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ベッドのシーツを換え終わり、コーヒーを煎れようと台所に入るアスカ。

ふらっ
翠星石「どうしよう…ハル姉が…」
アスカ「?どうしたの、ってどこ行くのよ翠っ?」
出入り口で翠星石とすれ違う。
しかし視線は交差しない。
ハルヒが居るであろうリビングの方向を流し見た後、
すれ違った場所に振り返るが
そこにはもう翠星石の姿はない。

アスカ「ん。」
ハルヒ「あら、ありがとうアスカさん」
リビングにハルヒの気配があったので、
インスタントのポタージュスープを2人分作った。
が、ハルヒの前にカップを差し出した瞬間
アスカの表情が固まる。
アスカ「(ハ、ハル姉が編み物!?なんで?
というより今、アスカさんって…)」

アスカ「(マズいわ…何が起きてんのよ)」

ルリ「夢の中に入って調べるよりも、
やはり直接聞いてみたほうが…」
隣の家のリビング。
翠星石は日頃からよくスコーンを手に出入りしている。
しかし今日の彼女は大きな鞄を抱え、何か思いつめた様子。
ルリは内心驚き、いつものような“お喋り”を
始められずにいた。

会話を始めたのは翠星石からである。
翠星石「あんな普通じゃないハル姉相手に、
正面から質問するなんてできねーですぅ」
レイ「あなたは解ろうとしたの?」
翠星石「えっ?」
ルリ「レイ姉?」
レイ「………」
すたすたすた
気配も無く現れ、意味不明な言葉を残して
去っていくこの家の長女。
翠星石・ルリ「???」
有希「セリフの使い所を間違えた」
翠星石「えっ?」
ルリ「有希姉?」
有希「………」
すたすたすた
気配も無く現れ、意味不明な言葉を残して
去っていくこの家の次女。
翠星石「ちょっ
涼子「長門さんも私もこの件については関与しないわ。
涼宮さんが起こす事象をただ観察するだけ。
というより、人の話は最後まで聞くべきだと思うの」
すたすたすた
翠星石「(あのツンデレ人間の存在を忘れていたです)」
何かを思い出した翠星石は、
気配も無く現れた朝倉とルリと鞄を部屋に残して外へ出ていった。

古泉「我々ならその原因を知っていると思ったわけですね?」
アスカ「そう。何かがあったからあんなことになってるんでしょ?」
古泉「興味深い話ですが、涼宮さんに編み物をさせるような
出来事に覚えはありませんし、その涼宮さんの心境によって
起こる現象も現時点では確認されていません」
アスカ「現時点では、ね…」
古泉「ええ。彼女をよく知る貴女までもが動揺するほどの
“彼女の平穏”。…誰もが嵐の前の静けさを連想するでしょう」
アスカ「他人事のような言い方ね」
古泉「ヤケになる直前と言ってもいいでしょう」

古泉から聞き出すことがなくなったアスカはそこで会話を終わらせ、
その場にいたもう一人の少年に話しかける。
アスカ「………で、アンタは何でここにいるわけ?」
シンジ「え?僕?イツキさんとはよくここで一緒にお茶飲んでるけど」
アスカ「………二人で?」
シンジ「うん」
アスカ「………」

キョン「百歩譲って俺がツンデレとかいうやつだとして。
なんで俺が異変の原因になるんだ?
(…ハルヒに何があったんだ?)」
翠星石「ハル姉が時々ポニーテールにしてる原因が
おめーにあるのはわかってるです」
キョン「???」
翠星石「でも今回はずっとポニーテールのまま。
それどころか編み物を始め、
言動までお淑やかな感じになって………」
キョン「おい」
翠星石「きっと相当ヒドいことをされたショックで………
うっ………ぅえええぇぇええええん」
キョン「(マジ泣きかよ!?)ちょっと待ってくれ、意味がわから
アスカ「翠に何したの」
キョン「なっ!?」

ハルヒのクラスメート、そしてSOS団の一員である少年の家の玄関先。
二人目の少女の登場により、完全にアウェイ状態に陥る。
アスカ「翠星石から離れて。ハル姉だけじゃなく翠まで…
アンタ殺すわよ?」
キョン「殺っ、待ってくれ、誤解だ」
朝倉「死ぬのは怖い?」
翠星石「ぇえええええええん」
キョン「(ここでなぜ朝倉!?………長門っ…)」

すっ

レイ「彼は何もしていない」

三姉妹の家のリビング。
鞄をバスバスと叩きながら怒りを露わにしているのは翠星石。
翠星石「くだらねーですぅ」
ハルヒ「………」
アスカ「これ以上、どんな変化を求めてるわけ、ハル姉?」
ハルヒ「………」
古泉とシンジの間に座り、コーヒーにため息を落とすアスカ。
ルリ「皆さん、それぐらいにしておいたほうが…
取り返しのつかない事が起こったわけではないですし」
キョン「(綾波レイの証言が無ければ俺は
取り返しのつかない感じになっていたんだがな。
まさか世界がこんなに脆いものだったとは…)」


常に変化を欲しているハルヒに対し、
レイが助言を与えたのが事の発端だった。
“いつもと違う自分になりきってみれば、
面白い事が向こうからやってくるのでは?”
という内容である。
無口姉妹のミステリアスな長女が、
シリアスモードで真面目に。


レイ「変化を求めるのは悪いことではないわ」
ルリ「レイ姉は少し黙っていてください」
アスカ「とりあえず」
キョン「みんなに一言謝ったらどうだ?ハルヒ」
ハルヒがガクガクと顔を上げる。
ハルヒ「す、すみません皆さん。ち、ちょっと状況がわからないのですが…ほ、本当に申し訳ありません」

レイ「………」
翠星石「(もっ、
全員「(戻ってねーじゃん!?)」

物陰で…
サブロウタ「(つーかここまできて演技を続ける意味は!?)」
ゲンドウ「(でもイイ!!)」

普段と違う自分になりきってみた。
しかし、妹たちにすら軽くスルーされ、
編み物も行き詰まってしまったのでやめた。
で、特にやることがなかったのでSOS団に召集をかけた。

ハルヒ「(ヤバいわね…)」

電話の向こうでSOS団のメンバー全員が
ハルヒと初対面のリアクションを取った。
自分一人が笑いのネタにされてると思い、
怒りながらすぐ各員に直接急襲をかけてみたが、
それぞれの戸惑い方は本物のそれだった。

ハルヒ「(マジで…)」

どの時点からこうなっていたのか気付かなかった。
次は妹たちや隣の三姉妹に直接会って確かめてみるしかない。

ハルヒ「(メチャクチャ面白いじゃないコレっ!)」