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黒い太陽731

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黒い太陽731



概要


1988年に公開された香港映画。
原題:黑太陽731
英題:Men Behind The Sun 、または The Devil 731

関東軍石井731部隊の日中戦争・太平洋戦争時の人体実験の描写が主なテーマ。
森村誠一の『悪魔の飽食』を元にして作られた劇を映画化したもの。
本物の死体をつかったり、動物虐待の描写が多く見られることから、
社会派映画という面とは別の意味で一部愛好家の間では人気があるらしい。
日本人役もすべて中国人俳優が演じているが、日本語の台詞は日本人の声優によって吹き替えられている。*1

+ ...
(映画の詳細 ※閲覧注意)
「黒い太陽七三一 戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌」の詳細
「撮影で使われた本物の死体」という記述。劇中、生きたままの子供を笑いながら解剖するシーンがある。これだけで十分不快だが、この子供の身体、人形などではなく本物の死体を使用している
「動物虐待」という記述。作中で軍医が、「窮鼠猫を噛むとはこのことさ」と言って抱いていた猫をネズミの群れに放り投げ、猫を生きたままネズミに噛み殺させている。驚くべきは、何とこのシーン、特撮などではなく本物の生きた猫をネズミに噛み殺させているのだ。「窮鼠猫を噛む」ただそれだけを言いたかったがために{動物虐待を平然と行っている。動物虐待シーンはこれだけではない。劇中、日本軍が施設を焼却。焼却した際に施設から実験用のネズミが火だるまで逃げ惑うシーンがあるのだが、この火だるまで逃げ惑うネズミ、特撮などではなく本物のネズミを燃やし、使用している。撮影終了後のネズミの運命は言うまでもない。
この作品はSFX技術を所々に織り交ぜており、例としては、減圧実験シーンで密閉された処置室に入れられた「丸太」と呼ばれる捕虜が、室内の気圧を下げられて肛門から腸が飛び出すシーンをSFX技術によって再現している。
撮影終了後のネズミの運命は言うまでもない。


あらすじ

大東亜共栄圏の名の下に、日本が中国北東部を支配し傀儡国家の満州国を設立していた45年。
戦局の悪化から、細菌兵器の開発を急ぐため、
一時左遷されていた医学博士の石井四郎中将がハルピンの七三一部隊に配属された。
同時に、多数の少年兵も内地から送られていた。

七三一部隊は表向きは防疫給水部として
飲料水の濾過消毒、伝染病などを研究する部門であったが、
その実体はペストやコレラ、梅毒などの細菌培養や毒ガス兵器開発の研究のため、
中国人やロシア人、満州人の捕虜たちを使って人体実験を行う悪魔の研究機関であった。
実験に従事することになった少年兵たちは
同じ人間がマルタ(丸太)と呼ばれて使い捨てられていく光景に、次第に無関心になっていく。

日本の敗戦が確実となった8月、石井中将は戦争犯罪者としての追求を逃れるため、
全部隊員に研究所の破壊と証拠湮滅を命じた。
そして研究資料を乗せた引き揚げ列車の前で、
石井は七三一部隊の一切に対する箝口令を敷く。

とは言うものの…

本作は日本軍の非道への告発映画と位置づけられているが、取材・検証・考察は一切行われていないといって差支えが無いほど、稚拙なものである。
上記の通り『悪魔の飽食』を参考にしているシーンが散見されるが、そもそもこの『悪魔の飽食』自体、資料としての支持は全く得られず信憑性には疑問だらけである。第一に医術的観点から、起こりえない実験の結果。第二に軍事的観点から、731部隊の裕福すぎる実験環境。第三に歴史的観点から、戦中の状況から食い違う証言内容。これらは“731部隊が人体実験を行っていたのではないかと疑っている研究者”からの指摘である。
その後、様々な著書が731部隊の疑惑について真剣に考察する中で、かような本著が現在も、731部隊の人体実験の有無に発言権を有しているのは筆者の独自見解ながら中国共産党のイデオロギーからの支持であると思われる。というのも本著の初出は新聞「赤旗」の連載である*2。人体実験の証左よりも日本軍を残虐をな悪役たらしめ、中国共産党が正義の味方であるという二元論で、この許されざる人体実験問題を片付けようとしているのである。
このような背景を抱えている以上、まともな映画が出てくる訳が無いのである。特に上記にもある犠牲者への冒涜としか言いようが無い、モラルを欠いた残虐なシーン*3の連続では反日感情を盛り上げるだけで、この問題について日本との相互理解を求める姿勢に欠いている。
現に第三国、アメリカなどでは、本作を見て731部隊の疑惑に対する興味を持ったという感想などは皆無であり、日本産スプラッター映画「ギニーピッグ」と並んで、中国産スプラッター映画として、低俗で残虐な悪趣味な映画の扱いを受けている。*4
しかし、日本では本作の出現を深刻に受け止めているふしがある。「戦争は酷い事である、日本はそれを行ってしまった」これを教える為の教材として、過激なシーンだけが評価されている本作を上映する学校が存在すれば、本作の考証の浅い(というか考証そのものを行っていない)731部隊の描写を引き合いに「731部隊は人体実験を行っていない」と主張する極端な人々まで登場している。


参考リンク


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注釈

*1 石井四郎役は寺田農だった。

*2 「悪魔の飽食」の名目上の著者は森村誠一だが、実際は元「しんぶん赤旗」のエース記者・下里正樹が取材して書いたもの。だが、下里の名前では売れないから、有名作家の森村誠一のビッグネームを拝借した。

*3 ただし動物虐待に関しては、動物愛護の価値観の広まった近年より批判されている物であり、一概に本作に限った致命的な事ではなく、世界各国の映画で起こっていた事である。

*4 ただし、