邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ ヒトガタ

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

存在が確認されたのはそう最近の話ではない。
ただ、それが何で有るのかは定かではないし、理解する術もないのかもしれない。
一つ分かっているのは、彼らは「人間の人格を乗っ取り、その身体で普通に生活を行う」という事である。

よって、生物学的には、容姿は限りなく人間に近い物だと言え、その遺伝子的構造も人間となんら大差無い。
しかしながら、彼らと真に対峙した者は、口々にそれが「確実に異質である」と語る。

その思考は極めて理性的であるにもかかわらず、論理展開の仕方が明らかに人間とは異なる。
言語、文化、環境の違いで生じる人種間の差、等と言うレベルでは片づけられないほどに、その思考は歪である。

その最たる例として、コミュニケーションをとることそのものが不可能である。
彼らと言葉を交わすさまは一見、普通の会話のように見える。
しかし彼らは人間の言葉を脳で理解はするものの、其れに関して感情が影響を受けない。

解りやすく言えば、彼らは「相手と会話が通じるように、独り言を言っている」のである。
「そんなのは人間の会話と変わらないじゃ無いか」と言う者も居るが、その会話には感情が伴っていない。
コンピューターが状況が不自然にならないように計算して、膨大な量の定型句の中から選択した言葉を矛盾なく並べているに過ぎない。
彼らが紡ぐ人語には、たいていの場合、一切の主観が伴っていない、「哲学的ゾンビの言語」と言える。

もちろん、彼らに主観が存在しないわけではない。
だが、その主観は到底、人間の理解の範疇を超える思考回路の下に構築され、おおよそ人間が受け取ることのできない形で表現される。
「今日は雨が降ったから砂を瓶に詰めてシーソーの上に置く」という思考展開が、彼らの間では普通であるらしい。


最も恐ろしいのは、彼らがただ客観的に見る分には、人間と全く区別がつかないというところである。
しかも、たいていの場合、彼らは人間としてはあまりにも優秀な身体能力、頭脳を有している。
高名な科学者や政治家、宗教家の中にも、彼らは紛れ込んでいる。
隣人がヒトガタであるとしても、彼らが気まぐれにでもその本性を現さない限り、誰も気づくことは無い。