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久保田万太郎と中里介山の決闘 今東光

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 だけどその前にねえ、久保田万太郎と中里介山の決闘というのもあったんだよ。それはね、新国劇で介山の「大菩薩峠」をやった。そしたら、久保田万太郎が劇評でぼろくそにやったんだなあ。そのころは、久保田さん、あんな書生芝居のド素人の集まりで・・・って口汚く攻撃していた。中里介山なんて作家でもなんでもない。講談にもならないようなバカな「大菩薩峠」のようなものを、戯曲化して、しかも木戸銭取るなんて詐欺だとかなんとか書いた。そうしたら介山から、久保田万太郎のところへ左封じの決闘状が来たんです。久保田万太郎、気が小さいから震えちゃった。それで、あのでけえ腹抱えて、フウフウいいながら、どこへ飛んでったと思う?芥川龍之介のところだよ。そしたら芥川が、「きみ、これはやむをえん。男だから受けなくちゃいけない。潔く受けなさい。そのかわり介添は私が、今東光に頼みましょう。そしてあなたの骨披露のは今東光(笑)。負けたら、その場で中里介山を打ちとめてもらいましょう」って言った。ほんとだよ。それで、そのお使いに藤澤清造と岡栄一郎が来たんだよ。要するに、久保万は必ず負ける。だから、久保万がちょっとでも切られたら、おれが「勝負あった」と割って入り、それでも介山がやめないようなら、「卑怯なり」とかなんとか言って、介山をたたっ斬ってくれっていうんだ。むちゃな話だよな、ほんとに。でも、おれとしたら、引き受けざるをえないと思っていた。
 結局、これもまあ、久保田万太郎、弱いから刀を収めるとかなんとかにしちゃった。だけど中里介山の方は、実際に、刀抜いて飛び込んで行ったりね、三多摩の山の奥でピストルを撃ってたり、はなはだ穏やかでない、平気でやりかねねんだ。

今東光 昭和48年


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