グランクレスト単発シリーズ「ブレトランドの遊興産業」

 約2年前、ダン・ディオードの電撃侵攻により、旧トランガーヌ領北部(通称:モラード地方)はアントリアへと併合され(『ルールブック2』P226参照)、老将ジン・アクエリアスと、その部下の六人の若き騎士達が、新たな領主として赴任することになった。しかし、当時はまだ「騎士」の称号を得たばかりだった彼等には、契約魔法師すらいなかった。
 そんな中、彼等の契約魔法師としてエーラムから派遣されたのが、「裏虹色魔法師(リバース・レインボー・メイジ)」の異名を持つカルディナ・カーバイト(下図)の六人の直弟子である。彼等はいずれも各魔法分野の「亜流」の系統を学んだ者達であり、「扱いにくい曲者揃い」と揶揄されることもあったが、師匠カルディナの「強い要望」により、全員揃ってこの地の契約魔法師として赴任することになった。


 カルディナが彼等をこの地への派遣した理由は、この地に根付いた様々な「遊興産業(温泉、ゴルフ、競馬、蟹料理、ウイスキー、紅茶)」への強い関心である。エーラムの高等教員としては珍しい「俗世にまみれた遊び人」として悪名高い彼女は、いずれこの土地に(「表敬方面」の名目で)遊びに行きたいという私欲のために、弟子達を送り込むことを決意したのである。
 この物語は、そんな彼女の気まぐれに振り回される弟子達と、彼等の契約相手である若き君主達、そしてこの地に住まう様々な人々が織りなす、ほんの些細な日々の生活の記録である。


第6話「代行閣下のお茶会」
 モラード地方の南西部に位置するソリュートの村は、数百年前に投影体によって伝えられたと言われる独特の「紅茶」の茶葉の産地として有名である。だが、この世界には、そんな「異界の産物」を口にすることを嫌う人々もいる。「混沌」を人々のために有効活用することすらも「不浄」と考える、聖印教会内の過激派「日輪宣教団」の信者達である。
 この村はもともと、先代領主のルビール・クローマが聖印教会の信者であったこともあり、教会の影響力が強い土地ではあったが、当時の彼はそこまで投影体を嫌うほどの過激派ではなかった。だが、彼が敗戦で領主の座を追われた後、彼はその「日輪宣教団」を中心とする新国家「神聖トランガーヌ枢機卿領」の一員となってしまった。そして現在、彼が送り込んだスパイが、村の中に潜伏しているという噂が広がっている。
 そんな中、まもなく、アントリア子爵代行のマーシャル・ジェミナイが、占領地であるモラード地方の現状を確かめるため、この地を視察に訪れようとしていた。果たして、この村の現領主であるPC①とその仲間達は、無事にこの重要な局面を乗り切ることが出来るのだろうか?

PC①
推奨クラス:ロード
 キミは、紅茶で有名なソリュート村の領主だ。貧民街の孤児院出身だったが、10歳の時に老将ジン・アクエリアスに「養子」として迎えられた後、2年前の戦争で功績を挙げ、この地の領主に就任した。なお、この村の教会でシスターを務めるマリアンヌは、孤児院時代の幼馴染である。
因縁:シスター・マリアンヌ(幼馴染 メサイア 22歳 女性)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:友情

PC②
推奨クラス:メイジ
 キミは、「裏虹色魔法師」の異名を持つエーラムの高等教員カルディナ・カーバイトの六人の直弟子の一人だ。彼女の指名によって、PC①の契約魔法師としてこの地に赴任した。彼女はキミの就任以来、この地を頻繁に訪れては、村内の喫茶店に入り浸りつつ、茶葉を大量購入している。
因縁:カルディナ・カーバイト(師匠 メイジ 31歳 女性)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:尊敬

PC③
推奨クラス:アーティスト
 キミは、アントリア子爵代行マーシャルによってこの地に派遣された駐在武官だ。元来はPC①と同じ孤児院出身だったが、邪紋の力に目覚めて士官し、マーシャルの側近となり、今では彼に対してほのかに恋心を抱いている。なお、マーシャルの侍従のユーナは、キミの姉or妹だ。
因縁:マーシャル・ジェミナイ(主君 ルーラー 16歳 男性)
   →推奨感情 メイン:慕情 サブ:任意

PC④
推奨クラス:プロジェクション
 キミは、ソリュート村の紅茶畑の管理人だ。この村で作られた茶葉は、ローレンスという男が代表を務めるアップルゲート商会を通じて、世界中の愛好家達の手に渡っている。彼は情報通で、ブレトランドの内外の様々な事情に通じているが、最近、気になる噂話を耳にしたらしい。
因縁:ローレンス・アップルゲート(商売相手 一般人 29歳 男性)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:信頼

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最終更新:2016年03月18日 00:35