インクレチンとは?

糖尿病の新規医薬品が日本でも次々と承認されてきますね。

北野病院の糖尿病内分泌センター主催のセミナーに参加させてもらいました。

DMの分野は、医療職の垣根が低いので、医師も薬剤師もナースも演者をされることが多いですが、

特別講演が薬剤師なのには、さすがに驚きました~@@

Diabetes Control Seminar in KANSAI
一般講演 1 『 糖尿病医療におけるバーンアウト』
 (財)田附興風会 医学研究所 北野病院 看護部  糖尿病看護認定看護師 中山 法子看護師


一般講演 2 座長 :関西電力病院 糖尿病・栄養・内分泌内科部長 黒瀬 健先生

『インクレチンとは? ~新しい糖尿病治療の幕開け~』
 (財)田附興風会医学研究所 北野病院 糖尿病内分泌センター副部長  浜本 芳之 医師


特別講演 座長:(財)田附興風会 医学研究所 北野病院 糖尿病内分泌センター長 越山 裕行 医師

『 適正なインスリン自己注射へのアプローチ 』
 新潟薬科大学薬学部 臨床薬学研究室 准教授  朝倉 俊成 先生

☆ 看護師の中山先生からは、患者がバーンアウトすると、医療者や患者家族にバーンアウトが伝染するというお話。

原因、状態、対策、予防・・・バーンアウトのすべての面からアドバイスがありました。

要は、コミュニケーションを取って、患者の思いに耳を傾け、患者目線を忘れないようにサポートを続けるということでしょう。

ちゃんと、EBM を実践すればよいわけですよね~~~^^

最後に、なるほど~と納得できる言葉を教えていただきました。

「人を変えることはできない。でも人が変わろうとすることは支援できる」by 宗像 恒次 教授

☆ 医師の浜本先生からは、インクレチンの基礎知識を。

長期2型DM罹患者の抱える問題点(血糖コントロールの悪化、βcell機能低下、低血糖、体重増加)を改善できる可能性があるそうです。

とはいえ、小腸にあるGLP1は活性がすぐに(1.5min)DPPⅣによって不活性型に変換させるような生態のしくみ。

そのような GLP1 を薬で増やすことが吉とでるかは、不明だそうです。

GLP1アナログでは、liraglutide(1日1回注)が発売されるらしい。

GLP1そもそもに胃排泄抑制があるらしく、下痢・嘔吐・便秘などの症状が起こることが多いそう。

HbA1c で1.5くらい下がるらしく、体重も下がるらしい。

一方、DPPⅣ阻害剤(GLP1の活性型を不活性型に変換する内因性の蛋白分解酵素)sitagliptin がまず発売されるらしい。

こちらは、HbA1c で1.5くらい下がるらしく、体重は下がらないらしい。

副作用は、鼻汁、鼻閉、風邪様症状があるらしい。

有効性については、メトフォルミンとグリメピリドへの血糖コントロール改善の追加効果を調べた試験があるよう。

 どちらも clinical outcome が明快な RCT はまだのようですね。

つづく

 

ヾ(*'-'*)

最終更新:2009年12月18日 10:10