「パンドラ・均衡派」とは、ブレトランド・パンドラにおける四派閥の一つであり、皇帝聖印の成立を防ぐことを第一目標とし、その実現の可能性のある人物の覇道を妨げ、この世界を現在の「聖印と混沌による均衡状態」のまま存続させることを至上命題とする者達である。彼等は各国内にそのエージェントを忍び込ませ、ブレトランドを統一する勢力の出現を防いできた。
 その首領である時空魔法師マーシー・リンフィールド(表向きはグリース子爵領の政務官)が、現時点で「皇帝聖印を達成する可能性のある人物」として最も警戒している人物は二人。一人は、ブレトランド小大陸の北半分を支配するアントリア子爵ダン・ディオード。そしてもう一人は、アトラタン大陸の極北に位置する半島国家ノルドの海洋王エーリク。両者が手を結んでいる現状は、彼女にとって極めて憂慮すべき事態であり、彼女は様々な手段を用いて、両国の関係を悪化させるような楔を打ち込もうとしていたが、アントリアの宰相ローガン・セコイアの裏工作によって、両国の友好関係はかろうじて保たれていた。
 そんな中、ダン・ディオードの庶子であるマーシャル・ジェミナイと、エーリクの姪のカタリーナ・リンドマンとの「お見合い」の話が急浮上する。会場は、大工房同盟所属の豪商アルフ・リングサーケルが所有する豪華客船 「ノルマンディー」 。その警護を任されたのは、両国と縁の深いアントリアの客席将軍ニーナ・ヴェルギス率いる「銀十字旅団」の面々であった。
 これ以上、両国の関係を強化される訳にはいかないと考えたマーシーは、アントリアに潜伏する部下達(PC①&PC②)に、その妨害を命じる。果たして、彼等はこの縁談を阻止し、皇帝聖印への道を閉ざすことが出来るのであろうか?

グランクレスト単発シリーズ「ブレトランドの光と闇」第1話
「均衡の調停者」

混沌を極め、均衡を保て!


PC①
推奨クラス:メイジ
 キミは、エーラムを卒業した魔法師、という肩書きでアントリアに仕えているが、その正体はパンドラ・均衡派のスパイだ。正式な契約相手はダン・ディオードだが、現在は客席将軍であるニーナ・ヴェルギスの元に派遣され、彼女を補佐する立場にある。そんなキミに、均衡派の首領であるマーシーから「PC②と協力して、マーシャルとカタリーナの縁談を破綻させよ」という命令が下った。現在の君はこの任務を果たす上で最適な立場にいるが、あまり派手に動くと、自身の正体が露呈してしまう恐れもあるため、上手く周囲の者達を利用する必要があるだろう。
因縁:ニーナ・ヴェルギス(上官 レイヤーヒロイック 24歳 女性) 推奨感情 メイン:任意 サブ:誠意
 かつてはアロンヌの聖印教会に仕える女騎士だったが、味方の裏切りで敵に捕らえられ、聖印を奪われて火刑に処されようとした瞬間、邪紋の力に覚醒し、 ジャンヌ・ダルク のレイヤーとなる。その後、各地を転々としつつ傭兵団「銀十字旅団」を結成。大工房同盟の傘下に加わった後、アントリア支援のために派遣され、対トランガーヌ戦で活躍してダーンダルク城の管理を任されるが、翌年の聖印教会軍の侵攻を止められずに敗走。その後は閑職に回されていたが、今回の「お見合い会場」となる豪華客船「ノルマンディー」の警護を任されることになった。

PC②
推奨クラス:アーティスト
 キミは、パンドラのスパイとしてアントリアに潜伏しているエージェントだ。現在は、アントリア子爵代行マーシャル・ジェミナイの護衛の任に就いている。ただ、キミには一つ、重大な悩みがあった。それは、本来は監視対象であった筈のマーシャルに、いつの間にか心を奪われ、本気で彼のことを愛してしまっている、ということである。そんな、任務と慕情の間で揺れる現在のキミに、マーシーから「PC①と協力して、マーシャルとカタリーナの縁談を破綻させよ」という密命が届く。これは今のキミにとって、ある意味で絶好の「好機」となるかもしれない。
因縁:マーシャル・ジェミナイ(主君 ルーラー 16歳 男性) 推奨感情 メイン:慕情 サブ:任意
 アントリア子爵ダン・ディオードの庶子。母親は、かつて彼と共に旅をしていた仮面の女騎士ジャクリーン・ジェミナイだが、マーシャルの幼少期に病死し、彼女の兄であるバルバロッサ・ジェミナイ(現アントリア騎士団長)の養子となる。長らく実父との関係を知らされずに育ったが、ダン・ディオードのコートウェルズ遠征に伴い、突如として「認知」され、その留守居役としての「子爵代行」の責務を任された。苛烈な覇王として知られる実父とは対照的に、理知的な為政者としての評価は高く、傾きかけた軍事国家アントリアを立て直すために、日夜政務に勤しむ。

PC③
推奨クラス:プロジェクション
 キミは、大工房同盟傘下の「銀十字旅団」所属の投影体だ。数年前にノルドに出現したキミは、当初はノルドの強者達から「功績を稼ぐための獲物」として狙われる身であったが、ノルドの王族のカタリーナ・リンドマンの庇護を受け、その身の安全を保障される。そして、やがて彼女に心惹かれるようになったキミは、彼女を妻として迎えたいという野望を抱き、武勲を上げるために銀十字旅団に参加し、アントリアへの遠征軍に加わる。だが、そんな彼女に縁談の話が浮上しているという噂を聞いたキミは、今、尋常ならざるほどの動揺を抱え込んでしまっている。
因縁:カタリーナ・リンドマン(恩人 キャヴァリアー 17歳 女性) 推奨感情 メイン:慕情 サブ:任意}
 アトラタン大陸極北の半島を支配するノルドの海洋王エーリクの姪。自身の聖印の力で強化された「ジョセフィーヌ」という名のシロナガスクジラを乗騎とするキャヴァリアーであり、「鯨姫」の異名を持つ(ジョセフィーヌは、日頃は「小さき友の印」の力で小型化して持ち運んでいる)。若くしてノルド海軍の遊撃艦隊的存在である第四艦隊の指揮官を任されており、幻想詩連合諸国を相手に数々の武勲を挙げている。アトラタン近海で活動する女海賊アクシアに憧れを抱いており、その装束や生き様は彼女からの影響が強い。ニーナや銀十字旅団の面々とは旧知の仲。

+ アントリア子爵領のNPC(客席組も含む)
アントリア子爵領
 ブレトランドの北半分を支配する大国。「大工房同盟」に所属している。国家元首のダン・ディオードがコートウェルズへと出征し、現在は彼の庶子のマーシャルが「子爵代行」として、政務を取り仕切る。軍事的には、アントリア騎士団の四人の男爵(バルバロッサ、アドルフ、ファルコン、ジン)と、ダン・ディオード直属の特殊部隊を率いるヘリウッド、そして客席将軍であるヴィクトールとニーナの七人が、それぞれの軍閥を率いている状態であるが、今のところは、かろうじて結束を保っている。

ダン・ディオード(アントリア子爵)
 元来は流浪の騎士だったが、先代子爵と結婚した後、妻を殺して爵位を簒奪した。武勇に秀でた名君と名高いが、現在はコートウェルズの竜王イゼルガイア討伐のため不在。庶子のマーシャルに留守を託す。

マーシャル・ジェミナイ(アントリア子爵代行)
 ダン・ディオードの庶子だが、そのことを知らずに伯父(母の兄)のバルバロッサの手で育てられた。ダン・ディオードとは仲が悪く、特に彼が無責任に異母兄弟を何人も作ったことへの反発は強い。

ローガン・セコイア(ダン・ディオードの契約魔法師の中での筆頭格)
 宮廷魔法師にして宰相を務める人物。権謀術数に長けており、大工房同盟との繋がりも深い。

クリスティーナ・メレテス(ダン・ディオードの契約魔法師の中での次席格)
 アントリア最強の攻撃魔法の使い手だが、性格的には穏健派。主に対グリースの外交を担当。

バルバロッサ・ジェミナイ(「アントリア騎士団」団長、男爵)
 マーシャルの養父。同性愛者故に妻子はいない。ダン・ディオードの在野時代からの盟友。

アドルフ・エアリーズ(「アントリア騎士団」副団長、男爵)
 聖印教会の実利主義派である「月光修道会」の信徒。ローガンと並ぶ策謀家として名高い。

ファルコン・トーラス(「アントリア騎士団」南東国境軍司令官、男爵)
 現状における実質的な最前線部隊の指揮官。武断派で、平民出身の叩き上げの部下が多い。

ジン・アクエリアス(「アントリア騎士団」北トランガーヌ総督、男爵)
 2年前に占領したトランガーヌ北部を統治する老将。旧体制以来の名門貴族出身の部下が多い。

ヘリワード・ザ・ウェイク(遊撃師団「緑風隊」隊長、名誉男爵)
 ダン・ディオード直属の特殊部隊を率いる地球人。君主ではないが、男爵と同格に扱われている。

ヴィクトール・ボズレフ(「白狼騎士団」団長、男爵)
 ノルドから援軍として派遣された精鋭部隊の指揮官。剣技に関してはダン・ディオードに次ぐ実力。

ニーナ・ヴェルギス(「銀十字旅団」団長、名誉男爵)
 大工房同盟の盟主マリーネと軍事契約を結ぶ邪紋使い。君主ではないが、男爵と同格に扱われている。トランガーヌ南部の実質的な軍事責任者であったが、聖印教会の過激派に敗れ、撤退を余儀なくされた。

+ ノルド侯爵領のNPC
ノルド侯爵領
 アトラタン大陸北部に位置する大国。「大工房同盟」に所属。武を尊び、略奪を是とする覇権国家。

エーリク(ノルド侯爵、通称「海洋王」)
 大陸北部の大国ノルドの王。大工房同盟の中でも屈指の海軍力を誇り、アントリアを支援する。

ウルリカ(南方遠征軍指揮官)
 エーリクの娘。マリーネに心酔しており、彼女を救うためにヴァルドリンドへと遠征中。

カタリーナ・リンドマン(「第四艦隊」提督)
 エーリクの姪(ウルリカの従姉妹)。ジョセフィーヌという名の「聖印によって強化された鯨」を自らの乗騎として戦う「海の騎士」。「鯨姫」の異名を持つ。女海賊のアクシアのことを尊敬している。

+ その他のNPC
その他
マリーネ・クライシュ(ヴァルドリンド辺境伯、「大工房同盟」盟主)
 アトラタン大陸東部の大国ヴァルドリンドの支配者。巨大軍事同盟「大工房同盟」の盟主。

アクシア(「鮮血のガーベラ」艦長)
 女海賊。邪紋使いであると同時に、半龍人でもある。ダン・ディオードとは放浪時代からの友好関係。

イゼルガイア(コートウェルズの竜王)
 ブレトランドの北部に位置するコートウェルズ島の実質的な支配者。世界最強クラスの投影体。

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最終更新:2016年03月06日 00:50