けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

年越

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2009/12/31(木) 00:29:48

私と律は紅白の余韻に浸かったままなんとなく黙って、そのまま続く行く年来る年を眺めてた。華々しいステージから突然雪が降りしきる参道の景色へ変わる落差が、余計に『祭りの後』を思わせる。
でも、紅白の感情をあふれ出すような演出や光より、行く年来る年の人の心の陰影を映し出すような雰囲気が私は好きだ。仮にも、武道館を目指している人間がこんなことじゃいけないのかもしれないけど。
松明に照らし出された人々の顔はみんな笑ってる。一年の節目の行事という事もあるのかもしれないけれど、そこにいる人たちは友人なり家族なり、自分にとってかけがえのない存在と側にいることが何よりうれしいのだと思う。
そんなことを考えながら並んで座る律の横顔を覗き見る。そして炬燵の中で握られた手の感触を確認する。二人だけの、しかも炬燵の中で誰に見られるわけじゃないのに、二人で並んでからずっと、隠れて手をつないでる。私たちが炬燵に入るときの、二人だけの暗黙のルール。
うん、私も幸せだ。でも、そんな感情を律に見られるのは恥ずかしくて、時計の針を確認しながら頭の中でカウントダウンするひねくれた私。28,27,26、……。
「澪!」
突然キュッと手が握られて律が満面の笑みでこちらを向いた。
「ホントにホントに、お世話になりました。澪が大好きだよっ!」
「ふえっ!?」 ボンッ!
ゴーン……。
「澪! これからもずっと、いつまでもいつまでも澪を愛してます!」
ボシューッ…!
まさか、気を失いながら年を越すとは思わなかった。テレビは世界各地の年明けの風景に変わっていた。打ち上げ花火が間の抜けたひどいジョークにしか見えない。
「へへっ! 年の最初と最後を澪への告白で締めたかったのだ!」
私が世界で一番大好きな笑顔を浮かべてそう言った。…うっかりしてた。何もしてない律がおとなしく黙ってる時は、何かのタイミングを計ってるんだった。
「…バカ律」
全身から蒸気を噴出しそうな私はそう答えるが精一杯。でもな、律。私は炬燵の中で握っていた手を強く寄せる。
「あ、んっ……」
想いを伝えられるのは、言葉だけじゃないんだぞ。
「…ん……っ。…今年最初のキスは私からだな」
「……~~~~~~っ!」
律の顔も真っ赤。私が笑って、律も笑って、本当に幸せ。
律、ありがとう。うれしいよ。キスしてるときに言われるより、ベッドに二人でいるときに言われるより、向かい合って告白してくれたあなたを、もっともっと好きになりました。


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