はるか♪の個人的な恨みと憎しみを理由に、R団を1匹残らず葬り去ろうとする彼女の暴走を止めるべく、グラン♪らは呉越同舟でイコマ山の山頂を目指す。その道中、グラン♪は部下へと通信を行っていた。

グラン♪「・・・ということは、はるか♪様を足止めできなかったんだな!?」
あの工兵「申し訳ありませんっポ!一度は引き止めたのですが・・・はるか♪様が『トイレに行って来る』と言ったので、目を離していたら・・・気付いた時にはヒューイイコマ山の方へ・・・」
グラン♪「悪いのはキミじゃないさ・・・!キミはガイアと合流してくれ」
あの工兵「了解だっポ!」

グラン♪は携帯を切り、皆で再び山頂へと走り出した。

グラン♪「(このままじゃ・・・レーゼ♪が・・・デザーム♪が・・・バーン♪が・・・ガゼル♪が・・・そしてボクや神滅隊エイリアの皆が今までやってきたことが、はるか♪様の恨みと憎しみのために全て無駄になってしまう!はるか♪様・・・!早まらないでください!!)」
ナギ「オイお前、一つ聞くがお前の目的は何だ!!?」
グラン♪「そうだな・・・、もう隠す必要もないから教えてあげるよ。ボクら神滅隊エイリアの目的は、R団と必死に戦うはるか♪様のために、R団の神によるジョウト征服計画を阻止し、R団の本拠地であるキキョウシティを制圧、R団団長を降伏させることだったんだ・・・」
ナギ「しかし、愛しの女王の本当の目的が単なるアイツへの復讐で、私達を1匹残らず葬り去ることだった・・・というわけか・・・」
グラン♪「そうさ。そんなむごたらしいこと、個人の恨みや憎しみに駆られてやっていいことじゃない・・・!ボクははるか♪様を正しい道へと引き戻す、R団との決着なら、この戦いの後でもできるからね・・・」
ナギ「お前・・・。」
かぐら「実はいい奴だったアルか」
ルイズ「コイツは仮にも女王の仲間なのよ?信用できないわ」
ももたろう「(じゃあ何でついてきてるんだよ、このツンデレ・・・)」
ニシノミヤ「When is my turn・・・?」
ナギ「・・・ん、何かポケモンが休んでるぞ」
グラン♪「・・・、あれは・・・」

そこに休んでいたポケモンは、ロンシャンの元へ向かうべく飛び立ったはずのH.イコマとハッピーであった。どういうわけか、ハッピーはかなり息が切れている。これ以上飛ぶのは無理そうだ。

グラン♪「キミ達、R団のポケモンだね」
ハッピー「・・・あい・・・。」
H.イコマ「!?何故それを・・・女王の仲間ですか!?」
グラン♪「そうだ・・・、だけど今はキミ達と戦うどころじゃないのさ」
H.イコマ「?、どうか致しましたか」
ナギ女王が、私達R団のポケモンを皆根絶やしにしようとしているんだ!」
ハッピー「えええーっ!?」
H.イコマ「何と!?」
ももたろう「ところで、コイツどうしてバテてるんだ?」
H.イコマ「はい、実はロンシャン様へ、近況報告に向かう予定だったのですが・・・私はテレポートするほどの体力が残っておらず、彼が引き受けてくれたのですが・・・」
ハッピー「・・・向かい風が強くて・・・オイラこれ以上ムリ」
H.イコマ「・・・で、ここで休んでいたというわけです」
かぐら「それじゃヘタレへの報告ができないネ!手遅れになったらどうするつもりアル!」
グラン♪「彼らも連れて行くべきだな・・・だが、ボクらの中でネイティオチルタリスを運べるほどパワーのあるポケモンはいない・・・このままでは」

イスズガワの側近「おや、皆さんで一体どうなさいましたか」

イスズガワと共に山頂に向かっていたイスズガワの側近が、突如テレポートで目の前に現れた。イスズガワはいないようだ。

ナギ「・・・お前誰だ」
H.イコマイスズガワ様の側近ですよ・・・。」
ナギ「何ー!?」
H.イコマ「あなたこそどうなさいました?」
イスズガワの側近「イスズガワ様のご命令です。山頂付近に達したところで『これ以上は危険だ、お前は山を下れ』とそれだけ・・・」
グラン♪「・・・流石は上位神官イスズガワだ・・・やはりイコマ山山頂付近の異変に気付いたようだね」
イスズガワの側近「あなたは?・・・R団のメンバーではないようですが」
ナギ「コイツは女王の仲間だ。だが、訳あって奴を止めに行くらしい」
イスズガワの側近「訳?」
グラン♪はるか♪様がキミ達R団を1匹残らず葬ろうとしているのさ。自分の怒りと憎しみのままに・・・」
イスズガワの側近「何!?」
ナギ「そういえば、さっき聞きそびれたが、ヘリのローター音と女王の計画は何か関係があるのか?」
グラン♪「大有りさ・・・。彼女はR団を葬り去るために、極秘裏にヒューイを整備していたんだ」
ルイズヒューイ?」
ももたろう「何だそりゃ?」
ハッピー「どっかの宇宙人?」
グラン♪「・・・。本物の、戦闘ヘリだ!!」
ナギ「戦闘ヘリだと!?」
グラン♪「しかも、そのヘリにはR団を滅ぼすための兵器が満載されているらしい・・・!」
かぐら「ポケモン相手に軍用兵器とか、女王は絶対頭おかしいアル!」
イスズガワの側近「そ、そんな兵器に狙われては流石のイスズガワ様もひとたまりもない・・・!!」
グラン♪「おっと、無駄な話をしている場合じゃない・・・!早く山頂へ行かなければ、はるか♪様の手で要らぬ犠牲者が増えるかもしれない!」
H.イコマ「ですが、どうすれば・・・」
グラン♪「そこのフーディン、キミのテレポート限界は何匹だい!?」
イスズガワの側近「え・・・私含め7匹です」
グラン♪「つまり実質6匹か・・・サンダース・・・パチリス・・・チャーレム・・・イーブイ・・・ネイティオ・・・バシャーモ・・・そしてチルタリス。ダメだ、ボクを除いても1匹運べない!」
ナギ「だったら・・・オイ、テレポートするまでもない軽いももたろうが走れ!!」
ももたろう「ヤだよ、ボクだってもうバテバテだよ!」
ルイズ「アンタが走ればいいじゃない!」
ナギ「何ー!?だったらお前が走れ!」
ルイズ「イヤに決まってるでしょ!」
かぐら「私もこんな山道走るなんて断固お断りアル!」
H.イコマ「ちょ、ケンカしてる場合では・・・」
ハッピー「H.イコマがテレポートできれば即解決なのにね」
H.イコマ「め、面目ない・・・」
ニシノミヤ「・・・・」
グラン♪「そんなくだらないことで内輪揉めしている場合かい!?自分達の組織滅亡の危機というのに、緊張感が無い奴らだ・・・。ん?」

グラン♪はふと上空を見上げた。見ると、Free♪が引き返してくるではないか。グラン♪Free♪を使って漏れた連中を連れさせ、一気に同時に山頂へ向かうことを思いついた。

グラン♪「そうだ・・・。今すぐ、山頂へボクを除いた限界数のポケモンを連れてテレポートしてくれ!」
イスズガワの側近「へ?一体何故?」
グラン♪「いいことを思いついた・・・。どのポケモンを運ぶかはキミに任せる」
イスズガワの側近「は、はぁ・・・。」
グラン♪「どのポケモンがテレポートされるかは任せた。自分がテレポートされなくても、恨みっこは無しだ」
ナギ「オイ、何を思いついたんだ!?私にも教えろ!」
ルイズ「怪しいわ・・・!」
グラン♪「(・・・一体何されると考えているんだ?)早くしてくれ!!」
イスズガワの側近「はっ、はい!イコマ山山頂付近へ!!!」

グラン♪が一喝すると、イスズガワの側近はイコマ山の山頂へとテレポートしていった。そして、ナギが1匹残された。

ナギ「え・・・うええー!?」
グラン♪「(一番扱いにくい、厄介な奴が残ってしまったか・・・)仕方ない、少し我慢してくれ!」
ナギ「オイ、何をする!!どこへ私を誘拐するつもりだー!!!」

グラン♪は上空へと急上昇していく。そして、上空を飛行するFree♪の目の前へと現れた。

グラン♪Free♪だな?」
ナギ「(Free♪・・・?)」
Free♪「!?・・・貴様何者だ!R団の新たな幹部か!?」
グラン♪「違う・・・ボクははるか♪様に忠誠を誓う者だ」
ナギ「(明らかに女王の仲間の癖に、仲間の名を知らない?どういうことだ!?)」
Free♪「私は急いでいるのだ。イコマ山の山頂へ急がねばならぬ、貴様らの話を聞いている暇は無い!」
グラン♪「そうか・・・ならば話は早い。ボクらも連れて行ってもらおう」
Free♪「何だと?」
グラン♪「・・・はるか♪様の所へ向かうつもりだろう?それくらいわかるさ」
Free♪「・・・了解した・・・」
ナギ「何だ何だ、私にはさっぱり事が飲み込めないぞ!」
Free♪「(女王様・・・あなたは怒りと憎しみのままに、道を少し踏み誤ったようだ・・・!)」
グラン♪「「(自分の怒りと憎しみのままに、むやみに他のポケモンを傷つけてはいけない・・・!ボクが・・・いや、ボクらが必ず、あなたを正しい道へと引き戻します!)」

利害が一致したグラン♪ナギFree♪は一路イコマ山の山頂へ向かう。いよいよ主役が出揃い、最終決戦の舞台イコマ山山頂へ。

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最終更新:2009年11月12日 19:02