Dominions3には膨大な種類のユニットが存在し、そしてその組み合わせによって考案される戦術も非常に多様なものになります。
このページでは、有効な戦術を組み立てるのに役立つであろう点について記述します。
※容量上限突破につきページを分割しました(一般兵:戦術、指揮官:戦術2


戦闘ルール

さほど複雑ではないこのゲームの戦闘ですが、それでも理解しておきたい要素はあります。マニュアルを熟読された方であれば周知の事実がほとんどでしょうが、現在ではマニュアルの誤りなども見つかっていますので、その点も含めて記述していきます。

Dominions3での乱数計算(DRN、drn)

説明書の最初のほうに書かれていますが、Dominions3ではほとんどの場面でかなり特殊な乱数の算出を行います。これにより、途方もない実力差がある状況でさえ、予想のつかない結果をもたらす可能性を演出しています。
DRNと記述されている場合、まず6面ダイスを2個振ります。そして出た値が1~5であった場合、その値を単純に使用します。しかし6だった場合は、計算結果から-1した上でさらにもう1個のダイスを振るようになっています。この回数に上限はありません。
このため、万一6が出続けてしまえば、乱数はとんでもなく大きな値を示してきます。もちろんその確率は相当に低いものでしょうが、ただの民兵が強力な神に手傷を負わせることもあり得ないとは言えないのです。

なお、drnと計算式に小文字で記述されている場合、最初に振るダイスの数は1個だけです。これは世界呪附のDispel判定にだけ使用されているようです。
またあらゆる乱数計算がこれで行われるわけではなく、Magic Duelのように独自の乱数幅を持つものも存在しています。


判定値の差による大まかな確率

攻撃の命中判定など、様々な場面で行われる差の比較ですが、乱数の仕様上、確率の変化は差が大きくなるにつれて低下していきます。大まかな確率は以下です。

確率
-14 1%
-13 1%
-12 2%
-11 3%
-10 3%
-9 5%
-8 6%
-7 8%
-6 11%
-5 14%
-4 18%
-3 24%
-2 30%
-1 38%
0 46%
1 54%
2 62%
3 70%
4 76%
5 82%
6 86%
7 89%
8 92%
9 94%
10 95%
11 97%
12 97%
13 98%
14 99%
※攻撃側から見た確率です(0の時に攻撃側がやや不利な数値なのは、判定値が並んだ場合は防御側が勝つためです)

これを見てわかる通り、確率の変化が最も激しいのは0付近です。戦闘スキルや士気が1上がっただけでも兵のコストが上がるのは、この影響の大きさを象徴していると言えるでしょう。
一方、あまりに大きな差になると、変化の幅は少なくなります。これは勝る側からすればそれ以上に上げる利益が少ないとも言えますが、逆に負けている側から見ても、僅かな補強では殆ど変化が見込めないということでもあり、圧倒的な差も無益とは言えません。

この計算は、比較された数値自体がどれほど低かろうと、あるいは高かろうと関係ありません。10対10であっても、100対100であっても、確率は46%のままです。


1マスに入れるユニットの数

1マスに侵入できるユニットの数は、そのサイズに依存しています。サイズが合計して6を超えない組み合わせであれば、どんな組み合わせでもマスを共有できます。
ただし敵味方が同じマスに存在することは絶対にありません。たとえ味方と同じマスに居た兵士が魔法などによって支配されたとしても、直ちに最寄りの侵入可能なマスに弾き出されます。
このため、範囲1で命中精度も100の攻撃であれば、絶対に味方を巻き込むことはないと言えます。またサイズの都合でマスの容量に空きが残るような編成だとしても、その隙間に敵が流れ込むこともありません。

基本的に、接近戦においては1マスに入れる数が多い、サイズの小さな兵が有利であるとされます(戦力の密度が高くなり、集中攻撃しやすく、されにくくなる)。大型の兵は攻撃回数や一撃の重さで数の不足を補わなくてはなりません。
一方、範囲攻撃はマス数を基準に攻撃するため、大型の兵であるほど被害が少なくなる傾向にあります。またTrample能力を持つ兵にとっては、自分のサイズこそが武器の代わりですし、敵のサイズが最大の障害となります。


行動ポイントの消費

ユニットの行動ポイントは、移動や攻撃などターン中に行える行動全てを制限するものです。これが高いほど機動力が高いと言えますし、また移動後の攻撃などが容易になります。
移動においては、上下左右に1マス動くたびに2、斜めに1マス動くたびに3消費するようになっています。ただし敵に隣接するマスに移動した場合、Zone of Control(ZOC)によりそれ以上の移動はできません。
攻撃を行ったユニットは、行動ポイントを最大値と同じだけ消費します。このとき行動ポイントが最大値でなかった場合、不足分は次のターンに持ち越され、次のターンの初期行動ポイントが少なくなります。
この最大値というのはあくまでも初期の最大値であり、補助魔法などの影響で上限が増加していた場合は全消費にならないことがあります。ただし魔法の使用時に限り、増加後の最大行動ポイントと同じだけ消費します。


疲労

ユニットは、主に近接攻撃を行ったときと魔法を使用した時に疲労します。飛行を除いた移動では基本的に疲労せず、また射撃武器による遠隔攻撃も一切疲労しません。
近接攻撃時には、攻撃を試みたときにMelee Encumbranceと同じだけ疲労します。1セットあたりの攻撃回数は無関係ですが、魔法などにより1ターンに行える攻撃行動の回数が増えている場合、その1回ごとに疲労します。
魔法を使用した場合は、魔法そのものに設定されている疲労に加え、本人のSpell Casting Encumbranceと同じだけ疲労します。魔法の疲労は近接攻撃よりも装備重量の影響が大きく(2倍)なります。
また飛行によって移動した際にも疲労を負います。正確な計算式は不明ですが、接近戦のために飛行する場合、必然的に相手より若干不利な状態から戦闘に入ることになるでしょう。

疲労は基本的に自然回復しませんが、疲労が100を超えてユニットが行動不能になっている場合のみ、毎ターン5ずつ回復します。再び行動可能になると回復は止まります。
特殊能力のReinvigoration所有者は平時でも自動回復しますし、戦闘呪附のReliefが発動していれば、発動者の側に所属する全員が疲労回復の恩恵を得られます。また一部の魔法は直ちに疲労を回復する効果を持ちます。
なお、戦闘後には疲労は即時完全回復し、同ターン中に連続戦闘になっても、次の戦闘には持ち越されません。これはHPがそのターンの全戦闘が終わるまで回復しないのとは対照的です。


近接攻撃の処理

近接攻撃の命中判定は、基本的には攻撃側の攻撃スキルと防御側の防御スキルの差によって判定されます。判定に使われるのはあくまで差の大きさだけで、値そのものがどれほど高くとも関係はありません。
より正確な計算式は、

攻撃側:攻撃者の攻撃スキル + DRN - (疲労 / 20)
防御側:防御側の防御スキル + DRN - (疲労 / 10) - 連続攻撃ペナルティ(そのターン中に受けた攻撃の回数)

となっています。総じて防御側のほうが受けるペナルティが大きいため、とくに長期戦によって疲労が溜まってきた場合、回避率はどんどん低下していきます。また大型生物が小型の兵に袋叩きにされた場合も回避しきることは難しいでしょう。
また範囲攻撃の場合、この回避判定は全く行われません。攻撃が及んだマスに居合わせれば、問答無用で命中します。

防御側が盾を持っていた場合、攻撃側の判定値が盾の回避率を超えるほどの差をつけて勝たない限り、盾で攻撃を受け止めたものと見なされます。ただしフレイルなど、一部の武器は盾を持つ相手への攻撃スキルにボーナスが付きます。
もし盾で攻撃を受けた場合、その攻撃のダメージは対象の通常の防御力と、盾の防御力の両方で軽減されます。人間程度の攻撃であれば回避と同じように考えられますが、巨人などが相手だと軽減しきれないかもしれません。
また盾の防御力も防御貫通や防御無視の影響は受けます。とくに後者は盾の効果を完全に殺してしまうので、この場合、盾は単に回避率を下げるだけの板切れでしかないと言えます。


クリティカルヒット

近接攻撃が命中した場合、防御側の疲労に応じてクリティカルヒットが発生することがあります。以下の計算式の結果が2未満だった場合、クリティカルとなります。

クリティカル判定: DRN - (防御側の疲労 / 15)

DRNは最小値が2なので、防御側の疲労が15を超えるまでは絶対にクリティカルは発生しないことになります。もしクリティカルが発生した場合、その攻撃は防御貫通属性と見なされ、防御力が半減した状態でダメージが計算されます。
ただし、実際のクリティカル判定は説明書の記述に反しているとの話もあります(計算上はまずダメージが与えられない相手に異常にダメージが通る)。ただし疲労が強いほどクリティカルを受けやすい点は間違いないようです。


迎撃判定

長い武器、主に槍を持つ兵の強みを表現するため、防御側が攻撃側よりも長い武器を持っていたとき、それを迎撃する判定があります。
このときの基本的な命中判定は攻撃時のそれと同じですが、この場合は迎撃側の命中率に連続攻撃ペナルティが付加されます。このため、1ターン中に何度も攻撃されると対応しきれません。

もし迎撃が命中した場合、攻撃者は士気判定を行います。もしこの判定に失敗すれば、攻撃者はその攻撃を放棄し、ダメージは受けません(迎撃を避けられないと判断して攻撃を諦めた)。
一方、士気判定に成功した場合は迎撃のダメージ計算がされ、もしダメージを与えられた場合(=防御力でダメージ0にされなかった場合)は1ダメージだけを与えます。ダメージの成否問わず、攻撃者の行動は阻害できません。

仕様上、迎撃が攻撃の阻害に役立つのは、敵の士気が標準的な場合に限られることになります。MindlessやBerserkerなど異常な士気を持つものや、預言者・神などの士気30固定の相手にはまず通用しません。
とはいえ、人間の一般兵程度であれば士気判定を突破できる確率はそう高くありませんので、彼らが主力を務めることが多い序盤~中盤ではよく機能するでしょう。またFearなど、敵の士気を強制的に低下させる効果との相性も良いと言えます。


突撃ボーナス

Light LanceおよびLanceに付加されている突撃ボーナスですが、これは使用者の行動ポイント(そのターンに使用したポイントというわけではなく、単に最大値を見る)の3分の1(端数切り捨て)を武器の攻撃力に加算するという処理を行います。
つまり、Light Lanceの場合は「武器の攻撃力(3) + 腕力 + 行動ポイントの3分の1」、Lanceの場合は「武器の攻撃力(16) + 行動ポイントの3分の1」の攻撃が行われます。
これはあくまでも、その戦闘においてその武器による最初の攻撃が行われたときだけ発生します。もし攻撃が外れてしまった場合、突撃ボーナスは次の攻撃に持ちこされたりはせず、単に無駄になります。

基本的には、重騎兵が持つLanceのほうが上位版と言えます。Lanceは主武器の攻撃と独立して追加される武器なので、実際の一撃目は主武器・突撃槍・騎馬の追撃という強烈な連打となります。
一方、Light Lanceはそれ自体が低威力の主武器であり、突撃が終わると火力を欠きますが、一方で突撃ボーナスが腕力依存の攻撃に一括で乗るため、防御力が高すぎる相手には、攻撃それぞれで軽減される連打よりも有益な可能性もあるでしょう。

ちなみに、Weapons of Sharpnessによる防御貫通化や、Quicknessによる行動ポイント倍化を利用すると、突撃の威力をさらに高めることが可能です。


特定種族への特効

一部の武器は「x2 vs magic beings」、「x3 vs undead/demon」など、特定種族に対して威力が倍増する特殊効果を持ちますが、これは与えたダメージではなく、減算前の攻撃力そのもの(腕力依存ならそれも含む)を倍増させます。
結果的に、実際に与えるダメージは倍率以上に増加する可能性がありますし、また本来なら全くダメージが通らないような威力でさえ大打撃を与えられることもあります。
例を挙げると、腕力10で攻撃力11のMoon Bladeを装備し、Crusher(防御力24)を攻撃した場合、普通ならまともなダメージが期待できない状況にも関わらず、平均して20弱のダメージを与えられます。

対デーモンではDemon Cleansingの戦闘呪附も存在しますが、これと他の対デーモン特効が重なった場合、倍率は乗算となるようです(威力合計14の対デーモン3倍打の攻撃で、防御力22のデーモンに平均60前後のダメージ)。


射撃の処理

弓や魔法などによる遠隔攻撃は、近接攻撃と異なり攻撃・防御スキルが一切使用されず、代わりに攻撃側の射撃精度と防御側の盾回避率が使用されます。また防御側はサイズによっても多少の影響を受けます。

まず、放たれた弾がどのマスに着弾するかが判定されます。これは狙った位置が攻撃側の射撃精度の半分までであれば、必ずそのマスに着弾するようになっています。
ただし射撃精度は10を超えた値を2倍の価値として判断します(精度11→実際は12、精度12→実際は14)。このため、標準である10よりも高い精度を持つ兵は見た目以上に高い命中率を持つと言えます。
もし必中する距離を超えているのであれば、以下の計算式によってブレの最大値を算出します。

ブレの最大距離:距離 * 1.25 / 射撃精度

実際に着弾する場所は、狙った位置からブレの最大値の間からランダムで決まります。ブレが大きくとも運が良ければ狙った位置に当たるでしょうが、ひどい時には味方にばかり当たる結果にもなります。
なお、着弾のブレは射程を超える方向にも起きるので、極端に精度が低い射撃は予想外の距離に着弾することもあります。もっとも、それを活かした戦術を作るのは難しいでしょう。

当たる場所が決まったら、今度はその場所に居る誰かに当たるかの判定が為されます。これは単体攻撃にのみ行われ、範囲攻撃だった場合はマス全体に強制的に命中します。

攻撃側:DRN + (マス内のサイズ合計) + 2(魔法武器ボーナス)
防御側:DRN + 2 + (盾回避率 * 2) - (疲労 / 20)

見ての通り、防御側にとっては盾だけが頼りです。加えて疲労が溜まっていると回避率が落ちるため、魔法などで疲労させられた上で矢の雨を浴びると生き残るのは難しいでしょう。
もっとも、盾回避率の比重は非常に大きく、タワーシールド級の装備で既に多くの射撃は無効化します。攻撃側の基本的な数値が最大でも6~8であることを考えれば無理もない話です。
一方、攻撃側ができる強化策はほとんどありません。対応する射撃であればFlaming Arrowsによって魔法武器化しておくぐらいでしょうか。
範囲攻撃の場合はそもそも盾などによる回避判定すらさせてもらえないので、攻撃側が圧倒的に有利です。また防御無視の魔法の多くは、単体攻撃であっても盾無視の性質を持ちます。

なお、この計算式における盾の影響は過剰であるとの実験結果があります。確定ではありませんが、近接攻撃と同じく、同ターン中に受けた矢の数によって回避率にペナルティがつく可能性も示唆されています。
その他、実際の回避率は盾の重さを引いた分で計算される可能性も指摘されています。現状ではこの説が有力なようです。


防御力の扱い

ユニットが攻撃を受けた際のダメージ量は、以下の計算式で算出されます。

攻撃力:攻撃者の腕力(腕力非依存武器は除く) + 武器の攻撃力 + DRN
軽減量:防御側の命中部位の防御力 + 盾の防御力(盾に命中した場合のみ) + DRN

通常は攻撃力から軽減量をそのまま引きますが、防御貫通の場合はDRN以外を半減して計算し、防御無視の場合は同じくDRN以外を無視して計算します。
もし軽減量のほうが多ければ、その攻撃はダメージを与えずに終わります。最低ダメージの保証などはありません。このため、槍のような攻撃力の低い武器を使う人間は、重歩兵に対して非常に不利と言えます。

命中する部位は大まかに3パターンに分かれており、60%で総合防御力(ステータスの防御力表記)、残る20%は胴体防御力、20%は頭部防御力を使用します(防御力詳細で見られる)。
基本的にはステータスで表示される値をあてにできますが、総合防御力は鎧の影響力が非常に強く、兜を持たない兵士でも、鎧が頑丈であれば悪くない値を表示します。
しかし、兜を被っていない兵士は20%もの確率で生身のままの防御力で攻撃を受けるため、実際には無視できない確率で大ダメージを受けることになってしまいます。盾すらない場合、スリングごときに大打撃を受けることもあるでしょう。

魔法による防御力強化(BarkskinStoneskinIronskinInvulnerabilityは生身の防御力自体を上げるため、これらの魔法を用いれば手薄な部位も補強できます。
一方、同じ魔法強化でも、Legions of Steelおよび地の上位祝福は防具を強化するため、防具を身につけていない部位は補強されません。


防御力の計算

生身の防御力と防具の性能から計算される防御力ですが、単純な足し算にはなりません。正確な計算式は、

部位防御力:生身の防御力 + その部位の防具の防御力 - (生身の防御力 * その部位の防具の防御力 / 40)

となります。このため、防御力が高くなるほど、防具から受けられる恩恵は低下していくことになります。当然、防具を着ているユニットが基本防御力を高める魔法をかけられた場合も、数値通りの恩恵は得られません。
ただし、Skin系統魔法の効果がとくに低くなるのは、あくまでも生身の防御力が元から高い場合です。防具のみで防御力を確保している兵であれば、たとえBarkskinであってもそれなりの恩恵はあります(防具性能10で+8、防具性能20で+5)。

なお、ステータスに表示される総合防御力は以下の計算式です。

総合防御力:(胴体防御力 * 4 + 頭部防御力) / 5

見ての通り、鎧の影響力が非常に大きいものの、上で書いたように胴体・頭部の防御力のみでダメージを計算することもありますので、鎧の性能を過信して兜を装備しないのは賢明なこととは言えません。


魔法の抵抗判定

魔法の抵抗判定は主に術者の魔法スキルと抵抗貫通ボーナス、対象の魔法スキルと魔法抵抗が影響します。

攻撃側:DRN + 11 + 抵抗貫通ボーナス
防御側:DRN + 魔法抵抗 + (受けた魔法の主属性の魔法スキル / 2) + (抵抗容易な魔法であれば+4)

攻撃側の抵抗貫通ボーナスは、アイテムから得られたものに加え、主属性の魔法スキルが要求されるスキルを1超えていると+1、以後2ごとに+1されます。
防御側も魔法スキルによりいくらかのボーナスを得られます。極めて高い魔力を持つ神に対して、一般的な魔術師が抵抗可能な魔法を成功させるのは困難でしょう。

ほとんどの魔法はこの計算式が使われますが、戦闘呪附は抵抗貫通ボーナスを得られない(アイテム由来、魔法スキル由来問わず)という性質があります。その代わり、抵抗判定の基本値そのもの(上の計算式で言えば11)が普通より高いこともあるようです。
また武器の抵抗判定も抵抗貫通ボーナスの影響を受けられません。ただし魔法に比べると受ける回数が多くなりやすく、大群で使用されると高い抵抗力を持っていても十分に危険です。


Afflictionの付加

ユニットがダメージを受けたとき、Afflictionが付加されることがあります。この確率には受けたダメージと対象の最大HPが影響し、

Affliction付加率:受けたダメージ / 最大HP

というシンプルな計算式で算出されます。もし最大HP10の兵士が5のダメージを受けたなら、50%の確率でランダムなAfflictionが付加されることになるでしょう。
計算式の都合上、高HPの兵は相応にAffliction付与率が低くなりますが、一方で死ぬまでに受けるであろう攻撃の回数も多く、また生き延びる可能性も高いため、結果的にAfflictionの影響が大きいと言えます。

死魔法系の祝福は、この確率を割合で増加させます。もっとも効果が低い状態でも2倍、最大では5倍もの確率で付加するようになります。これは弓や魔法などの遠隔攻撃でも適用されます。
またCurseを受けたユニットは、Afflictionを2倍の確率で付加されてしまいます。HPで耐えるのが前提の大型生物にとっては、かなり痛いペナルティとなるでしょう。
一方で、HP再生能力(Regeneration)はAfflictionの付与率を軽減してくれます。生存率の確保と半永久的な弱体化の回避として、とくに戦闘型指揮官にとっては非常に重要な効果と言えます。


士気と撤退

このゲームの撤退判定は、部隊ごとに発生します。そして撤退する場合、MindlessやBerserkerなどの例外を除き、部隊全体が一斉に撤退を開始します。
撤退判定が発生する状況は、

  • 部隊全体の被害が20%を超えた部隊が、前回の判定から、部隊の人数 / 2回の「傷」を受けた(「傷」はダメージとほぼ同義だが、そのダメージでHPが80%を切らない場合は無視する)
  • 残り人数が4人以下の部隊がそのターンにダメージを受けた
  • 部隊がそのターンにFear能力、あるいはFear効果のある魔法の影響を受けた(説明書では条件なしだが、実際には判定条件がある可能性あり)
  • 全軍(非部隊)の50%の被害を受けた。この判定は条件を満たすと毎ターン、全部隊に発生する

というパターンがあります。またこれ以外でも、全軍の75%を失った場合には強制的に全軍退却が発生します。また戦闘が50ターンを超えた場合、攻撃側は強制的に全軍退却に入ります。その後25ターンの間退却できない場合、強制的に死亡します。
さらに指揮官が居ない部隊も強制的に撤退します。アンデッド・デーモンおよび魔法生物はその指揮能力を持つ指揮官が必要ですが、それ以外の兵は適当な指揮官さえ居れば気にしません(たとえそれが指揮能力0の暗殺者でも)。
撤退判定そのものは、

士気:部隊士気(所属する兵の士気の平均値) + 生存者ボーナス(最大5、死者が増えるほど低下し最低0) + DRN
恐怖:13 + DRN

で判定され、恐怖が士気を上回ると撤退を開始します。一度撤退を開始した部隊が持ち直すことはなく、撤退完了前に戦闘が終わった場合を除き、可能な限りの最短ルートを通って戦場から離脱します。
撤退中の部隊は基本的に無抵抗ですが、目の前に敵が立ち塞がった場合はその敵を攻撃します。Trample能力を持つ場合、敵味方問わず吹き飛ばしながら撤退します。また撤退中の部隊は防御スキルに-4のペナルティを受けます。
Mindlessのユニットは撤退行動には入らず、代わりにその場に留まって、毎ターン自動的に消滅する判定を受けます。移動はしなくなりますが、敵が近付いてきた場合は反撃を行います。
Gone Berserk状態のユニットは撤退を完全に無視し、元の行動を行い続けます(つまり敵に突撃します)。BerserkerであってもGone Berserkになる前なら普通に撤退できますが、すでに撤退中でも攻撃が当たれば突撃を開始します。

撤退を完了できたユニットは、隣接する味方領土のいずれかに移動します。もし周囲が全て敵の州だった場合、そのユニットは即死します。隠密、飛行、航海などの能力は、撤退時には使用されません。また暗殺時は撤退すると必ず死亡します。
なお、要塞強襲戦(Storm Castle)および解囲戦(Break Siege)での撤退は、その印象に反して通常通り行われます。どうしても勝ち目が無い場合、自分から撤退するのも悪くない手段です。

撤退を可能な限り避けるための策は、いくつか存在します。

やるべきではないこと
  • 士気の低い兵を多用しない。撤退した部隊が出れば、50%から開始される全軍への撤退判定が早まり、75%での全軍強制退却をも誘発してしまう
  • あまりに多くの捨て駒を出さない。彼らの被害が他の部隊の撤退判定開始を著しく早める恐れがある。捨て駒の割合は多くても全軍の10~20%程度で抑えたい
  • 飢餓状態のまま戦闘しない。飢えているユニットは士気が-4もされてしまい、撤退判定が始まるなり逃げてしまう可能性が高い。また病気や飢餓によるダメージが累積していると、倒され易くなるのでさらに不利
  • 敵対Dominion下に入らない。味方Dominionで+1されることを考えると、敵対Dominionでは実質的に士気が-2されてしまうことになる。ただしMindlessや、士気30のユニット(預言者やデーモンなど)は気にしない
  • Fear効果を甘く見ない。Fear持ちの一般兵に囲まれたりすると、士気がマイナスにまで急下降する場合もある。Fear持ちで高レベルの死魔法を持つ戦闘型指揮官にも注意
  • 部隊を必要以上に分けない。あまりに小規模な部隊は撤退判定が開始されるのが早くなってしまう。命令や配置をどうしても分ける必要がある場合や、指揮官の指揮上限の都合で分ける場合以外は1つにまとめるべき

やっておくと良いこと
  • 部隊の士気の平均値を高く保つ。戦象のような士気の低すぎる兵は、士気の高いエリート兵士と部隊を組ませることで撤退を遅らせることができる
  • Standardを持つ兵や指揮官を利用する。とくに士気を強制的に削ってくるFear能力の所有者と戦う際には非常に重要。ただしStandardは近くの兵にしか作用しないため、配置に注意
  • その兵の故郷で戦う。ユニットは自分の故郷に居ると士気が+1される。民兵であっても、自分の故郷かつ味方Dominion下であれば最低限(あくまで最低限)の士気を確保できる
  • ベテラン兵士を大事にする。経験を積んだ兵は、レベルごとに士気が+1されていく。戦闘に勝利し続けてきた部隊は、雇いたての兵より間違いなく頼れる
  • 聖2以上を持つ聖職者を同行させる。Sermon of Courageは劇的な効果こそないものの、もっとも手軽な士気強化手段(聖4持ちが居ればFanaticismで代用可能)。
  • Berserker、Mindlessを持つ兵や、士気30のユニットを使う。とくにBerserkerは撤退判定後でも戦い続け、場合によっては逆転さえしてくれる

一方、敵がこのような策をきちんとやっていなければ、こちらから撤退を誘うことも考えられます。Fear能力やその効果を持つ魔法、士気を直接低下させる魔法などが有効です。
撤退中の敵は防御スキルが低く、攻撃を当てやすくなるので、機動力のある騎兵や飛行部隊で追撃を試みると大きな戦果を得られます。足の遅い重歩兵が生還できる可能性は相当に低いものになるでしょう。


要塞強襲戦(Storm Castle)の戦場

要塞のある州を完全制圧するには、その城門を打ち破った上で要塞内部での戦闘に勝利せねばなりませんが、この戦闘は要塞の設備が存在する戦場で行われるため、やや勝手が違います。

最も目立つのは、戦場の真ん中に壁が存在、両軍を隔てており、ごく狭い範囲からしか通過できないことでしょう。これを無視できるのは飛行部隊のみです。
出入り口付近は兵が密集するため範囲攻撃の的になりやすく、またどれほど大規模な軍勢でもちまちまとした戦いしかできないため、弱い近接攻撃しかできない軍勢では陥落させるのは困難です。
また騎兵も移動の自由が薄く、とくに機動力を活かした側面攻撃を身上とする軽騎兵は活躍し辛い環境です。一方、壁と味方前衛に阻まれた敵を効果的に削れる弓兵部隊は大活躍できます。
そもそも壁を無視できる飛行部隊はさらに有効で、敵に大量の弓兵や魔術師が含まれる場合、彼らの存在が勝敗を分けることもあります。飛行部隊は城門の攻防でもボーナスがありますので、重宝することでしょう。

他の要塞の設備はほとんど飾りですが、塔からは射撃武器を用いた支援が行われます。これは当然ながら守備側を支援するもので、国によって使用する武器とその数が異なっています。
使われる武器はマニュアルにも記載されていますが、その国の射撃部隊が用いる武器とほぼ同一と思って構いません。ただし射撃武器を使わない国であっても、強力なバリスタ(塔専用武器、威力25で防御貫通)を用いるAbysiaなどの例もあります。
基本的に大群を退けられるほどのものではないものの、大岩やバリスタは重装兵でも致命傷に至りますし、ただの弓やスリングでも、見えない無敵の存在から距離も問わずに延々と放たれては、指揮官に流れ弾が当たる恐れが否定できません。
なお、マニュアル記載の発射数は、塔1つあたりからの数です。要塞によって塔の数は異なり、4つの塔を持つ要塞も存在します。この場合、使用される武器によっては想像以上に強力な支援になりますが、一方で塔が存在しない要塞もあります。
また塔からの攻撃は発射間隔制限(クロスボウなどのそれ)や射程を無視するらしく、普通の兵が使っているよりも危険な攻撃になる可能性があります。戦力差が微妙で敵を瞬殺できそうにない場合、警戒するに越したことはありません。

特殊な例としては、Agarthaの洞窟要塞(Cave CityとCave Fort)でDarknessが強制発動するというものがあります。これは解除しようが無いため、暗視能力を持つAgarthaはそうでない敵軍に対して素晴らしい優位を得られます。
また沼地に建っている要塞は城内戦でも沼地ペナルティ(Quagmireと同等)が発生しますので、沼地のサバイバル能力を持つ軍は優位に立てます。長期化しやすい要塞戦では普段以上に有益と言えるでしょう。

撤退の項目でも書きましたが、要塞からの撤退はとくに問題なく行われます。もちろん周囲に逃げ場がない状態なら死亡確定ですから、包囲側は強襲の前に回りの州を全て制圧してしまえば確実に殲滅できるでしょう。

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最終更新:2013年02月23日 11:02