けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

素直じゃないから

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mioritsu

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最近、澪の様子がおかしい。
周囲からしたら、なんて事無い。いつもの澪。
でも、私には、分かった。

いつもの、部活が終わってからの、帰り道。
「澪ー?」
「なに?」
「‥最近、なんか、あった?」
「なんだよ、急に‥」
「んー…」
私は、宙を見つめてから。
「なんでもないけど、さ。とりあえず、ウチ。来なよ」
誘ってみた。
「い、いいけど‥」
承諾したけど。なんか、おかしい。
「じゃ、決まりな?」
私が澪の手を取ろうとすると

ばっ

澪は、拒否した。

「え?」
私が目を丸くすると
「‥あ、いや…」
澪は慌てつつ
「だっ‥誰か見てるかも、しれないだろ?」
言い訳した。
つーか、手繋いで帰るなんて。いつもの事なんだけど…。
「…そうだな」
私は、納得したフリをした。
帰ってから。尋問してやらなきゃなー、とか考えていた。
「‥」
澪は、俯き加減で。歩いていた。



「さーて」
私は、ムギから渡された新曲の楽譜をテーブルに広げた。
「どう料理しよっか、コレ」
ムギの楽譜はシンプルで分り易い。それだけに、アレンジの腕が試される。
ギターは梓を筆頭に任せるとして…。
リズム隊の私と澪も、毎回難儀する。
「うーん‥」
考え込む澪。
ココのベースラインどうしよっかー、なんて。
考えてない事は、お見通しだった。
「‥みおー?」
私は、澪の顔を覗き込んだ。
「‥な、なに?」

さらっ…

「…どうした?」
私は、澪の黒髪を撫でた。
「…どうも‥しないし‥」
澪は、頬を少し赤くして、楽譜に目を落とした。


察しは、付いていた。

ぎゅっ

私は、澪を抱き締めた。
「‥わっ‥!」
澪は、狼狽えた。
私は、澪の顔を肩口に寄せて
「‥この前、誘わなくて、ゴメンな?」
ぽんぽん、と頭を優しく叩いた。
この前ってのは、私とムギが遊んだ日。
後日談として、私がムギに手を上げた事は、澪も知っていた。

澪は、嫉妬していた。

別に、私が澪以外の誰かとふたりきり、なんて状況は今までも何度もあった。
でも、今回は一日の大半をムギと過ごして。
ムギは、すんごく喜んで、はしゃいでて。
澪は内心。良い気分じゃ無いかな、とは思っていた。
私はそれくらい…って。思うようにはなってたけど。
澪は、慣れてはいなかったみたい。

「別に‥」
澪は、関係無いし。と言いたい顔をしてただろう。
「‥みーお」
私は、カチューシャを外し

‥すっ

澪の黒髪に、装着した。
「‥私は、澪のモノだろ?」
ムギのモノじゃないぞ?と、微笑んだ。
「…」
澪は、顔を赤くして、俯いた。
「‥」
私が、澪の頬を撫で
「‥大丈夫」
呟くと。澪は、少し顔を上げた。
赤くなった澪は。言葉を失っていた。
「‥ムギも、みんな‥大好きだけどさ」
私は、澪の唇をちょんっ、と。指差して
「愛してるのは、澪だけだぞ?」
また、微笑んだ。
「…っ」
澪は、下を向いた。
こうなると、澪はなんにも喋らないし、なんにも出来ない。

がしっ

私は、わざと澪の両手首を握った。
「ぁっ‥!」
澪は、少し声を上げ、私の顔を見た。
「……押し倒して、あげよっか?」
私が聞くと
「‥っ」
赤い顔で、そっぽを向いた。
下唇を噛んで、なんか悔しそうな表情。

澪が、嫉妬した時。
ソレは、私を欲しがる時。


必要、以上に。


でも、恥ずかしがり屋の澪はそうそう求めて来られない。
だから、私は、澪を押し倒した。

がばっ

ちょっと、乱暴にするのが、コツ。


「澪ー」
私は乱暴に澪の手首を掴んで、声を掛けた。
「…何?」
少し涙目の澪は私を見上げた。
私は、声を掛けた。
「‥あいしてる?」
「っ…‥!」
澪は、また下唇を噛んで。
下から、私を睨んだ。

…………決まってんじゃん。

赤い顔は、そう語っていた。

グッ

私は、更に手首をキツく、握った。

澪の身体が、ビクっと、震えた。

澪の口が、ふぁっ、と。少し開いた。

「ふふっ‥」

私は、優しく微笑んだ。

澪は、涙目で求めてきた。

口は、少し開いたまま。

目を、やがて閉じた。

私は、見下ろして


「‥アレンジ、考えような?」


囁きながら澪の少し開いた口に、くちづけた。


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