241 名前:少女 ~病院~ 1/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:52:39 ID:MtFnF1+C [1/7]
「アイリス様、ありがとうございました」
主人が落ち着いた後、私達は改めてアイリスに礼を言った。
「いえいえ、間に合って何よりですよ」
「でも、どうしてここに?」
そう。アイリスはまだ詳しい事情は聞いてないはずだし、主人が助けを求めようとしたのはセシルだ。
それに、仮にアイリスに連絡していたとしてもこんなに早く来るわけがない。
「ああ・・・セシルさんから連絡があったんですよ。あちらも貴方達と別れた後襲撃を受けたらしくて」
「えっ!?」
「大丈夫、返り討ちにしたそうです。今頃は締め上げて情報を得ているんじゃないですかねぇ」
主人がほっと息をついた。確かに、あの二人がそう簡単にやられるとは思えない。
「で、そちらも襲われるかもしれない。でもこっちの襲撃犯達を放っておくわけにもいかない。そこで私にお声がかかったわけです」
「なるほど・・・でも、よく間に合いましたね?」
「ふふ、エアライドクラスター飛ばしてきました」
エアライドクラスターとはSUVウェポンの一つだ。確か、飛行ユニットで飛び回り、範囲内の敵を一掃するタイプだったはず。
でも飛行ユニットとはいえ、あれ、攻撃用なのに・・・。
「大切な友人のピンチですから!」
得意げに胸を張るアイリスの隣で、やれやれと言わんばかりにリムが首を振った。
242 名前:少女 ~病院~ 2/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:53:07 ID:MtFnF1+C [2/7]
「来る途中に通報してありますから、じきに警備員が来るでしょう。引き渡した後、当初の目的地に向かいましょうか。
私も何度かお世話になってますから、案内しますよ」
「え、でも、大丈夫なん?こいつらこのまま引き渡して」
十中八九、私達を襲った奴らは「組織」とやらの関係者だろう。引き渡せば少女の事までバレてしまうかもしれない。
「大丈夫、ただの強盗として通報してあります。この人たちも余計なことは喋らないでしょう」
「そ、そっか・・・」
「まぁ、必要な情報はセシルさんが引き出してくれているでしょう。・・・襲撃した人達が生きてるといいんですけどねぇ」
「・・・・」
「うふふ、冗談ですよぉ」
相手がセシルだと冗談に聞こえない。
「ところで、本当にざっくりとしか事情聞いてないんですが・・・そちらのお嬢さんと眼鏡のPMさんが件の?」
「あ、うん・・・」
少女はまだ震えている。よほどあの男達が怖かったらしい。
アイリスが近づくと、メガネが少女を庇うように前に立った。・・・警戒されてる。
アイリスがメガネにニコリと笑いかけた。
「初めまして、アイリスと申します。こちらは私のPMのリム」
「・・・初めまして」
メガネ達が挨拶と自己紹介を交わしていると、通報を受けた警備員がようやく到着した。
243 名前:少女 ~病院~ 3/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:53:41 ID:MtFnF1+C [3/7]
「はい、ここですよー」
警備員に男達を引き渡した後、アイリスの先導で私達はあっさりと当初の目的地であった病院に到着した。
見た目はただの民家にも見えるが、入り口のドアの横に医院名の書いてある看板がついている。
ドアを開けて中に入ると、よくある病院の待合室になっていた。奥に受付があるが、無人だ。
「こんにちはー」
アイリスが受付に向かって声をかけると、奥からパタパタと足音が聞こえてきた。
「はいはーい・・・あら、アイリスさん!」
奥から出てきたのは、私達と同じPM、GH-420だった。
薄いピンク色の看護士の服を着て、特徴的な猫耳の代わりにナースキャップを被っている。
「お久しぶりですねー」
「ふふ、お久しぶりです。セシルさんから連絡入っているかと思うんですが」
「あーはい、伺ってますよー。診察室へどうぞ」
420に会釈して、私達はぞろぞろと「診察室」とプレートのかかった部屋に入った。全員入ってよかったのかなぁ。
診察室に入ると、病院特有の薬品の匂いはあまりせず、代わりにアロマか何かの良い香りが漂ってきた。
「ずいぶんと大所帯だな」
そう不機嫌な声をかけてきたのは、白衣を着た、妙齢のヒューマンの女性だった。
244 名前:少女 ~病院~ 4/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:54:11 ID:MtFnF1+C [4/7]
「先生、お久しぶりです」
「ああ」
先生と呼ばれた女性が、アイリスの挨拶にぞんざいな返事をした。
綺麗な顔立ちなのに、眉間には不機嫌な皺が刻まれている。
「セシルが言っていたのはその娘か?」
「ええ。あ、隣の412さんがその子のPMさんです」
「わかった。二人以外は待合室で待っていろ。診察の邪魔だ」
まぁ、そりゃそうだろう。
アイリスは苦笑し、私と主人は顔を見合わせ、診察室を出ようとした。
「そこの450、待て」
私はギクリと身を竦ませた。今この場で450っていうと私しかいない。
「な・・・なんでしょうか」
「お前、怪我をしているな」
「あ・・・」
レスタで傷は治っても服までは治らない。私の服装はボロボロのままだった。特に腹部が大きく裂けている。
「レスタで治しましたから・・・大丈夫です」
「レスタで全部治れば医者も病院もいらん。お前も残れ。一緒に診てやる」
「は、はぁ・・・ありがとうございます」
245 名前:少女 ~病院~ 5/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:54:33 ID:MtFnF1+C [5/7]
「・・・外傷は大丈夫のようだな。服の損傷から見るに結構な傷だと思うが、レスタがよく効いている」
そのレスタをかけてくれたのは主人だ。主人が褒められているようでちょっと誇らしい。
「あとは輸血だな。・・・おい」
「はーい」
受付で会った420が私に駆け寄り、「こちらへどうぞ~」と、先生とは対照的な笑顔で寝台へ案内してくれた。
診察していた場所から寝台まではそれほど離れておらず、先生と少女、そしてメガネが見えた。
・・・なんだか揉めているように見える。聴覚センサーを上げてみよう。
「ご主人様、大丈夫ですよ、この方はお医者様ですから。怖いことは何も・・・」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!いやぁ・・・こわい・・・!」
「・・・・」
どうやら少女が先生を怖がっているようだ。でも、ごめんなさいって・・・?
しばらくすると、考え込むようにしていた先生が突然白衣を脱ぎ、少女から見えない場所に放り投げた。
「これでどうだ?」
「あ・・・」
それを見た少女が驚いたように止まった。
「お姉ちゃん・・・違うの?白い服の人たちの仲間じゃ・・ないの?」
「誰のことを言っているのか知らんが、私はお前の病気や怪我を治すだけだ。何も痛いことはしないよ」
私達に応対した時よりも随分優しい声で先生が少女に語りかけた。
白い服、というのは白衣のことだろう。組織で白衣を着た連中に何かされたのだろうか。
246 名前:少女 ~病院~ 6/6[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 04:54:55 ID:MtFnF1+C [6/7]
「ごめんなさい・・・お姉ちゃん、白い服着てたから。あたし、間違えちゃった」
少女が恥ずかしそうに笑った。もう大丈夫そうだ。
「安心しました?」
「あっ・・・すみません」
私が少女達を気にしているのを見て、待っていてくれたらしい。
謝る私に、420はにっこりと微笑んだ。
「いえいえ。じゃあ、カーテン閉めますね」
420はカーテンを閉じると、点滴の準備を始めた。
てっきりただの受付かと思ってたけど、看護士の役目もしているらしい。ナースキャップは伊達じゃないってことか。
・・・ナースタイプとしてなんだか負けた気がするが考えないでおこう。
「はい、ちょっとチクッとしますよ~」
チクリとした痛みと共に、腕に針が刺される。
「終わったら起こしにきますので、スリープモードでお休みになってくださいね」
「はい・・・わかりました」
思えば慣れない肉弾戦でかなり消耗していた。
病院の中だし、例えさっきの連中がまた来たとしても今度はアイリスがいる。多分大丈夫だろう。
私はスリープモードに移行し、眠りに落ちた。
つづく
247 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 05:02:09 ID:MtFnF1+C [7/7]
久しぶりの投下完了。
ついカッとなってニャンポコにナース服着せてしまった。
後悔はしていない。
やっと終わりが見えてきました・・・
248 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 11:50:47 ID:xyA+dXWB
>>239
[゚д゚]<オレモノノシッテ
249 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 14:56:46 ID:45uGDLLd [1/2]
ニャンポコ「ナースは油で炒めると美味しいポコ」
ごしじん 「それは秋ナス…」
250 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 17:40:06 ID:45uGDLLd [2/2]
ふと思ったが、
ガチャでパシリの着替え服が出たら、
かなりつぎ込む自信はある。
251 名前:名無しオンライン[『GH450の人』 sage] 投稿日:2010/10/11(月) 10:13:09 ID:VKDrJBmo
[1/3]
>>247
投稿乙です。
負傷者は出たものの、何とか目的地へ到着できてなによりです。
>ニャンポコナース
かまわん、どんどん続けたまえw
>>240,248
つttp://www.psuxxx.info/uploader/src/up6791.jpg
>>250
大金つぎ込むなんて、お前にだけいい格好はさせないぜ!
PMの着替えとか、このスレの住人なら誰もが想像してきた道ですなw
一番いいのはGC使わないで手に入る事だろうけど、
もしGC使うとするならば出来ればガチャじゃなく、フォトンクリスタルの方向で・・・
252 名前:251[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 10:17:57 ID:VKDrJBmo [2/3]
[゚д゚]と(´・ω・`)がごっちゃになってた・・・orz
J( 'ー`)し <ごめんね かあさん 絵upするの慣れてないから ごめんね
253 名前:251[『GH450の人』 sage] 投稿日:2010/10/11(月) 12:42:49 ID:VKDrJBmo [3/3]
やっぱ直した。お目汚し本当にスマン。
自重という名の絵の練習に入ります。
>>240,248
つttp://www.psuxxx.info/uploader/src/up6793.jpg
254 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 23:43:19 ID:AJG6ZbhE
[゚д゚]<カエラナイ アイシテクレルマデカエラナイ
255 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:24:37 ID:ZXYQ6kWH
[゚д゚]<450デエロイハナシカイチャダメ?
256 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 08:03:07 ID:mFVAphZI
( ゚д゚)< >>1を100回読んでこい
257 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 22:11:02 ID:/nlNWl5z [1/4]
ととのいました!
とりあえず>>255で投下です。
258 名前:わかれの日 1/2[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 22:12:12 ID:/nlNWl5z [2/4]
別れ日はいつも突然にやって来るものだ。
「ごめん450、僕は今日でPSUを辞めようと思うんだ」
「…え?…ご主人さ…ま?」
いつものマイルーム。世間はサンクスフェスタで大賑わい。
御主人と一緒に出かけようとしていたGH450は呆然として立ちすくむ。
「SEEDもいないし。僕、フレもいないし……疲れたよ」
「そ……んなあ……私は……私は一体どうしたら……」
御主人様から突然の引退宣言で動揺を隠し切れないGH450。
喜怒哀楽。
GH450の表情がクルクル変わったと思うと一つに落ち着いた。
それは何かを欲する妖艶な女性の顔。
「御主人様……最後に私のわがままを聞いて下さい……」
「え……僕に出来る事なら何でもいいけど、な何かな?」
「最後に……最後に御主人様のお情けを下さいませ……」
「お情けって?……それはどう言う意味だ……アウッ!」
言うが早いか御主人様にタックルして馬乗りになるGH450。
突然の事で抵抗も出来ずにGH450の下になる御主人様。
「御主人様……最後ですから……いいですよね……?」
シュシュ……シュ……服を脱ぐ衣擦れの音がマイルームに響く。
世間一般ではGH450をはじめとするPM達は子供に見られがちだが、
実はそこらのグラビアアイドル顔負けのナイスプロポーション。
黒のナース服を脱いだGH450は御主人様の前で初めて下着姿を晒す。
肌がほんのりとピンク色に染まっているのは羞恥のせいだろうか?
下着は白のシューツとブラジャーに黒のオープンタイプのストッキング。
しかもショーツは紐に近い大胆なハイレグカット。
259 名前:わかれの日 2/2[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 23:08:14 ID:/nlNWl5z [3/4]
「御主人様……ん……んんっ……」
(以下パシリスレ的に禁止なのでGH450のセリフでお楽しみ下さい)
「強敵です……お気をつけ下さい」
「ナイスファィト!頼もしいです」
「ショートし……てしまう……」
「回復は大切ですね」
「体の底から力が抜けていきます」
「ああ……あ……あああっ……!」
(以上禁止内容は終了。完全版はどこかのスレにて期待して下さい)
「こ……これで……450は気が済んだかな…」
どれ位時間が経過しただろうか。かなり消耗した御主人がGH450に尋ねる。
「そうですね…とても満足です…でも?」
そう答えるGH450。こちらは気のせいか顔がツヤツヤしてとても満足そう。
「…でも?」
「……もう遅いかもしれませんね」
「へ?……それってどう言う意味」
バシュー!
マイルームのドアが開いて誰かが勢いよく入って来た。
一人はビーストの女性。一人はヒューマンの男性。
二人はお揃いの黒いスーツに黒いメガネ。ヤ○ザにしか見えない。
「困りましたね……我がGRMの大切なマシナリーをキズモノにされては」
最初に口を切ったのはヒューマンの男性。
良く見ると現GRM社の社長ことヒューガ。
「マシナリーへの暴行とは困ったね……これが本当ならぶっとばすよ!」
次に口を開いたビーストの女性。
こちらも良く見ると現ガーディアンズ総裁ことライア。
二人にずずっと詰め寄られる御主人。顔面蒼白。
「引退ならキッチリと清算するべきだね!PMのレンタル料とかなあ?ヒューガ?」
「そうですね総裁。破損、この場合はキズモノと言った方が適切かな。その分も」
「は……はめられた……450にはめられた……」
「イヤですよ。はめたのは御主人様では……ぽ」
その後、警備部に逮捕された御主人様はマシナリー暴行の罪で罰金刑が確定。
キンカイが何個あっても足りない位の金額をGRMとガーディアンズに請求された。
結局、引退を諦めてメセタを稼ぐ事になりタメ息をつく御主人だった。
(END)
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「ありがとうございます。お返しは必ずしますから」
嬉しそうにまた妖艶な笑みを浮かべるGH450。
その顔を見てドキドキとする御主人だった。
(BAD END?)
260 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 23:11:58 ID:/nlNWl5z [4/4]
反省シテイマス……ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ。
261 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 23:17:16 ID:lz88/9YH
ぽ
262 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/15(金) 15:20:05 ID:XenF/A6/
こ
263 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 01:25:25 ID:U10BSV2U [1/4]
あるPMの日記。
○月○日。
最近、マスターに会えない気がする。それは多分気のせいだと思う。
知り合いのPMもマスターが来なくなって半年経過したと言っていた。
私のマスターは用事があってたまたま来れないだけだ。たぶん。
○月×日。
マスター達のパーティーとミッションに出た。私なりに頑張ったと思う。
マスターに褒めて頂きたかったのだが特に何も無くとても残念に思う。
マスター達の会話から推測すると別の事に興味がある様だ。PSO2?
何かの略だろうか?
×月×日。
あれからマスターに会えない。どうしたのだろう。とても不安。
友人のPMとも連絡がつかない。おかしい。おかしい。
一人でマイルームを掃除。寂しい。とても寂しい気がする。
×月△日。
まだマスターに会えない。あれから随分と時間が経った気がする。
噂で知り合いのPMは「処分」されたと聞いた。
彼女のマスターは「引退」して「PSO2」へ行ったそうだ。
「処分」「引退」「PSO2」言葉の意味がワタシには良く解らなイ。
△月△日。
会エない。今日モ会えない。悪イ考えがヨぎる。
モウ会えないノだろうか?イエ会えるハズ。ダメダ。ダメ。
今度アッタラ二度とハナレナイようにシヨウ。それはイイ考エダ。
264 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 01:30:23 ID:U10BSV2U [2/4]
△月○日。
アエナイアエナイアエナイアエナイアエナイアアアエナイ会エない。
×月○日。
あレから時間がたったがマスターが帰ってきタ。
良かった。良かった。私は捨てられてない。
そうだ。イイ考え実行しよう。これで大丈夫。
あレ…いい考えっていつ考えたのだろう。
×月△日。
マイルームをロック。誰も出られない様にした。
メールが五月蝿いのでマスターの友達を全員ブラックリストに入れておく。
マスターも最初ハ暴れていたがワタシの気持ちを解ってくれるハズダ。
必要な物は全て私が合成しますので心配しないで下さい。
△月△日。
あれから何日か経過した。最近、マスターがあまり動かない。
以前は楽しそうに「ヘヒヒヒイ…」と笑っていたノに。
ワタシはロボットだKらマシナリーだからヒトの事はよく輪kらなイ。
△月○日。
Mアスターがまったく動かなくなった。どうしてか解らナい。
このメインかメらからずっと流れているのはナンダロう?
ワタシハ…貴方にずっと伝えたかったコトがあります…ソレハ…
265 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 01:31:42 ID:U10BSV2U [3/4]
刑事1「まったく酷い事件だな…」
刑事2「この日記を読み限りじゃ犯人はPMって事っスね」
近隣から異臭がするとの通報を受け警備部がマイルームのロックを解除。
この事件が発覚し調査が行われた。事件現場のマイルームを検分する二人の刑事。
刑事1「…この事件は部屋の持ち主が急性の発作を起こして死亡したと公表する予定だ」
刑事2「ほへ?真実はPMによる殺人事件じゃないっスか!?どうして!?」
刑事1が事件現場を見渡してため息。
刑事1「GRMの誇るPMが御主人様を「食い殺した」なんて世間に公表してみろ?どうなる?」
刑事2「あーでも…」
刑事1「何千人の御主人達の隣にいるPMがそうなるかもって知られたら?大パニックになるぞ」
刑事2「…でも…」
刑事1「多分…これと似たような事件はこれからも起きるかもしれないな…多分沢山な…」
刑事1が指差す先には、空ろな瞳で何かを呟き続けるPMの姿。
PM 「…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…」
アナタの周りで突然、連絡が取れなくなった方いませんか?
266 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 01:34:39 ID:U10BSV2U [4/4]
オヤスミナサイ
267 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 04:14:09 ID:5gFz85Kt [1/2]
主人「しかしながら、ヤンデレやらエロいやら様々なパシリがいる中で、ウチのパシリはなんと特徴も色気もない。あ~GH450型に俺も食われたいものd…」
パシリ「マスター?ジョギリの合成が成功しましたよ。ムクビアなんか叩き切れそうな切れ味ですよ?」
主人「はははは…やはりウチのパシリが一番だな!
パシリ「もう~マスタ~たら、おだてても何もでませんよぅ」
主人(もう、こんな生活嫌だ!ガーディアンなんか辞めてやる…)
次の日
主人「ところで復帰してそうそうだがやはりガーディアンズをやめy…パシリ大好き愛してる。ボク絶対ガーディアンズ続けるよ!
パシリ「マスターの背中にゴーモンの霊がついてたみたいなのでチャムンガで払ってあげました。こんなのが憑いてたらマスターがうつ病になっちゃいますからね。」
主人「ハハウヒィ…パシリィ~」…
主人「はっ…俺は一体何を…そうだ俺は今日ガーディアンズをやめ…」
268 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 04:41:53 ID:5gFz85Kt [2/2]
カッとなって書いた反省はしている。
269 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 17:11:36 ID:vzUnIEkP
ジョギリはやめてー
270 名前:名無しオンライン[] 投稿日:2010/10/16(土) 23:48:58 ID:yOcZNy2z
【四周年サンクス 装備、立ち回りが雑魚の地雷、寄生虫リスト】2010年10月16日殿堂入りとして認定
夕凪(10079551) 美雪(10113874) Silver(10130502)
のりこ(10164773) Rin(10108137) Dia(10077232)
村正10162174 nada(10118423) ガーベラ(10162884)
リチャード・ロウ(10187238) サマルトリア凹子(10060470) ALICE09(10191219)
STORM EVANS(10021764) エンジェラン「桜華」(10005811) エテルナ(10035481)
エクセル・カーリム(10031982) ルミナ(10152791) のぁ(10164157)
パトリック(10062023) チャンタ(10022163) ソフィア(10001121)
Rio(10057499) ぷりりん(10044675) カドモニ(10200464)
ラプサス(10018941) 蒼(10139402) おじさん(10151595)
夜光虫(10065687) 吉乃 クレア(10034621) サラン(10032751)
疾風(10179800) Noppo(10017740) 船酔いサリー(10184572)
ヒューズ(10132336) ぱる(10125202) サクラ(10133481)
ミュラ(10148083) ガングレト(10035601) あや(10174239)
わんうぃーる(10172244) アレックス(10022163) 咲夜(10184816)
ルシカ(10160316) OTAKON(MF)(10052036) Doggie(10176666)
マヤ(10017041) アクト(10177206) エレナ(10178392)
幸村(10164773) どれみ♪(10169091) びよ(10059871)
豆大福(10041558) エリア・フィン(10001053) み~の(10158893)
ジュ℃(10199445) ベルダンディー(10070789) シャルム・カーン(10056599)
271 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:49:14 ID:bUGbTBRM
オマエガイルノハココジャナイ
272 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 01:25:48 ID:pslPhiI7
晒されるような奴にも、マルチポストするような奴にも
どんな奴にもパシリがいると思うとなんだか言い知れない気持ちになるな
無条件で付き従わないとならないんだからな…
273 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 15:52:03 ID:nfaKuuvY
>>272お前これ脳内だよ
274 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 17:28:54 ID:SgMSvofk
>>272
いや マルチポストするやつはPSU自体プレイしてない可能性がある
275 名前:とあるGH422の日常 その死 1/4[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/17(日) 20:09:54
ID:i3nRxedl [1/5]
悩みの種はつきませんが、今の生活に馴染んできた今日この頃。
どうも、だらしないビス子の422です。
相変わらず、片付けても片付けても散らかすご主人様。
今日はミッションへ同行しなくても良いという事だったので、散らかった部屋を徹底的に掃除し、残った時間で料理の練習をしています。
「ふんふふふん、ふ~ん♪」
鼻歌が出ちゃうほど、今日は上手に作れました。
「ん~……よっし、特製ショコラケーキ完成!」
最後のデコレートを終えた私は、手についたクリームをひと舐め。
「んぁ~、おいしぃ~……」
ああ、なんて甘く、それでいてほろ苦く、香り高い味なんでしょう。
「……はっ、あっちの世界に行ってる場合じゃありませんでした」
我に返った私は、ケーキに保護カバーをかけます。
「これは晩御飯のデザートにしましょう。
ほんと、対策室に相談してまでお料理を習った甲斐がありましたね~」
前々から家事の重要性に気づいていた私ですが、料理だけはどうにも自信が無かったので、その事を対PM対策室に相談していたのでした。
教官から「後で派遣する」とは聞いていましたけど、まさか教官の奥さんが料理を教えに来るなんて予想外。
しかも、「私が手馴れていないだろうから」と、手早く簡単に作れる物を幾つも教えてもらったのですが、出来上がったそれを試食したら、どれも美味しい料理ばかり。
おまけに、手際良く家事をするコツまで教授してくれたのです。
おかげでその日以降は、私の料理に舌鼓を打つご主人様の姿が見られるようになりました。
そんな事を思い返しながら、出来あがったケーキを食材倉庫へと仕舞います。
「さてと、それじゃ食材の買出しにでも行って来ようかな……」
エプロンを外して部屋の外へと出た私は、夕食に何を作ろうかと考えながら、ショッピングモールへと足を向けたのでした。
276 名前:とあるGH422の日常 その死 2/4[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/17(日) 20:10:34
ID:i3nRxedl [2/5]
購入した食材の組み合わせを考えながら、マイルームへと帰り着きました。
「ただいま戻りました」
当然、ご主人様はまだ帰っていま――
「お帰り、422」
あ、あれ?
ご主人様の声がしました。
「ご主人様?」
寝室へと向えば、そこには全身埃まみれのご主人様が、途方に暮れた顔で立っていました。
「お帰りなさい、ご主人様。
どうしたんですか、その格好」
「いやー、凶暴化したディマゴラスを何とかしてくれって話だったんだけど、その巣に行ったらいきなり襲われちゃって。
何とか倒したんだけど、共生してるミミズのベトベトと砂嵐でこの有様になっちゃったの」
これでも掃ったんだよ、と言いながら制服のスカートを軽くはたくだけで、砂が零れ落ちます。
「分かりましたから、早くお風呂場へ行ってください!」
折角掃除したのに、これ以上砂まみれにされてたまるものですか!
私は心底そう思いながら、ご主人様のお尻を押してドレッシングルームへと押し込みました。
そして、有無を言わせず裸にして風呂場へと追いやり、先に替えのインナーを用意してから、服とインナーの洗濯を開始です。
とは言っても、まずは掃除機で制服についた砂を吸わないとですね。
吸引孔にホースを接続して、砂を吸わせ始めたのですが……
「……うわ~、ザーッって音がする」
大まかに砂を吸い取るだけで数分はかかりました。
「やれやれ、どんだk……ん?」
もういいだろうと手を止めた時、鼻につく臭いがしました。
「くんくん臭っ! 凄く臭っ!
なにこれ、ミミズのよだれの臭いじゃない……すんすん……ご主人様の体臭と……古くなった汗の臭いだ」
……。
そういえば、この制服を教官に貰ってから、一度も洗濯した覚えが……
そんな事を考えながら、何気なく襟ぐりを触った私は――
277 名前:とあるGH422の日常 その死 3/4[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/17(日) 20:11:24
ID:i3nRxedl [3/5]
「――っはぁ~、さっぱりしたぁ」
風呂場の入り口を細く空けて、ご主人様が顔を覗かせました。
「422、バスタオル取っ……て……?……壁に張り付いて、おまけに顔引きつらせて、どうしたの?」
「あぅ、あぅ、あぅ……」
私はやっとの思いで、投げ出した制服を指差します。
「?」
「ぬ、ヌルッっていった、ヌルッって……」
「あ、ミミズのよだれ、ついてた?」
その返答に、何とも表現しづらい苛立ちと、分解炉を襲うキリキリという痛みを感じました。
ただ、そのお陰で気力も戻ってきました。
「違いますご主人様っ!」
「じゃ、なんなの?」
「何ヶ月着っぱなしなんですか!」
そう、汗と脂の相乗効果は凶悪な皮脂汚れを生み出し、制服全体からは嫌な臭いが、襟や袖ぐりにはその臭いを伴った嫌なぬめりが発生し、こびりついてしまったのです。
「え、えっと……2ヶ月?」
……ぷっつん。
この時、私は確かに何かが切れる音を聞きました。
「シャツくらい毎日替えんかいゴルァ!!」
「ひ、ひぃぃぃっ!」
この後の事は、実は覚えていません。
ふと我に返った時には、裸のままのご主人様が、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
と言いながら、洗面室の床の上でずっと土下座していたのでした。
278 名前:とあるGH422の日常 その死 4/4[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/17(日) 20:12:00
ID:i3nRxedl [4/5]
翌日。
「……ふぁ……へぷちっ!」
ベッドに腰掛けていたご主人様が、可愛らしいくしゃみをしました。
「39度7分……」
彼女の熱を測った体温計は、私の予想を超えた数字を示しました。
いくらコロニー内の気温が安定してても、濡れた裸のまま長時間いれば、風邪くらいひいてもおかしくありませんけど……
「あははは、こんなに熱出したの、子供の頃以来だふぇ……ふぇ、へぷちょっ!」
熱でちょっとばかりハイになってるご主人様は、呑気に笑いながら喋ります。
「申し訳ありませんご主人様。
私のせいで、ご主人様が風邪を……」
「あんたが悪いんじゃないからっくしゅん……あんたに怒られてっくしょいっ、当然の事をした、は、は……はっくしょん!」
ご主人様は七色のくしゃみ(笑)をしながら、器用に苦笑しました。
「くしゃみしながら喋らなくていいですから、毛布をかぶって、ちゃんとベッドに寝てて下さい。
今、食事と薬を用意します」
「ん、お願いーっきしっ!
んあ、ティッシュ、ティッシュ……」
鼻水を垂らした情けない姿の彼女を見た私は、そんな姿にした自分に不甲斐無さを覚え、と同時に、今までに無いくらい激しい痛みをお腹に感じたのでした。
二日後、風邪がすっかり治ったご主人様から、その時のあらましを教えてもらいました。
それによると、私は、常日頃感じていたご主人様への心配や不安などの諸々をお説教とミックスしたマシンガントークで2時間近く喋り続けたそうです――制服のシャツを手洗いで洗濯しながら。
ご主人様は笑いながら話してくれましたが、私はこれっぽっちも笑えません。
「422。悩まない、悩まない、あははははは」
ご主人様、その屈託無い笑顔が恨めしいです、ううっ……
そうそう、散々な目にあった筈なのに、ご主人様は今日も相変わらずです。シクシク……
―――終わり―――
279 名前:名無しオンライン[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/17(日) 20:14:55 ID:i3nRxedl
[5/5]
投下完了です
おおらかというかずぼらというか、細かい事をキニシナイご主人様に相変わらず振り回される422
躯体がストレスで壊れる日は遠くなさそうです
280 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 23:02:50 ID:xXNOfzzs
>>275-278
毎度ごちそうさまです。
このところは422の振り回しっぷりが目立つ気もしますがw
ところで、
デザートのケーキはどうなったんでしょ?
281 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 00:19:32 ID:Qc9ZDOW3
>>266
投稿乙です。
てか、怖っ(ほめ言葉
俺はホラー系は苦手だが、たまにはこういったのもいいな。
・・・つーか、作者コメも片言なんだが。
これ、PMが書き込んだとか?はは、まさか、ね。
>>268,269
ムクピア「ジョギリ?ボコボコにしてやんよ」
主人 「やめて」
>>279
投稿乙です
「その死」ってタイトルだから、「やっば、いきなり急展開!!!!!」
と思ったら「その4」と内容が(ある意味)死亡って事をかけてたのねw
>教官の奥さんが料理を教えに来るなんて予想外
>おかげでその日以降は、私の料理に舌鼓を打つご主人様の姿が見られるようになりました。
どうやら無事料理を学べたみたいですね。とりあえず一安心。
>「何ヶ月着っぱなしなんですか!」
>「え、えっと……2ヶ月?」
逆に考えるんだ!「着ぐるみを2ヶ月着っぱなしじゃなくてよかった」って考えるんだ!!!!
ってか、ブチ切れたPMは怖いな・・・うちも気をつけないと。
>躯体がストレスで壊れる日は遠くなさそうです
ちょwwwwその死でも壊れちゃらめぇぇぇw
282 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 10:43:11 ID:MoH5ivvD
>>279
2ヶ月はさすがにキツイ。
俺のパシリは部屋に帰ったら、
毎日玄関で抱きついてきて、
俺の胸に顔うずめてスーハーしては、
「汗くさいwwwでも落ち着くwwいいにおいww」
ってちょっと辛辣な言葉をかけてくる。
283 名前:名無しオンライン[パパと412 sage] 投稿日:2010/10/18(月) 19:49:09 ID:3So7Mf7f
>>280
422「ご主人様の風邪が治った後に、二人で半分こして食べました」
ビス子「(ここだけの話、出来を褒めたら毎食後にデザート出すようになっちゃって……なんか太りそう……)」
>>281
タイトルのカウント数の当て字は、酷い意味合いを持つ漢字(或いは関連する字)を当てただけだったりします
まぁ、そんなのを当てられるくらいに今後も不幸(確定)なんですが
>>282
同じ服は何着もいらないという、ゲームシステムネタですw
実際、このビス子(作者PC)は2ヶ月以上制服姿なんですけどね
422「あれ以来まめに洗ってますけど(くんくん)……ほんとだ、なんだか落ち着きます。いい匂い(くんくんくんくん……)」
ビス子「ちょ、くすぐっキャハハハハ、やめ、422、ィヒィッ、そこはらめぇーっ!」
284 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2010/10/18(月) 22:51:08 ID:9QZufKZd
お久しぶりです。
>>260
なんという……捕食?
女主人・ニュマ男「……手ぇ出すのはやめようかしら(かな)」
エル・421「何を言ってるんです(デス)かこの変態ども」
>>265,>>267
鳥肌立った後に吹いたw一気に空気がギャグにwヤンデレパシリ……これは流行る!
エル「流行りません」
evlia「……私も同じ事してたら、ご主人様を引き止められたかな……?」
女主人「ごめん、そっちのケはないわ」
>>279
二ヶ月も着続けるとか……wまあ、うちの二代目女主人(PC)は万年ミクナスですがw
初代の頃から着続けた黄黒は高額で売れて、今は紫黒を着てます。それもずっと。
エル「マスター。たまにしかライセンスを更新しないあなたがどれほどの悪臭を放っているかはわかりまへんは、ははひにほうほふひへふははい」
女主人「……鼻を洗濯ばさみで挟みながら言わないで。そんなに『お前洗ってないオルゴーモンの匂いがするんだよ』って言いたいの?」
エル「ひえ、ほんはほほは」
女主人「大丈夫よ。人に会うわけだし、流石に何日間も着たきりじゃないって。……一張羅だからこれ脱いだら服がないけど」
エル「……意味ないじゃないですか」
女主人「だから、全裸になるのは洗濯中だけよ。やっぱりマイルームのエンドラム機関式の洗濯機には負けるけどね」
エル「別の意味で女を捨ててるじゃないですか」
女主人「大丈夫よ。洗濯中は水場から離れられないし、ついでに入るお風呂用のバスタオルも巻いてるし」
エル「……クゴ温泉で洗濯とかマジありえない」
女主人「……まあ、石鹸とかなくなって仕方なくバスタオルのまま町に戻ったことはあるけど」
女主人/C(マイルームの扉に耳を当てつつ)「……雪駄ババァ?と、女主人は自分の母親が伝説の脱ぎ女だった事に愕然としています」
285 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:41:58 ID:XzUFJxs8 [1/6]
ふぉぉぉ…ようやく続きのアイデアとそれを書く時間が出来た…
というわけで早速投下します。
286 名前:Unsung Episode13 1/4[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:42:42 ID:XzUFJxs8
[2/6]
「ジョーカー1より全線指揮所へ。兵舎1階窓際に人影。部隊の展開状況報告願います」
≪こちら全線指揮所。先ほど兵舎にD小隊が突入したが、その後シグナルロスト。
全滅と判断していいだろう。攻撃を許可する≫
「ジョーカー1了解。攻撃開始します」
────
「ゔっ!?」
「!? 隠れろ!」
突然ヘルムートが倒れる。撃たれたようだ。
「ヘル!?」
「行くな、レイチェル! お前まで狙われるぞ!」
どくどくと、血だまりが広がる・・・
彼はひとつも身じろぎしない。おそらく即死だろう。
「狙撃手だ、窓際には近づくなよ」
「彼をほっとくって言うの!?」
「ここで出たら相手の思うツボだ。何とかして奴を黙らせる方法を考えねばならん」
「班長、他の班に連絡します」
「頼む」
287 名前:Unsung Episode13 2/4[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:43:31 ID:XzUFJxs8
[3/6]
≪グリューン了解。捜索してみる≫
「頼みます」
「とにかく、ここにいつまでも留まる訳にもいかんな。スモークは持ってるか?」
「ここに二つ」
「それを玄関と、そこの窓に焚け。少し危険な賭けだが」
「スモークが十分に広がったら、窓から出る。ガラスはとうに無くなったから出にくくはないだろう」
「了解」
「よし、やれ」
投擲型のグレネードを、玄関と窓にそっと置く。するとたちまち煙が立ち始めた。
敵は不審に思うだろう。待ち伏せているかもしれない。
「だが、やるしかないな…」
デトレフはそう呟くと、手で合図する。
『行け』
その瞬間、まずレイチェルが先行し、後の隊員二人が続く。デトレフは最後だ。
後方を一瞬だけ確認すると、さっさと窓から飛び出る。
「そこの茂みまで走れ!」
288 名前:Unsung Episode13 3/4[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:44:17 ID:XzUFJxs8
[4/6]
一心不乱に走り、茂みに文字通り飛び込む。
「班長! レイチェルが居ません!」
「何!?」
「あ、あそこに…」
「レイチェル! どうした!」
「ごめん…ドジっちゃった」
足を撃たれたらしく、動けないでいる。
「ちっ…狙撃手はまだ健在か」
「分かりません、グリューンからの連絡なし」
「動くな、今行く」
「ダメだって…狙われるよ」
「ヘルムートみたいになりたいのか?」
「…」
「ユルゲン、カール、援護頼む」
「了解です」
「よし…行くぞ」
覚悟を決めて、一気に飛び出す・・・!
289 名前:Unsung Episode13 4/4[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:44:58 ID:XzUFJxs8
[5/6]
・・・敵の攻撃はない。グリューンがうまくやってくれたのか。
すぐにレイチェルを抱きかかえ、先程の茂みに戻る。
「うまくいったぞ、ユルゲン…おい? 何所に行った?」
そこには誰も居ない。
「カール? 一体どうした…」
「動くな」
突然の後ろからの声に、身体が強張る。
「貴様が指揮官だな? 治安維持法201条により逮捕する」
「ここに居た二人はどうした」
「既に連行済みだ」
「デトレフ」
「心配するな…
このマシナリーは自力歩行不能に陥っている。このまま抱えていても?」
その兵士はレイチェルをちらりと見ると、微妙な表情をした。
何を思ったかは分からないが、ただ一言。
「…分かった、配慮しよう」
290 名前:Unsung Episode13[sage] 投稿日:2010/10/18(月) 23:49:17 ID:XzUFJxs8
[6/6]
今回分はこれで終了。
本当はロトの面々も皆殺しにしようかとおmゲフンゲフン
>266
何というヤンデレ
>>267
こっちもヤンデレ(?)
最近のトレンドなのか…?
>>279
その内爆発しそう
メルトダウン的な意味で
291 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
292 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/19(火) 18:20:22 ID:fjUXoGBz
よう!またアンタか!
293 名前:軟禁 1/3[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:45:31 ID:ByQPmcA9 [1/5]
「ねえ、いい加減勘弁してよ。」
ショップカウンターの上で、あぐらをかいたマスターがため息をつく。
マスターの命令も、それに背く事も本来してはいけない事なのだけれど、ワタシ達には
一定の親密度を達成した時点でそこに自身の判断をはさみ込む事が許される。
つまり、ガーディアンと仲よくなったパートナーマシナリーは自律するということ。
十分に時間を重ね、互いを知り尽くしたマスターとワタシだから、この状況は許されて
当然、何もおかしくない。
「あたしだっていつまでもガーディアンズやってられないのよ。
同じオンナなんだからさ~、その辺解ってよ~。」
「同じじゃありません。ワタシはずっとパートナーマシナリーです。」
「だからあたしもずっとガーディアンズでいろ?ワガママ言わないの。」
「イヤです。」
戸惑ったような、不安げな目線を受け止めながらワタシは拒否する。
すこし前から、マスターはワタシの故障を疑っているみたいだ。
もちろんワタシは壊れてなんかいない。セルフチェックもオールグリーンだし
合成機能も応答動作もカンペキ。AIの論理矛盾も発生していない。
294 名前:軟禁 2/3[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:47:22 ID:ByQPmcA9 [2/5]
ピピッ。ピピッ。
通信が入る。マスターとワタシが同時に受ける。
「ライアだ。まだ無理か?」
「はい。コマンドしてみても聞きません。」
「…長年連れ添ったのが仇になるとはねぇ。GRMに問い合わせて見たけど、やっぱり
デバイスZEROによるリセット以外、緊急コマンドの類は存在しないそうだ。」
「……。」
「やっぱりそれはお前もイヤ、か。はーお手上げだなぁ全く!」
「すみません…」
ルームから外出しなくなったマスターを心配した先輩ガーディアンが、GRMへワタシの
意思操作について問い合わせている。無駄な事なのに。
カウンターから左足を降ろして、ぼりぼりと太股をかくマスター。すらりと伸びた綺麗な脚。
「やっぱり…ガーディアンズを続けるしか…ないんじゃないか?」
真剣な声。思わずマスターの顔を見つめる。
マスターが優しい表情でワタシの瞳を見つめ返す。
「…また、前みたいにミッションへこの子を連れていけたらいいんですけどねぇ。」
「アタシもそう願いたいよ。お前たちのコンビはグラールでも有名だからな。」
だがそう出来ないんだと言う事を、ため息交じりに再確認し合う。
これで3回目。
295 名前:軟禁 3/3[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:48:10 ID:ByQPmcA9 [3/5]
────────
「あたしだっていつまでもガーディアンズやってられないのよ。
同じオンナなんだからさ~、その辺解ってよ~。」
「同じじゃありません。ワタシはずっとパートナーマシナリーです。」
「だからあたしもずっとガーディアンズでいろ?ワガママ言わないの。」
「イヤです。」
わざと無神経なフリをして、嫌われてしまおうと試みるけど失敗。
この子が見た目通りの女の子ではなく、PMであるという事は痛いほど解ってる事実。
ずっと、ずーっと一緒に戦ってきた友達なのに、あたしはこうしてこの子を突き放さなく
てはならなくなっている。
先の防衛戦で右半身に侵食汚染を受けてしまったあたしは、以前あったガーディアンズのSEED化暴走事件を受け、形式上ガーディアンズを退役する事になってしまった。
治療の可能性は40%。実績はあるものの、まだそれは完全じゃない。
この子には言えないので黙っているが、最近肌の色が見て解る程に青白くなってきている。
早急に治療を受けなければ侵食が進んでしまう。
マイルームに軟禁されて一ヶ月。
治るか解らないし。このままSEED化して、この子に止めを刺してもらうのもアリかもしれないな。
296 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:53:01 ID:ByQPmcA9 [4/5]
規制解除記念に大投稿
「ぴきゅるるー♪」「まっ、マスターかわいい!」というオチにはなりますん
∞のデューマンをネタというかヒントにしてみました
その後彼女はきちんとデューマン化し、少し色白になったマスターとPMはこれまで通り
どつき漫才などしながらグラールを駆け回るというハッピーエンドを想定してます
297 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:58:00 ID:ByQPmcA9 [5/5]
一箇所訂正
×:マスターの命令も、それに背く事も
○:マスターの命令に背く事は
正しい日本語でおk>自分
298 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 17:05:55 ID:ADGQx+dn
>>297
GJ。途中同じ会話があるには同じ場面での視点の違いを表す為ですね。
新しいご主人ことデューマン。まさに新ジャンル。
299 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 22:54:45 ID:abMzKQno
>>293-295
GJ!
脳内補完したいんで、PMの型番教えてくらはい
>「ぴきゅるるー♪」「まっ、マスターかわいい!」というオチにはなりますん
なるんだか、ならないんだかw
300 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 23:06:52 ID:X91aZ0lH
>>293を読んだ。
430「ある日突然!御主人がデューマンに!!色白です。眼帯です。クハハですぅ」
440「なんで僕まで…それにしても君はいつも突然だね。430」
430「そんな日が来てもデキルパシリは準備は怠りません!」
440「…具体的に準備とは430?」
430「もちろんデューマンになった御主人に合わせてPMもコーディネートですぅ!」
440「良い考えだね430。御主人と服装の統一か…見た目的には悪く無いと思うよ」
430「御主人に合わせてゴスロリで色は黒。背中に羽。髪の色は白にしてみました」
440「…何だか何処かで見た事があるような感じだね。大丈夫かな…430?」
430「そして決めセリフは『私はジャンクなんかじゃない!』…うふふふふふふ…」
440「…あの430…それは…」
430「さっそく着替えるですぅ。待ってなさぁい…御主人様ぁ…」
(ダダダダ…何処かに走っていく430)
440「やれやれ…この流れだと…僕も鋏を持たないといけないのかな…」
ヤンジ○ンとコラボするならグラビアアイドルよりドールの方がいいと思うのは俺だけだろうか。
元ネタ解らない方はすみません。
301 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 01:21:00 ID:+duu4x/4
>>299
GH443型でお願いします
名前はおまかせ
302 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 00:20:31 ID:xrdcZiDD
>>297
GJ!ハッピーEND予定でよかった。
いつまでも仲良くどつき漫才していてほしいねぇ~
>>300
そもそも2人の口調が庭師姉妹まんまな件w
303 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:14:44 ID:rnXvGsZ/ [1/9]
これはイルミナスが暗躍するよりも前の、合成が今よりももっと大変だった頃のお話。
私はパートナーマシナリー、GH-440。帽子が特徴的な、緑色の服を着たPMだ。
私達PMの機能の一つとして、合成がある。
モノメイト等の消耗品から武器、防具に至るまで、基板と素材さえあれば何でも作ることが出来る。
ただし、100%成功するわけじゃない。アイテムを摂取することによって成長する生産レベルによって、その成功率は左右される。
この生産レベルがなかなか厄介な代物で、格闘武器、射撃武器、法撃武器、防具と4つに分かれている上に最大まで上げることが出来るのはどれか一つだ。
そして最大まで生産レベルを上げても、Sランクの武器、防具の合成成功率は60%前後という微妙な数字になる。
そのため、例えば格闘武器と防具を半分ずつ上げる、というような汎用型もあまり現実的ではない。
勿論、生産レベルや合成など最初から気にせず、好みの型に育てる者もいるが。
ガーディアンに配属されるPMは原則一人につき一体だ。だから、合成で賄えるのはどれか一つの武器、または防具となる。
しかしガーディアンは武器だけ、防具だけではまともに戦うことは出来ない。
では、どうするのか。
大抵は他のガーディアンが開いているショップで購入したり、SEEDや原生生物が稀に落とす物を使用する。
中には非効率なのを承知で汎用型に育て、失敗を繰り返しながらも自給自足している猛者もいる。
そして、もう一つの選択肢。
合成用の基板、素材の提供、そしていくらかの報酬と引き換えに他のガーディアンのPMに合成してもらうことだ。
中にはこのためだけにガーディアンズに入隊し、ミッション等を全くこなさず日々を過ごしている者もいるという。
私の主人も、そんなガーディアンの一人だ。
304 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:15:21 ID:rnXvGsZ/ [2/9]
私の主人は、燃える様な真っ赤な髪が印象的なビーストの少女だ。
詳しく聞いた事は無いが、元々はモトゥブで暮らしていて、SEED事変で両親を亡くし、孤児になったらしい。
年端もいかない少女が一人で生きていけるわけもなく、空腹を抱えて途方に暮れていた時に、とあるガーディアンと出会ったという。
当時の主人の惨状を見かねてその人が提案したのが、前途のPMの合成機能の貸し出しだ。
おまけにその人は、自分の必要な生産レベルを上げてくれるなら、必要なアイテムの費用も負担するとまで言ってくれたらしい。
PMに与えるアイテムどころか自身の食事すらままならなかった主人は、その話に飛びついた。
幸いにも入隊制限年齢はギリギリでパスでき、ビースト特有の頑強な身体のおかげで訓練校も無事卒業、入隊して今に至る。
主人に配備されてから随分経つが、変わったのは私が玉から人型になった事と、共有ボックスに入っているのが生産レベル向上のためのアイテムから
合成用の基板とその素材になった事くらいだ。
前日にセットしておいた合成物を取り出し、成功品を共有ボックスに入れる。そして基板と素材が入っていれば取り出し、またセットする。
毎日毎日、その繰り返し。主人が戦闘に出たのは配備されてすぐ受けることになる、チュートリアルと呼ばれる簡単なミッションだけだ。
だから、主人のパートナーカードには私と合成依頼主、そしてレオ教官の三名しか登録されていない。
もちろん私が戦闘に呼び出される事もなく、毎日手入れだけは欠かしていない散弾銃はいまだ新品のままだ。
別に主人が怠け者なわけではない。どういうわけか合成依頼主がミッションには出るなと言っているらしい。
確かにまだ子供と言ってもいい年齢の少女が下手をすれば命に関わるような事をするのは良くないかもしれない。
それに、命の恩人とも言うべき人の言う事をきかないわけにはいかないだろう。
しかし、ただ合成して毎日を過ごす主人と、それを見ている事しか出来ない自分に私は言いようの無い苛立ちを感じていた。
305 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:15:45 ID:rnXvGsZ/ [3/9]
いつものように主人が共有ボックスを確認していると、メールが届いた。
「あっ……」
メールを確認した主人が驚いたように小さく声をあげた。
「どうかしましたか?」
「あの人が……今日……来るって……」
少し嬉しそうな顔で主人は言った。
両親を亡くしたショックからか主人は極端に口数が少なく、感情の起伏も乏しい。だから、こんな表情をするのは珍しいのだ。
本来なら喜ぶべきところだ。その原因が、あの人──例の依頼主でなければ。
なんだか面白くない。
「珍しいですね。いつもはメールだけなのに」
「うん……あなたが、人型になってから……見に来るって、言ってたんだけど……なかなか都合がつかなくて……」
別に見に来てほしくない。都合なんかつかなくていい。
「でも……今日近くに寄る用事があるからって……」
「……そうですか」
素っ気無い私の態度に首を傾げながら、主人はいそいそとルームの片づけを始めた。
そんなにその人が来るのが嬉しいんだろうか?面白くない。
306 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:16:07 ID:rnXvGsZ/ [4/9]
「おーっす」
連絡があってから数時間後、ルームのドアが開き、聞きなれない声が響いた。
そういえば、会うのは初めてだ。
コツコツと靴音を鳴らせて部屋に入ってきたのは、長身のヒューマンの女性だった。
「よっ、久しぶり」
「お久しぶり……です……」
主人と軽く挨拶を交わしたその女は、私を見るとニヤリと笑った。
「こっちは初めまして、だな」
「……どうも」
我ながら露骨な程に無愛想に応じてしまった。しかし女は気にした様子もなく、私に話しかけてくる。
「合成、いつもありがとな。助かってるよ」
「いえ……」
別にあんたのためにやってるわけじゃない。もちろん口に出しては言えないけど。
「なんだ、ご主人様に似て照れ屋だなー」
女がそう言って笑うと、主人も恥ずかしそうに笑った。
……面白くない。
307 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:16:29 ID:rnXvGsZ/ [5/9]
「そういえば、昨日頼んだやつどうなった?」
「あ……それなら……」
昨日共有ボックスに入っていたのは、闇属性のバスターラインだ。何故今更こんな低ランクの物を、と不思議に思った覚えがある。
「完了しています」
「おっ、さすがだな」
失敗してしまえ、とも思ったが元々難易度は高くないものだし、そういう時に限って結構な属性値がつくものだ。
完成したシールドラインを取り出し、見つめる。
──私は何をしているんだろう。主人の生活のためとはいえ、他人のために合成するなんて。
その「他人」が目の前にいたせいか、ふとそんな事を考えた。
そして、咄嗟にシールドラインを後ろ手に回してしまった。
二人が不思議そうな顔で私を見る。
「……あなたに、これを渡したくありません」
だめだ。
「私がどんなに頑張って合成しても、どれだけ高い属性値をつけても、それを使うのはご主人様ではなく、あなたです。
どうしてですか? 私は、ご主人様のために合成しているのに、どうしてですか?」
こんなこと言っても、主人を困らせるだけだ。わかっているけど、止まらない。
たぶん、私がこの女を快く思えないのはそれが原因なんだろう。
まるで子供が駄々をこねているようだと自分でも思うけれど、どうしようもない。
私が口を閉じると、興味深そうに私を見つめていた女が、口を歪めてくくっと笑った。
308 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:16:49 ID:rnXvGsZ/ [6/9]
頭の中で何かが切れた気がした。
「何がおかしいっ!」
私は反射的に散弾銃を取り出すと、一度も使ったことのないその銃口を目の前の女に向けていた。
「だめぇっ!」
主人が悲鳴のような声をあげたが、それよりも早く、女の手が銃身をしっかりと掴んでいた。
私がどんなに力を込めてもビクともせず、ゆっくりと銃口が下げられていく。
「悪かったよ、別に馬鹿にしたわけじゃないんだ。ただ、良いPMになったなって思って、さ」
女が主人を振り返って言う。
「頑張って作った物をお前に使ってもらいたくて仕方ないってことだろ? お前、相当好かれてるぜ」
そう言って、また笑った。言われた主人は恥ずかしそうな、嬉しそうな顔をしている。
たぶん、私の顔も赤くなっていることだろう。
「さて、と。まだ早いかと思ってたんだが、これだけ頼もしいパートナーがいれば、大丈夫そうだな」
女が自分のナノトランサーからごそごそと何かを取り出し始める。
出てきたのは──。
309 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:17:15 ID:rnXvGsZ/ [7/9]
片手剣、大剣、槍、長弓、長杖、長銃、短銃、その他諸々。
ありとあらゆる近接、法撃、射撃武器と、シールドラインの数々だった。それも、全て初心者用の低ランクのものだ。
シールドラインの中にはいくつか私が作った物もある。
「どのタイプしたいかわかんなかったからさ。とりあえず全部用意しようとしたら、思いのほか時間かかってなぁ」
「あの、これ……?」
突然出てきた大量の武器、防具に困惑している主人に、女はニヤリと笑いかけた。
「お前のだよ。いい加減ルームに篭もるのも飽きただろ?」
「で、でも、こんなにたくさん……」
「こっちは防具合成してもらって助かってるし、全部初心者用のだ、これでもお釣りが来るくらいだよ。それと──」
今度は私の方を見てきた。
「説明してなくて悪かったな。ミッションを受けるなって言ってたのは、装備が整うまで待っててほしかったんだ。
支給品のセイバーとハンドガンだけじゃどうにも心もとないからな。まあショップで買っても良かったんだが──」
女が、またニヤリと笑った。
「どうせなら、自分のPMが作った物を使いたいだろ?」
310 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:17:38 ID:rnXvGsZ/ [8/9]
数日後──
ルームのベッドに、長身のヒューマンの女性が行儀悪く寝そべっている。
手には通信端末を持っていた。
送られてきたメールと、添付されている画像を見て、苦笑するように笑う。
「どうしたのー?」
少し子供っぽい口調で聞いてきたのは、彼女のパートナー、GH-410だ。
「いや、この間言ってた二人からメールがきてな。ほら」
起き上がろうとして、抱きつくようにベッドに飛び込んできた410に押し倒された主人が、添付画像を示して見せる。
そこには、プロトランザーのライセンスカードを手に持ち、嬉しそうに笑う真っ赤な髪のビーストの少女と、
冷静な表情を取り繕おうとして口元がにやけてしまっている440が写っていた。
「あたしの作った武器、役に立ってるかなぁ?」
「もちろん立ってるさ。しかしこの調子だと、また一つ上のランクの装備が必要になってくるな。
また頑張ってくれるか?」
「うん!」
笑顔で返事をした410の頭を、主人は微笑みながらゆっくりと撫でた。
おわり
311 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/22(金) 19:20:29 ID:rnXvGsZ/ [9/9]
インフィニティも出るというのに今更PSU初期のお話でした。
でもずっと暖めてたネタを出せてちょっとスッキリ。
さて、少女編の続き書かなくちゃ・・・
ミコト「そっち先に書かんかいっ!」
312 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/23(土) 00:16:07 ID:71DVFAJb
>>311
投稿乙です。
初期の合成成功率は今から考えるとヒドかったよなぁ・・・
敵の落とすメセタも今と比べたら微々たる物だったし。
本当にグラールの合成は地獄だぜぇぇ
つーか、長身ヒュマ子カッコ良すぎ!
>そこには、プロトランザーのライセンスカードを手に持ち、嬉しそうに笑う真っ赤な髪のビーストの少女と、
>冷静な表情を取り繕おうとして口元がにやけてしまっている440が写っていた。
多分読んでる俺もにやけていたと思われ。サーセンw
313 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/23(土) 00:59:48 ID:TkBh8uFB
>>311
PSUらしいお話で素敵でした
当時はPMにげんこつが向くこともしばしば…懐かしくなります
314 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/23(土) 01:31:22 ID:/bhclSC3
>>311
ふ…乙。合成専用でキャラとパシリを作ったなぁ。
合成が意味ない今のPSUではパシリも影薄いね。良き思い出に乾杯。
315 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2010/10/23(土) 22:43:52 ID:fzg6JLMt [1/6]
410「主、お茶を淹れて頂戴」
えー…
ちょっと目を放した内にちょっとしたお話が幾つか上がってますね。
ほのぼのとして非常に素晴らしい。
そして私は殺伐としたものばかり書いてる訳ですが。
そんな訳で今から投下。
316 名前:Unsung Episode14 1/4[sage] 投稿日:2010/10/23(土) 22:44:47 ID:fzg6JLMt
[2/6]
「3人目、恐らくこれで最後だろう」
狙撃手の死体を調べながらつぶやく。
「班長、ロトとの連絡が取れません」
「ふむ」
「何かあったのでしょうか」
「心配するな、デトレフはそんなにヤワじゃない」
ベルンハルトはおもむろに立ち上がり、隊員たちの方を見やる。
「俺達もさっさと脱出せねばならん。あまり姿を見られていないのは幸いだが」
「それに、約束もあるしな」
「約束?」
「うんっ! 『はんちょー』と約束した!」
マリーが目を輝かせる。
「ここを抜けたら、おいしいものをいっぱい食べるんだ!」
「マリーはいつも食い気ばかりだな…お前らしいけど」
皆は呆れつつも、少し緊張が解けたような様子だ。