あの、その…ぉ…ぉな…」
「おな…?はっきりと仰って下さい」
さらに不機嫌になる440をなだめるヒュマ助。420はといえば完全に萎縮している。
「言いにくいならいいよ…?別に君は悪い事はしてないんだし…」
ただドアを開けただけで、怒りはしないよ~…とヒュマ助は420を撫でながら言った。
そんな折…
―グゥ~………
部屋に鳴り響いた音。その音の発信源は、ヒュマ助の傍。彼よりも下の位置…
440と一緒に、音のした方向…420を見つめるヒュマ助。
まさに、泣きっ面に蜂…。420は恥ずかしさのあまり目じりに涙を溜めた。
「お腹がすいてたのっ!そりゃもう辛かったんだから!」
「うわっ…!?」
「ぎ、逆ギレですか…?」
顔を真っ赤にして一気に大声で捲くし立てる420。
440もこの剣幕には流石に入り込めず、目を白黒させるばかりだ。
「美味しそうな匂いしたもん!お腹ぺこぺこだったんだもん!」
「ボクもご飯…食べたいよぅ…ご飯…きゅぅ…」
いきなり倒れた420。440はおろおろとヒュマ助にフォローを求める眼差しを送る。
あぅー…と力の抜けた声をあげる420を見て、ヒュマ助はそうだ…と思った。
58 名前: 一緒に食卓を 4/7 2007/01/26(金)
15:44:43.06ID:qRi9MUmv
「で…折角なので…」
コトコトと火を入れなおされてまた煮えだすお鍋。囲む影は一つ増えた3人。
「君も食べていってよ。お腹すいているならなおさら食べて欲しいし…」
美味しそうに煮えたお肉と白菜をよそうと、お椀を420に差し出すヒュマ助。
「いっぱい食べてね?遠慮はいらないよ?」
「ご安心を。ヒュマ助様のお料理の腕はプロ以上です」
いいすぎだよーと笑うヒュマ助。さぁ、と進める440。
420も、なし崩しにこの席に座らされたとは言えど、おずおずと箸をつけた。
「………!?」
「どうです、ヒュマ助様のお料理のお味は?最高でしょう…?」
モギモギと恐る恐るな箸だったが、一口目を飲み込んだ瞬間、火がついた。
口に広がる味、味、味。甘く煮あがった野菜、出汁の染みた茸、柔らかいお肉…
「美味しい…かな?」
少し不安そうに、それで照れたような笑顔で、聞き返してくるヒュマ助…。
「美味しく無い訳がありませんよ、ヒュマ助様の手料理ですから」
さも当然、というように何故か誇らしげにモギモギする440…。
箸が、止まらない。美味しい。美味しい…
『「え…」』
重なった驚きの声。止まらない420の箸…いや、それだけではない。
こぼれている。止め処なく瞳から、ポロポロと零れ落ちる…
「美味しい…美味しいよぅ…暖かくて…美味しいよぅ…」
笑顔だった。悲しいくらい笑顔だった。箸も、涙も、止まらなかった。
味はもう解らない…。けれど、それは美味しかった。暖かかった…
「ヒュマ助様…」
「うん…」
この子が泣く理由は解らない。けれど…
「…僕達は精一杯のおもてなしをしないと…ね」
「はい、ヒュマ助!」
420が満足するまで、二人は追加の料理を作り続けた。
59 名前: 一緒に食卓を 4/7 2007/01/26(金)
15:45:18.92ID:qRi9MUmv
「はい、どうぞ」
440に食後のお茶を差し出されて、おずおずと受け取る420。
「あ、ありがと…」
「いっぱい食べたねー」
すっかり膨らんだお腹を見つめながら、あはは…と笑いかけるヒュマ助。
「あぅ…だって…その、美味しかったし…ボクお腹空いてたし…」
「いいんだよ、僕も…あんな風に食べてもらえると、嬉しいからね」
「ヒュマ助様は何よりも美味しいと言う声と、食べる人の笑顔が大好きなのですよ」
あはは…と笑うヒュマ助。420は思う、「こんなに暖かい笑顔は初めて」…と。
「まぁ、何があるかはしらないけど…さ」
そういって、少し真面目そうに420を見つめるヒュマ助。
「お腹が空いたら、いつでもおいでよ。いっぱいご馳走するからさ」
「ほ、本当…?」
困ったような、ソレでいて嬉しそうな表情。420は、モジモジと答えた。
「食事は人数が多い方が楽しいものです」
「そうそう、皆で美味しいもの囲んでワイワイした方が、楽しいでしょ」
お茶を啜りあう二人。420は目頭がまた熱くなるのを感じていた…。
しかし…
―ウィーン…プシュー…
また、唐突にドアが開く。今度は、小柄なニューマンの女性が其処に立っていた。
60 名前: 一緒に食卓を 6/7 2007/01/26(金)
15:48:59.95ID:qRi9MUmv
「いらっしゃいませ。申し訳ありませんが本日の営業は…」
「あ、いたー!勝手に店サボって油売ってると思ったらこんなとこに…」
ヒュマ助の声を遮ると、何食わぬ顔で部屋に入ってくるロリニュマ子。
「ほら、サボってるんじゃないわよ。帰るわよ?」
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
腕を乱暴に引かれ、立たされる420。
「ちょ、ちょっと…お客さん…!」
「失礼ですが、貴方…何方ですか?」
ニュマ子の態度に驚くヒュマ助。440はいぶかしげに睨み付けている。
「何方って、この駄目チビの飼い主に決まってんじゃん」
そういって、420の束ねた髪の毛を引くニュマ子。
420は痛みに顔をしかめるものの、堪えるように口をつぐんでいる。
「飼い主…?駄目チビ…?」
ヒュマ助の顔色が変わる。440も、その理由が解るのか、ハッと息を呑む。
「そうよ、こいつ失敗ばっかりのくせにメシメシうるさいから、もううんざり」
そういってグリグリと頭を撫でるニュマ子。420はまたもや顔を背けた。
61 名前: 一緒に食卓を 7/7 2007/01/26(金) 15:49:58.94 ID:qRi9MUmv
「今度新しいの来るんだけどぉ、それまではコイツいないと合成できないしぃ」
「あーっ!何か食べてたんじゃーん!駄目チビのくせにぃー!」
片付け途中だったお皿や鍋のあとを見て、捲くし立てるニュマ子。
「ほんっと、食い意地はってるねーこの駄目チビ」
「いいなぁ…ねぇ、お兄ちゃん♪私も食べたいな~♪ねぇおに…」
「…帰れ」
言い放つヒュマ助。途端に「え…?」と驚いた顔のニュマ子。
「君に…空腹な時の心細さが解るのか…?」
「な、何よ…ソレ。何だっていうのよ…?」
ゆっくり、一歩づつ歩み寄るヒュマ助。それに気圧されてか、後ずさるニュマ子。
「罵倒されても…信じて主人を待つ寂しさが解るのか…?」
「何よ…ちょ、何キレてんのよ…ばっかみたぃ…」
「我慢して、傷ついて、それでも努力する気持ちが解るのか…?」
「何よぉ…アンタ何なのよぉ…」
歩みは止まらない。今のヒュマ助は、普段の笑顔が無く…まるで別人の様…
「君みたいな…身勝手で、傲慢で、高飛車で、猫かぶりな人に…!」
「ひ、ひぃぃぃ!?」
瞬間、420を掴んでいた腕を弾く。ぱしーんと平手の乾いた音が響く…
「出すような料理は、僕の店には無い!」
言い放つヒュマ助、420を掴む腕を払いのけると、420を自分の方に抱き寄せる。
420は「ぁ…」と小さな声をあげたが、ヒュマ助に助けてと言わんばかりに抱きついた。
「何よぉ…そんな駄目チビかばってぇ…」
「僕の店から出て行け…そして二度と…」
そういって、両手にいつの間にか現れたエビルツインズの銃口を、ニュマ子に向ける。
「僕とこの子の前に現れるな!」
ふぇぇぇんと謎の悲鳴をあげて、走り去るニュマ子。
緊張の糸が切れたからだろうか?ヒュマ助はその場にへたり込む。
440が慌てて傍に駆け寄る。420も腕の中で心配そうに見上げた。
「あ、あはは…あんな大喝一回でへたるなんて…僕もまだまだかなぁ…」
「ヒュマ助様、ご立派でした…」
440もほっとした様で、いつものヒュマ助に戻った事に安堵の表情を浮かべた。
「……………」
「…ごめん。君の帰る場所だったのに…考えもなしに怒ってしまって…」
腕の中で、静かに黙り続ける420に、ヒュマ助は頭を下げる。
「いいの…ボク、今なんだか嬉しいんだもん…」
そういって、ヒュマ助の胸に顔をつけて抱きつく420。440がソレをみてムっとする。
「ありがとう…ヒュマ助…」
62 名前: 一緒に食卓を エピローグ 2007/01/26(金)
15:51:17.44ID:qRi9MUmv
―数日後
「いらっしゃいませー♪」
店に響く、元気そうな声。厨房から料理を両手に乗せて、テーブルへ走る姿。
「420、それを下げて洗い場に持って行って下さい」
「ははーぃ、承知しました!」
注文のオーダーを受ける440と、配膳や接客をする420。
店は「姉妹パシリと旨いメシの店」というキャッチフレーズで人気が広まり…
パシリ愛好家の間では隠れた有名店となっていた。
「うーん、忙しいけど…こうしてお客さんが美味しいって言ってくれるのは…」
そう呟いて、厨房から小さい店内に目を向ける。
カッポウギであくせく注文に走り回る440。
ヒュマ助のあつらえたエプロン姿で、元気に料理を運ぶ420。
そして、美味しいそうに料理を口にするパシリ連れの常連さん達。
「嬉しいよねぇ…やっぱり」
新しい主人、ヒュマ助の元…一緒にお店を手伝ってくれる事になった420。
あのニュマ子は、あれ以来店には来ない。
風の噂では、あのヒンヌー教と関係があったらしい…。
そのヒンヌー教も、悪い噂や事実発覚で解体になったそうだけど。
「ヒュマ助ー!コルトバヌードルにオルアカロール、それとショコラ追加ね!」
「あ、うん。ちょと待ってね、今作るから」
忙しい合間、エプロンを翻して店内を駆け回る420を眺めるヒュマ助。
「これからは、私達が420の家族ですね、ヒュマ助様」
いつの間にか、隣で洗い物を始める440。
「そうだね…」
もう一度、420へ目を向けるヒュマ助。440も続けて目を向ける。
「ありがとーございましたっ!また来てね♪」
「やっぱり、笑顔で皆で食べるご飯が、一番美味しいんだよねぇ」
「そうですねぇ…ふふ」
呟く二人の眼差しの先には、最高の笑顔の420がいた。
63 名前: 前スレ105 2007/01/26(金) 15:57:01.09 ID:qRi9MUmv
お久しぶりです…!既にパシリスレも8スレ目とは…
早いものですね!(ただ単に私の執筆が遅い
久しぶりですので題名のとこの4/7が二つあったりするのはすみません…
脱字や誤字もあるかと…(吐血
他の方の作品では主人様やパシリさんがいい味だしていますねー。
小ビス子&430さんとか悪コンビさんのはいつも楽しみに読んでます。
450&『』さんも素敵ですよねぇ…
私のヒュマ助と440はちょっとまだまだ微妙かも…
420、二人を頼んだよ!(マテ
とりあえず今回はこの辺で
64 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
16:00:26.55ID:z9bnuaVR
>>63
>>590
↑ネタキャラワールド
:::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::: , ,、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::: i! ,ノミ '::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::: !i
r' ミ :::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::: ヽ('A`)ノノ` ::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::: ( ) :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::: ヽヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::
,、 , , ,、
ミ.'、 .i! i! ,ノミ
ミ ハ i.! !i r' ミ
ヽ`[ ゚ω゚] 『゚∀゚ 』ノシ
i´_(ヽ
ノノ、ヽ こっちにおいで・・・
)) ヽ('A`)ノ ((
( )←ヒュマ助
ノノ
65 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
16:17:56.25ID:zQxNkP1B
【日番谷 冬獅郎】
プレゼント詐欺師。
中に★7武器が必ず入っていると偽って
中身は基板/ハッピージュース
金返せ。
66 名前: 名無しオンライン 2007/01/26(金)
17:18:29.35ID:L2POPSWt
いっちゃだめぇーーーーーー!!!
・・・いや、いってもいいけどさ
67 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
01:16:28.38ID:+WehKsFq
>>590もネタキャラ入り決定か… 先は長いなw
68 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
02:16:57.47ID:rFpq080j
毎回こんな絵ですが
いつかその内見れる絵に
なったらいーなーと
#http://www.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2190.jpg
69 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
02:37:18.94ID:PsobXB2a
420「ていてい、ほりゃー!」
例のメンテナンス以来パシリ達の能力制限が僅かながら開放されたらしく420の戦い方が活発になった
以前のようなカニ歩きも少なくなり反撃を与えないくらいの勢いでスキルを連発する事も少なくない
・・・まあおかげで前よりも敵の真っ只中に突っ込んでやられる可能性も上がったのだが・・・
そして一番の変化が
420「あ、マスター腕怪我してる、今回復するから」
そういって420がナノトランサーから取り出した物は片手杖、420が持つには珍しいものだ
以前は滅多に使わなかったレスタだがあれ以来頻繁に使ってくれるようになっていた
420「・・・これでよしっと、マスター大丈夫?痛みとかない?」
ビス男「あぁ、おかげで大分良くなった、助かる」
420は右手に持った杖を振り回しながら嬉しそうに笑っている
以前は使えなかった反動からだろう、軽い怪我でも念入りにレスタするようになり、おかげでミッションがかなり楽になった
420「よーっし、どんどんいこー!」
ビス男「お、おいあんま一人で行き過ぎるなよ」
420「大丈夫大丈夫~♪」
その後事あるごとにレスタを使いまくり遂に・・・
420「えいっ!えいっ!あれ・・・?」
ビス男「どうした?」
420「あははは・・・えーと、PP切れみたい」
ビス男「まだ中盤なんだが・・・回復所も無いしどうするんだ?」
420「んー・・・あ、そだ」
何かを思い出したのかナノトランサーをごそごそとあさり取り出したものは
420「はい、モノメイト」
ビス男「お、中々準備良いな、予め持ってきてたのか」
420「ううん、今さっき出来たから」
ビス男「出来たって、まさか・・・こ、この隅っこからはみ出すクバラ・ウッドは・・・」
無残に散ったアクスックに黙祷をささげる、まあ4割だったから成功するとも思ってなかったが
70 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
02:39:37.19ID:PsobXB2a
ビス男「まあそれは置いといて、その荷物になった杖どうするんだ・・・?」
420は空になった杖をじっと眺め何やら考えている、思えばこうして420が考えてるのを見るのも珍しい
大丈夫だとは思うが頭から湯気が出てないかどうか気になってしまう・・・
420「あ、閃いた、マスター、見てて!」
ビス男「お?」
420そう言うと杖を右手に持ち精神を集中させる、目の前には新たに出現したボルティ
俺は420の凄まじい気迫に気圧されごくりと唾を飲みこむ
420「むむむむむ・・・てやー!」
ビス男「あ、あれは!」
ひゅー・・・ぱこーん
300
ボルティ「キュッ・・・」
420「よしっ、命中~♪」
ビス男「・・・何か間違って無いか?」
420「気にしない気にしない、さーどんどん行くよー!」
ビス男「お、おー・・・」
この後の戦闘は確かに楽だった、回復が必要ないくらい
ただ俺は何か間違ってるような気がしてならなかった・・・
ちなみにこの杖投げについてだが途中投げた杖が草むらに突っ込むアクシデントが発生
結果、杖の捜索に大幅に時間がかかり気が付いた頃にはどっぷりと日が沈んでいた為ミッションを放棄
以後杖投げは前面使用禁止になったと言う
71 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土) 02:46:13.40ID:PsobXB2a
前のパシリの修正直後から書き出してやっと今更出来上がったので投下
我ながら今更感がすっげえ漂う・・・w
ちなみにレスタについては大体半分で使ってくれるようになったがたまに使わずそのまま倒れるから
きっとこうなんじゃないかなと勝手な想像を・・・
>>62
420が看板娘に、420ならきっと良い客寄せにもなるんだろなぁ・・・w
しかしこの店、一度行って見たいものだw
後ようこそネタキャラワールドへ・・・w
>>68
ディストバがかなり幸せそうだw
72 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
14:20:45.62ID:+WehKsFq
前スレが無事埋まりました。
450の夢は儚く散った模様wwww
>>68
ディストバかわいいよディストバw
73 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
23:32:02.60ID:VzPsy08l
小説書いても良いかな?
74 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
23:34:09.35ID:Z2osPG2U
>>73
倫理的におk
75 名前: 名無しオンライン 2007/01/27(土)
23:39:48.77ID:FiOjlUUN
>>74の反応の早さに驚きつつ>>73にwktk
76 名前: 小ビス子と430 なのぶらすと後日談12007/01/28(日)
00:19:08.78 ID:RS7+IH5n
「ふみみみみみみみみみみぃっ!」
拝啓皆様、パルム平原は今日も平和です。
私は手近な岩場のてっぺんにちょんと腰掛け、
頭の上をふわふわ漂っているちょうちょを見守っております。
「はにゅうううううううううううううううううっ!」
お気付きでしょうか。この、何とも聞いているだけで脱力系の雄叫びに。
…ええ、雄叫びなんですよ。正真正銘。言うなれば獣の咆吼。…子猫ですが。
「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
やがて、息も力も尽きたのか、真っ赤な顔のご主人様が振り返ります。
「430! 出来そうですか!? なのぶらすと出来そうでしょうか!?」
目一杯に涙を貯めてそう仰られるご主人様に…、私は力無くかぶりを振るだけ。
まいらぶりーすとろべりー、天下に(ていうか私にのみ)その名轟く小ビースト。
愛しの愛しのご主人様。
「…残念ながら」
「はぅ…」
しょんぼりと肩を落とすご主人様。その向こうでディストバがあくびしてる。
「うう、怒るってむずかしいです…、はぅ」
ブラストバッチを入れてから数日。その間幾度かミッションもこなしましたが、
ご主人様がナノブラストを成功させたことは一度もありません。
ナノブラストを成す根底は、怒りの感情です。闘争本能によるものです。
…ですがこれは、前代未聞ではないでしょうか…。うん…。
『怒れないからナノブラスト出来ない』
ご主人様、ご主人様、貴方はどこの福の神なんですか…?
「ええと、対象を固定して怒るから上手くいかないのではないでしょうか…」
何となく、あやふやなアドバイスを送ってみる。
うう、申し訳ありませんご主人様。私に出来る助言なんてこれくらいです…。
だって私にしてみれば、怒るなんてあまりにも容易いことなのです…。
魚に肺呼吸を教えることが出来ないように、どうにも上手くいきません。
「はぅ?」
「つまりですね、相手に向かって怒れないのであれば、嫌なことを思い出すとか、
嫌いなことを考えるとか…」
「はぅはぅ」
通じてるのかなぁ…。
「…」
しばしの沈黙の後…、
「ひっく…、ひぅ…、はぅ…はぅ…!
「うわー! ごしゅじんさますとーっぷ! その考えストーーーーップ!」
いきなりしゃくり上げたご主人様を見て、私は岩場を飛び降りると、
一目散にご主人様の元に駆け寄っていく!
「はうはう…、モトゥブで『フサ耳ニューマン』て呼ばれたのを
思い出してしまいました…、悲しいのです…」
「ああ、ああ…、ほら、もう泣き止んでください…」
めそめそと泣きじゃくるご主人様をなだめながら…、
今そんなことをご主人様に言うヤツがいようものなら、即殺だ。
死んだこともわからん速さで頭蓋骨に穴ァ開けてやる…。
開けた穴から脳味噌引きずりだしてケツに詰め込んでやる…!
77 名前: 小ビス子と430 なのぶらすと後日談22007/01/28(日)
00:19:53.18 ID:RS7+IH5n
「って! 私が怒っても仕方ないのですよ! ご主人様!」
ぶもー、と遠くでコルトバが鳴いてる。
暇そうなポルティがマイムマイムを踊っている。
…平和過ぎる。こんな状況下でご主人様に「怒れ」という方が無理だろう…。
かといって高難易度ミッションになんてご主人様を連れていけないし…。
「で、でもですねっ」
ぐしっ、と鼻をすすったご主人様は、
「嫌なことを考えるのは良いかも知れませんです。泣かなければいいのですよ」
「はい、ええと、仰る通りです…」
小さな手を握り締めて、ご主人様は何か考えついたようでした。
「嫌なことをされるのを考えてみますです。思い出すのではなくて考えるのです。
されたことないことなら泣きませんです。はうはう。名案っ」
…ホントに大丈夫なのかなぁ…。
変身するときに側にいると危ないから、と、私はご主人様の側から引き離される。
かれこれ2時間近くそうしていたわけですが、一向に危なくならないのですけれど。
「むむむむむむ…!」
渋々引き下がる私の前で、ご主人様はぎゅうっと目を瞑ると、
一心不乱に何かをイメージし始めたようです。
ざわ…ッ
「…え?」
ほんのささやかだけれど、風が…巻いた。
間違いなく、ご主人様を中心として。
長くてきめ細やかな白い髪が、巻き上がった風に流れて翼のように広がる!
「すごいです! いけますよご主人様! その調子です!」
思わず興奮して、私は両手を握りしめる!
でも、何をイメージしてるんだろ?
はたと脳裏をよぎったイメージが、一瞬で「私色」に染め上がる。
キーワード:嫌なことをされる&されたことないこと。
―や、やぁあああっ! 私、わたし、初めてなのに…、初めてなのにぃっ!
ぶばっ。
ドス黒い油が私の鼻孔を飛び出して綺麗なアーチを描く!
ちょ、…ちょッ! おま、私のブラストゲージがはち切れる…!
「ごしゅ! ごしゅじんさま!? 何考えているんですか!?」
止まる気配を見せない鼻オイルに服を汚しながら、私は思わず声を上げる。
気になるよ! すごい気になるよ! ご主人様! 何想像してるんですか!?
「…はぅ?」
ぱちくりと、ご主人様は瞬きをして目を開けて、
「すごく嫌なことをされるのを想像してみましたですよ?」
「是非とも具体的にーっ!」
息巻く私に、ご主人様は考えるように小首を傾げ、
「私の前には、大きな男の人がいるのです。その人がですね、すごいニヤニヤしながらですね」
嘘、マジですか?
よもや…、よもや…、
「私にひどいことをするのです、はぅ。具体的にはですね」
私の油圧、急・上・昇!
78 名前: 小ビス子と430 なのぶらすと後日談32007/01/28(日)
00:20:33.28 ID:RS7+IH5n
今までの鼻オイルなんざ水鉄砲だぜ? と言わんばかりに、鼻からはオイルがだだ漏れる!
よもやご主人様のキュートボイスであんなことやこんなことが聞けるのですか!?
そういうことに無関心そうではありますが、あまりにもアレじゃないですか!?
いいえ! 勿論異論などございません! 聞かせてください!
そして、ご主人様の小さくて可愛い唇が動いて、続きが…!
「おいしそうなおさかなを私の手の届かないところでぶらぶらさせるのです。
私はぴょんぴょん飛んで手を伸ばすのですが、男の人は大きくて手が届かないのです。
はう。すごい嫌なのです。食べたいのです。届かないのです。はう」
ずるしゃごがぁっ!
脱力感に足を滑らせた私は、近くの岩に顔面から着陸する。
「…ぞ、ぞぅでずが…」
油圧は一気に下がった。それこそ、ナニが急速に萎えるように。
あ、あ゛はぁ…。そ、そーっすよねー…。何て言うか、そうですよねぇ…。
顔面をさすりながら起き上がると、ご主人様は再びイメージに没頭し始めたようです。
先ほどと同じように、ご主人様を中心に風が巻き上がり…、
でも。
言ったらなんですけど…、そんな程度で本当にナノブラスト出来るほど怒れるのですか…?
でも実際、ナノブラストの前兆を見せているわけで。…ビーストって良くわかんないな…。
そして…!
「なのぶらすと!」
かっ! と目を見開いたご主人様が、…吠える!
ぽむっ
「…はぇ?」
「…ぇ」
それらしい前兆はどこへやら。鳴り響いたのは、湿気た爆竹が爆ぜたような、
何とも間の抜けた音が一つだけ。
「はぅ…? 430? 私、何か変わったでしょうか?」
きょとんとして振り返るご主人様は…、何も変わっていない…、ように思えた。
私は、なんというか、硬直している。
ご主人様はぺたぺたと自分の体を触って自分の変化を確かめている。
足、おなか、両腕、胸、顔、異常なし。
…頭。
「えぇえええええええええええええええええええええええええ!?」
やおらご主人様は素っ頓狂な声を上げた!
79 名前: 小ビス子と430 なのぶらすと後日談42007/01/28(日)
00:20:59.07 ID:RS7+IH5n
ご主人様の綺麗な白い髪が、頭の両端でぴんと角のように尖っている。
否、それは、髪でも角でもなく…、
「みみ!? これみみですか!? わー! 垂れ耳がないです!
こんなところに耳があるです!」
ネコミミ!
それだけか!? いや、そうじゃねぇ!? そんなもんじゃねぇ!
「うわわ、うわわわわわわ!? なななななななななんですかこれ!?」
違和感に気付いたのだろう。ご主人様は慌てたように自分の背中側をのぞき込み…、
それに、気付く!
しっぽ! 髪と同じ、綺麗な綺麗な白い色をした、ふさふさのしっぽ!
「ね、猫さんです!? 猫さんになってしまったのです!? はぅはぅはぅ!?」
ぴこぴこ、ふりふり。
ご主人様の感情の揺れに伴い、ネコミミもしっぽも軽やかに動く。
「どうしましょう430!」
まいすいーとご主人様が…、まいすいーとご主人様が…、
まいすいーとにゃんこご主人様に…ぃっ!
「…生涯そのままでいてください」
ごがしゃっ…。
油圧ゲージがはち切れた。私は派手にオイル飛沫を撒き散らすと、
先ほど顔面を打ち付けた岩に、全く同じ形で顔面から倒れ込んでいく。
神様…、神様…、アンタ一体、ウチのご主人様に何をさせたいんだい…?
「はうー! はうー! これ元に戻りますよね!? 戻りますよね!?
何とか言ってください430! 何でそんなキラキラしながら気絶しているんですか!
よんさんぜろ! よんさんぜろーーーーーーーーーーーっ!」
そんなわけで。…ご主人様は、未だにナノブラスト出来ません。
80 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
00:30:12.28ID:RS7+IH5n
小ビス子がナノブラストするとこうなると思った、という書き込みを見て
思わず浮かんでしまいました…。つい出来心です(==;
これはパシリネタというか小ビス子ネタだ…。
>>箱作家様
蛇足になりそうだったので「帰り際喧嘩している箱と450」の詳しくは書かなかったのですが、
お見事ですw 想像通りのやりとりでしたw
箱が小ビス子と普通に話せたのは、小ビス子がまるっきり子供にしか見えないからでしょうかねーw
ダンゴモチ持って遊びに来たら、その「きっとすっごく優しくていいパシリ」に
蜂の巣にされそうですが。完膚無きまでに…。
>>68さん
拝見致しましたっ。わざわざ描いて頂けるとは光栄です。
ディストバ本当に幸せそう…w
81 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
01:08:18.87ID:6ma38iLs
小ビス子がナノブラストすると猫のコスプレにw
これはこれで・・・良いのか?w
82 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
01:48:29.26ID:5Nu7dN8d
>>80
想像どおりでヨカタw
多分お隣の女の子って感じなんだろうなあ…
450からしたら、普通の成人女性という認識で。
んで、意外にも頭を撫でるなどの接触ができちゃって、
450が「なんでこの人には出来て私には…っ!!」みたいな感じでギリギリしてたりw
ああ、確実に殺されるな、2体のパシリにwwww
>蜂の巣にされそうですが。完膚無きまでに…。
やべ、超見てみたいwwwww
総合成績C-の底辺キャスト(多分)は430の猛攻にどこまで絶えられるのだろうかwww
83 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日) 06:30:52.14ID:pKbCnKFi
やっぱり小ビス子かわ(・∀・)イイ!
84 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
18:24:53.80ID:JVci8MQL
書き込み少ないのは
みんな妄想を充電してるからだよね?
85 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
20:06:52.49ID:gMmCEMZp
大丈夫、ROMってるがみんなの作品を待ってるぜ?
小ビス子が心底かわいかった件について・・・
86 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
20:42:10.11ID:krklIV7y
>>80
ナノブラ小ビス子が能力的にどうなるかとか考えてしまった俺。
アレか、猫並に身軽になってジャンプ力が上がるから、目の前に吊された魚も楽々ゲットなのか!
冗談はさておき、やっぱりこの二人が平和にしてるシーンは良いわぁ…
>>84
うん。
具体的には、熱暴走気味でやや赤い顔の441が
抱き上げている俺の腕の中で息も整わないままに「ご主人…さま…」と…
弱々しく握りしめられているその小さな手がまた可愛くてだな…
↓以下、またもやAAにいぢられた俺がショボーンする流れ?
87 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
20:48:58.52ID:yoZZcmjM
F5 F5 F5
F5 F5 F5
┐ ∧,∧ F5
| ( ) F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
88 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日) 21:17:44.26ID:5Nu7dN8d
>>86「やめてぇぇーーー!またもやAAで俺をいぢらないでぇぇーーー!」
パシリ「・・・・・・・・・」
>>86「ショボーンするでござる!ショボーンするでござる!」
パシリ「・・・・・・・・・」
>>86「・・・いつからそこに?」
パシリ「ご主人がおもむろに専用ブラウザを起動し、
儀式のような真摯さで己の自尊心をいぢりたもれと要求したところからよ。
合成が済んだからとっとと取り出して頂戴。」
>>86「はい」
89 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日) 21:23:13.42ID:krklIV7y
>>88
ごめん、専ブラ使ってないんだ(´・ω・` )
90 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
21:39:30.31ID:5Nu7dN8d
>>89
( ´・ω・`)
もう一つ考えたが>>86があまりにも変人扱いになっちゃったのでやめたw
91 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
21:54:09.32ID:krklIV7y
まぁ実際充分に変人だし、ネタにして貰うための振りだから何されても構わんがなー(´・ω・`)
パシリが活躍するネタなら是非書いてくれ。
にしても、マゾキャラ方向のネタにされないように注意して振ったつもりだったが、
今自分で見直してみても全然注意つーか技術が足りてないな…orz
92 名前: 名無しオンライン 2007/01/28(日)
23:22:42.25ID:HyAho9po
嫌がりつつも内心期待している>>91がなんか素敵に見えてしまった
93 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
00:39:54.45ID:5jlP2qjt
>>80
なのぶらすと~小ビス子を書いてみました。
#http://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2203.jpg
450d「とーさん・・・・。」
450c「うちらだって描いてもらった事無いのに。」
そりやまぁ・・・いろいろと・・・・。
450d「いろいろと何ですか?・・・・ビキビキ。」
実際の画面と、作品のイメージと、自分の画風の折り合いが付かなくて・・・その・・・ごめん。
94 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月) 13:06:56.60ID:UrOHgTf9
着グルミ着てるみたいでかーいー(*^ω^)
95 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
13:54:43.16ID:gtHVY1i8
小ビス子って、ライアとは致命的に相性悪そうだな。
やることなすこと怒鳴られてそう。
小ビス子のストーリーミッションは苦行だろうなー…。
96 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
14:59:08.36ID:/Q6W7Pfm
意外と凸凹で良いコンビかもしれないぞ。
小ビス子は気弱だけど凄く真っ直ぐだし、ライアに気に入られるかも。
>>84
一連の流れを見るにまだ多くの人が見てくれているようだ。
さあ、安心してお前さんもSSを書く作業に移るんだ…
97 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
15:05:33.16ID:M/q1gnGV
でもライアは基本的にPCは眼中に無いがなwww
98 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
15:08:51.60ID:WVU291z7
ライアの格好を見るにかわいいもの好きっぽい気が。
99 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
15:29:23.14ID:C0CwQL/0
案外わんわんサンド430に匹敵する鼻血出して貧血になるかも。
100 名前: IF Box Meets Girl 1/3 2007/01/29(月)
16:39:05.13ID:x7ROIeen
第七話<閑話休題>
ガーディアンズコロニー・小ビス子マイルーム前
「ここがドクターの指定していた部屋か…お前ら行くぞ」
胡散臭い風体の男達がゾロゾロと小ビス子のショップに入っていく。
プシュー
ドアの開く音にマイルームでくつろいでいた小ビス子は、わたわたとしながら客を出迎えにショップに移動した。
「はうはう!!お客さんなのですね、430はお出かけ中なので私が接客しなくてはなのです!
430の代わりに立派に売り子を務めてみせるのです!いらっしゃいmアッ!ひゃぶぅ~」
勢いよく飛び出してきた小ビス子はそのまま部屋の境に爪先を引っかけ男達の前に顔面から勢いよくすっ転ぶ。
「お、おいおい…大丈夫か、ねーちゃん?」
いきなりの登場に思わず毒気を抜かれて心配してしまう男達に起されて立ち上がる小ビス子。
「はう~すみませんです。お手数おかけしてしまったのです」
赤くなった鼻の頭をコシコシ擦りながら目に涙をにじませてニコっと笑うと、
「いらっしゃいませなのです、お客様。何をお探しなのです?」
と、ペコッとお辞儀をする。
健気に接客を開始した姿に男達は…
「あ?…あぁ!そ、そうだな、そこのムーンアトマイザーをくれ」
「お、俺はそこのソルアトを全部くれ!」
「バカ!お前ら何買ってるんだ!…俺にはそのオルアカロールを包んでくれ」
「じゃ、じゃあ俺はそこの棚のを全部!」
思わず口々に商品を買い求めてしまう男達。
「はうはう~ただいまお包みいたしますね!商売繁盛なのです、私もやればできるんです!」
帰ってきた430にいっぱい売れたと言って驚くところを想像してニコニコ接客する小ビス子。
「お買いあげありがとうなのです、またいらっしゃってくださいなのです~!」
ぶんぶんと手を振って部屋の出口まで見送る小ビス子に男達がニコニコしながら手を振って応える。
プシュー
扉が閉まってから、ふと我に返る…
「バカ!お前らなんで買い物して普通に出てきちまうんだよ!」
「そういうお前だって何買ってるんだよ!」
「お、俺はちょっと必要だったからついでに買っただけだ!」
ひとしきり言い争った後、ガックリと力が抜けた男達は、
「と、ともかくもう一度行くぞ。430は居なかったようだがあの飼い主を攫えば…」
「何やらドクターの話だと化け物じみたPMらしいがマスターを押さえてしまえば何もできまい」
「んむ、あのビーストならGHー101より簡単に連れて行けそうだしな」
「お、俺報酬いらねーからあの子が欲しいな!」
「倫理的におkってか?」
「バカ!ダメだろうアレは」
そう男達が扉の前で盛り上がっていると…
101 名前: IF Box Meets Girl 2/3 2007/01/29(月)
16:40:46.13ID:x7ROIeen
ゴリッ…一番後ろにいた男の後頭部に何か硬い物が押し付けられる。
「な~にが倫理的におkだって?」
「なっ!?お前は、430!?」
そこには眉間とコメカミにシワを寄せてダルク・ファキスも真っ青な顔の430が仁王立ちしていた。
「てんめぇーら!人の家の前で何をゴチャゴチャと、おまけに私のご主人様に手を出そうとしやがったな?…死ねっ!!」
後頭部に当てがったバーストをいきなりぶっ放す。
「ちょっ、ちょっと待て、イキナリ何を…」
まさに間一髪ギリギリ避けた男の髪が横一文字に根こそぎ吹き飛ばされる。
「うるせぇ!このビヂグソ野郎が!死にくされ!!」
ビームガンに持ち替えた430が凄まじい速度で乱射し始める。
「ぐわぁーなんだこの暴走PMは!」
「いでっ!ケツが!俺のケツがあぁ!」
「ちょっ、まずは話を聞けっ…ぐはっ」
「アッ…アーーー!」
-
「で、通報のあった男達はどこですか?」
ガーディアンズ・警務隊の男が看護婦に尋ねる。
「そこの奥の救急医療室です、みんな酷い怪我を負っていて」
「照合した結果、男達はみんなローグスとして手配されている者達ですね。お手柄ですな、はっはっは」
「悪人かもしれませんけど…ちょーっと酷すぎる気が…」
「で、彼らを倒した方は?」
「さぁ?こちらには…」
「いったい誰なんでしょうな、あそこまで徹底的に叩きのめすなんて。きっとムキムキのビーストかゴツイキャストかなんかでしょうな」
「何でもいいですけど、もう~ちょっと手加減して欲しかったですわ…」
102 名前: IF Box Meets Girl 3/3 2007/01/29(月)
16:41:33.48ID:x7ROIeen
-
「ただいま戻りました、ご主人様。あ、まだ付いてた…」
頬に付いていた返り血を舐めた指先で擦って落としながら小ビス子の部屋に入る430。
「おかえりなさいなのです!見てください430!!」
尻尾を振らんばかりに430を出迎えた小ビス子がショップのレジカウンターを開けて見せる。
「うわ…どうしたんですかご主人様、スゴイ売り上げじゃないですか!」
「はうう~えらいですか?スゴイですか?やったのです!接客なんばーわんなのですよ!」
430に褒められ垂れ耳をふるふるさせてはしゃぐ小ビス子に…
接客No.1………
・
・
・
「いらっしゃいませ430、今日はうんと可愛がってくださいなのです」
「まいすいーとはにーのためなら毎日だって通うさ…はにーの接客はNo.1だからな」
「はう~嬉しいのです、いっぱいさーびすしちゃうのです」
・
・
・
ぶばっ
玄関先で盛大にオイルを吹き上げる430
「はうう!430!どうしたのですか430!!」
うん、今日はたっぷり可愛がってやるよまいすいーとはにー…閉店後もつき合ってくれるんだろう?
「4,430?目が虚ろなのです!オイルが、オイルが止まらないのです!!」
今夜は寝かさないぞぅ~
「430~!」
-
<惑星モトゥブ某研究室>
「何?失敗しただと?」
「どうやら返り討ちにあったようです、全員ガーディアンズに拘束されてしまいました」
「ガーディアンズに拘束されたのであるか、皆殺しにされたのではないのか?」
「いえ、救急病院にて身柄を確保されたと」
「我が輩が調べたデータでは刃向かう相手は皆殺し、ゆえに狂犬とあだ名された程のPMだったはずだが…」
コツコツと端末の画面を爪で叩き何事か考え込むドクター。
「狂犬が丸くなったものだな…とは言え、やはりチンピラ風情では無理か」
「我々が出ましょうか?」
「いや、我が輩も事を急ぎすぎていた。ここは別の方向から強化を検討してみるのである」
下がっていいと身振りで伝え、配下が居なくなった部屋で遠い昔を思い出して呟いた。
「狂犬、お前は居場所を見つけたのであるか…我が輩の居場所は、何処であろうな…」
103 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月) 16:47:50.85ID:x7ROIeen
本家ナノブラネタの続きキテター
はにゅうううって雌叫びがタマラナイ(*´Д`)
猫耳から戻らなくなったとかそういう話しも見てみたいw
でも、丁度スレが小ビス子萌えで盛り上がっている所にネタかぶりしてしまった…
本家の後にお粗末なネタですが第七話目です。
さっぱり話が進展いたしません、
変だな、クリスマスあたりにスイングバイ軌道に乗せる予定だったのに…
では、仕事サボリ見つかる前に切断しなくては
さらば~
104 名前: 名無しオンライン 2007/01/29(月)
22:08:02.02ID:olqWpDS3
小ビス子は何処でもほんわかだなぁ・・・430が居なくなったら一人で絶対生活できないだろなぁ・・・w
しかし430も相変わらず強いと言うか怖いと言うか
まあ何にせよ
>「いでっ!ケツが!俺のケツがあぁ!」
>「アッ…アーーー!」
ここで何あったのか気になる・・・w
105 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
08:40:55.71ID:bfofcS0F
駄作確定でもSS書きたいのPCからの書き込みができない俺が来ましたよ
なんかした覚えもないのに公開プロキシ規制ってなんなんだよorz
職人様たちの作品読みながら解除待ちしてます…
106 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
15:12:38.60ID:52eLhFho
>>105
テキストファイルをうpろだに上げるっていうのでは駄目?
107 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
15:37:36.48ID:zQl5UrBf
落ちそうで怖い;
108 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
16:27:33.15ID:chqImPTB
PSUの数少ない良スレage
109 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
16:55:52.52ID:bfofcS0F
>>106
その手があったか
いつになるかはわからんが書けたらやってみるぜ
110 名前: 名無しオンライン 2007/01/30(火)
18:03:01.30ID:L/RTxW7i
このスレ落ちたら俺のPSUも終わりだな
欠かさず見てるぜ
作家さんたちには感謝してる
これからも頑張って欲しいなー
111 名前: 前スレ534続き 1/6 2007/01/31(水) 00:38:54.54ID:9+6y6dOh
~パルム・ホルテスシティ街外れ・墓地~
ヒュマ男「やれやれ…もうこんな時間か」
傾いた太陽と長く伸びた二つの影。ヒュマ男と410が目的地に到達した頃には、既に夕暮れ時となっていた。
410 「ここが…」
ヒュマ男「ああ、ここがそうだ」
ヒュマ男が410を連れてきた場所、それはホルテスシティの街外れにある、とある墓地だった。
左手に花束を抱えて、右手には410を引き連れて、ヒュマ男はゆっくりと歩いていく。
ヒュマ男は何も語らず、410も何も聞かない。410はただ手を引かれるままに、ヒュマ男の後をついていくだけだ。
どの程度歩いただろうか…ふいにヒュマ男の歩みが止まった。目の前にはあるのは一つの墓石。周りに比べ、明らかに真新しい。
持っていた花束を墓前に添え、ヒュマ男はどこか懐かしそうに呟いた。
ヒュマ男「久しぶりだな、親父」
410 「…お、親父!?だ、だってこのお墓――」
410が驚きの声を上げた理由――墓石に刻まれている文字列にCAST、その四文字が含まれていたからだ。
ヒュマ男「お前の言いたいことはわからんでもない。だが血の繋がりなど、俺と親父の間には些細なことだ」
410 「…そういうもの…なのでしょうか…」
生殖能力の無いキャストという種族は、基本的に子を成せない。それ故に他種族を養子にとるキャストも、僅かばかりだが存在はする。
ヒューマンであるヒュマ男が、キャストの養父を持つことも確かに不可能ではない。とは言え、ここはキャストが支配する惑星パルムだ。
殆どのキャストがヒューマンを劣等種と蔑むこの環境において、ヒューマンを養子に取るキャストなど、相当な変わり者のはずだ。
410 「あの…こんなことを聞くのは失礼かもしれませんが、ご主人様の本当の…いえ、血の繋がりのあるご両親は?」
ヒュマ男「知らんな。瓦礫の山と、俺に手を差し伸べる大きな蒼いキャスト…それが俺の記憶にある、最初の風景だ」
410 「それって昔の記憶が…」
ヒュマ男「そうなるな。とはいえ、もう十年以上も昔の話だ。確かにそれ以前の記憶は無いが、生きる上での支障もない」
410の心配そうな表情を他所に、ヒュマ男は平然としたものだった。彼の口調から、悲壮感は感じられない。
なんとも複雑そうな顔をする410を一瞥し、ヒュマ男は語り始めた。
ヒュマ男「初めて親父と出会った時のこと…今でも鮮明に思い出せる。あの時の俺は、酷く錯乱していてな――」
――周りには瓦礫の山…目の前には蒼いキャスト…頭の中は空っぽで…心にただ不安だけが広がっていた。
風景の一部が動き出した。蒼いキャストだ。その大きな手を差し伸べながら聞いてきた。「大丈夫か?」と。
その手が何を意味するのかが分からず、ただ恐怖した。ただ拒絶した。その想い炎となって、差し出された手を焼いた。
自分でも何をしたのか分からなかった。何故そんなマネが出来たのかも、だ。だが、相手を傷つけたことは分かった。酷く狼狽した。
そんな自分にキャストは静かに言った。「怖がる必要は無い。私はお前の敵ではない」…低くてよく通る声。不思議と恐怖心が和らいだ。
キャストの焼け焦げた手をとり、「ごめんなさい」そう謝った。何度も何度も。やがて何かが頭に触れた。彼の焼けてない方の手だった。
「偉いぞ」キャストはそう言った。「お前は自分の非を認め、私に謝罪することが出来た。ならば私はお前を許そう」
それだけ言うと、キャストはそのままくしゃくしゃと頭を撫でてきた。大きくて温かな手。不安が消え、心が満たされ、そして――
ヒュマ男「――俺は泣いた。それはもうわんわんとな。多分、アレが俺にとっての産声で、人生が始まった瞬間…だったのだと思う」
語り終えたヒュマ男が、昔を懐かしむかのように目を細めた。そんなヒュマ男の横顔を見つめながら、410は言った。
410 「何だか不思議な方ですね…。どこか、ご主人様に似ているかもしれません」
ヒュマ男「似ている…か。少なからず影響を受けているのは間違いない。とは言え俺なんぞ、親父に比べればまだまだ未熟者だ」
普段のヒュマ男らしからぬ謙虚な物言いだった。それでも――と彼は続ける。
ヒュマ男「もしお前の言う通りなのだとしたら、それは俺にとって、とても喜ばしいことだ」
そう答えたヒュマ男の表情は穏やかで、410の目には無邪気な子供の様に見えた。
112 名前: 前スレ534続き 2/6 2007/01/31(水) 00:40:05.24ID:9+6y6dOh
410 「親父と呼ぶからには、ご主人様はその…お父様に引き取られたのですよね?」
ヒュマ男「ああ。野垂れ死ぬか、一緒に行くか、好きな方を選べと言われてな。迷う理由なんて無かった」
410 「…きょ、極端ですね。…それで、お父様は結局何者だったのですか?」
ヒュマ男「戦闘を目的として造られた軍用キャストだ。もっとも、他の連中に比べて随分と変わり者ではあったがな」
軍…いわゆる同盟軍――その人員の殆どはキャストであり、自分たちを最も優れた種族とするキャスト至上主義が強く根付いている。
そんな組織にありながらヒューマンを養子に取る…ますます変わり者だ。
410 「ヒューマンを引き取る軍用キャスト…ですか。本当に変わった方です…」
ヒュマ男「違いない。とはいえ親父に言わせれば、「軍用キャストなんてものは、頭の外見も中身も固い連中ばかり」なんだそうだ」
410 「じゅ、柔軟な考えの持ち主だとは思いますが…。それでよく軍用キャストが務まりましたね…」
ヒュマ男「何だかんだで責任感の強い人だったからな。「軍用として造られた以上、軍に殉ずるのは致し方あるまい」そうも言っていた」
やっぱりご主人様とお父様、よく似ています――口にこそ出さないが、410はその思いをますます強める。
410 「お父様のこと、それほど尊敬なされているわけですし、やはりご主人様もかつては軍に?」
ヒュマ男「ああ。深く考えず、親父を手伝いたい、そんな子供じみた理由でな。親父には散々反対されたが無理を押し通した」
410 「反対?何故ですか?」
ヒュマ男「「つまらないからやめておけ」そう言われた。更に言うなら「どうせならガーディアンズになれ」ともな」
410 「ガーディアンズはともかく、つまらないからって……」
あんまりな理由に思わず言葉を失う410。そんな彼女を尻目にヒュマ男は続けた。
ヒュマ男「上からの命令は絶対、軍とはそういう組織だ。今思えば、軍規などというものに俺を縛り付けたくなかったのだろう」
410 「そういうこと…ですか。だとしたら、自由を失うのは自分だけでいい、そんな風に考えていたのかもしれませんね」
ヒュマ男「だろうな。親父の気も知らずに必死に反抗していたのだから……やれやれ、俺も大した親不孝者だ」
ヒュマ男の自嘲気味な物言いに、一瞬どう声をかけていいものか悩む410。少しだけ考えこみ、話題を変えることにした。
410 「…えっと、ご主人様の戦闘技術は、やはりお父様から?」
ヒュマ男「ああ。思想も技能もすべて親父譲りだ。自分で言うのも何だが、俺は筋が良かったらしくてな、教え甲斐があったそうだ」
410 「なんとなく想像できます。ご主人様のお父様も、鍛えるのとか好きそうですし」
いつもヒュマ男にしごかれている410としては、納得のいく話だ。ヒュマ男のその辺りの性格も、父親譲りなのだろう。
ヒュマ男「変わり者のキャストである親父、そしてヒューマンの俺。お互い周りから浮いていたせいもあって、何かというと一緒だった」
410 「一緒に居て、色々なことを学んで…なんだかご主人様、お父様のPMみたいですね」
ヒュマ男「…なるほど、言い得て妙だな」
ヒュマ男はそう答え、ふいに空を仰ぎ見た。ヒュマ男の様子がどこかおかしいことに気づき、410は不安になる。
410 「…あの、ご主人様…」
ヒュマ男「………」
ヒュマ男は答えない。そのまま410に目線を合わせることなく、ぽつりと呟いた。
ヒュマ男「…戦いを生き延びる上で、最後にものを言うもの…それは何だと思う?」
410 「…え?あ…えっと…」
突然の質問に410は焦るが、ヒュマ男の視線は空へと固定されたままだ。
ヒュマ男「能力、経験――そういったものも確かに大切ではある。だが、最後にものを言うのは『強い意志』だ」
410 「…強い…意思…」
ヒュマ男「そうだ。どんなに困難な状況であっても己を信じ、必死に生き抜こうとする強い意志…それが最も大事だと俺は考えている」
410 「…そのことも、やはりお父様から?」
410の問いかけに、ヒュマ男の視線が彼女の方を向いた。だが、それもほんの僅かな間だけ。その視線は再び虚空へと戻された。
113 名前: 前スレ534続き 3/6 2007/01/31(水) 00:41:14.52ID:9+6y6dOh
ヒュマ男「…ああ。それが親父からの最後の教えであり――」
ヒュマ男の手に、無意識の内に力がこもり、410の手を締め付けた。
ヒュマ男「――俺はそのことを…親父の死と引き換えに、学ぶこととなった…」
410 「……っ!」
410は思わず息を呑み、こわばった顔をヒュマへ向けた。ヒュマ男はようやく410に視線を合わせ、そして尋ねた。
ヒュマ男「SEED襲来の際、侵食された土地を浄化するために取る手段…お前もそれくらいのことは知っているな?」
410 「…は、はい。対侵食用装備の使用…ですよね?」
ヒュマ男「ガーディアンズにおいてはそれが一般的だな。だが、軍が使う手段はもっと大雑把なものだ」
410 「…浄化爆撃のこと、ですか?でもそれは…」
ヒュマ男「ああ。被害を最小限に食い止めるため、侵食エリアを直接的に焼き払う」
ヒュマ男「確かに手っ取り早い手段ではあるが、逃げ遅れた人員が残って居ようがお構いなしだ。そこに居るのが軍の者でも同様にな」
その言葉を聞いた410の背筋に、薄ら寒いものが走る。
410 「それって――」
ヒュマ男はコクリと頷き、
ヒュマ男「よりにもよって作戦中にSEEDが襲来してきてな、その上侵食された無数の原生生物達に、完全に足止めを食らってしまった」
ヒュマ男「身動きが取れぬままタイムアップだ。砲撃音が鳴るたび、視界はどんどん炎に包まれていった…」
そこまで言うと、ヒュマ男僅かに歯噛みし、そして続けた。
ヒュマ男「爆撃から俺を庇って、親父は逝ったよ。焼け爛れた両腕だけを残してな。始まりも終わりも焼けた腕…なんとも皮肉な話だ」
淡々と語るヒュマ男の言葉に、410はいきり立つ。
410 「それじゃあ、お父様、軍に殺されたも同然じゃないですか!?そんなのって――」
ヒュマ男「それは違う!」
410 「……!?」
鋭い声とともに、410のセリフが遮られた。ヒュマ男の強烈な視線に射すくめられ、410は何も言えなくなってしまう。
ヒュマ男「あの時の俺は諦めていた。自分の命も、親父の命も。守ることを放棄して、親父と死ねるならそれでいい。そう思っていた」
ヒュマ男「…だがな、親父は諦めてはいなかった。最後の最後まで、俺を守ろうとした。結果は…この通りだ」
ヒュマ男の視線が墓石へと向いた。結果は言うまでも無い。ヒュマ男は生き延び、彼の父親は死んだのだ。
ヒュマ男「もしあの時、諦めたりしなければ…自分を信じきる事が出来たならば…何かが、何かが変わっていたのかもしれない…」
ヒュマ男の絞り出すかのような言葉から、410は彼の苦悩を感じ取った。
ヒュマ男が戦闘に関して、絶対の自信を持つ理由…そして、410に泣き言を許さず、彼女を厳しく鍛えていた理由…。
それは、自分の心の弱さが父親を殺した――その自責の念からくるものではないか、410にはそう思えた。
114 名前: 前スレ534続き 4/6 2007/01/31(水) 00:43:05.24ID:9+6y6dOh
二人の間に暫しの沈黙が流れた。
ヒュマ男は黙して語らず、410はそんなヒュマ男をただ悲しげに見つめていた。
ふいに、410はヒュマ男と繋いでいた手に、もう一方の手を重ね合わせた。更にそれを、自分の頬に押し当てる。
ヒュマ男「…どうした?」
ヒュマ男の問いかけに、410は頬からゆっくりと手を離した。そして、彼を見上げて言った。
410 「…私は、お父様に感謝しなくてはいけませんね…」
ヒュマ男「感謝?」
410はコクリと頷き、
410 「お父様がご主人様を守ってくれたから、ご主人様は生き延びることが出来ました」
410 「ご主人様が生きていてくれたから、私はご主人様に出会うことが出来ました。だから――」
そこで言葉を区切り、微笑を浮かべると、410は言った。
410 「――だから…感謝、です」
話を聞いていたヒュマ男が、軽く目を伏せ、小さく息を吐いた。呆れと苦笑が入り混じった、そんな一息。
彼は目を開き、410の頭に手を置くと、
ヒュマ男「そうだな。俺が今こうしていられるのは、親父のお陰だ。感謝すべきだろうな」
そう言って、そのまま撫でてやった。410は、更に嬉しそうに笑い、それに答えた。
410 「…はい」
その笑みに、ヒュマ男は満足そうに頷き返し、話を戻した。
ヒュマ男「…親父を失った俺は、軍を捨てた。親父が居ない軍になど、もはや何の未練も無かった」
ヒュマ男「大切なものを失い、信じられるものは自分だけとなって――。孤独に苛まれたが、それでも俺は、生きねばならなかった」
ヒュマ男「救われた命をみすみす捨てるようなマネだけは、絶対にしたくなかったからだ」
410 「………」
再び悲しげな顔をする410。そんな彼女に、心配するなと言いたげにヒュマ男は首を振り、
ヒュマ男「そこから先は……今更語る必要もあるまい?」
410 「…ご主人様はガーディアンズとしての道を選んだ。…そして、教官さんと420さんに出会ったのですね」
ヒュマ男「ああ。教官とチビ助には本当に感謝している。二人のお陰で、俺は一面的ではなく、多面的にものを見れるようになった」
ヒュマ男「相手を受け入れる事を覚え、『友』と呼べる存在を、そして、新しい『生き甲斐』を手に入れることが出来た」
ヒュマ男が教官たちに深く感謝している事を、410は改めて理解する。そして410自身、彼女らに感謝する。
主人であるヒュマ男を救い、希望を与えてくれた事に。心のどこかで二人に嫉妬していた事が、今となっては恥ずかしい。
ヒュマ男「…いつしか俺も、教官の元から一人立ちして、お前を育て、鍛え、今こうして一緒にいる」
410 「…は、はい」
ヒュマ男「お前には本当に手を焼かされた。泣き言は多い、つまらんことばかり覚える、やたらと慌て者の上に結構なうっかり屋だ」
410 「あ、あうぅ…」
ヒュマ男の評価ははっきり言ってかなりの酷評だった。410としては悲しげに呻くしかない。だが…
ヒュマ男「…そんなお前だったが、いつだって俺について来てくれた。どんな時であろうと、俺を信じ続けてくれた」
410 「…ご、ご主人様?」
115 名前: 前スレ534続き 5/6 2007/01/31(水) 00:43:53.76ID:9+6y6dOh
再びヒュマ男の腕が伸び、そのまま410の頭にポンと置かれた。
410 「え、あ、あの…」
ヒュマ男「お前は言っていたな「ご主人様に何もしてあげられない」と」
パルムの西地区で、410がうっかり漏らした言葉。その言葉を再び引き合いに出され、思わず410は口ごもる。
410 「…そ、それはその…」
ヒュマ男「だが、そんなことはない」
410 「……え?」
ヒュマ男「そんなことはないんだ」
410 「で、でも…」
戸惑う410を無視して、ヒュマ男は言った。
ヒュマ男「息子というだけで、無条件に俺を守ってくれた親父――その存在を失って、本当に辛かった」
ヒュマ男「だが、俺はこのガーディアンズにおいて、PMという存在を得ることが出来た。今の俺の側には、いつもお前が居てくれる」
ヒュマ男の言葉に、410は首を横に振りながら答えた。
410 「で、ですが私は、まだまだ未熟です。お父様のようにご主人様を守れるとは、到底思えません」
ヒュマ男「当然だ。親父とお前は違う。親父を一人前とするなら、俺は半人前。そして、お前はせいぜい四分の一人前がいいところだ」
410 「よ、四分の一……あうぅ…」
遠慮の無い物言いに、思いっきり凹む410。それにかまわずヒュマ男は続けた。
ヒュマ男「それでもな、お前は俺を慕ってくれている。いつでも、どこでも。お前の主人であるという理由だけで、無条件に」
ヒュマ男「親父を失った俺にとって、それがどれだけ大きな意味を持っていたか分かるか?」
ヒュマ男「410…お前はな、俺をずっと救っていたんだ。今までずっと。そして、今この瞬間もだ」
思いがけない言葉だった。410は信じられない、そう言いたげな表情を見せ、
410 「わ、私が、ご主人様を救っていた?」
ヒュマ男「ああ」
410 「…あの、ほ、本当に?」
ヒュマ男「お前の主人は、つまらんウソをつくような男か?」
ヒュマ男にそう言われ、410はぶんぶんと首を横に振った。それこそ千切れんばかりにだ。
ヒュマ男「ならば、そういうことだ」
ヒュマ男はそう言って締めくくり、410は「私が、ご主人様を救っていた」と小さく呟いた。更にその言葉を、何度もかみ締める。
ふいに410は黙り込み、その肩が小さく震えだした。
410 「……う…」
自分がヒュマ男を救っていた――その事実が、心の奥底まで染み渡った。喜びからか、思わず涙がこぼれそう落ちそうになる。
ヒュマ男「…随分とおかしな顔をしているな」
410 「…う…ううぅう…」
必死に涙を抑えようとしているのに、ヒュマ男ときたら相変わらずの物言いだ。
そのせいで、涙はこんもりと盛り上がり、今にも瞳から溢れそうになる。
そんな410に対し、ヒュマ男はしゃがみこんで目線を合わせると、その両腕を大きく開いてみせた。
116 名前: 前スレ534続き 6/6 2007/01/31(水) 00:45:03.96ID:9+6y6dOh
410 「……うく…ご主人…さま?」
ヒュマ男の行動が何を意味するのかが分からず、戸惑う410。そのことに業を煮やしたのか、ヒュマ男は強引に410を抱きすくめた。
410 「……っ!?」
ヒュマ男「いい加減無理をするな。お前のその小さな身体では、溜め込んだところでパンクするのがオチだぞ」
その上そう言われては、もはや限界だった。今まで溜め込んでいた涙が、堰を切ったようにあふれ出す。
410 「……うっく…ひっく……えぐ…う、うわあああぁぁぁん!!!」
止まらない涙、だが、もう止める必要も無い。今は好きなだけ泣いていいのだ。今はヒュマ男に、好きなだけ甘えていいのだ。
410 「…ひっく…よ、よかったよぅ…わ、わたし…よかったよぅ…」
わんわんと泣き喚く410。そんな彼女に呆れながらも、ヒュマ男の瞳は優しい。その髪を撫で付けながら、静かに語りかけた。
ヒュマ男「なぁ、410。お前はもっと、自分の意見を俺にぶつけるべきだ」
ヒュマ男「俺のPMであるお前には、その権利があり、お前の主人である俺には、それを聞いてやる義務がある。そして何より――」
そこで一旦言葉を区切り、軽く目を伏せ言葉を紡ぐ。
ヒュマ男「――俺自身が、それを望んでいる」
泣きじゃくる410には、ヒュマ男の言葉に返事を返すことは出来なかった。代わりに、ヒュマ男の体を強く抱きしめる。
正直ヒュマ男にとっては痛いくらいの抱擁。それでも彼は、その抱擁を黙って受け入れた。それもまた主人としての義務、そう考えて。
いつまでも泣き続ける410を、黙ってあやし続けるヒュマ男。
今の状況に不思議な既視感を覚えつつ、ヒュマ男は410の頭を撫で続けていた。
****
太陽は既に姿を隠し、重なって一つになった二人の影も、半ば闇に溶けかけていた。
泣き疲れ、ヒュマ男の腕の中で眠っている410。その重みを感じながら、ヒュマ男は思う。
一度失ったものは二度とは戻らない。だから大切なものは、どんなことがあろうと必ず守りきらなくてはならない。
だが、届かぬ思いもある。適わぬ願いもある。それが現実だ。時には力及ばず、大切なものを失うことも起こりえる。
それでも、生きてさえ居れば、再び手に入れることは可能なのだ。同じものは無理でも、違う形でなら、それを手に入れることが出来る。
そう、自分は手に入れることが出来た。主人である自分を慕ってくれる、腕の中のPM(コイツ)を。
ヒュマ男は父が眠る墓石を見つめ、語りかけた。
ヒュマ男「今の俺の姿を見て、父さんは笑うかな?」
ヒュマ男「…いいや、ごめん。父さんはそんな人じゃなかったね」
ヒュマ男「コイツはさ、正直出来の方は今ひとつだけど、それでも主人想いの『いい子』なんだ」
ヒュマ男の言葉遣いは、いつものものとは違っており、その表情には、微笑が浮かんでいた。
ヒュマ男「ありがとう、父さん。俺の命を守ってくれて」
ヒュマ男「父さんのお陰でガーディアンズとなって…コイツの他にも、沢山のものを手に入れることが出来たよ」
ヒュマ男「本当に、ありがとう…」
ヒュマ男はゆっくりと立ち上がった。腕の中の410を起こさぬよう気遣いながら。墓前に向かい、最後に別れの挨拶を。
ヒュマ男「じゃあね、父さん。…また、来るよ」
…エピローグへ
117 名前: 116 2007/01/31(水) 00:50:22.84 ID:9+6y6dOh
話がグダグダ…それと必死に削ってるつもりでも、文章がどんどん長くなるのはなんでなんだろう…
何気に文もかくけど、絵もかいちゃうぜって人結構いるのね…
それとオールスターの作家さん、小ビス子&430の作家さんお帰りなさい
あと悪キャス悪パシリのラストが気になっているのですが、まだかかるのかな?
118 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
04:20:10.09ID:ZtfxJjeS
>>116
やばい、ヒュマ男やばい…かなり熱い内容すぎて目から汗が・・・なんでだろ
とにかくGJ!!
最後のヒュマ男が父にしゃべりかける言葉使いとかモーーーーツボだわ
エピローグ期待してます!ヽ[゚∀゚]ノ
で、ヒュマ男の外観ってどんな感じなのかが気になる所、想像にお任せしますだと涙が出そうになるので
教えてくれると鼻血ものです。
119 名前: 前スレ105 2007/01/31(水) 11:57:43.59 ID:3ReH2rQ+
「いらっしゃいませー!」
明るく元気な声が小さな店内へ響き渡る。
新しく入店してきたヒューマンの青年を、小さな影が出迎える。
「…て、ヒュマ助。おかえりなさい!」
「ただいま、422。店番お疲れ様」
すっかりお店の看板娘が板についてきた422。
420の頃からも店に来る常連の人々のマスコットだったが、
422になってからはますますの人気っぷりである。
「お帰りなさいませ、ヒュマ助様。お疲れ様でした」
奥からカッポウギ姿の442が顔を出した。
440もいまやヒュマ助のいない時の厨房として、442になり頑張っている。
相変わらず、ニューディズ文化を愛しているのは、440の頃と変わらない。
「ただいま、442。お客様方も…ヒュマ助、只今戻りました」
笑顔で会釈するヒュマ助。店に来ているお客も口々に彼におかえり、と声を掛ける。
「それはそうと…」
こちらも相変わらずのヒュマ助のお土産話。442も422もこれが好きだったりする。
「今日、食材を買いに他のガーディアンズのショップを回ったんだ」
「格安のお店等、良心的な店舗が多いですよね」
「うん。凄く親切で安く売ってくれたキャストさんがいてね…」
そういって、彼が掲げた手荷物には、食材が沢山入っていた。
「いいお方でしたね。是非ともお店にご招待したい程です」
「うん。今度遊びに来てね、っていったら喜んでたよ。でも…」
歯切れの悪い終わり方をして、うーん…と首を傾げるヒュマ助。
「何か問題でもあったの?ヒュマ助…」
「いや、何であの人の頭に、コメツタラが刺さっていたのかなぁ…って」
442と422はその光景を想像し、唖然とする。ヒュマ助は「ん~」と首を傾げ続けた。
120 名前: 前スレ105 2007/01/31(水) 12:02:47.84 ID:3ReH2rQ+
>>116
い、いいお話だ…;ω;ブワッ
ヒュマ男の最後の口調変化の部分が…クる…
ウチのヒュマ助はネタキャラ住人認定を受けたくらいなので…
そんな「いい過去」無い…
あれ、なんか暖かい物が目から…
121 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
13:04:00.28ID:9KTY7iRR
なければ作るんだ!
122 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
13:13:41.47ID:UEy/ZFS0
料理好きになったキッカケとか
ニューデイズ文化贔屓の原因とか
440の支給初日とか
ないって事は作れるって事だぜ
123 名前: 前スレ105 2007/01/31(水) 13:20:34.63 ID:3ReH2rQ+
>>121
そうだな…その意気だった…
>>122
ネタ扱いされると書かないつもりだったんだ…実際
書くか…ネタ扱いを恐れてたら、何も変わらない。
私…やってみるよ…
124 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
16:52:17.87ID:4NaiYh37
>>119
>「いや、何であの人の頭に、コメツタラが刺さっていたのかなぁ…って」
>442と422はその光景を想像し、唖然とする。ヒュマ助は「ん~」と首を傾げ続けた。
ヒュマ助「あの・・・、頭にコメツタラが刺さってますが」
箱「ヴィロギス・セットです」
ヒュマ助「え?、でもヴィロギス・セットって頭じゃなくて背中に棒があr」
箱「ヴィロギス・セットです」
ヒュマ助「・・・」
箱「ヴィロギス・セットなんです」
ヒュマ助「は、はぁ・・・そうなんですか」
箱「そうなんです」
っとこんなやりとりがあったとかなかったとか・・・。
125 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
17:51:09.36ID:xi1D9+l8
という箱は涙目だったそうな
126 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
20:24:29.91ID:iMwWGu9Z
>>117
墓場で父親に話しかけてる所のヒュマ男がかっこよすぎる・・・w
このかっこよさには勝てんなぁ・・・w
エピローグも期待w
>>119
割烹着姿の442とかエプロンでお膳を運ぶ422とか見てみてぇ・・・w
しかし箱はしかられて店番させられてたところだったんだろうかw
127 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
22:45:40.00ID:fHHHc3GW
>>86
>アレか、猫並に身軽になってジャンプ力が上がるから、目の前に吊された魚も楽々ゲットなのか!
あぁぁぁ、大きな男の人が目の前でプラプラさせたおさかなと小ビス子です。
#http://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2225.jpg
自分のネタを練らないと・・・・・。
128 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水) 23:26:41.98ID:rx9FD7p3
>>127
尻尾カワエエw
絵を描けるのはうらやましいな。
何かを書けるっていう文才も憧れるぜ、ROMってるだけでもしあわせ。
でもこのわずらわしさはなんだろう?何か行動に移さないといけない気が(´・ω・`)
129 名前: 名無しオンライン 2007/01/31(水)
23:27:01.87ID:9KTY7iRR
>>124
コメツタラが刺さってたキャストって箱だったのかwww
130 名前: 名無しオンライン 2007/02/01(木)
04:08:33.96ID:wSDNXimb
メンテ前だしもっさりと投下してみる
萌えもなければかっこよさも欠けているがなッ!!!w
131 名前: 炎の追憶 9 2007/02/01(木) 04:09:36.21 ID:wSDNXimb
―パルム山岳地帯麓
「ぉぐ… お…………の……」
ヒューマン兵の、最後の断末魔が空間に染み渡り、消えていく。
「ジェイド……敵残存兵力は」
周囲を見回しながら、両手に一対のソードを携えた紅いキャストが尋ねた。
その問いに、周囲の反応を検索していた緑色のキャストが答える。
「はい…どうやら撤退したようですね。このエリアの制圧はほぼ完了したと思われます」
その言葉に、ツインソードを収め、部下に指示を与える紅いキャスト。
「今日はここで野営をする。明日早朝にラフォン草原の野営基地制圧に向かう。各自メンテナンスと補給を怠るな」
「はッ!」
その言葉に答える多数の声。
がちゃがちゃと金属などのぶつかり合う音と共に、どこからともなく若干の安堵感が湧き上がる。
「隊長…」
暫らくして、緑のキャストが紅いキャストに声をかける。
「なんだ」
武器を手入れする手を止めず、その武器に視線を向けたまま答える紅いキャスト。
「今回の作戦…よろしいのですか?」
「不満か?」
「不満というよりは…疑問ですね。この戦力であの基地を攻めるのは、少々骨が折れるかと……」
紅いキャストの横に片膝を付き、回りの兵に聞こえないように小声で話すジェイド。
「……今更だな、ジェイド。お前なら俺がどう答えるか理解していると思うが?」
そういって紅いキャストは武器の手入れを続けながら、少し視線を彼に向け、すぐに戻す。
「……はは、そうですね。伊達に長く隊長の下にはついていません」
ジェイドが少し、にやりと笑う。
「そうだ。不満だろうが疑問だろうが、それが『命令』だ」
『命令』の部分に少し力が入る。
「はは、やはりそう仰いますか…」
呆れたような、予想通りのような複雑な苦笑いを浮かべるジェイド。
「当たり前だ。兵士ならば命令に従うのが当然だろう。それとも何か?貴様も『自由』がどうこう言いたいのか?」
少し不機嫌そうに答える紅いキャスト。
そんな彼の珍しい台詞に驚きながら、ジェイドが言葉を返す。
「まさか。私も兵士ですよ。そのあたりはわきまえています」
「そうか、ならいい」
手入れの終わった武器を仕舞い、一息つく。
その様子を見、ジェイドが疑問を投げる。
「『貴様も』と仰いましたが、何かあったんですか?」
相変わらず不機嫌そうな声で紅いキャストが答える。
「……最近どうもな。 陳腐な言葉を立て続けに聞くと機嫌も……」
悪くなる、と続けようとしたところに、何かをぶち撒けるような音と、短い悲鳴。
何事かと二人が音の源を探す。
132 名前: 炎の追憶 10 2007/02/01(木) 04:11:20.82 ID:wSDNXimb
「おい……なにをやっているんだ!」
兵士の声がする。
「あ、あ、す、すみません! い、いま片付けますからっ!!あ、あわわ……」
場違いな女性の声。
「あの女型…来ていたのか」
紅いキャストが、散乱したペロリーメイトなどのレーションをわたわたと拾い集める女性キャストを一瞥して尋ねる。
「はい。まだ雑用という立場ですが、一応」
ジェイドの答えに、少し呆れたように答える紅いキャスト。
「…奴のために兵は割けんぞ……」
その言葉に、少し笑いながら
「はは、大丈夫ですよ。結構熱心に訓練してましたし、入隊時よりも戦闘能力は上がっています」
ジェイドがそう答える。
「ならいいのだが…」
憮然という表情。先日のあの女を思い出すと、かなり不安が残る。
と、二人の聴覚センサーに、近づく小さな足音。
「あの~、お食事は行き渡り…… あ……っ」
語尾が少し怯えたような女性キャストの声。
闇で気付かなかったのか、近づいてそのボディカラーに初めて気付いたようだ。
紅いキャストからのじろりと向けられる視線。
「あ、あの……っ! えと、その、お、お食事は……」
「まだだ」
紅いキャストの低い声。
「は、はいっ!えと、その、こ、これです……っ!」
鞄の中から二人分のレーションを恐る恐る差し出す女性キャスト。
「ああ、ご苦労様。」
紅いキャストの雰囲気に怯える彼女を気遣ってか、ジェイドが立ち上がり二人分のレーションを受け取る。
「ありがとう。こっちは勝手にするから、もう行っていいよ」
「……あ、は、はい……! え、えと、し、失礼しましたっ!!」
ジェイドのフォローで少し安心したのか、時々振り返り紅いキャストの背中を見ながら、
とてとてと小走りでその場から離れる女性キャスト。
「はぁ……」
なんだか疲れたような溜息が一つ。
「駄目ですよ隊長。 何意味もなく威圧感出してるんですか…… あの子、怖がってましたよ?」
再び紅いキャストの隣に座り、受け取ったレーションを差し出す。
それを受け取りながら相変わらずの口調で紅いキャストが答える。
「別に何もしてはいない。勝手に向こうが怖がっているだけだ」
受け取ったものの包装をぺりりと開封して、中からペロリーメイトを取り出す。
そして口部装甲を展開し、一口齧る。
「そうですか? 隊長、女心がわかんないからなあ…… なんかやっちゃったんじゃないですか?」
また一口齧ろうとした紅いキャストの口が、ペロリーメイトを挟んだまま止まる。
この紅いキャストにこんな口が叩けるのも、この部隊では彼……ジェイド一人だけなのだろう。
他の兵士ではこうはいかない。……怖すぎる。
133 名前: 炎の追憶 11 2007/02/01(木) 04:11:58.07 ID:wSDNXimb
「……」
返ってきたのは沈黙。それになんとなくピンとくる。
ジェイドに浮かんでくるのは、気まずそうな表情。
「ま、まさか…………図星……ですか……?」
ジェイドの台詞に紅いキャストはジロリと視線で返して、咥えていたペロリーメイトを齧る。
「隊長…… 彼女も一応この部隊のメンバーですよ? 関係をこじらせてどうするんですか……」
「知らん。俺は『訓練をしろ』と言っただけだ。何も妙なことは言ってはいない」
ぶっきらぼうに答える紅いキャストをジト目で非難するように見るジェイド。
「ホントですか?」
紅いキャストは、最後に残った一片を口に放り込み、飲み込んでからその問いに答える。
「ああ。 あとはそうだな…… 食事を作らせろとか言ってたな……」
「…で、なんて答えたんですか?」
なんとなく解るが、あえて聞いてみる。
「くだらん。そんな提案を受ける必要があるのか。
そんな無駄なことをする暇があったら訓練をしたほうがよっぽど有意義だ」
「やっぱり…… 駄目ですよ、女性にそんな冷たい態度取っちゃ…」
「……」
やはり無言。と、ふとジェイドが何かに気付く。
「それにしても……」
「何だ」
「隊長、今日はやけに饒舌ですね」
そんな言葉に、紅いキャストは少し逡巡してからぼそりと答える。
「……たまにはそういう日もある」
そんな台詞にやれやれという表情のジェイド。
「……隊長も……少し後ろめたかったんじゃないですか?」
「……何のことだ」
「……いえ、別に」
暫らくの沈黙。
と、唐突にすっと立ち上がる紅いキャスト。
「隊長? どちらへ?」
「見回りだ」
そういってその場から去る紅いキャスト。
「相変わらずですねえ……」
そう言ってジェイドは空を仰ぎ見る。
満天の星。明日は晴れだろう。
いや、晴れのち雨か…おそらく、赤い、赤い血の雨が降る。
そして彼は、自分のテントへと向かう。 明日は……激戦になるだろう。
134 名前: 炎の追憶 12 2007/02/01(木) 04:12:57.40 ID:wSDNXimb
「よしっと。片付け終了!」
ぽんっと箱を叩いて一息つく女性キャスト。
「えーと、次は……」
次の作業に取り掛かろうとした時、唐突に背後から声がかけられる。
「おい」
「ひぁ!?」
短い悲鳴。慌てて声の方を見る女性キャスト。
そこには紅いキャストが立っていた。
「あ、た、隊長………… な、何か御用……ですか?」
先日のこともあってか、女性キャストが恐る恐る尋ねる。
「貴様に一つ作業を命じる」
突然の指令に女性キャストが身を固くする。
「は、はい! なんでしょうか!?」
「……この作戦終了後、食事を一人分作れ」
妙な指令に首をかしげる女性キャスト。
「は……はぁ…… えっと、どなたに……」
「……俺だ」
「………………はぁ……」
ぽかんとした表情の女性キャスト。
それを見た紅いキャストは少し苛立った声で言う。
「解ったのなら復唱しろ」
「は、はいっ! さ、作戦終了後、隊長のお食事を一食お作りします!」
あまり似合わない敬礼をして、指令を復唱する女性キャスト。
「以上だ」
一言を残してその場を去る紅いキャスト。
その場には女性キャストが一人、まだ状況を理解していないような表情でぽつんと取り残された。
「…………まったく……何故俺がこんなくだらんことを…… 面倒な……!」
ぼそりとそう呟くと、紅いキャストは自分のテントへと向かう。
今日のような日は、早く寝るに限る。戦闘よりも厄介な作業に、彼は心底疲れていた。
つづく
135 名前: 名無しオンライン 2007/02/01(木)
04:23:15.90ID:wSDNXimb
どうしよう、まるで終わる気配が無いorz
ごめんね、超ごめんねw
>>51
>ところでキャストも酒に強い弱いがあったりするんだろうか
きっとあるさ!あったほうが面白いからなっ!w
>てか個体差は誰が決めてんだろ・・・w
作者w
136 名前: 先生と僕 1/7 2007/02/01(木) 12:51:18.68 ID:eBLUQdl8
「これでよし…っと」
閉店後、器具の片付けや掃除を終えたヒュマ助。
442と422も雑巾を絞っている。
「442、422、お疲れ様。後は僕がやっておくから…」
「ほーぃ!ヒュマ助、お疲れ様~」
「お疲れ様でした、ヒュマ助様」
そう言って、小さな家族達はお店の奥のマイルームへ戻っていく。
ふと、ヒュマ助は壁に掛けた時計を見た。
「もうこんな時間かぁ…。早く、二人の夕食を作ってあげて…」
時計の掲示板に表示された日付、それを見て…彼は気が付く。
「そっか、今日は…」
137 名前: 先生と僕 2/7 2007/02/01(木) 12:51:49.78 ID:eBLUQdl8
「頂きま~す♪」
「頂きます」
「はい、召し上がれ」
何時もの食卓、何時もの閉店後の光景。
二人でお手伝いしたヒュマ助の作った料理を囲んで、夕食の時間。
「はむ、はむはむはむ!ハグハグ…」
「422、お行儀良く食べなさい?」
「むぐむぐ…だって、442~。ヒュマ助のご飯…むぐむぐ…美味しいし」
「食べながら喋らないの。まったく…」
何時もの事。美味しそうに頬張る422と、それをみてお小言をする442。
422の頬っぺたにつけたご飯粒を取ってあげる442。照れる422。
それを見つめるヒュマ助の、幸せそうな笑顔。
…しかし、その日は少しだけ違った。
「はれ…?んぐんぐ…ヒュマ助、どうしたの?食べないの?」
422が気づく。何時もなら嬉しそうに微笑んで一緒に食卓を囲む彼。
だが、今日は微笑んでいるが、料理に手をつけないでいる。
「御身体の具合でも、優れませんか…?」
「え!?ひ、ヒュマ助病気なの!?」
心配そうに見つめる442。食事を中断して驚く422。
「い、いや。ちょっと…思い出していて…」
そういって、何時も通りに笑うヒュマ助。二人も安堵の吐息を漏らす。
「何か、重要な事でも御座いましたか?」
「何何、ヒュマ助~、何を思い出したの~?」
442は事務的に、だが422はいかにも興味津々といった様子だ。
「あはは、大した事じゃないんだけどね」
そういって、懐かしむように目を細めるヒュマ助…
「僕の、『先生』の誕生日なんだ。今日は…」
「先生…?」
「ヒュマ助様の、指導教官様ですか?」
二人のパートナーはヒュマ助の言葉に聞き耳を立てる。
「あはは、そんな大したモノじゃないんだよ。ただ…」
そういって、優しくも少し寂しそうな顔をするヒュマ助。
「僕が小さい頃から、僕を育ててくれたたった一人の恩人なんだ」
138 名前: 先生と僕 3/7 2007/02/01(木) 12:52:20.21 ID:eBLUQdl8
―幼い日…………
少年の母親は、少年が物心付かない内に他界した。
少年の父親は、少年が少しだけ多きなった頃に、他界した。
二人とも、ガーディアンズとして誇り高い「名誉の殉職」だった…
「お前が、アイツのガキか…?」
葬式の日。一人で俯いていた幼いヒュマ助の前に、一人の女性が立っている。
「だぁれ…?お姉さん…」
「お前の親父の知り合いだよ。なんていうか…相棒(パートナー)だな」
そういって、ヒュマ助の横にドサっと座る女性。長身の、ビーストの女性だった。
「お父さんを…知っているの…?」
「あぁ、嫌になるほどな。アイツの癖から、趣味の一つ一つまで」
はは…と笑いながら、ヒュマ助の頭をグシグシと撫でる女性。その手は、優しかった…
「アイツがまさか、いっぱしにガキこさえてるなんてな…」
そう言った女性の目は、子供にも解るほど…寂しさであふれていた。
「どうりで、ツれなかったわけだ…。母親は…だろ?」
「うん…」
「いい女だったしな…優しくて、アタシより数段綺麗だった…」
胸元から煙草を取り出すと、片手はヒュマ助を撫でたまま、もう一方の手で火をつけた。
「お前の親父から、お前の事を頼まれたんだよ…アタシは」
女性も俯いている。その表情はもう、見ることは出来ない。
「今日から、アタシがお前の家族だからな…」
「…うん………」
―その日、その女性が僕の家族であり、『先生』になった…
139 名前: 先生と僕 4/7 2007/02/01(木) 12:52:43.92 ID:eBLUQdl8
「凄いや、先生って…何でも出来るんだね!」
先生は女手一つで僕を育ててくれた。先生もガーディアンズだった。
「何でもはできねーよ。神様でもあるまいし」
「でもでも、僕よりいーっぱい、色んな事出来るよねっ!」
「ま、まぁな…お前より年くってるんだし…」
先生は子供である僕の世話に四苦八苦していた。子供心に、それは解った。
だから、僕も先生に迷惑をかけないように、立派な大人に早くなりたかった。
「ヒュマ助、これ…お前が作ったのか…?」
テーブルに並んだ不恰好の料理。どれもこれも、異様な姿だった。
「ごめんなさい…僕、先生のお誕生日だし…ご馳走をと思って…だけど…」
「い、いや、いいんだ。謝るなよ…!」
そういって、先生は食卓へ座ると、無造作にその異物を口へ運んだ。
「ぐっ…」
表情がこわばる。口元が歪む。子供でも解る。「この料理はまずい」
「せ、先生…」
「う、うまい、うまいぞヒュマ助…!初めてにしちゃ上出来じゃないか…」
我慢しているのがわかった、辛そうだった。それでも…
引きつる笑顔で「美味しい」といってくれた。その目は、優しかった…
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「ほ、ほら、泣くなよ…!?…つ、次、そう、次頑張ればいいじゃねーか!」
―失敗に泣いた日。翌日、目が覚めると枕元に平仮名で書かれた調理書があった
140 名前: 先生と僕 5/7 2007/02/01(木) 12:53:19.12 ID:eBLUQdl8
「先生!やった、やったよ…!僕、調理師のライセンスがとれたんです!」
背も伸びて、いっぱい勉強して、沢山先生と笑って…そんなある日。
「おぉ、やったじゃねぇか!」
「うん!今夜は腕によりを掛けてご馳走を作りますから!」
「はは、そりゃ楽しみだな。お前のメシはうめぇからな」
そうだ、この声…この優しい声が、大好きだった。
僕は先生がいたから、こうして誰かに料理を食べてもらう幸せに気づいたんだ。
「しっかし、お前もずいぶんでかくなったなぁ…」
しみじみと食卓で呟く先生。その目には、懐かしむような、暖かい光があった。
「先生のお陰ですよ。僕一人で、育ったわけでは…」
「ったりめーだろ。お前の親父に感謝されたい程だぜ?」
ははは、と笑う先生。でも、その笑顔には寂しさが映っていた。
「先生、僕は…独立して、飯店を構えたいと思っています」
「…そうか」
言葉が無くなる。食事の手は進まない。微妙な空気だけが流れていく。
「…ふぅ、お前もお前の親父に似て強情だからな」
ため息をついた先生。やれやれと僕を見つめる。
「好きにしな。但し、男が一度口にしたんなら最後までやり通しなよ?」
「はい…!僕は、僕のお店で沢山の人に笑顔で食事をして欲しいんです!」
「いい目標だ、立派な夢だ。…、ま…頑張りな」
「…はいっ!」
僕の目標が決まった。僕の夢が決まった。先生に、恩返しがしたかった。
「オープンしたら、先生を是非招待致しますね!」
「はは、いいな、それ。フルコースの一つもご馳走になろうか」
「勿論です。先生はいつだって大歓迎致しますよ」
そういって、笑いあった。先生にやっと恩返しが出来る時が来た。
僕は全力で夢を追うことに決めた。僕は一人前の姿を先生に見せると約束した。
―僕が先生から独立した数ヵ月後、先生が病院に担ぎ込まれた事を知った…