グランクレスト単発シリーズ「ブレトランドの遊興産業」
約2年前、ダン・ディオードの電撃侵攻により、旧トランガーヌ領北部（通称：モラード地方）はアントリアへと併合され（『ルールブック2』P226参照）、老将ジン・アクエリアスと、その部下の六人の若き騎士達が、新たな領主として赴任することになった。しかし、当時はまだ「騎士」の称号を得たばかりだった彼等には、契約魔法師すらいなかった。
そんな中、彼等の契約魔法師としてエーラムから派遣されたのが、「裏虹色魔法師（リバース・レインボー・メイジ）」の異名を持つカルディナ・カーバイト（下図）の六人の直弟子である。彼等はいずれも各魔法分野の「亜流」の系統を学んだ者達であり、「扱いにくい曲者揃い」と揶揄されることもあったが、師匠カルディナの「強い要望」により、全員揃ってこの地の契約魔法師として赴任することになった。
カルディナが彼等をこの地への派遣した理由は、この地に根付いた様々な「遊興産業（温泉、ゴルフ、競馬、蟹料理、ウイスキー、紅茶）」への強い関心である。エーラムの高等教員としては珍しい「俗世にまみれた遊び人」として悪名高い彼女は、いずれこの土地に（「表敬方面」の名目で）遊びに行きたいという私欲のために、弟子達を送り込むことを決意したのである。
この物語は、そんな彼女の気まぐれに振り回される弟子達と、彼等の契約相手である若き君主達、そしてこの地に住まう様々な人々が織りなす、ほんの些細な日々の生活の記録である。
第4話「蟹座にまつわる諸事万事（エトセトラ）」
モラード地方の北岸に位置するスパルタ村は、トランガーヌ随一の豊かな漁港として知られており、特に新鮮な巨大蟹が獲れることから、その蟹を用いた有名料亭が立ち並ぶ「蟹料理の村」としても有名である。
この村の先代領主であったヴィンズ・コーララは、2年前のアントリアからの侵攻に対して抵抗する過程で、戦場で行方不明となった。そしてアントリアに占領された後、この地の領主を務めることになったのは、皮肉にもかつて旧トランガーヌ子爵家に仕えていた（しかし、父の冤罪事件によって国を追われ、アントリアに亡命して同国騎士団の一員となっていた）PC①であった。現状、村人達の大半はPC①の治世を受け入れてはいるが、それでも中には未だにPC①のことを「裏切り者」「売国奴」と蔑む者もいる。
そんなこの村の近海で、最近、蟹の密漁事件が起きているという。当初は微々たる量だったが、ここ数日で近海の蟹の量が激減しており、この地の産業を守るためにも、迅速な対応を求める声が、漁師達の中から湧き上がりつつあった。果たして、PC達はこの村の貴重な利権を守ることが出来るのだろうか？
PC①
推奨クラス：ロード
キミは、蟹料理で有名なスパルタ村の領主だ。旧トランガーヌ子爵直属の名門貴族家出身で、かつては子爵令嬢エレナの世話係をしていたが、父が冤罪で殺された後、母の実家を頼ってアントリアへと亡命し、同国騎士団の一員となって功績を上げた結果、この地の領主に任命された。
因縁：エレナ・ペンブローク（旧主 魔法師？ 14歳？ 女性）
→推奨感情 メイン：任意 サブ：庇護
PC②
推奨クラス：メイジ
キミは、「裏虹色魔法師」の異名を持つエーラムの高等教員カルディナ・カーバイトの六人の直弟子の一人だ。彼女の指名によって、PC①の契約魔法師としてこの地に赴任した。彼女はキミの就任以来、この地を頻繁に訪れては、村の中の様々な蟹料理屋を食べ歩きしている。
因縁：カルディナ・カーバイト（師匠 メイジ 31歳 女性）
→推奨感情 メイン：任意 サブ：尊敬
PC③
推奨クラス：アーティスト
キミは、旧トランガーヌ時代からスパルタ近海の海上警備を取り仕切る軍人だ。アントリアからの侵攻に対して、当初は抗戦の意向を示していたが、キミの実兄のフィネガンが敵の司令官ジンの契約魔法師だったこともあり、彼の説得を受け入れて降伏し、今はアントリアに仕えている。
因縁：フィネガン・アーバスノット（実兄 メイジ 35歳 男性）
→推奨感情 メイン：家族 サブ：任意
PC④
推奨クラス：プロジェクション
キミは、スパルタの村の高級蟹料理「蟹座」の従業員だ。この店にはキミの他にもう一人の投影体であるアカリ・シラヌイという地球人の少女もいる。彼女とキミはいずれもこの店のオーナーに拾われ、彼の家で厄介になるお礼に、それぞれの異世界知識を生かす形で店に貢献している。
因縁：アカリ・シラヌイ（居候仲間 地球人 16歳 男性）
→推奨感情 メイン：家族 サブ：任意
最終更新：2015年12月08日 16:17
