ニュースによると、今日は双子座流星群らしい。
澪を誘って、外に出てみたは良いものの、曇ってるし。
澪を誘って、外に出てみたは良いものの、曇ってるし。
「・・見えそうに、ないな」
「そうだな、帰るか?」
「そうだな、帰るか?」
あっさり帰るのは、なんだかなあ。
もしかしたら、雲が退いてくれるかもしんないし!
もしかしたら、雲が退いてくれるかもしんないし!
「もうちょっと、居よ」
「ん」
「ん」
ホッカイロで暖をとりつつ、空を見上げる。
…相変わらず、雲がいっぱい。
こういう時くらい退けってんだ、このやろー!
…相変わらず、雲がいっぱい。
こういう時くらい退けってんだ、このやろー!
空から視線を外し、澪の方を見ると黙々となんか書いてる。
薄暗い中で、良く見えるなぁ。視力、落ちちゃうぞ。
薄暗い中で、良く見えるなぁ。視力、落ちちゃうぞ。
「何、してんだ?」
「んー?・・詩を書こうかなって」
「んー?・・詩を書こうかなって」
流れ星、みえてないのに。
澪はやっぱり良くわかんない。
澪はやっぱり良くわかんない。
「なんだ?」
「いや、流れ星見えないのに、書けるもんかなーって」
「別に、流れ星がなきゃ書けないってもんでもないだろ」
「いや、流れ星見えないのに、書けるもんかなーって」
「別に、流れ星がなきゃ書けないってもんでもないだろ」
そりゃそーだ。
でも、折角の流星群も、雲で見えないんじゃあ、つまんないや。
「あーあ、見れると思ったのになあ」
「まぁ、仕方ないんじゃないか」
「まぁ、仕方ないんじゃないか」
澪は、あんまり残念そうじゃない。
もしかして興味なかった、とか?
もしかして興味なかった、とか?
「なんか、悪いな。誘った癖にこんなんでさ」
「別に。律が雲を退けられるわけじゃないし、さ」
「別に。律が雲を退けられるわけじゃないし、さ」
…空を見上げる。
そして。
そして。
「でこビーム!」
「・・なにしてんだ」
「いや、雲を退ける試みを」
「ばか」
「・・なにしてんだ」
「いや、雲を退ける試みを」
「ばか」
くすくすと笑う澪。
薄暗い中でも、なんとなくわかる。
きっと、私の大好きな表情をしているに、違いない。
薄暗い中でも、なんとなくわかる。
きっと、私の大好きな表情をしているに、違いない。
あ、・・そっか。
「見えてなくても、流れてるんだよな」
「まぁ、そうだな」
「まぁ、そうだな」
澪と、星を見にきた。それだけで、いいじゃん。
「よっしゃ!じゃあきっと流れているであろう星にお願いごとだ!」
「なんだ、そりゃ」
「だって、見えなくても今流れてるんだろ、ならできるはずだ!」
「3回、言えるのか?」
「なんだ、そりゃ」
「だって、見えなくても今流れてるんだろ、ならできるはずだ!」
「3回、言えるのか?」
それは、無理。見えてたって言えるわけないって3回も。
「澪と、また星を見に来れますように!」
「・・じゃあ、今度はちゃんと星が見えますように」
「えー、なんだよそれー」
「でこビームで、なんとかしてくれ」
「・・じゃあ、今度はちゃんと星が見えますように」
「えー、なんだよそれー」
「でこビームで、なんとかしてくれ」
そんな無茶な。
おわる。