グランクレスト単発シリーズ「ブレトランドの遊興産業」

 約2年前、ダン・ディオードの電撃侵攻により、旧トランガーヌ領北部(通称:モラード地方)はアントリアへと併合され(『ルールブック2』P226参照)、老将ジン・アクエリアスと、その部下の六人の若き騎士達が、新たな領主として赴任することになった。しかし、当時はまだ「騎士」の称号を得たばかりだった彼等には、契約魔法師すらいなかった。
 そんな中、彼等の契約魔法師としてエーラムから派遣されたのが、「裏虹色魔法師(リバース・レインボー・メイジ)」の異名を持つカルディナ・カーバイト(下図)の六人の直弟子である。彼等はいずれも各魔法分野の「亜流」の系統を学んだ者達であり、「扱いにくい曲者揃い」と揶揄されることもあったが、師匠カルディナの「強い要望」により、全員揃ってこの地の契約魔法師として赴任することになった。


 カルディナが彼等をこの地への派遣した理由は、この地に根付いた様々な「遊興産業(温泉、ゴルフ、競馬、蟹料理、ウイスキー、紅茶)」への強い関心である。エーラムの高等教員としては珍しい「俗世にまみれた遊び人」として悪名高い彼女は、いずれこの土地に(「表敬方面」の名目で)遊びに行きたいという私欲のために、弟子達を送り込むことを決意したのである。
 この物語は、そんな彼女の気まぐれに振り回される弟子達と、彼等の契約相手である若き君主達、そしてこの地に住まう様々な人々が織りなす、ほんの些細な日々の生活の記録である。


第2話「白球と翼」
 モラード地方北部のウリクルの村は、ブレトランドの伝統的なスポーツの一つである「ゴルフ」が盛んな土地であり、全9ホールから成る「ブランギース・ゴルフ場」は、世界屈指の名コースとして知られている。ゴルフ場のオーナーでもあるこの村の筆頭文官ドミナスは、先代領主ワイマール・エルメラ3世の時代から、頻繁に各方面の要人を招待することで、ウリクルの国際的な知名度と評判を向上させると同時に、政財界にコネを築いて、私腹を肥やしてきたと言われている。
 そして先日、新たに開拓した土地に設営中だった「10番ホール」が完成し、その柿落としのゲストとして、PC①(村の領主)の乳兄弟である港町パルテノの領主の娘マリベル、PC②(PC①の契約魔法師)の師匠であるエーラムの魔法師カルディナ、PC③(村の傭兵隊長)と旧知の関係である大商人アストリッドの三名が招かれることになった。
 だが、そんな中、最近になって鳥型の投影体が頻繁にゴルフ場近辺で目撃され、試合中のボールを咥えて飛び去るなど、プレイの進行が妨げられる事態が続いている。果たして、ウリクルの新名所となる「10番ホール」は、無事にその初日を迎えることが出来るのだろうか?

PC①
推奨クラス:ロード
 キミは、ゴルフ場で有名なウリクル村の領主だ。アントリア北部の港町パルテノの領主令嬢マリベルの乳兄弟であり、トランガーヌ侵攻作戦の折に老将ジンの配下として功績を挙げ、(戦後に謎の変死を遂げた)ウリクルの先代領主ワイマール3世に代わって、同地の領主の座を勝ち取った。
因縁:マリベル・キャプリコーン(パルテノの領主の娘 ロード 16歳 女性 『戦記DB』74頁参照)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:家族

PC②
推奨クラス:メイジ(浅葱、常盤、朽葉、山吹、菖蒲)
 キミは、「裏虹色魔法師」の異名を持つエーラムの高等教員カルディナ・カーバイトの六人の直弟子の一人だ。彼女の指名によって、PC①の契約魔法師としてこの地に赴任した。彼女はキミの就任以来、この地のゴルフ場の常連客となり、毎回好成績を残している。
因縁:カルディナ・カーバイト(PC②の師匠 メイジ 31歳 女性)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:尊敬

PC③
推奨クラス:アーティスト
 キミは、先代領主ワイマール3世の頃からウリクルで雇われている傭兵隊長だ。ワイマールが戦わずにアントリアに降伏したため、キミもそのままPC①の新体制に加わることになった。なお、キミはウリクルに来る以前は、行商人のアストリッドの隊商の護衛をしていたこともある。
因縁:アストリッド・ユーノ(行商人 一般人 ??歳 女性 『ルールブック1』317頁参照)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:仕事

PC④
推奨クラス:プロジェクション
 キミは、数年前にウリクルのゴルフ場主であるドミナスに拾われた投影体であり、現在はゴルフ場の警備隊長を任されている。また、周辺諸侯から要人を招いた際には、キミも彼等と一緒にコースを回りつつ、場を盛り上げるための「接待プレイ」をするよう命じられることもある。
因縁:ドミナス・ブランギース(ゴルフ場主 一般人 51歳 男性 『戦記DB』76頁参照)
   →推奨感情 メイン:任意 サブ:不快感
+ PC④の裏ハンドアウト
 ドミナスは実は聖印を持っている。日頃は隠しているが、自分の身が危なくなった時には、その聖印の力で戦うことも出来る。彼がその事実を隠している理由は謎だが、このことは絶対に他言しないように、と厳命されている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2015年08月29日 11:39