++雪の魔女++

むう♪ 「ゆきちゃん。ボクは君を助けることはできない。だから、君が救われるまでそばにいるよ。」
??? 「むう♪よ。」
むう♪ 「あ。カイ♪。」
カイ♪(カイリュー) 「お前が、その子を助け出すことはできないぞ。」
むう♪ 「うん。わかってる。」
カイ♪ 「だとすれば、なぜお前は、その子のそばを離れない?」
むう♪ 「それは、ボクが選んだことだから。だから、ボクは、ゆきちゃんが救われるまでそばにいる。」
カイ♪ 「それが俺にはわからない。お前が、ここに居続けることは、その子を『救う者』と戦うこととなるのではないのか?そうすると、お前は『救う者』を倒してしまうこともあるのではないか?」
むう♪ 「そうだけど・・・。でも違う。」
カイ♪ 「それは、どういいうことなのだ?」 
むう♪ 「ボクと戦って、ボクを倒せない者は、ゆきちゃんを救うことはできないんだよ。」
カイ♪ 「ふむ。つまり、お前は、その子を『救う者』以外の敵から守っているということなのか?」
むう♪ 「そうかも知れないけど、多分違う。」
カイ♪ 「そうなのか。俺が理解できる理ではなさそうだ。」
むう♪ 「カイ♪は、どうしてボクたちのそばにいるの?」
カイ♪ 「俺は、お前に興味がある。」
むう♪ 「それだけの理由なの?」
カイ♪ 「ふむ。確かにそれだけの理由で俺がここに留まる理由はない。」
むう♪ 「それじゃあ、他にどんな理由でここにいるの?」
カイ♪ 「それがわからない。」
むう♪ 「クス。カイ♪って変なドラゴンだね。」
カイ♪ 「ふむ。」
むう♪ 「でも、ありがとう。カイ♪。」
カイ♪ 「ありがとう?なぜ礼を言うのだ?」
むう♪ 「君がいてくれたお陰でボクはさみしくなかったよ。」
カイ♪ 「俺は何もしていない。ただお前に興味があってここにいるだけだ。」
むう♪ 「そうだね。ボクたちが勝手にカイ♪の住みかにやってきて、呪縛されているだけだったよね。」
カイ♪ 「ふむ。」
むう♪ 「ふむ。」
カイ♪ 「?」
むう♪ 「物真似だよ。カイ♪って『ふむ。』って言うの癖だよね。」
カイ♪ 「ふむ。」
むう♪ 「ほらまた言ったよ。クスクス。」
カイ♪ 「それは、可笑しいことなのか?」
むう♪ 「可笑しいよ。クスクス。・・・ごめん笑って。」
カイ♪ 「ふむ。」
むう♪ 「ありがとう・・・。カイ♪。ボクのこと分かってくれるのは君だけだよ・・・。」
カイ♪ 「ふむ。」
むう♪ 「ボク眠くなってきたな・・・。少し寝かせて・・・。」
カイ♪ 「いやダメなようだ。むう♪よ。起きよ。敵が来た。」
むう♪ 「ほんの短い時間も寝させてもらえないんだね。これも氷の女王の呪縛なのかな。」
カイ♪ 「敵は、魔法剣士とお前と同じ夢魔だ。」
むう♪ 「あの魔法剣士のカルマがボクには見える。あれだけの業を背負った者。『救う者』かもしれない。」
カイ♪ 「戦うのか?」
むう♪ 「もちろんだよ。」
カイ♪ 「来る。素早いぞ。あの者。」
むう♪ 「まずは、催眠術にかけるつもりだね。ボク夢魔なのに。眠らせてくれるのかな?」
敵の魔法剣士は、催眠術を使った。
敵の魔法剣士の催眠術は外れた。
カイ♪ 「ふむ。取り敢えずは外れたな。」
むう♪ 「眠りたかったのにな・・・。じゃあ、それ、お返しするね。物真似。」
むう♪は、敵の魔法剣士の催眠術をものまねした。
敵の魔法剣士に当った。
敵の魔法剣士は、ぐうぐう眠っている。
カイ♪ 「ふむ。当ったな。」
むう♪ 「いいなあ。ボクも眠りたかったよ。」
カイ♪ 「む?何だ敵の夢魔が持っているギヤマンの笛は?」
敵の夢魔は、青いビードロを使った。
敵の魔法剣士は目を覚ました。
むう♪ 「やるね。さすがは眠りを操り、弄ぶ夢魔だね。」
カイ♪ 「俺は、どうすればよいか?」
むう♪ 「そうだね。得意のコールドブレスでも見舞ってあげれば?」
カイ♪ 「わかった。」
カイ♪は、雄叫びと共に冷凍ビームを吹きかけた。
敵の魔法剣士の身代わり。
敵の魔法剣士の身代わりは破壊された。
むう♪ 「何かインチキ臭いけど、まあいっか。」
カイ♪ 「次の攻撃が来るぞ。」
むう♪ 「あれは?シャドーボール?」
カイ♪ 「お前が狙われているぞ。避けよ。」
むう♪ 「いや、無理だね。ボクにアレは受けきれないよ。」
カイ♪ 「おい!」
むう♪ 「敵に容赦のないこの攻撃、ひょっとすると、あの魔法剣士は、本当に『救う者』かもしれない。」
カイ♪ 「おい!」
むう♪ 「ボクは、やっと消え去ることができるよ。もういいよ。カイ♪は、逃げて。」
敵の魔法剣士のシャドーボールが、むう♪に当った。
むう♪ 「カイ♪。さようなら。・・・今までありがとう・・・。」
むう♪は、雲散霧消するが如く消え去った。
カイ♪ 「貴様らーーー!!我が友をよくもーーーー!!!!」
カイ♪は、咆吼しながら、敵に向かって突っ込んでいく。
敵の夢魔は、道連れを使った。
カイ♪は、敵の夢魔にドラゴンダイブを見舞った。
敵の夢魔は、倒れた。
敵の夢魔は、カイ♪を道連れにした。
敵の魔法剣士だけが残った。
敵のパーティーが勝った。


(2009.9.12)

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最終更新:2009年09月14日 20:18