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納得物語

外伝
「スケッチブックを閉じて」


薄暗い部室に電気が灯り、そこで古泉は我に返った。

「相変わらずだな、描き出すと止まらない…。」
古泉「ケンシロ…。」

ケンシロ「何それ?」

無造作にスケッチブックを覗いてみると、そこには綺麗な女が描かれていた。

ケンシロ「いい女だな…、でもどうせ、綺羅祭壇の検閲が入るんだ、自由には描けないぜ。」

古泉「うん…、わかってる。」


ケンシロ「それでさ、古泉…。俺、学校辞めようと思う…。」

古泉「えっ…、何でだよ。お前が次期部長だって先輩も言ってたのに。」


ケンシロ「……、来る日も来る日も、綺羅祭壇を讃える絵ばっか描いてられるかよ…。」

ケンシロ「そりゃ、確かにここの部長になれば、コネも利いて一生安泰だ…。でも…。」


古泉「絵は自由な物、誰にも干渉されない…、だよな…。」

遠くの踏切の警笛がかすかに聞こえる。

ケンシロ「お前も来ないか…。」


古泉「ごめん……、まだやり残した事があるんだ…。」


ケンシロ「そっか…、でも、描き続けろよ。」

古泉「……、うん。いつか自由に絵を描けるように戦ってみるよ。」

部室のドアが開いて、女が入ってきた。

古泉「紫音…。」


紫音「ねえねえ!聞いた!?生徒会長選挙の立候補者、決まったみたいよ!」


いつのまにか古泉のスケッチブックは閉じられている。

表紙は汚れてボロボロになっているのは、古泉が心、イメージを真剣にぶつけた証だった。



終わり