~ホウ統:西涼への途中~

ホウ統
「…俺ってこのまま歴史に埋もれたら孔明の二番手だよな。なんとかしたいが、どうにもならない。やっぱ蜀で働いてたほうがよかったか?」
ホウ統
「…いや、まてよ。蜀以外に仕えて孔明と対決する…ダメだ。魏には人が多すぎる。呉は辞めてきたんだっけ。」

グ~~~~ッ…

ホウ統
「そういえば何にも食べてなかったか。そこの民家で何か貰うとするか。
ちょっとすいませ~ん!」 徐庶
「はいはい…ん、ホウ統?」
ホウ統
「ん、徐庶、お前がなんでこんな所にいる?」
徐庶
「おまえこそ。」
ホウ統
「俺はこれこれしかじか…」徐庶
「なるほど、俺はかくかくうまうまということだ。」 少年
「単福師匠、お知り合いでしょうか?」
ホウ統
「おや、この子は?」
徐庶
「この子は姜維という。俺の教え子だ。姜維、俺の知人のホウ統だ。」
姜維
「姜維と申します。はじめまして。」
ホウ統
「ホウ統だ。よろしく。」
ホウ統
「徐庶、お前また単福なんて名乗っているのか?」
徐庶
「まあ、姜維には徐庶と教えているが、魏を抜けて来た以上、徐庶では…な。」 ホウ統
「まぁ、そうだな」

グ~~~~~ッ…

ホウ統
「お、そういえば食べ物を貰おうと思ってたんだ。」 徐庶
「姜維、いいかね?」
姜維
「どうぞお寄り下さい。」

…半刻後…
ホウ統
「ごちそうさん。」
姜維
「お口に合いましたか?」
徐庶
「姜維、心配するな。こいつは何でも美味く食べる。」ホウ統
「なんだ、前の闇鍋の話か?」姜維
「?」
徐庶
「こいつはな、水鏡先生の所で闇鍋をやったときにな…。」
ホウ統
「ま、待て。その話は無しだ!」
徐庶
「…俺の入れたアサガオのつるをソーメンと勘違いして一人で全部食ったんだ。で、茹で上がってなかったから、腹壊して三日寝てたんだよな。」
ホウ統
「…ってアレ入れたのお前か!?」
徐庶
「あっ!しまった!!」
ホウ統
「お前のせいで俺は桜鈴ちゃんとのデートに出られなかったんだぞ!コノヤロ~」徐庶
「いででで、イタイ!食い意地張ったお前が悪いんだよ。イテイテイタタタ…。」姜維
「プッ、ハハハハ…。」
ホウ統
「見ろ、笑われたじゃないか!」
徐庶
「じゃあな、お前に一ついいことを教えてやろう。」
ホウ統
「なんだ?」
徐庶
「俺はな、孔明を超える男を育てようとしているんだ。」ホウ統
「孔明を超える…?」
徐庶
「そうだ。姜維は利口な子だ。俺が教鞭を振るい、許で学ばせればきっと孔明をあっと言わせる男になる。」ホウ統
「だが、孔明だぞ。」
徐庶
「そこでだ、ホウ統、お前も一緒にやらないか?俺とお前が力を合わせて姜維を教えればきっと孔明を超えさせられるだろう。それに、姜維が既に魏に仕えているから、直接対決もあるかもしれんぞ。」
ホウ統
「面白そうだ。ところで、姜維、お前はそれでいいのか?」
姜維
「はい。かの諸葛亮孔明さんと渡り合える力を持てば私の母も私のことを誇りに思うでしょう。」
徐庶
「で、返事は?」
ホウ統
「もちろん、イエスだ。」
徐庶
「そうこなくっちゃな。」
ホウ統
「嫁探しよりこっちの方が楽しそうだ。姜維、俺は徐庶とは違うぞ。いいか?」 姜維
「よろしくお願いします。」


かくして姜維は徐庶、ホウ統の野望を受け、修業に励むのであった…。

諸葛亮
「ヘックシ!誰か噂してるのだろうか?」
黄月英
「亮ちん心当たり多すぎて誰かわからないね。」
諸葛亮
「…失礼な!人聞きの悪い!」黄月英
「悪い意味で言ったわけじゃないのに、悪くとると、後ろめたいところがあるみたいだよ。」
諸葛亮
「……。気を付けます。」

静けさは過ぎていく…

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最終更新:2006年12月13日 17:19