この寒い冬の最中、俺が長門の家に向かっているのにはやはり訳がある。
我らがSOS団団長涼宮ハルヒ殿による勅命が下り
これまたSOS団団員長門有希に伝言があるのだそうだ。
伝言があるならば電話で伝えるか、さもなくば自分で伝えにいけばいい。
そう考えたあなたは正しい。まったくもって正論だと思えるその理屈は
団長様のこの一言で斬って捨てられた
「いいから行きなさい!!」
どうにも理不尽が過ぎるような気もするが、仕方ないと諦め
俺は長門のマンションに向かうのであった。
我らがSOS団団長涼宮ハルヒ殿による勅命が下り
これまたSOS団団員長門有希に伝言があるのだそうだ。
伝言があるならば電話で伝えるか、さもなくば自分で伝えにいけばいい。
そう考えたあなたは正しい。まったくもって正論だと思えるその理屈は
団長様のこの一言で斬って捨てられた
「いいから行きなさい!!」
どうにも理不尽が過ぎるような気もするが、仕方ないと諦め
俺は長門のマンションに向かうのであった。
マンションの扉の前に着き、チャイムを鳴らそうかと考えていた俺は
なにやら部屋の中がドタバタと騒がしいのに気づいた。
もっとも、この部屋の住人は基本的に物静かな人が多いため
騒がしいといっても、隣家から苦情が来るほどではない
むしろこのドタバタに気づかないほうが一般的だろう。
何故俺が気づいたのかというのは、まあ、普段の長門観察の
賜物だと思ってくれてかまわない。
なにやら部屋の中がドタバタと騒がしいのに気づいた。
もっとも、この部屋の住人は基本的に物静かな人が多いため
騒がしいといっても、隣家から苦情が来るほどではない
むしろこのドタバタに気づかないほうが一般的だろう。
何故俺が気づいたのかというのは、まあ、普段の長門観察の
賜物だと思ってくれてかまわない。
そんなことをつらつらと考えている間に、すでにチャイムは4回ほど
仕事をしている。
しかし、どうにも誰かが出てくる気配はない。
すわ強盗か?とも考えたが、長門がいる時点でその可能性は
冥王星並になくなっていることだろう。
このままでは埒が明かないと思った俺はおもむろにドアノブに
手をかけた。
どうやら鍵はかかっていなかったらしくあっさりと開いた。
「お邪魔します……長門?いないの…か……?」
俺がそのとき見た光景は桃源郷かアヴァロンか。
なにやら3姉妹がもみくちゃになりながら折り重なっている。
しかもなにやら長門のお姉さんは下着のようなものを手に持ち
それを必死に守ろうとしているように見える。
なあ、長門…いったいどういう状況なんだ、説明してくれ。
仕事をしている。
しかし、どうにも誰かが出てくる気配はない。
すわ強盗か?とも考えたが、長門がいる時点でその可能性は
冥王星並になくなっていることだろう。
このままでは埒が明かないと思った俺はおもむろにドアノブに
手をかけた。
どうやら鍵はかかっていなかったらしくあっさりと開いた。
「お邪魔します……長門?いないの…か……?」
俺がそのとき見た光景は桃源郷かアヴァロンか。
なにやら3姉妹がもみくちゃになりながら折り重なっている。
しかもなにやら長門のお姉さんは下着のようなものを手に持ち
それを必死に守ろうとしているように見える。
なあ、長門…いったいどういう状況なんだ、説明してくれ。
「キャーー!!なんでキョンさんがここにいるんですか!!」
「彼はおよそ15分ほど前からチャイムを4回ほどならし…」
「有希姉!気づいてたんなら、早く教えてください!」
「……そう」
「彼はおよそ15分ほど前からチャイムを4回ほどならし…」
「有希姉!気づいてたんなら、早く教えてください!」
「……そう」
俺の疑問に対する答えは長門の妹であるルリちゃんの
悲鳴であった。
で、結局なにがあったんだ?
悲鳴であった。
で、結局なにがあったんだ?
「え……と、それは……」
「ルリ、わたしが説明するわ……」
「ルリ、わたしが説明するわ……」
と長々とお姉さんの説明を聞いたことを要約するに
長門のメガネが売れることと量産が可能なことに気が付いた
長門とお姉さんの二人はそれを現実に実行しようとしたわけだ。
ところが長門曰く
「この世界は等価交換。私は情報を操作することができるだけで
情報を生み出すことはできない」
ということらしい。
なるほど確かに情報を生み出すのはハルヒの役目であろう
そのたびに奔走させられるはめになるのは、なんとかならないだろうか……
おっと話がそれたな、それで生み出すことができないなら
情報的に等価なものを持ってきて、それをメガネにしてしまえ
という結論に至ったのはいいがその『等価なモノ』が問題になったようだ
長門のメガネが売れることと量産が可能なことに気が付いた
長門とお姉さんの二人はそれを現実に実行しようとしたわけだ。
ところが長門曰く
「この世界は等価交換。私は情報を操作することができるだけで
情報を生み出すことはできない」
ということらしい。
なるほど確かに情報を生み出すのはハルヒの役目であろう
そのたびに奔走させられるはめになるのは、なんとかならないだろうか……
おっと話がそれたな、それで生み出すことができないなら
情報的に等価なものを持ってきて、それをメガネにしてしまえ
という結論に至ったのはいいがその『等価なモノ』が問題になったようだ
「……すまん長門、もう一回言ってくれないか?」
「この場合、情報的に等価と認められるのは、私たちの使用済み下着」
「この場合、情報的に等価と認められるのは、私たちの使用済み下着」
それはメガネに変えるよりも遥かに高値がつくのではないかと
阿呆なことを考えていたら、予想通りルリちゃんが爆発した。
阿呆なことを考えていたら、予想通りルリちゃんが爆発した。
「どうしてレイ姉と有希姉はそんなに羞恥心がないんですか!」
「……だって彼らの手に渡るのは下着じゃないもの」
「そう、彼らが手にするのは、あくまでメガネ。
メガネを見られて触られたところで別段問題ない」
「ああ……もう、キョンさんも何か言ってやってください」
「……だって彼らの手に渡るのは下着じゃないもの」
「そう、彼らが手にするのは、あくまでメガネ。
メガネを見られて触られたところで別段問題ない」
「ああ……もう、キョンさんも何か言ってやってください」
そこで俺に話を振るのはどう考えても間違っているだろう。
もちろん、自分に下着に興奮するような倒錯的な性癖はないと
確信しているが、だからといって買う側と同じ男である俺に
いったい何を言えというのだろう。
だが、それでも長門がブルセラ通いするよりは
やめさせた方が精神的に楽になるだろう。
もちろん、自分に下着に興奮するような倒錯的な性癖はないと
確信しているが、だからといって買う側と同じ男である俺に
いったい何を言えというのだろう。
だが、それでも長門がブルセラ通いするよりは
やめさせた方が精神的に楽になるだろう。
「長門、そんなに金に困ってるなら家にくればいい
飯くらいならいつでもだしてやるから」
「………………そう」
飯くらいならいつでもだしてやるから」
「………………そう」
そう一言いった長門はふらふらと自分の下着をしまいに行った。
すると今度はお姉さんが俺のほうをじっと見てくるので
念のため、シンジもそう考えていると思いますよ
と告げると、これまたふらふらと自分の下着をしまいにいった。
すると今度はお姉さんが俺のほうをじっと見てくるので
念のため、シンジもそう考えていると思いますよ
と告げると、これまたふらふらと自分の下着をしまいにいった。
「ああ、ありがとうございます。キョンさん」
「いや、そんな大したことじゃないから…」
「いや、そんな大したことじゃないから…」
などとルリちゃんと話していると、またもやふらふらと二人が戻ってきた。
そして今度はなにやらクシャクシャになったティッシュを手にしていた。
今度は何だ、長門。
そして今度はなにやらクシャクシャになったティッシュを手にしていた。
今度は何だ、長門。
「これはルリが使ったティッシュ」
「な…な…何を持ってきているんですか!有希姉!」
「下着がダメだったから、次の候補よ、ルリ」
「な…な…何を持ってきているんですか!有希姉!」
「下着がダメだったから、次の候補よ、ルリ」
どうやら長門もお姉さんも何もわかっていなかったようだ。
そんな風にギャーギャーと騒いでいる姉妹を見やり
俺はフと疑問に思ってしまった。
もし、時間が遡れるならば俺はこの疑問を口にした自分を
抹殺しに行くだろう。
それほどこの疑問は愚かなことであり、ノストラダムスの予言より
意味のない疑問だった。
そんな風にギャーギャーと騒いでいる姉妹を見やり
俺はフと疑問に思ってしまった。
もし、時間が遡れるならば俺はこの疑問を口にした自分を
抹殺しに行くだろう。
それほどこの疑問は愚かなことであり、ノストラダムスの予言より
意味のない疑問だった。
「ちなみに長門……そのティッシュは何に使われたんだ?」
「これはルリがマスターb「きゃーーーきゃーーー!!!!」」
「これはルリがマスターb「きゃーーーきゃーーー!!!!」」
しまった、このままここにいたら何か大変なことになる。
その予感に従い、俺は早々にこのマンションから退出することに決めた。
ただその前にこちらを射殺さんばかりに睨み付けてくるルリちゃんに
これだけは言っておかなくてはいけないだろう。
その予感に従い、俺は早々にこのマンションから退出することに決めた。
ただその前にこちらを射殺さんばかりに睨み付けてくるルリちゃんに
これだけは言っておかなくてはいけないだろう。
「大丈夫、アキト兄さんには絶対言わないから」
なにやらルリちゃんが喚いてるようだが、俺はその一言を最後に
その部屋から去っていった。
その部屋から去っていった。
ちなみにハルヒの伝言のことを思い出したのは風呂に入り
新しい下着に着替える時であった。
もしかして俺はもう一度、長門のマンションに行かねばならないの
だろうか…………やれやれ。
新しい下着に着替える時であった。
もしかして俺はもう一度、長門のマンションに行かねばならないの
だろうか…………やれやれ。