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吾輩は猫である。名前はまだない。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー鳴いていたことだけは記憶している。
吾輩はそこで初めて人間というものを見た。
しかも後で聞くと、それは涼宮ハルヒという人間中で一番獰猛な人間であったそうだ。
しかし、吾輩が拾われてきた家で獰猛なのは涼宮ハルヒだけではなかったのだ。


その家には涼宮ハルヒの他に惣流アスカラングレーと翠星石という人間がいて、
翠星石はいつも同じ服を着ていて人間にしては身体そのものがかなり小さく、吾輩とそう変わらない。
だがアスカも翠星石も中身はハルヒと違わず凶暴であった。

この3人は、他に誰かがいると必ず吾輩の事を『ねこ』と呼ぶ。
足蹴にされたり肉球を触られたりエサをなかなか食べさせてもらえなかったり、吾輩はかなりストレスをためているのだ。
だが一転、他に誰もいない状況になると吾輩はねこちゃんと呼ばれ、
猫に言ってどうするんだという相談を吾輩に持ちかけるのだ。


「ねえねこちゃん、本当にキョンってバカなのよ。みくるちゃんに対する態度と私に対する態度が逆なのよ。
 団長であるわたしにこそ、優しく接するべきだと思わない?」
文字通りの猫なで声で語りかけてくる涼宮ハルヒ。はっきり言って吾輩には意味がわからん。
ともかくキョンなる単語が数多く出てくることだけは確かなのだ。

「シンジのヘタレさには呆れちゃうわ。もうキスはしてんのよ?その時もアタシからしてやったし。
 こんないい女ほっといて3バカとつるんでるなんて、アイツには危機感ってもんがないのかしら?
 信じらんない、ねえねこちゃん?」
吾輩の背をなでながら呟く惣流アスカラングレー。シンジシンジばかり言っている。
吾輩から言わせれば、猫に悩みを打ち明ける事自体が信じられぬ。吾輩はニャーとしか言えぬのだから。

「最近真紅が調子に乗ってるです、ミーディアムとの絆の強さは私が一番だわ、なんて言ってやがります。
 チビ人間もチビ人間です、こっちから出向いてばっかりで、向こうからは全く会いに来ねえのです…
 ミーディアムの風上にも置けない、とんでもねえすけこましです。ねこちゃん何とかしてくれです」
猫じゃらしを上下に振りながら囁く翠星石。吾輩は翠星石自身も相当のチビ人間だと思うのだが、
その翠星石がチビだと言うのだから、もっと小さい人間がいるのであろう。世界は広い。


結局その冷水とぬるま湯を交互にかけられるような生活に吾輩は疲れ果て、逃げ出した。
しかし数日もすると、あの日々が実にユカイであった事に気づいた。しかしもう遅い。
今どこにいるのかさえ、わからないのだから。次第に感じる孤独という寒さ。
吾輩はここで似たような雰囲気の女と出会った。
「あら、あなたも1人なのね…いらっしゃい」


吾輩は猫である。名前はゲンちゃんに決まった。

おわり

ちなみに俺は犬に愚痴を言っては泣いている