けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編214

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mioritsu

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「高い石垣など恋の翼で乗り越えてみせましょう」か。

私はふと学園祭で演じたロミオとジュリエットのことを
思い出していた。

最初は恥ずかしくて嫌で嫌で仕方なくて辞退しようとし
ていたロミオ役。でも今は、ううん、劇が終わった時か
らやってよかったと思ってる。
クラスのみんなとのすごくいい思い出になったし、律と
の絆も深まったと思う。そして何より私自身楽しかった。

あの時は辞退しようとしてた律がこのままで終われるか
って強引に私を引っ張っていって特訓したりしたんだよ
なあ。最初に律のジュリエットの演技を見た時は本当お
かしくてしょうがなかったな。私も人のこと言えなかっ
けど。本人にはいってないけど劇がうまくいったのは律
のおかげだと思ってる。

思えばいつも…

高い石垣を乗り越えられたのは恋の翼のおかげなんかじ
ゃなかったんだよな。

ロミオとジュリエットの時だけじゃない。楽器だって律
がきっかけ。軽音部に入ったのだって律に強引に引っ張
られてだ。他にも初めての学園祭ライブで緊張する私を
MCごっこでリラックスさせてくれたり…もっとも私が
このことに気づいたのは後のことだったけど。

そう。小学生のころ律の家で作文を読む練習をした時か
ら私はずっと律に引っ張られてきたんだ。

いくつもの高い石垣を乗り越えられたのは恋の翼じゃな
くて確かに律のおかげだった。

……受験勉強を除く。

今では私が律をリードすることも増えてきたけど私達の
関係の根っこの部分はやっぱり変わってないと思う。
律が私を引っ張って私が律を支えて。今の関係を生活を
ずっとずっと続けていけたらと思う。

シェイクスピアのロミオとジュリエットは不幸な最期を
遂げてしまったけど私達のロミオとジュリエットは今と
ても幸せなのだから。

あ、何かいい歌詞が浮かびそう…と思ったら

「たっだいま~」

バタンと大きな音をたてて私のジュリエットが帰ってきた。
ほんっとジュリエットってがらじゃないよなあ。
自然と頬が緩む。

「おかえり。ジュリエット」
「は?」
「ちょっと高校時代の学園祭のことを思い出してたんだ」
「ああ、あの澪がしましまパンツを」
「違うだろ!!」
ガツン
「あぎゃ~~~~~!!」

今日も田井中家にジュリエットの悲鳴が響き渡る。
シリアスさなんてほとんどなくて騒がしくて陽気で楽しく
て仕方ないこのロミオとジュリエットの物語はまだまだ
続いていくんだ。

なぜならそう

「私達は愛し合っているのです」

なんてね。


おしまい


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