目次

 Step 3 


『腰痛解決への授業』って、具体的に何をするの?


体験学習ではどんなことを習うの?
体験学習でおこなうメニュー


では実際にどのようなことをするか、
手順を見ていきましょう。



ひとまず、施術の見学会


まずは気軽に施術の見学。

石灰化した筋肉は簡単に解けるものではありません。
それはスチールほどの硬度を持つゼラチンの塊です。
骨や関節部のような体の深部に入り込んでいます。
こちらは丁寧に石灰化した部位まで溶いてくれる
施術家を見つけて解いていただくしかないでしょう。

ではどういったものならばもうちょっと解きやすいのでしょうか?

たとえばひとつのものをあげてみると
筋肉のなかに筋肉の伸び縮みを感知するセンサーに
筋紡錘」があります。

どの骨格筋にも筋紡錘が存在します。
筋紡錘は骨格筋の長さの変化に反応するため、
現在がどのような筋肉の長さであるかモニターして脳にその情報を送ります。
それで脳が、次の動作に備えて筋肉の長さを長短させてバランスを最適化させることができます。

筋肉が長いときは筋弛緩している傾向があり、
筋肉が短いときは筋緊張している傾向がある。

もし筋紡錘が、筋肉が短かい筋緊張状態のままで故障してしまったら?
そうなれば筋緊張の筋肉が張って力が抜きたくとも抜けない状態です。

「そんなことってあるのだろうか?」と思われるかもしれませんが、
意外なほどよくあるのです。
一般の方はそのようなことがあるという事実を知らないだけのこと。
施術家なら当たり前に考慮していることですから。

脳は今の姿勢を維持するために、
筋紡錘からの情報をいただいて
必要な筋肉部位を制御している。

だがすでに筋肉の長さを正しく筋紡錘が教えてくれなかったら、
体の左右の均衡は崩れてしまい、
姿勢は乱れ運動効率も悪化します。


たとえば腰にある筋肉の筋紡錘のセンサー機能が異常となれば、
仰向けに横になって起立筋という背中側の筋肉の力を抜かれるべき姿勢なのに、
つねに背中や腰が張っていてそれが抜けてくれない。
仰向けで寝ているときに腰と床の間に手を入れると、
腰が浮き上がり起立筋が異常に緊張していることがわかります。

起立筋が硬く緊張していれば「交感神経」が優位な、
肉体は強い緊張状態から抜け出せませんし、
精神もリンクして緊張している状態です。

こちらの筋紡錘のセンサー異常は、
個々の状態にもよりますが、
はるかに筋肉の石灰化よりもリリースしやすいのです。

ただ筋紡錘の誤作動問題は
皮膚の上から圧をかけるマッサージだけでは解決しにくいようです。
筋紡錘は皮膚の真下の筋肉ばかりが誤作動するわけではなく、
骨に近い皮膚の上から加圧してもおいそれとはアプローチできない部位にもあり、
そのような深層部の筋紡錘がダメージを受けているときがあるからです。

ですがダイジョウブ。
加圧しマッサージを加えるより、
もっと効率的にリリースする方法があるのです。

それは!

カウンターストレインというオステオパシーの安全で痛みのほとんどでない
筋膜をリリースするテクニックはこの筋紡錘の誤作動をリセットするに長けている。
そのようなテクニックなのです。


もうひとつ筋肉のしこりを理解するために重要なものをチェックしておきましょう。

筋膜』というものをご存知でしょうか?
各筋肉を取り巻く筋膜という筋繊維の保護膜があるのです。
筋繊維はたんぱく質でできていて、
その繊維だけでは傷つきやすくもろいものです。
それを保護しつつひとまとまりの筋肉の束ににまとめてくれる
ゼラチン質でできた膜組織があるのです。
そちらを「筋膜」ともうしまして。

筋膜はウィンナーソーセージをイメージすればわかりやすいかもしれない。
ウィンナーソーセージをゆでるとき、
周りに巻いてある腸詰の膜部分がなければどうなるでしょう。
なかのお肉の部分が熱湯にあたればぼろぼろにほどけてしまう。
それが腸詰で膜があれば保護されて問題ありません。
それに膜があるからちょっと押しても中のお肉は崩れない。
そんな優れたパッケージ機能をもっています。

体内では筋肉がするするっと滑らかに動けるよう
隣どおしの筋膜が直接的に接しないように油でまぶしてあります。
ですが筋疲労が著しかったり、衝突事故で衝撃を受けたりすると、
筋膜同士の間にある油がうまく代謝し供給されなくなってしまう。

すると体内は36度という暖かさがあり、
筋膜はゼラチン状でねばねばしている。
このようなゲル上のゼラチン組織は癒着しやすい状態なのです。

実は筋肉が硬くなっているっていうのも、
筋繊維はたんぱく質というもともとやわらかい物質でできているので、
そんなにひどい硬さにまではなりません。

にわとりの卵の白身がたんぱく質ですが、
ゆでて加熱すると白く凝固するのですが
そこまで加熱しないとたんぱく質はそうは固まりません。

問題は筋膜という筋肉を巻いている膜組織はゼラチンでできてますので、
ゼラチンは水分を減らし冷ましていくとスチールやプラスチックのよう。
ものすごい硬い物体に変化できるものです。

筋膜のゼラチン質成分が筋膜間の油の代謝不足にともない
容易に隣の筋膜と直接圧迫接着されてしまうことがあります。


筋膜の癒着が起こります。


筋膜の癒着が始まりだしたときは、
ある程度のヨガやストレッチなどで簡単に癒着は解消されるでしょう。

ですが長年をかけて癒着が癒着を呼び、硬さを進行させていくとどうなるか。
本来は柔らかいゴムのように伸び縮みして筋肉の伸張や収縮を妨げないのですが、
いつしか筋肉を伸び縮みをさせないカチカチの筋膜組織になります。
こうなるとストレッチなどで自力で対応するのは難しいレベルです。

ただ人体の骨のすぐそばなどの深層筋部に、
このようなスチールのような筋膜があっても、
本人的には「これって骨だろ。」と考えているので、
その存在自体をあまり感づいていないものなのです。
このようにまで硬くなった筋膜部分を石灰化と、
私は呼んでしまっております。

運動機能を大幅に制限させるというお荷物のようなものに変わるのです。

それに伸び縮みできない状態をムリに伸ばそうとすれば、
筋膜部にある敏感な痛覚神経が膜組織を壊さないようにと
痛みというメッセージを送ってムリをさせないようにする。

または硬化した筋膜は筋肉の伸び縮みを制限させるため、
わかりやすいイメージで言えば
巨人の星の星が幼少時につけていた大リーグ養成ギブスを
体内に埋め込んだようなもの。
だから動きづらいし筋肉を伸び縮みさせるのに力が必要で
体力の消耗が激しくなる傾向があるでしょう。


たったらどうすればいいかといえば、
筋膜のコンディションを正常に戻せばいい。

簡単に言えばそれだけです。^-^;

そのカチカチの筋膜組織を溶かすために熱と水分をあたえたい。

水分は血流が悪くするようせき止めたブロックをはずしていけばいいし、
熱は熱い血液が患部にまで届けば供給されていく。
そうなれば硬かった筋膜のゼラチン部分も、
お菓子作りで馴染みの板ゼラチンを溶かすのと同様に溶かしていけます。

そのような作業を私の施術ではおこなっているのです。

たとえば冷えた筋膜の部分を溶かすため、
タオルを使ってマッサージをして摩擦熱をおこし溶かしていく。

ハンドマッサージとして手のひらを使ってマッサージをしてもよいのですが、
タオルを器用に使うと体との接触面積も広がり摩擦係数が大きくできます。
熱がおきやすくできるので、溶ける硬化した筋膜の量が増やせるわけです。

それにマッサージをするときにタオルを一枚~数枚はさむことで、
マッサージ未経験者でも安全性が向上し、
マッサージ効果がアップするのですから。

うれしいことです。

そのようなコンセプトの施術テクニックを
腰部の問題に絞って見学していただきたい。

そう考えています。




つぎに、動きの基礎を学びましょう


腰痛でも急性の腰痛と慢性の腰痛の2種類があります。

普段は腰痛を感じていない人が、
たまたま引越しの手伝いなどで急性の腰痛になったとき。
それは自然治癒力が自動的に治してくれますから、
安静にしていればよいだけのこと。
施術院にいって高い費用を支払う必要はないと思います。

慢性の腰痛をお持ちの方のとき。
たとえばマッサージを受けてもまたすぐに腰痛がぶり返してしまう。
またはマッサージを受けてもちょっとやそっとじゃ楽にもならない。
そのような方の時には、
私どもがその方の姿勢や歩き方や座り方などを観察すれば、
あきらかに腰痛を手放さないようにするような状態です。

つまりもし私がその慢性腰痛の方と同じ姿勢や歩き方をして
数時間も時を過ごせば、その方と同じような腰部の痛みを感じてしまうのです。

私どものお客様が
気づかないうちに自ら腰痛を呼び込んでしまっていたことを知ると、
かなり強いショックを受ける方もいます。

そのお気持ちはよくわかります。

ですが自ら腰痛を呼び込んでいたと気づいた方は幸いです。

腰痛になる原因の重要なひとつを取りこぼしていては、
いつまでもそれを引きずっていなければなりません。

それが姿勢や動作を変えれば体の負担が軽減できることがわかり、
姿勢や動作習慣を改めれば腰にかかる負担が物理的に減少させる
きっかけを得られたわけですから!



では実際にどのようなエクササイズを私がお伝えしたいかといいますと、
(今のところ)遊びのような簡単なエクササイズを試してみませんかということです。

私もぜんぜんうまくできないんですけど、
パントマイムの動きで今まで使ってこなかった筋肉の部分に意識をむけましょう。
パントマイムをするときにはイメージをリアルにえがくことがポイントです。
うまい状況設定を思い描いて右脳を活性化して動きましょう。

または普段する動作をスローモーションで動いてみるエクササイズ。
どこの筋肉を使っているか。

あと忘れてはならないのは、
物理の力学的法則を計算に入れ楽に動くことを心がけること。
慣性の法則などいくつかありますよね。


体の使い方のパターンが変わって
筋肉を満遍なく使う習慣が身につくようになると、
不思議なことが起きる場合があります。

それは体の筋肉をさまざまな部分を活かしてより楽な動きを模索するセンスがアップすると、
心理面でもいつもならばこのようにしか思えなかったのに、
他の視点で再検討できるようになり乗り越えられるようになります。

こころとからだは表裏一体なのでしょう。
からだの使い方のセンスを向上させることで、
楽しくこころの荷をおろしていくことができるようです。



最後に、しこりを解いて整体する簡単な方法を学ぼう!


こちらは簡単な自分でおこなえるセルフ・カウンターストレイン
カウンターストレインは先に解説いたしましたよね。
筋紡錘のセンサーが誤作動している筋肉が張って元通りにならない状態を
脱するための方法です。

急性の腰痛の方々には、
これだけでもかなり役立つはずです。

慢性の腰痛の方々には、
これだけではこころもとないのですが、
日頃からこの操作を繰り返すことで
腰痛の悪化進行を軽減させることができるかもしれません。


もうひとつ学ぶことは、タオルを利用した整体です。とは、
簡単に言えばペアでするタオルを活かしたマッサージのことです。

私が今までどのようにすれば
一般の方が実用性あるマッサージが出来るか考えに考えた末の方法です。
これを発案できなければ、
私はこのホームページを立ち上げることはなかったでしょう。
それほど思い入れがあるものです。

今までずっと一般の方にこそ、
手軽に身につけられて実用性あるセルフワークをと願っていました。
本格的な整体やオステオパシーやカイロプラクティックの方法では
一般の方が学ぶに荷が重過ぎます。

本来は人の体を触るには、
十分な知識を持たなければなりません。
それが筋です。

ですが世の中では多くの施術の本が発売され、
施術やマッサージの方法の情報を誰もが得られてしまう。
なかには私がみて「これって危険じゃないのか?」と思うものも。

すでに体に何らかの疾患があったり強い炎症があれば
施術家ならばいきなり患部付近にムリな対応はしません。
ですがそんなことをお構いなしに、
本に書いてあるようなマッサージをしようとする。
本のなかには疾患等があれば医師に相談をしてと書いてあるが、
すでに医師に相談したけど改善しないからこの本を読んで試したい
というひとにはあまり意味のない注意書きに感じてしまいます。

やはり最低限、対面でマッサージの方法を見て、体験して。
そして疑問点を質問したり、
施術をする自分のやり方をよりよくするためのアドバイスを受けたり。
そのような対面で施術法を学ぶ経験があったほうが一般の人には受け入れやすいのです。

それにタオルを利用したマッサージにはうれしいメリットがあります。
受ける人への密着度があがるためマッサージ成果が高まります。

それだけではありません。

圧をかけてマッサージをするときや骨格を緩めるときときにかかる
施術をする側の負担を軽減できますし、
受ける側の痛みも大幅に軽減できます。

その用法の簡単なものを身に着けていただければと思います。















最終更新:2010年02月17日 20:54