>>726氏
739 名前: 726 投稿日: 2006/11/03(金)13:03:19.07ID:qDw9FAK1
んじゃ投下させていただく。
グラール太陽系最大の警護組織『ガーディアンズ』に所属するものは各ガーディアン
ズに『マイルーム』と言う自分の部屋と身の回りの世話をしてくれるパートナー『パー
トナーマシナリー』が分け与えられる。部屋の中にはベッド、外線端末機であるビジフ
ォン、着替え兼クローゼットであるドレッシングルームがあり隣の部屋は様々なインテ
リアグッズをおくスペースがある。だがこの部屋の持ち主である○○はそういった事に
興味が無いためガランとしてとても寂しい部屋になっている。だが、そんな寂しい部屋
にも華とでも言うのだろうか人型にまで成長したパートナーマシナリーのGH-420の姿が
ある。しかしその顔は蒼白しており今にも自ら初期化せんばかりの緊張を漂わせていた。
「ど、どうしよう。合成失敗しちゃった・・・。○○様がとても楽しみにしてたのに・・・
どうしよう・・・」
GH-420はどうすれば良いのかわからず必死に思考を張り巡らせていたとき、入り口の
ドアが開き部屋の主である○○が現れた。
「ただいまー、今帰ったよニャンポコ」
どうやらGH-420の名前は「ニャンポコ」と言うらしい。
「お、お帰りなさいませ○○様、お食事にしますか?それともお風呂になさいますか?」
「あぁ、そんな事は後で良いから頼んでたものは完成し」
○○の言葉を遮りニャンポコは話を続ける。
「あ、きょ今日ですねお部屋のお掃除してたら部屋の隅っこの方からお金が出てきたん
ですよ。ほ、ほら」
そういうとニャンポコは両手いっぱいに乗ったメセタを見せる。
「こ、これ共有倉庫の中に入れときますねッ」
いそいそと倉庫の中をいじりだすニャンポコを○○はじっとみつめている。その視線が、心
が痛い。
741 名前: 726 投稿日: 2006/11/03(金)13:14:15.22ID:qDw9FAK1
「やっぱり腹が減ってきたから先に飯作ってもらえるか?その後で風呂に入るから」
「は、はい。すぐに用意しますね」
倉庫での作業が終わったニャンポコは急いでキッチンに駆け寄り慣れた手付きで料理を作
る。○○が料理を食べている間に風呂の用意を始め、料理を食べ終える頃には風呂が完
成していた。○○が服を脱ぎシャワールームへ入ったことを確認すると脱衣所にある洗
濯物を回収し代わりに替えの下着と寝巻きを置いておく。その後で食器の片付けに入る。
もうパートナーと言うより新妻に近い。
「ふー、サッパリした」
食器の片づけが終わると同時に寝巻きを着た○○が肩に掛けたフェイスタオルで頭髪
を拭きながらシャワールームから出てきた。すかさずニャンポコがドライヤーを持ってきた。
「○○様、ドライングをしますからお座りください」
「あぁ、よろしく頼むよ」
○○が床に腰を下ろすとニャンポコは後ろに回りこみドライヤーのスイッチを入れる。ド
ライヤーから発せられる温風を○○の頭髪に当てながら櫛ですく。ドライング中二人の
会話は一切無く、風を送る音だけが静寂を支配していた。
744 名前: 726 投稿日: 2006/11/03(金)13:30:37.60ID:qDw9FAK1
「終わりましたよ」
ドライヤーのスイッチを切り、終わったことを○○に伝える。
「ありがとう、いつも澄まないな。でだニャンポコ、頼んでいた奴はどうなった?」
あぐらをかいたまま体の向きをニャンポコに向け○○が聞くと彼女の体がピクッと
した。
「あ、あの・・・その・・・コ、コチラ・・・です・・・・・・」
震える手でモノメイトを出す。差し出されたモノメイトを無言で受け取った○
○はニャンポコの頭を撫でながら優しく諭す様に言う。
「どうして最初から素直に言わなかったんだ?」
「だって・・・○○様があんなに楽しみにしてたのに失敗したから・・・・・・」
「なぁ、ニャンポコ。俺は悪い主人か?」
「そ、そんなことありませんっ!!○○様はとても優しいご主人様です!!私を此
処まで育ててくれましたし感謝しています。そ、それに・・・」
「それに?」
「よ、夜も私が満足するまでしてくれますし・・・」
顔を真っ赤にしたニャンポコが最後に付け足した。
「夜?あぁ、メンテナンスの事か。ま、機械いじりとかは俺の趣味だしそれは構
わないんだが・・・・・・ふむ、それなら俺は良い主人と言う自信を持っても良いんだな?」
「もちろんですっ!!」
ニャンポコは即答した。
747 名前: 726 [sage] 投稿日: 2006/11/03(金)13:41:24.20ID:qDw9FAK1
「なら、その良い主人に対して隠し事というのは良くないことじゃないのか?」
「・・・・・・ごめんなさい・・・でも、嫌われたく・・・・・・なかったから・・・」
ニャンポコの本音を聞いた○○はあまりのくだらない理由に半ば笑いながら言い、抱きし
めた。
「ば~か、たかが合成失敗しただけで嫌いになってるなら俺はもう何回もお前を初期
化してるっての。こんな事で悩むなんてお前可愛すぎるぞ」
抱きしめられ『可愛い』と言われたニャンポコの瞳から涙が溢れて止まらない。
「○○ッ……様ぁ~…ゴメンッ、ナサイ・・・ック、ヒック」
「あ~はいはい、分かったから泣くな。今度からはちゃんと報告すること、いいな?」
○○の胸に顔を埋めたまま何も言わずに首を縦に振る。
740 名前: 名無しオンライン 投稿日: 2006/11/03(金)13:07:28.97ID:cVmY+tgU
○○の胸で泣いていたニャンポコはいつの間にか静かな寝息を立てており、
時折寝言を言う。コレまでに聞いたのは『やっちゃいましょう』や
『サンドイッチ攻撃です』などである。
「ミッション行ってる夢でも見てるのか?」
「○・・・○様ぁ・・・・・・」
「お、また何か言い出した」
「・・・・・・大・・・好き・・・・・」
「・・・・あぁ、俺も大好きだよニャンポコ」
唇をそっと重ねた。
終わり