けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

5-618

最終更新:

mioritsu

- view
だれでも歓迎! 編集

「よっし、皆。部長からの、お年玉だぞ!」

皆で唯の家に集まって、楽しくお茶会。
そんな中、突然律が叫んだ。

「お年玉って・・律、お前・・」
「お金じゃないから大丈夫!」
「じゃあなんなんですか?」
「それは、見てのお楽しみ!」

そう言いながら4つの袋を見せてくる。

「まずは澪からな、1つ引け~」

・・・御籤の前例があるだけに、ちょっと不安なんだけど。
この場合、右から2番目は危険だよな・・でも、それすら読まれてるかも・・。

「ほれほれ、早くしろって」
「あぁもう分かったよ、これ」

そう言いながら引いたのは右から2番目。
・・・結局、また同じ場所を引いてしまった。

「まだ開けるなよ。ほいじゃ、次~」

皆揃って開けることに意味があるのかな?
律がちょっと含み笑いをしているようで、凄く嫌な予感。

「よし、皆もったなー、開けて良いぞ!」

律の一言で一斉に袋を開く。
そこに書かれていたのは。

はずれ。の文字。

「りーつー!」
「だって、澪また右から2番目とるんだもーん!御籤で言ったのに」

やられたっ!あーもう、悔しい・・。

でも、こんなのはまだ、序の口だった。
次の瞬間、皆から衝撃の一言が飛び出す。

「あ、澪ちゃんを抱きしめる権利券だって!やったー!」
「えっと、私は澪先輩に頭を撫でてもらえる権利券、だそうです」
「私は、澪ちゃんとお出かけ出来る権利券、ね」

ちょっと待て・・・どういう事だ!?

「お、おい・・・律!」
「んー?なにかなぁはずれを引いた澪ちゅわん」
「権利券ってなんのことだよ!」
「そりゃーそのまんま」

あっけらかんと言い放つ律。
・・・どうしたらいいんだ、この気持ちは。

「何で、私に関することばっかりなんだよ」
「そりゃ、私が持ってる権利っていったら、澪のしかないじゃん」
「なっ?!」
「ま、いいじゃん!変な内容じゃないし、嫌じゃないだろー?」
「そ、そりゃあ、別に・・えっと」

嫌・・じゃない、し。まぁ皆だったら、いいけど、さ。
っていうか、私がはずれ以外引いたらどうするつもりだったんだろう。

「ね、ね、りっちゃん。これ、有効期限とかあるの?」
「あるぞ~。今日から1週間で1回使ったらおしまい」
「えー、1回だけなの?」
「それ以上はダーメ」
「りっちゃんのけちー」
「なんだとぉ!1回だけでも有り難いと思えー!」

あぁもう、好きにしたらいいさ。
怒る気力すら、もうない。

「あ、あの。澪先輩」
「なんだ、梓?」
「使ってもいいですか、これ」
「え」

若干恥ずかしがりながら聞いてくる梓に、どう言っていいか分からない。

「あの、だ、だめだったら別に、大丈夫ですからっ」
「いいんだぞ、梓!・・澪、券受け取ってやってやれって」

まさか梓が、こういうのにノるとは予想外。
・・・だけど。

「わかった」
「!・・・じゃあ、お願いします」
「別に券なんかなくても、梓は良い子だからいつでもしてあげるのに」

そう言いながら、頭を撫でてやる。
気持ちよさそうに目を細める姿は、猫みたいで。
あずにゃんってあだ名は中々うまいこといったもんだと思う。

「あ、ありがとうございました!」
「もう、いいのか?」
「はい!・・えへへ」

梓も上機嫌になったことだし、良いのかな。うん。
・・・あれ、そういえば。

「ムギちゃんは確か、出かける権利、だったよね」
「ええ、そう書いてあるけど・・」
「期限は1週間だけど、空いてる日あるの?」
「それが、あまり予定が空いてなくって・・」

丁度疑問に思っていたことを唯が聞いてくれた。
私からじゃ聞きにくいから、助かった。
でもそうすると、ムギのは期限切れかな。

「じゃあさっ!今日にしたら、いいんじゃない?」
「おぉ!唯にしてはナイスアイディアじゃん!」
「えっへん!」
「で、でも・・」

ムギがこっちを向く。
あんまりノリ気じゃなかった私に、気を使っているみたいだ。
・・・だから。

「ムギは、行きたいトコとか、ある?」
「!・・えっと、遊園地にいってみたいの」

遊園地か、今はまだ午前中だし、いいかも。

「じゃあ、行く?」
「・・でも、いいの?」
「お年玉だからって訳じゃないけど、良い機会だし」

ムギから権利券を貰って、唯の家を後にする。
勿論他の皆はそのままお茶会続行、のはず。

「遊園地にいくの、夢だったの」
「それじゃ、めいいっぱい遊ばないとな!」

多分、私の方がムギより、はしゃいでいたと思う。
ムギと一緒にメリーゴーランド乗ったり、お化け屋敷に挑戦して気絶したり。
ポップコーンとか買って食べたり、絶叫マシーンに挑戦して気絶したり。
・・・あれ、気絶してばっかりだ。

「ふぅ・・楽しかった」
「本当に。ありがとね、澪ちゃん」
「ううん、こっちこそ、ありがとムギ」

観覧車の中でそう言って、二人して笑いあう。
あぁ、本当にすごい楽しかった。

「今度は皆で来ましょう?」
「・・そうだな」

まだ夕方だけど、唯の家に戻ることにした。
メールしたら、まだお茶会中みたいだったしな。

「おかえり、ムギちゃん澪ちゃん!・・どーだった?」
「とっても楽しかったわ」
「おぉ~。・・いいなあ」
「今度は皆で行きましょ?」
「うん!」

唯の家に戻ると、私たちが出てった時と、ほとんど変わらない様子。

「律達はずっとこの調子だったのか?」
「唯先輩と律先輩がゲームを始めてたので、見てました」
「見てただけじゃなくて、小言もな」
「それは律先輩が下手だからです」
「お、言うなぁ、このこの~」

お茶会はゲーム大会に早変わりしていたみたい。
私たちだけ楽しんじゃってたんだったら悪いかと思ったけど。
こっちはこっちで楽しかったみたいで、良かったのかな。

「おっし、残るは唯のだけだぞぉ~」
「ふっふっふ、この券はいざと言うときに取っておくんだよりっちゃん!」
「いざという時っていつだよ」
「・・・・さぁ?」

この調子だと、期限ギリギリまで忘れてそうだな。
でも唯らしいかもしれない。

そうして、いつも通り他愛のない話をしていたら、もう外は暗くなっていて。

「さて、そろそろお開きにすっかー」
「そうですね」
「それじゃ片付けるか」

憂ちゃんの協力もあり、あっさりと片付けが終わる。
本当によくできた妹さんだ。

「それじゃ、またな」
「・・あ、澪ちゃんまって」
「ん?」
「これ!」

まさかの権利券。
いざという時って今なのか?

「・・この場合、私はどうすればいいんだ?」
「あー、抱きしめられてればいいんじゃない?」

律に聞いたら、書いた本人の癖にだいぶ投げやりな答えが返ってくる。
それはつまりじっとしてろってことか?
とりあえず唯から券を受け取る。

「澪ちゃんいっくよー!」
「あ、あぁ」
「えいやー!」

よく分からない掛け声と共に、唯が抱きしめてくる。
私の方が背が高いから、抱きしめられるというよりは抱きつかれる、かな。
じっとしてるっていうのも、その・・は、恥ずかしい。

「あ、あの、唯?」
「なーに?」
「えっと、じっとしてるのも、その」
「んー、じゃあ抱きしめ返してくれてもいいよ?」

余計恥ずかしいって!
で、でも、腕の行き場がないし。
・・・よ、よし!

「こらー!」

腕を唯の背中に回そうとした瞬間、後ろから律の声。

「な、なんだよ律」
「澪に抱きしめられる権利は、渡してないぞ!」
「なっ!・・おまっ・・あのなぁ!」
「えーずるいよりっちゃーん」
「だめだだめだ、だめったらだめー!」
「ちぇー」

そう言いながらも、私から離れる唯。
私はと言えば、律のとんでも発言で頭がパンクしそうなんだけど。

「はい、おっしまーい。それじゃ、またね!」
「あ、ああ」

なんとか返事をして、それぞれ帰路に着く。

・・・なんだか今日は、色々ありすぎた。
隣を歩く律は、珍しく静か。

「律」
「んー?」
「ありがとな」

色々あったけど、凄い楽しくて。
はずれ、なんて書いてあったけど。
今日一日自体が、律からのお年玉だったんじゃないか、とか思ったりして。

「澪は、楽しかった?」
「あぁすっごく」
「そっか」

そういえば、律からお年玉貰ったけど。私は何もあげられてないな・・。

「律は、お年玉欲しい?」
「おーいいね。何くれる?」

何が良いだろう。いってみたものの、思いつかないぞ。

「・・じゃあさ」
「うん?」

何も言えずにいたら、考えていなかったことが分かったようで。

「明日一日の澪の時間、ちょーだい?」
「・・・いいよ」
「よっしゃー!そ~と決まれば、今日は澪んちに泊まろっと」
「やれやれ」


こんなお正月も、いいかな。




おわる。


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー