『芸術作品および文学作品、文化的作品の保護に関する法律』

(略称:芸術作品保護法)

[第一次案]
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[詳細]

芸術作品保護法[第一次案]の[詳細]は2012/4/8を持ってフィックスしました。
[詳細]の内容は今後は誤字・脱字を除いて修正しません。

  1. 芸術作品・文学作品・文化的作品は、ポルノであること、および猥褻性が否定されるものとする。⇒詳細
  2. 芸術作品・文学作品・文化的作品はポルノ・猥褻物の作成・公開を禁止した法律、その他創造物の作成・公開を禁止した一切の法律の規制を受けないものとする。⇒詳細
  3. 芸術作品・文学作品・文化的作品を作る行為は猥褻行為にはあたらないものとし、猥褻行為を禁止した法律の規制も受けないものとする。⇒詳細
    (そもそも公開してもポルノ・猥褻物にあたらないのであれば、根本的に公開・非公開を問わず、その行為を行っても猥褻行為にはあたらないものとする。)
  4. 行政機関、および公益法人による規制運動を禁止する。⇒詳細
  5. 15歳以上に対して自由に作品を公開してもよいものとする。⇒詳細
    (15歳未満に対しても原則的に自由に作品を公開してよいものとする。)
  6. フェアユース(公正利用)を導入する。⇒詳細
  7. その他、芸術作品・文学作品・文化的作品の保護体制を作る。⇒詳細

1.芸術作品・文学作品・文化的作品は、ポルノであること、および猥褻性が否定されるものとする。


 芸術作品保護法では芸術作品・文学作品・文化的作品は、ポルノであること、および猥褻性が否定されるものとし、「ポルノ・猥褻物」とは性表現が用いられた芸術作品・文学作品・文化的作品ではない創造物であるものと定義します。
 性表現が用いられている創造物の全てを「ポルノ・猥褻物」とは定義しません。
 いかなる性表現が用いられた創造物であったとしても芸術作品・文学作品・文化的作品は「ポルノ・猥褻物」ではないものとします。

 また、芸術作品保護法では、原則的には全ての創造物が「芸術作品・文学作品・文化的作品」であるものとし、  明確に「芸術作品・文学作品・文化的作品でない」と言える創造物以外は「芸術作品・文学作品・文化的作品である」ものと見なして保護の対象とします。
 尚、創造物が芸術作品・文学作品・文化的作品であるかないかを判断する最終的な権限は裁判所にあるものとします。
 行政とクリエイターとの間で意見が割れた場合などは最後は法廷で決着をつける事になります。

1-1.「ポルノ・猥褻物」は保護されない。

 尚、「ポルノ・猥褻物」は芸術作品保護法では保護されないことになります。
 芸術作品保護法は芸術作品・文学作品・文化的作品を守るための法律です。
 「ポルノ・猥褻物」の定義は性表現が用いられた芸術作品・文学作品・文化的作品な作品ではない創造物です。
 芸術作品・文学作品・文化的作品である「ポルノ・猥褻物」なるものは論理的に存在しません。
 芸術作品・文学作品・文化的作品であったとしたら、それは「芸術作品」か又は「ポルノ・猥褻物ではない創造物」です。
 そのため「ポルノ・猥褻物」は芸術作品保護法では保護されません。
 むしろ、「ポルノ・猥褻物が保護されない」と言うより「保護されない創造物がポルノ・猥褻物である」と言った方が正確です。

1-2.「差別を目的としない創造物」は保護される。

 いかなる差別表現が用いられた創造物であったとしても、それが物語の演出などであり、差別を行う事そのものを目的としていない創造物は芸術作品保護法により保護されます。
 尚、「差別を目的とした創造物」が芸術作品保護法により保護されるかされないかは不明確なものとします。

1-3.「犯罪行為の扇動を目的としない創造物」は保護される。

 いかなる犯罪表現が用いられた創造物であったとしても、それが物語の演出などであり、犯罪行為の扇動を目的としていない創造物は芸術作品保護法により保護されます。
 犯罪を誘発する恐れがある創造物であったとしても、犯罪行為の扇動を目的としていない創造物は保護対象です。
 尚、「犯罪行為の扇動を目的とした創造物」が芸術作品保護法により保護されるかされないかは不明確なものとします。

1-4.「社会公益を損なわない創造物」は必ずしも保護されるとは限らない。

 「社会公益を損なわない創造物」であったとしても、芸術作品、文学作品、文化的な作品でない創造物は保護されません。
 芸術作品・文学作品・文化的作品である創造物とは必ずしも「=社会公益を損なわない創造物」ではないものと定義します。
 また、芸術作品・文学作品・文化的作品でない創造物とは必ずしも「=社会公益を損なう創造物」でもないものと定義します。

2.芸術作品・文学作品・文化的作品はポルノ・猥褻物の作成・公開を禁止した法律、その他創造物の作成・公開を禁止した一切の法律の規制を受けないものとする。


 芸術作品・文学作品・文化的作品はポルノ・猥褻物の作成・公開を禁止した法律、その他創造物の作成・公開を禁止した一切の法律の規制を受けないものとします。
 芸術作品保護法と他の法律との関係は下記をご覧ください。

1.芸術作品保護法による創造物の保護は創造物の作成・公開を規制した法律(児童ポルノ禁止法、刑法175条(わいせつ物頒布罪)など)に自動的に優先します。
 そのため、芸術作品・文学作品・文化的作品については上記二つの法律の規制を受けないことになります。

2.芸術作品保護法による創造物の保護は特定、又は不特定の創造物の作成・公開を抑制する事を目的とした法律に自動的に優先します。
 直接的に創造物の作成・公開を規制する訳ではなく、間接的に特定、又は不特定の創造物の作成・公開を抑制する事を目的とした法律についても芸術作品保護法は自動的に優先するものとします。

3.芸術作品保護法による創造物の保護は特定の人物の名誉を棄損することを禁止した法律には優先しません。
 芸術作品保護法ができたとしても誰かの名誉を傷つける行為は認められません。

4.芸術作品保護法による創造物の保護は特定の創造物を独占的に発表することを認めた法律(著作権法、肖像権法など)には優先しません。
 芸術作品保護法ができたとしても特定の創造物を独占的に発表する権利は認められます。
 尚、フェアユース(公正利用)にあたる場合は例外的に著作権法の規制を受けないものとします。

5.芸術作品保護法による創造物の保護は創造物の出演者、作成スタッフの労働条件を定めた法律には優先しません。
 芸術作品保護法は基本的には創造物の自由な作成を認めた法律ではありますが、作成過程における出演者、作成スタッフの労働条件には制限がかけられる事になります。
 尚、創造物の作成過程において、出演者、作成スタッフの労働条件を定めた法律に違反する行為があったとしても創造物の作成を中止させること、作成された創造物の公開を規制する事はできないものとします。

6.芸術作品保護法による創造物の保護は公共放送のルールを定めた法律には優先しません。
 公共の電波を用いた放送の内容に法的な規制をかけるべきか否か、あるいはその規制の内容をどのようなものにするか、その種のあらゆる問題に対し、芸術作品保護法は一切関与しないものとします。

7.芸術作品保護法による創造物の保護は伝統の保護を目的とした法律(条例)には優先しません。
 芸術作品保護法により保護される創造物については行政が介入する事ができなくなります。
 しかし、伝統を守ることを目的としている場合については例外的に行政が介入しても良いものとします。

8.他、芸術作品保護法による創造物の保護は創造物の作成・公開を規制している訳ではない法律には優先しません。

3.芸術作品・文学作品・文化的作品を作る行為は猥褻行為にはあたらないものとし、猥褻行為を禁止した法律の規制も受けないものとする。
(そもそも公開してもポルノ・猥褻物にあたらないのであれば、根本的に公開・非公開を問わず、その行為を行っても猥褻行為にはあたらないものとする。)


 芸術作品保護法による創造物の保護は猥褻行為を禁止した法律・条例に優先します。
 芸術作品・文学作品・文化的作品は猥褻物ではないというのも、この法律の主旨の一つです。
 猥褻行為と言うのは創造物ではないですが、芸術作品保護法により、公開しても猥褻物に該当しない行為=猥褻行為ではない行為と言う事になります。
 そのため、芸術作品保護法は猥褻行為を禁止した法律・条例に優先することになります。

4.行政機関、および公益法人による規制運動を禁止する。


 芸術作品保護法により行政機関、および公益法人による規制運動を禁止します。
 詳細は下記をご覧ください。
 芸術作品保護法に違反する行政機関、および公益法人による介入が行われた場合、裁判所が中止命令を出す事ができるものとします。

1.行政機関がクリエーター、出版社、書店などに対し、行政指導を行うなどして、
 「特定または不特定の創造物を作成・公開・販売するよう直接的な圧力をかけること」
 「特定または不特定の創造物を作成・公開・販売しないよう直接的な圧力をかけること」
 を禁止します。
 この規定に違反し、行政機関がクリエーター、出版社、書店などに直接的な圧力をかけた場合、その行政機関の関係者は処分の対象となります。
 また、芸術作品保護法はクリエーター、出版社、書店などに対し圧力をかけることを目的とした運動に政機関が協力すること、そう言った運動を政機関が支援する事も禁止します。
 (芸術作品保護法が優先しない法律・条例に定められている事柄については行政機関がクリエーター、出版社、書店などに対し、圧力をかけても良いものとします。)

 尚、行政が主催する発表会などについては行政機関が好きなように口を出しても良いものとします。
 また、行政機関が税金を出資している場合などは、その税金の使い方については好きなように指定しても良いものとします。
 (この規定は行政機関だけでなく、公益法人についても適用されるものとします。)

2.行政機関が追放運動を行うなどし、特定または不特定の創造物の排除・追放を目指す事を禁止します。
 この規定に違反し、行政機関が追放運動を行うなどした場合、その行政機関の関係者は処分の対象となります。
 また、芸術作品保護法は特定または不特定の創造物の排除・追放を目的とした運動に政機関が協力すること、そう言った運動を政機関が支援する事も禁止します。
 (芸術作品保護法が優先しない法律・条例に定められている事柄については行政機関が行動を起こしても良いものとします。)

 尚、芸術作品保護法は行政機関が特定または不特定の創造物の排除・追放を目指す事を禁止しますが、
 逆に行政機関が特定または不特定の創造物の振興を目的とした行動を起こす事は禁止しません。
 (この規定は行政機関だけでなく、公益法人についても適用されるものとします。)

3.芸術作品保護法により公務員が特定または不特定の創造物の排除・追放を目的とした運動に参加する事を禁止します。
 この規定に違反し、公務員が特定または不特定の創造物の排除・追放を目的とした運動に参加した場合、処分の対象となります。
 (芸術作品保護法が優先しない法律・条例に定められている事柄については公務員が参加しても良いものとします。)

 尚、芸術作品保護法は公務員が特定または不特定の創造物の排除・追放を目的とした運動に参加する事を禁止しますが、
 逆に公務員が特定または不特定の創造物の振興を目的とした運動に参加する事は禁止しません。
 (この規定は行政機関の公務員だけでなく、公益法人の構成員についても適用されるものとします。)

4.芸術作品保護法により行政機関にはクリエーター、出版社、書店などに対する中立を義務付けます。
 行政機関が発表会などを主催すること、税金を出資するなどすること、創造物の振興運動を行う事は認められますが、
 それ以外の点においては行政機関は全てのクリエーター、出版社、書店などを平等に扱う事が義務付けられます。
 この規定に違反し、行政機関が特定のクリエーター、出版社、書店などに対して、恣意的に肩入れした場合、恣意的に冷遇した場合、その行政機関の関係者は処分の対象となります。

 尚、芸術作品保護法が優先しない法律・条例に定められている事柄についてはこの規定から除かれます。
 (この規定は行政機関だけでなく、公益法人についても適用されるものとします。)

5.芸術作品保護法により行政指導に対する反論権が認められるようになります。
 芸術作品保護法に違反した行政指導が行われた場合、損害賠償を請求できるようになります。

5.15歳以上に対して自由に作品を公開してもよいものとする。
(15歳未満に対しても原則的に自由に作品を公開してよいものとする。)


 芸術作品保護法による創造物の保護は未成年者(18才未満)の健全育成を目的としたゾーニングとレーティングの在り方を定めた法律・条例に優先します。
 芸術作品保護法では15歳以上には自由に作品を公開しても良いものとします。
 また、15歳未満に対しても原則的に全ての創造物を自由に公開して良いものとします。

 だだし、下記の創造物については例外的にその扱いについて芸術作品保護法では言及しないものとします。

  1. 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認める内容の図書類
  2. 構造又は機能が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めるがん具類
  3. 構造又は機能が、青少年又はその他の者の生命又は身体に対し、危険又は被害を誘発するおそれがあると認める刃物
 上記に該当しない創造物については15歳未満に対しても自由に公開(販売)してもよいものとします。
 尚、上記に該当する創造物についても「有害図書指定」「有害玩具指定」を行う権限は行政にはないものとします。
 「有害図書指定」「有害玩具指定」を行う権限は裁判所にのみあるものとし、行政に行うことができるのは裁判所に対して有害図書指定を行う事を求める事までとします。

6.フェアユース(公正利用)を導入する。


 芸術作品保護法により著作物のフェアユース(公正利用)を導入します。
 以下の4つの判断基準のもとで公正な利用と判断された場合は、著作権者の許諾がなくとも著作物を使用できる事とします。

  1. 利用の目的と性格(利用が商業性を有するか、非営利の教育目的かという点も含む)
  2. 著作権のある著作物の性質
  3. 著作物全体との関係における利用された部分の量及び重要性
  4. 著作物の潜在的利用又は価値に対する利用の及ぼす影響

7.その他、芸術作品・文学作品・文化的作品の保護体制を作る。


 その他、芸術作品保護法により以下のよう創造物の保護体制を作ります。

7-1.創造物に対する差別・妨害を禁止する。

 芸術作品保護法により創造物に対する差別・妨害を禁止します。
 詳細は下記をご覧ください。

  1. 芸術作品保護法により芸術作品・文学作品・文化的作品については特定の創造物を作成・公開した事を理由とした差別が禁止されます。
    特定の創造物を作成・公開した事を理由とした差別を受けた場合、差別者に対して損害賠償を請求できるようになります。
  2. 芸術作品保護法により芸術作品・文学作品・文化的作品については、その作成・公開に対する妨害行為が禁止されます。
    創造物の作成・発表を妨害された場合、妨害者に対して損害賠償を請求できるようになります。

7-2.訴訟支援制度を導入する。

 芸術作品保護法により訴訟費用負担制度を導入します。
 クリエイタ―が裁判を起こす際などに必要となる訴訟費用が一定額まで国により負担されます。

最終更新:2012年04月08日 22:45