3-306の第2話です。

Episode 2


夕方、木枯しが吹く中で何故私が高校の裏手のフェンスを攀じ登っているのか今になって疑問を感じています。
ルリ「うぅ、寒い」
それもレオタード姿で・・・
レイ「愛、カイロぐらい持ってこなかったの?そんなことじゃ怪盗失格ね」
クールに決めたつもりでしょうが、レイ姉。顎が震えてますよ?
ルリ「レイ姉。私『愛』て、名前じゃないし怪盗でもない。」
レイ「もう、愛ったら。私は『泪姉さん』よ」
 ・・・まったく恥ずかしい。レイ姉も、この格好も。学校に侵入するのにレオタード着るなんて有り得ない。
レイ「愛、何をぐずぐずしているの?」
ルリ「はい、レイ姉」
レイ「『泪姉さん』」
ルリ「・・・泪姉さん」
私がフェンスの上から飛び降りると、レイ姉いえ、泪姉さんがこっちを見て微笑んでます。まったく漫画が楽しかったからってコスプレまでするなんてレイ姉は本当にバカ。
レイ「愛、その格好似合ってる・・・」
ルリ「・・・ムカッ(///)」
レイ「さあ、愛!瞳の元気を奪還しにいくわよ!」
ま、そのコスプレを一緒に着ている私も結構バカよね。
ルリ「あの・・・それ、違う漫画です」

それにしても、なんでこんな事になったんだろう?そう、あれは3日前のこと・・・

3日前・・・
先日の姉妹結成記念パーティーの騒ぎとか、その前の日の何だかとんでもない展開が見え隠れした事も有耶無耶になってしまい、この日も何事も無かったかの様にいつもの日々が続いていました。
ルリ「ちょ、ちょっとレイ姉。まだ体洗ってる途中なんですよ。なに抱きついてくるんですか」
レイ「女の子同士なんだし気兼ねすること無い。それに、姉として妹の成長を確認する事は義務」
ルリ「そんな義務ばっかり行使しないでください。ふぁ・・・そ、そこは自分で洗いますから!」
そう、いつもの様に・・・
ルリ「レイ姉、もう離れてください!」
レイ「だって、ルリとくっついていると癒されるから」
ルリ「な、何言ってるんですか(///)」
レイ姉がそう言って今度は胸を弄ってきます。
レイ「!・・・ルリったら胸が少し大きくなってるわ。姉を差し置いて大きくなるなんてお仕置き」
ルリ「あ、・・そんなに・・揉ま・・・ないでぇ・・・」
変な気分になっちゃうます。
レイ「んん・・このままだと有希よりも大きくなりそう・・・ねえ有希?」
有希「・・・・・・・・」
レイ姉が、声をかけたのに返事がありません。これは、いつものことだけど、有希姉の眼を見ると何だかいつもと違います。今日は学校から帰ってきてから何だか空虚を見つめてばかりいます。心ここにあらず、というか・・・全然レイ姉に気付いていないようです。
レイ「有希?」
ルリ「有希姉?」
有希姉は何も答えず、しばらくするとほとんど音も無くお風呂場を出て行きました。

ルリ「・・・有希姉、どうしたんだろ?」
レイ「・・・もしかして・・・ルリは、誰かに見られていると気持ち良いの?」
ルリ「・・・バカ(///)」


昨日の事・・・
有希姉は居間の炬燵で本を読んでいました。
私が声をかけても返事はなく顔を覗くと何だか本を読んでいるというより眺めているようでいつもの様にページが進んでいません。
そして、夕食を食べ終えると音も無く立ち上がり自分の部屋へと消えていきました。
ルリ「レイ姉、有希姉は一体どうしたんですか?」
レイ「うん・・・」
レイ姉も漫画に夢中で全然聞いていません。
最近のレイ姉は漫画ばかり読んでいます。そのせいかこの頃コスプレに目覚めてしまったらしくレイ姉の部屋にはコスプレ衣装がいくつも壁に掛かけられています。
ルリ「レイ姉!」
レイ「何?」
ルリ「だから、有希姉が何だかおかしいって言ってるんです」
レイ「そう・・・。確かに、いつもみたいに触りっこに加わらなかった・・・」
ルリ「ああ、それもそうですけど・・・いや、そうじゃなくて、何だか心ここに非ずって感じでしたよ。」
レイ「これは何か調べてみる必要があるようね」
ルリ「え?」

そして、今日・・・
学校の後、ネルガル重工から帰りに久しぶりにアキトさんに会いました。
何でも、宇宙船「ナデシコ」が宇宙ステーション「サツキミドリ2号」に到着して、月面探査に乗り出すようで、どうやらアキトさんは「ナデシコ」の船長になったユリカさんの心配をしているようでした。
少し妬けます・・・。
まあ、それはいいとして、帰って居間に入ると私を見て笑みを浮かべたレイ姉はレオタード姿で立っていました。
レイ「お帰り。これから直に有希の高校へ行く。さあ、これに着替えて」
レイ姉の手にはレイ姉の着ているものとは色違いのレオタードがあります。
ルリ「あの、レイ姉?その服はいったい・・・」
レイ「ヤフオクで手に入れたの・・・似合う?」
そういってポーズをとるレイ姉。
似合ってますけど・・・。
レイ「さあ、とにかく着替えて」
レイ姉が笑顔でにじり寄ってきます。怖い。
ルリ「わ、わかりました。着替えますから」
これは逆らっても意味がなさそうなので、渋々ですが着替えることにしました。
ルリ「それで、何でレオタードなんですか?」
レイ「そんなの決まっている・・・隠密行動といえばこれ」
ルリ「いや、色んな意味で違うと思いますけど・・・」
レイ「さあ、キャッツ・アイ出動よ」
ルリ「・・・聞いてませんね」

こうして、途中何度も周りから奇異の目で眺められながらも、どうにか有希姉の通う高校に到着。そして、レイ姉、いえ、泪姉さんの要望により校舎の敷地の裏手から忍び込む事になったわけなんだけど・・・

 ・・・校舎に近づき、たまたま鍵が開いていた窓から教室内に侵入。
2年の有希姉の教室へ向かって、生徒に見つからないように忍び足で廊下を進んでいると途中で泪姉さんの姿が見当たらないことに気付きました。
来た道を戻ってみると泪姉さんが体育教官室のドアの隙間から何かを食い入るように覗いています。
ルリ「泪姉さん。何してるんですか?見つかっちゃいますよ」
レイ「シッ、静かに」
私も部屋の中を覗き込むと・・・なんと!体育教員らしき男性と男子生徒が熱いキスを交わしています!
ルリ「うわ・・・本当にあるんだ・・・!ちょっと泪姉さん、何で目隠しするんです?見えないじゃないですか」
レイ「子供は見てはいけません」
ルリ「子供って・・・」
泪姉さんも中学生ですよ。それに、隠したつもりでしょが指の隙間から部屋の内部が丸見えです

2人はしばらくの熱いキスの後、唇を離しました。なんだかすごい関係・・・。
国木田「ふう・・・先生。今日はどうしたんですか。いつもより激しいですよ」
岡部「今日な、あのSOS団の連中にこの間の騒ぎの罰として体育館の清掃をやらせているんだ。あいつらこの頃色々と面倒ばかり起こす・・・それで、さっきから『涼宮のクラスなんて持ちたくなかったのに』なんてこと考えてたら急にお前に会いたくなってな・・・」
国木田「ふふ、涼宮さん、厳しいですからね。そういえば2年生になってから今まで大人しかったのに急にですよね」
岡部「ああ、まったく迷惑極まりないよ。国木田・・・お前だけだよ、俺の心を癒してくれるのは・・・愛してるよ」
そう言うと体育教員は男子生徒のズボンを脱がし、自分のズボンのジッパーを下ろして
イチモツを取り出す。
国木田「・・・先生(///)」
岡部「じゃあ、いくよ。フンモッフ!」
国木田「アッーーー!」

レイ「すごい」
泪姉さんのその言葉で我に帰った私は泪姉さんの手を強引に引っ張ってその場から離れました。
レイ「ちょ、ちょっと、愛!今、いいところだったのに・・・」
ルリ「いいところじゃありません。あんな不潔なものこれ以上見ないほうが良いです。それにここに来たのは別に覗きをするためじゃないです!」
レイ「・・・それにしても高校ってすごい所ね。やっぱり義務教育とは違う」
さっきので、泪姉さんに何だか高校に対して妙な期待を持ってしまったようです。ここは訂正しておかないと。
ルリ「あれは特別です。変な期待しないほうが良いですよ」
たぶん
レイ「そう?」

途中、新世界を垣間見てしまいましたが何とか誰にも見つからずに有希の教室にたどり着きました。どうやら、生徒は下校したようで教室は薄暗く誰も居ません。
レイ「ここが瞳の教室。では、早速捜査開始」

 泪姉さんは有希姉の机と中のノートなどを漁り私はキョンさんや涼宮さんの机の中を覗いてみたりと、少々犯罪的行為のスリリングさに夢中になり始めた頃、急に教室の扉が開け放たれました。
レイ「!」
ルリ「!」
谷口「わわわ忘れもの~~・・・ん?・・・ぅわ!だれだ、あんたら」
レイ「クッ!」
泪姉さんは舌打ちすると、この状況に動転している男子生徒に走りより顔めがけてスプレーを吹きかけた。
谷口「プギャーーーーーーーーーー!」
と、男子生徒は奇声を上げながら顔を抑えそのまま前のめりに倒れて、しばらく痙攣してから動かなくなりました。
ルリ「・・・レイ姉・・・今何吹きかけたんですか?」
レイ「えーと・・・昨日、ネルフでの定期健診の時に赤城博士の薬棚の中から効きそうな物を適当に拝借してきたから・・・。大丈夫よ愛、気を失っているだけ」
ルリ「な、何そんなやばそうなもの持って来てるんですか!全然大丈夫そうじゃないですよこの人」
 白目をむき泡を吹いてますが、どうやら息はしているようです。
レイ「彼なら平気。『バカは風邪を引かない』」
ルリ「・・・泪姉さん、あなたいつか人殺しますよ」

有希姉の教室では特に収穫がなかったので、気絶している男子生徒を残し、一路文芸部室へと向かうことになりました。
文芸部室は誰も居らず中は窓が大きいせいか廊下とほとんど室温が変わらず寒いです。
泪姉さんも寒いせいか部室に有った電気ストーブの電源を入れてます。やっぱり寒いんですね。
レイ「さあ、愛。気を取り直して捜査開始」

捜査を始まったはいいものの、泪姉さんはコスプレ衣装ばかり眺めたり鏡越しに服を体に当てみたりするばかりで捜査する気があるんだか無いんだか・・・
捜査は結局、私一人でやることになりました。

調べてはみるものの、本棚を見たり段ボール箱の中身を確かめたりパソコンの中を視ても、出てくるのはボードゲームと本とコスプレ衣装ばかりで、唯一怪しそうだったパソコン内の「mikuru」とかいうファイルもただのコスプレ画像集で有希姉についての物が本以外に見当たらず途方にくれていると、廊下のほうから複数の足跡と話し声が近づいてきました。

レイ「不味い、どこかに隠れないと」
ルリ「でもどこに?」
レイ姉は直にロッカーに隠れようとしますがロッカーの扉が凹んでいて開きません。足音は直ドアの外まで迫っています。
キョン「あれ?誰か居るのか」
扉の取っ手が回る。
ルリ「!」
レイ「!」

有希「待って」
キョン「な、何だよ?」
有希「ここで少し待機して」
古泉「そうですね。そうしましょう」
キョン「あ、ああ」
取っ手が元の位置に戻り再び扉の取っ手が回され、扉がゆっくりと開いていき、少し開いた所から素早く有希姉が部屋に入り扉を閉めた。
有希「#@?¥жд㊥・・・」
と、いきなり呪文を小声で唱えたかと思うと有希姉は踵を返して扉を開き始めます。
ルリ「有希姉!ちょっと・・・」
有希姉はそのまま扉を開きSOS団の人たちが部室へと入ってきました。
みくる「あの、部屋に誰か居たんですかぁ?」
有希「問題ない。少し異常を感じただけ」
古泉「不思議ですね?コンピ研の方々でしょうか。ストーブまで付けっぱなしです」
みくる「・・・もしかして幽霊でしょうかぁ」
キョン「それは、無いと思いますけど」
キョンさんは古泉さんの方を見る。
古泉「そうですね。この頃涼宮さんの機嫌は悪いですが、幽霊が出るように願ったとは考えられませんね」
どうやら私たちに全然気付いてないようです。
ルリ「ふう、私たちは皆から見えないようですね」
レイ「・・・」
泪姉さんを見ると何だか驚愕している様子です。
ルリ「泪姉さん、大丈夫ですか?」
レイ「瞳・・・恐ろしい子!」
ルリ「・・・大丈夫みたいですね」

有希姉とSOS団の人たちはそれぞれ席に座り古泉さんとキョンさんはダイヤモンドゲームを始めて、朝比奈さんはお茶酌み、有希姉は読書をし始めました。
みくる「涼宮さん、今日も来ませんね。惣流さんの容態が悪いんでしょうか・・・」
そういえば翠さんにもこの頃会わないな。
キョン「ああ、どうせハルヒなら体育館掃除をやりたくなかっただけでよ。まったく3日前はあんなに騒いでいたのに・・・わからんやつだ」
 3日前?有希姉がおかしくなった日ですね。
古泉「今日は惣流さんの容態が急変したとかで早退したようです。気が付きませんでたか?」
キョン「ああ、そういえば居なかったな」
古泉「しかし、これ以上涼宮さんの機嫌がマイナスの方へ向かうと3日前の事件より更に大きな事が起きかねません。閉鎖空間の増大してしまうでしょう。それは避けたい所なので、そろそろ何か解決策を考えないといけませんね」
キョン「解決ね・・・古泉の機関でどうにかならないのか?この間も森さんとかの活躍で解決しただろ?」
古泉「ふふ、あなたが我々の機関を頼ってくれるのは有り難いのですが、先の事件で我々はかなり苦戦をしたんですよ。それに、あの事件・・・どうやら我々機関や長門さんとは別の者の介入で解決したようなんです」
キョン「そうなのか!?」
古泉「おそらく」
みくる「あのー、さっきから何を話しているんですかぁ?」
お茶を2人の前に置きながら朝比奈さんはキョンさんに聞いています。
キョン「ええと、ですね・・・朝比奈さん、3日前あなたが休んだ日に、ハルヒによってこの学校が・・・と、とにかくとんでもないことがあったって事ですよ。でも、事件は解決したので心配はご無用です」
みくる「そう・・・なんですか?」
 朝比奈さんは納得はしていないようですが、何だかキョンさん、これ以上はなしたくなさそうな顔をしているので引き下がってしまいました。
古泉「まあ、そういうことです。なので根本的な解決は我々機関の力では難しいところなんですよ」
 この間見せてくれた力ででもですか?それともキョンさんに隠しているのでしょうか。
キョン「そ、そうか」
みくる「あのぅ、長門さんの力で何とかできないんですか?」
朝比奈さんの言葉にキョンさんは顔をしかめました。
有希「・・・」
有希姉は何も言わず、古泉さんは有希姉のほうを見てからキョンさんを一瞥し、朝比奈さんの方を向いて話し始めました。
古泉「実は、先の事件の前から情報統合思念体の内部抗争がありまして・・・。そのことで長門さんの力が一時使えなくなり、事件の日に元に戻ったのですが」

ガタッ

急にキョンさんが立ち上がったので、皆の視線が彼に注がれます。
キョン「も、もう、5時ですね・・・。朝比奈さん、俺は帰ります」
そう言うと彼は古泉さんを見ました。
古泉「そう、ですね。朝比奈さん、この話はいずれまたの機会に」
そういうと2人はダイヤモンドゲームをそのままに鞄を持って部室を出て行きました。
みくる「・・・キョン君」
朝比奈さんは2人の出て行った方をしばらく見てから有希姉の方に近づいていきます。
みくる「あ、あの、長門さん。私この間の時休んでいて・・・みんな詳しいこと教えてくれないからよくわかりませんが・・・あの、あの、元気・・・元気出してください」
 朝比奈さんは何だかビクビクしながら有希姉と話しています。そんなに有希姉が怖いんでしょうか?それに、朝比奈さんにも有希姉の気持ちが少し理解できるんですね。
有希「・・・大丈夫。先に帰って」
みくる「あ、はい・・・それじゃあ、さようなら」

朝比奈さんが出て行き扉が閉まると、有希姉は本を閉じ立ち上がってこちらを
見ながらまた呪文を唱えだした。
有希「・・・どうして、来たの?」
レイ「いや、瞳がこの間から元気が無かったから心配で・・・その調査に・・・」
ルリ「有希姉、何も言ってくれないから」
有希「・・・」
ルリ「それにしても、キョンさんのあの態度はひどいです。有希姉を無視し続けるなんて」
レイ「そう、愛の言う通り」
有希「・・・や」
急に扉からノックがして扉が開き、入って来たのは古泉さんでした。
どうやら私と泪姉さんの格好に少し驚いたようで、苦笑いしています。
古泉「・・・お久しぶりです。ずいぶんな格好していますね2人共。ふふ、こうなると、僕は永石といったところですか?」
有希「・・・・」
レイ「ふふ」
ルリ「・・・・」
古泉「冗談です。それより、この間のパーティーは上手くいきましたか?」
ルリ「あ、はぃ」
古泉「それは良かった。僕とカヲル君と長門さんの演技もなかなかだったでしょ?」
どこまでが演技だったんでしょう?
有希「何の用?」
有希姉の冷たい声が部屋に広がった。
古泉「失礼。『この間の事件』からの彼の動向について我々機関の方で解決したいと思っている旨を伝えるために戻って来たんです。勿論、処理に当たって長門さんと彼の蟠りの解消にも尽力したいと思っていますが」
ルリ「古泉さん、3日前にいったい何があったんですか?」
古泉さんは有希姉をチラッと見てから口を開きました。
古泉「そうですね・・・とりあえず言えるのはこの間の事件で彼と長門さんとの間に」
有希「必要ない。彼との関係修繕は私自身で何とかする」
有希姉が古泉さんの話を遮ってしまいました。
古泉「・・・そうですか。わかりました。その旨を機関にも伝えます。それでは、長門さん、綾波さん、ホシノさん、お邪魔しました」
そう言うと、古泉さんは笑顔終止のまま部屋を出て行きました。それにしても、いつ私
たちに気付いたでしょう?
レイ「有希、いったい学校で、キョンさんと何があったの?」
ルリ「そうです。教えてください」
有希姉は下を向いてしまいます。

有希「言えない」
ルリ「私たち姉妹じゃないですか!」
レイ「有希、教えて」
有希「・・・これは私自身の問題・・・2人には関係ないこと」
有希姉はそう言うと部室から出て行きました。
後を追いかけようお廊下に出ると既に有希姉は居ません。
レイ「・・・・・・」
ルリ「・・・有希姉・・・」

『関係ない』なんて言われた事に私はショックでしたがレイ姉は何か私よりも落ち込んでいるようで、肩を落とし俯いてとぼとぼと、私の後ろを歩いて家に帰りました。

家に帰ると有希姉は部屋に篭ったままで声をかけても返事がありません。
ショックのせいかレイ姉までもが夕食にも顔を出しませんでした。
炬燵で冷えた体を温まりますが、居間には私しか居らず心は冷たいままです。

翌日
朝から一言の会話の無いまま登校。これからどうするか散々考えましたがなかなかいいアイディアは見つかりません。
学校の帰り公園を通ると翠さんがブランコの上に座って俯いていました。
ルリ「こんにちは、翠さん」
翠「あ、ルリ・・・」
ルリ「惣流さんの容態はどうですか」
翠「悪くなる一方で昨日も危なかったですぅ。ハル姉も前は家で明るかったのに、この間からは不安そうな顔ばかりですぅ。」
ルリ「そう・・・」
翠「だけど、翠星石は負けないですぅ・・・。絶対、絶対負けないですぅ」
ルリ「うん・・・そうですね。私もどうかしてました。私まで暗くなってたらだめですよね」
翠「そうですぅ!お互い3女として駄目な姉たちを支えるですぅ」
ルリ「そうですね。ありがとう、翠さん」
私は家に帰ることにしました。そうです、元気を出さないと。

家に帰ってみると、やはりレイ姉も有希姉も部屋に篭ったままです。
居間でどうしようか考えていると電話が鳴りました。古泉さんからでした。
古泉「こんにちは、ホシノさん。彼と長門さんとのことで是非お話しておきたい事があるんです」
ルリ「何ですか?」
古泉「『この間の事件』、詳しいことはお話できませんが実は長門さんの力によって学校の生徒に犠牲者が出たんです。」
ルリ「え!」
古泉「勿論、その犠牲は無駄なものではありませんし仕方なかった部分もあります。それ以外の選択肢はありませんでしたから・・・。僕は彼の記憶を改竄するように勧めたのですが、『それは出来ない、彼への信頼に関わる』と、断られてしまいました」
ルリ「そうだったんですか・・・」
古泉「こうして、彼は長門さんのした事を知る事となり、事件以来両者とも気まずい雰囲気になっているという訳です。この話、長門さんには内緒ですよ」
ルリ「ありがとうございます、教えてくれて」
古泉「いえ、これも・・・仕事ですから」

電話を置き、私は有希姉の異変の原因たるキョンさんの家に向かいました。


呼び鈴を鳴らし用件を伝えると玄関が開いて、キョンさんが出てきました。何だか気まずそうです。
キョン「こんばんは、ルリちゃん」
ルリ「こんばんは。・・・古泉さんから話を聞きました。」
キョン「・・・そうか」
ルリ「『この間の事件』、有希姉の選択が合っていたのか間違っていたのか私にはわかりません。でも、キョンさんの有希姉に対する態度があまりにも冷たいです。この間のパーティーの時だってキョンさん、有希姉と楽しくしてたじゃないですか」
キョン「・・・」
ルリ「古泉さんが言ってました。有希姉はあえてキョンさんの記憶の改竄をやらなかったって。そして、それはキョンさんを信頼しているからだって。」
キョンさんは黙って聴いていましたが、ゆっくりと口を開き話し始めました。
キョン「・・・さっき朝比奈さんから電話があって、ルリちゃんと同じこと言われたよ・・・怒られた」
ルリ「朝比奈さんから?」
キョン「ああ、だからこれから長門に電話で謝ろうと思ってたんだ。勿論、明日も実際に会って謝る。・・・有難うね、わざわざ来てくれて。長門の気持ち、もう少し考えるべきだったよ・・・俺ってやっぱりバカなやつだな・・・」
ルリ「そうです、バカです。」
気が緩んだせいか何だか涙かこぼれてきます。
キョンさんが近づいてハンカチを渡そうとしてきましたが、それは断りました。
ルリ「その優しさ、有希姉にしてあげてください」
キョン「すまん」
ルリ「それじゃあ、帰ります」
キョン「・・・じゃあな」
 涙は拭いても、拭いても収まりませんでした。


家にたどり着く頃には涙も収まって、私は居間の炬燵で冷え切った体を温めためることにしました。
今日はとても疲れた・・・。
食卓に顔を突っ伏しているとだんだん瞼が重くなってきます・・・。

 ・・・パラ・・・・パラ

ルリ「・・・ふぇ」
本を捲る音で目が覚めました。どうやら眠っていたようです。起き上がると肩にはカーディガンが被さっていました。傍らを見ると有希姉が制服姿のままで本を読んでいます。
ルリ「有希姉」
有希「・・・ありがとう」
ルリ「え?」
有希「さっき彼から電話があった」
ルリ「そうですか」
有希姉が視線こそ本に向けていますが、優しい有希姉が久しぶりに感じられます。
 私は有希姉の肩に寄りかかって目を閉じました。
温かいなぁ・・・。
ルリ「有希姉?」
有希「何?」
ルリ「『この間の事件』、話したくなかったら無理に聞いたりしません。・・・でも、『2人には関係ない』とか、もうそういう事言わないでください。私たち血は繋がっていませんけど、姉妹じゃないですか」
有希「・・・」
有希姉は何も言いませんでしたが、私には有希姉が思っていることがわかりました。そう、私たち姉妹にそんな多くの言葉は要りません。

ルリ「有希姉?」
有希「何?」
ルリ「・・・大好きです」
有希「・・・そう」
今、心がとっても温かいです・・・


ルリ「ぅわ!」

急に後ろからレイ姉が抱き着いてきました。
ルリ「ちょ、ちょっとレイ姉!何するんです?」
レイ「2人だけで和んで、私をのけ者にするんだもの。私も入れて」
そう言うが早いかレイ姉が私の耳たぶを咥えだしました。
ルリ「ふぁぁぁ・・や、やめてぇ・・・」
レイ「ルリ・・・可愛い」
ルリ「うう・・・」
すると今度は有希姉が私の胸を弄りだしました。
ルリ「ちょっと、有希姉まで・・・あ、あぁ・・・」
有希「・・・確かに。ルリの胸が私の大きさに近づいている・・・危険」
レイ「そう。だから、他のところを触って栄養を分散させるの」
そう言うとレイ姉の手がした下と進んでいきます。
ルリ「あぁ・・そんなところ弄らないでください・・・」
レイ「ふふ」
有希「・・・」

それにしても、有希姉がいつもの有希姉に戻ってくれて本当に良かったです。

レイ「有希、そうよ!もっと脹脛を揉んであげて」
有希「了解」
ルリ「や、やめて~~~~~~!」





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