けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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唯「あーずにゃんっ!」ダキッ

梓「ゆ、唯先輩!」

紬「うふふ」

律「今日も絶好調だな…」


放課後のいつもの光景だ。
ムギの煎れてくれたお茶とお菓子を囲んで、時折唯が梓に抱き着いている。
うん、いつもと違うところといえば珍しく職員室に呼び出された澪がまだ来ていないことぐらいかな。
それにして唯、今日はやたら梓にベタベタだな。
…澪がいなくて止める人がいないからか?
まぁ梓も嫌な顔してないし、むしろ…。


紬「りっちゃん、どうかした?」

律「…え、何が?」

紬「ぼーっとしてたから」

唯「あ、分かったよ!澪ちゃんがいなくて寂しいんだね!」

律「残念、唯が今日はやたらと梓にくっついてるなーって思ってただけだ」

梓「見てたんなら助けて下さい!」

律「ごめんな梓。あんなに嬉しそうな顔見せられたら、止めるに止められなくて…」

梓「ちょっ…」

唯「あずにゃん!」ダキッ

梓「唯先輩、もういい加減に…」

唯「抱き着いて欲しいならそう言ってくれればいいのに」ギュ-

梓「違っ…!」

律「…わないな、あの顔は」

紬「梓ちゃん本当に幸せそう」ポワポワ

唯「う~んふふふ~♪」スリスリ

梓「ふわぁぁ…」ポーッ

紬「…陥落ね!」

唯「えへへへ~」

律「…なるほど」ボソッ

紬「? りっちゃん何か言った?」

律「え?ああ、何でも…」

紬「そう?」

ガチャッ

澪「悪い、遅れた」

律「…ん。よしじゃあ始めるか!」

澪「どうせティータイ…」

律「練習をな!」

澪「なんでだよ!!」ゴチン

律「なんでだよ!?」

澪「あ…ごめん」



―――――


―――――

~帰り道~


律「………」ムスーッ

澪「り、律、悪かったって…」

律「…誠意がない」

澪「誠意って…だいたいあれは普段お前が不真面目なせいでもあるんだからな。身から出た錆だ…よ?」

律「…ほらみろ謝る気なんてさらさら」

澪「だ、だからそれとこれとは!」

律「ふんっ…」

澪「…悪かったよ律、ごめん」

律「………」

澪「りつー…」

律「……!」ハッ


練習しようと言っただけで(思いっきり)叩かれて不機嫌な私。
そんな私に謝り続ける澪。
そして今私は気づいたんだ。

…もしかしてこの状況、とっても美味しい?

うん、今なら澪はなんでも言うことを聞いてくれそうな気がする。
チャンス、チャンスですよ奥さん。
でもそうだな、何をしようかな。


澪「なぁ律…」

律「…分かったよ、許してあげよう」

澪「あ、ありが」

律「ただし!」

澪「えっ」

律「…まぁお楽しみは澪の部屋でな。今から行って大丈夫だよな?」

澪「う…いい、けど…」


…まぁ澪の家に着くまでには何か考えつくだろ。
それにしても楽しみだないいなり澪しゃん♪


―――――


―――――


律「着いた!けど…」

澪「うん?」


…やばい、なんにも思いつかなかった。
こんなチャンスめったにないのに…くそ、回れ私のブレイン!


澪「律?それで…えっとどうすれば許してくれるんだ?」

律「えっとだな…あ」


閃いた。
いい機会だから澪の本音をさぐってみよう。
方法はもちろん、部室で二人のやりとりに学んだあれで…。


律「…そうだな、とりあえず私がいいって言うまでじっとしていてもらおうか」

澪「え。変なことするなよ…?」

律「しないよ?…多分」

澪「多分ってお前…!」

律「ほ~らじっとしてまちょうね~」

澪「わ、分かったよ…」

律「まずは…こうだ!」


澪の後ろにまわりこみ、ぎゅっと抱きしめてみる。


澪「り、律!?」

律「はいはい動いちゃいけないよー」ギュー

澪「うぅ…」


そのまま横から顔を覗きこんでみる。
…あ、耳まで真っ赤だ。
ぎゅっと目をつむっているのは恥ずかしいからか?
嫌だから…じゃないよね?

…あ、嫌な顔みれば分かるか。


律「ちょっとごめん」サワッ


お腹の肉…はダメだ、私の明日がなくなる。
ということで胸を少しさわってみる。
これで多分嫌な顔するは…ず?
あれ、さっきとあまり変わってない…。


律「………」

澪「へ、変なことするなって…」


それってもしかして…。


澪「なぁ、もういいか?」

律「…あ、あぁ」

澪「………」

律「…なぁ、澪って私のこと」


実はそんなに好きじゃない?
むしろ、


澪「なんだよ?」

律「嫌い?」


澪「え?なんでそんなこと…」

律「あ、はは、ごめん、ごめんな」

澪「…律?」

律「今まで気づけなくてごめんな…」ジワッ

澪「……!」

律「じゃあ私帰るから…」

澪「待って!」


澪の気持ちを知った以上、もうここにはいられない。
そう思って駆け出した私。
それを…なんで?
澪が抱き留めている。


律「…離してよ」

澪「だめ」

律「なんで…」

澪「こっちが聞きたいよ。なんで泣いてるんだよ律…」

律「な、泣いてなんか…」

澪「うそつけ。大体、なんで急に嫌いとか…全部話してもらわなきゃ」

律「………」

澪「律が話してくれるまでずっと離してやんないからな」

律「………」

澪「…律」

律「…分かったよ」

律「かくかくしかじか、という訳だ」

澪「なるほど、


部室で唯が梓に抱き着いていた。
梓は嫌がってるようなことを口にしていたけど本音が見事に顔にあらわれてて、それを見ていた律は気づいた。
そう、表情っていうのは隠し切れるものじゃないってことに。
そんなおり、ちょうど私が律に理由なき一撃を加えた。
律は拗ね、そこで弱みを見せた私につけこもうとした。
でもどんなことをしようかまでは考えつかなかった律は、ちょうど部室での出来事を思い出し、それを使って私の本音をさぐろうとした。
それでとりあえず抱き着いてみて私の反応をまじまじと観察したがいまいちよくわからない。
だから今度は私が絶対嫌がりそうなことをして反応をみて、律が私に抱き着いた時の反応が嫌がった時のものじゃないことを確認しようとした。
けどほとんど変化がなかった。
そこで律は思った。

私は好かれてなんかいない、むしろ嫌われているのではないか、と。

それで今までこのことに気づかなかった自分の鈍さ、そして今ここで私に不快感を与えている自分に心底嫌気がさしてさらに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
結果律は涙目になりながらも謝りながら逃げ出そうとして私に抱き留められた。


という訳か」

律「…ああ」

澪「そうか…」

律「………」

律(なんで繰り返した?)

澪「ばかりつ…」ギュッ

律「…!」

律「…離してくれていいよ。気を遣わないでくれ」

澪「いやだ」

律「なんでだよ…」

澪「離したくないからな、…私の大好きな律だから」


律「嘘は…」

澪「嘘じゃない」

律「じゃあなんでさっき嫌な顔…」

澪「…嫌な顔なんてしてないよ」

律「だって胸さわってみた時と同じ反応…」

澪「あ、あれは…その…」

律「やっぱり嫌だったん」

澪「違う!すっごく緊張してたから!」

律「緊張…?なんで」

澪「あ…とにかく!私は律のこと嫌ってなんかいないし、むしろ大好きだから!」

律「…!」トクン

澪「だからな、律」

律「…そういうことなのか…?」

澪「…ん? 律?」

律「…なんとなく分かった。そんでもって、気づいちゃったよ」

澪「何が…?」

律「澪が言おうとしなかった、緊張の理由」

澪「…!」カァァァ

律「…また真っ赤になってるぞ?」

澪「う、うるさい…」

律「…あと自分の気持ち」ボソッ

澪「え?」

律「なぁ澪、確かめてみてもいい?」

澪「り、つ…?」

律「こんな…感じでさ…」スッ

澪「あ、」

律「違うかな…?」

澪「違…わない」

律「じゃあ…」

澪「う、うん…」

律「私、初めてなんだからな…」

澪「私も…初めて」

律「…ん」

澪「…好きだよ、律…大好き…」

律「大好き、澪…」



――大好きな人とのキスって、幸せ。



―――――


―――――


~数週間後~


律「さぁーって全員揃ったことだし!」

澪「練しゅ」

律「お茶にするか!」

澪「なんでだよ!!」ゴチン

律「ふぁっ…」ビクン

澪「しまっ…!」

ガタン

澪律「!!!」

紬「」ハァ…ハァ…



おわり。


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