けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

20110630

最終更新:

mioritsu

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高校生活最後の文化祭。
私と律はよりによって「ロミオとジュリエット」の私がロミオ役、律がジュリエット役を任され。
日夜、稽古に励んでいた。

当初は互いに小っ恥ずかしくて稽古にならなかったが…。
コツを掴んでしまえば、後は完成度を上げていくだけだった。

ハイライトは、やはりロミオとジュリエットが抱き合うシーン。

劇のワンシーンとはいえ…いや、私と律だからか。
付き合ってる間柄だからこそ、どうしても変に感情移入してしまう。
抱き合ってそのまま固まる、とか。抱き合うだけなのにキスしたり、とか。
演技そっちのけで…ってコトもしばしば。
勿論二人きりの稽古の時だけ、だが。

今日も、律の自室で稽古中。
ロミオとジュリエットが抱き合うトコロで律がキスしてきた。
私は従うしかなく…唇が離れると、私達は溜め息をついて座り込んだ。
「‥…脚本が悪い」
律の一声を合図に、いつものやりとりが始まった。
「ムギ‥だもんな‥書いたの‥」
私は言いながら台本に目をやった。
よくは分からないが。
このシーンだけ異様に描写が細かった。
「頬をかすめながら、ロミオとジュリエットは抱き合い……ってそりゃキスしろって言ってるよーなモンだろ!!」
律は台本をバンバン叩いた。
「確かに、な…」
付き合ってるんだもん。顔が近付けばキスするのはある意味条件反射。
私と律が付き合ってる事はカミングアウトこそしていないが。
ある程度近しい人間からしたら「バレバレ」ってヤツだったらしい。
ムギの脚本の各所に見て取れる演出は、私と律…つまりロミオとジュリエットが「間違って」何かをしてしまっても…
…仕方ない。そう思わせられるような‥文化祭の演劇の脚本としては30点、その筋の皆様には150点(100点満点で)、というような内容だった。
「…澪」
律が口を開いた。
「‥なに?」
「ステージ上でキス…出来るか?」
「なっ…!!」
私の顔は見る見る内に赤く染まった。
「…ふふっ」
律は、冗談だよ、と笑って私の黒髪をポンポン、と叩き
「まったく、ムギもやってくれるよなー」
はぁ、と溜め息をついた。
「‥台本書くのがムギって時点で‥予感はしたけどな‥」
私は台本を眺めた。
「あぁ…」
律は頷きつつ、私をおもむろに抱き寄せた。
「えっ!?」
私は思わず声を上げた。
「…こーんな素敵なロミオ様だもんな」
律は、私の顎を摘まんで見つめてきた。
「キスしたくなるのも、仕方無いよなぁ‥」
ものすんごい、物欲しそうな顔。
「………」
私は仕方無しに律を見つめ返し
「…こーんな可愛らしいジュリエットだもん、な」

がばっ

目を逸らしながら手を払い、律を押し倒した。
「ロミオ様…」
直ぐ様、律はジュリエットの役に入り切った。流石…だが、卑怯だ。
「私を、どうするつもり‥?」
瞬時に涙目になるジュリエット。
「………」
私は、無言でジュリエットを見下ろした。
「…っ」
無言で、涙目で私を見上げるジュリエットの迫真の演技。
私は、引き込まれた。
「…私だけの物に、したい‥」
ロミオは、ジュリエットの顎を摘み

唇を、奪った。

ロミオとジュリエットは、唇を熱く、熱く重ねた。
ジュリエットは下からロミオの背中に腕を回した。
ロミオはジュリエットの茶髪を優しく、妖しく撫で回した。
ジュリエットの掌は時折、ロミオの背中に爪を立てた。
ロミオの細長い指は時折、ジュリエットの耳をそっと撫でた。
重なった唇の隙間からは、やがて絡み合う舌が垣間見えた。
漏れる互いの吐息が、互いの顔を湿らせた。

ロミオとジュリエットの顔は、紅潮していった。


「…んっ、‥ふぅ‥」
「‥ぁっ、はぁ…」
ロミオとジュリエットの唇は、離れた。
「…ロミオ様?」
ジュリエットはロミオに話し掛けた。
「…なん、でしょう?」
ロミオは戸惑い気味に応えた。
「もっと、もっと……………いただけませんか?」
ジュリエットは、指先でロミオの唇を優しく。なぞった。
「………」
ロミオは、静かに、少し。ジュリエットの指に吐息を掛けると
「…今だけ…ですよ?」
ジュリエットの指に、優しく舌を滑らせた。
「…今だけ…」
ジュリエットは優しく微笑むと
「………ステージは床、硬いしな‥」
押し倒されてもキツイな、と呟き。ちょっとだけ。律に戻った。
「…………バカ律」
ロミオも、ちょっとだけ。私に戻った。
‥一呼吸置いて。
「……ロミオ様…」
律は直ぐ様、ジュリエットに戻った。
「…ジュリエット…」
私も呼応し、ロミオに戻った。

「……」
ジュリエットは下から、右手を伸ばし。ロミオの黒髪を掻き分けて、耳を撫でた。

……ちょうだい?の、合図だった。

「……」
ロミオは上から、左手を伸ばし。ジュリエットの茶髪を掻き分けて、耳を撫でた。

………あげる、の、合図をした。



ジュリエットのベッドの上。

ロミオとジュリエットは、制服姿で。


「今だけ」の唇を、重ね合った。


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